2025年のケイン・コスギによる復活で話題になったリポビタンDだが、2026年にはさらに新しい広告展開が始まっている。
注目すべきなのは、昔ながらの「ファイト一発」という冒険型CMだけに依存せず、働く人やスポーツに挑む人など、さまざまな生活者に向けた広告へと広がっていることだ。
2026年1月に新ブランドプロモーション「リポビタンDays」が始動大正製薬は2026年1月、新しいブランドプロモーションとして「リポビタンDays」を開始した。
その背景には、働き方やキャリア観、若い世代の頑張り方が変化していることがある。
従来の「努力・友情・勝利」という世界観を受け継ぎながら、無理に頑張ることだけを称賛するのではなく、日々の努力や自分なりの挑戦を応援する方向へとメッセージを再解釈している。
2026年4月14日:吉沢亮が新CMキャラクターに就任2026年4月14日から全国放送
新CM「僕のリポビタンDays(登場)」篇に出演。建築デザイナー役として、仕事に向き合う人物を演じる。
2026年4月14日から放送された新CMのキャラクターには、俳優の吉沢亮が起用された。
CMの中で吉沢が演じるのは、不器用ながらも一生懸命に仕事と向き合う建築デザイナー。
印象的なのは、「頑張ったっていいだろ!!」というメッセージだ。
頑張りすぎなくてもよいという価値観が広がる時代に、それでも自分の目標に向かって努力する人を肯定する内容になっている。
15秒版と30秒版が制作され、メイキングやインタビュー映像も公開された。
2026年10月1日:女性アスリート篇が全国放送2026年9月30日、大正製薬は新TV-CM「リポビタンDays×女性アスリート」篇を発表。翌10月1日から全国で放送を開始した。
このCMでは、女性アスリートたちが夢に向かって挑戦する日々を描いている。
大舞台で輝く姿だけでなく、そこに至るまでの地道な努力や諦めない姿勢に焦点を当てている点が特徴だ。
男性俳優の肉体的な挑戦を中心に描いてきた昔のCMと比較すると、広告の対象となる人物像が広がっていることが分かる。
ラグビー日本代表出演の「超えていけ2026」篇も展開2026年のリポビタンDには、ラグビー日本代表が出演する「超えていけ2026」篇もある。
大正製薬の公式CMギャラリーでは、15秒版と30秒版が紹介されている。
ラグビーという競技が持つチームワーク、激しさ、挑戦する姿勢は、1977年に始まった二人組CMの世界観とも通じるものがある。
また、CMギャラリーでは松山英樹選手の出演作品なども掲載されており、スポーツを通じて挑戦する人を応援する広告展開が続いている。
2026年のCM出演者と広告の方向性| 時期 | 出演者・題材 | 広告のテーマ |
|---|---|---|
| 2025年5月 | ケイン・コスギ | ファイト一発・崖CM復活 |
| 2026年4月 | 吉沢亮 | 仕事への努力と挑戦 |
| 2026年 | ラグビー日本代表 | チームで世界に挑む |
| 2026年10月 | 女性アスリート | 日々の努力と夢への挑戦 |
2026年11月現在、リポビタンDの広告は一人の固定キャラクターだけで展開されているわけではない。
ケインの復活CMが過去の伝統を象徴する一方、吉沢亮や女性アスリートのCMは新しいブランドメッセージを担っている。
この二つの方向性が共存していることが、現在のリポビタンD広告の大きな特徴だ。
【プロの結論】ファイト一発CMが60年以上愛される本当の理由

リポビタンDのCMの歴史を振り返ると、長寿広告を成立させる三つの条件が見えてくる。
第一に、変わらないブランドの核があること。
1962年の発売から一貫しているのは、疲れたときや頑張りたいときに寄り添うという商品イメージだ。出演者や撮影場所が変わっても、この軸は維持されている。
第二に、時代に合わせて表現を変えていること。
1977年からの二人組による危機克服型CMは、当時のテレビ広告として強烈な個性を持っていた。
その後はスポーツ選手による夢への挑戦、2016年以降の「Have a Dream」、2025年のケイン復活、2026年の「リポビタンDays」と、時代ごとに伝え方を変えている。
第三に、出演者自身がブランドの記憶をつくっていること。
王貞治には野球とホームランのイメージ、勝野洋や渡辺裕之にはアクションと友情、ケイン・コスギには身体能力と「ファイト イッパーツ!」の掛け声が結び付いている。
こうした出演者とブランドの結び付きが、単なる商品広告を超えた記憶を生み出してきた。
リポビタンDのCMを振り返るときの注目ポイント昔のCMを探したり、歴代出演者を調べたりする場合は、次の区別を押さえておくと理解しやすい。
- 王貞治の時代を見たい人: 1960年代の野球選手を中心としたCMに注目。
- ファイト一発の原点を知りたい人: 1977年の勝野洋・宮内淳コンビから見る。
- 崖や激流の迫力を楽しみたい人: 1980~2000年代のアクションシリーズがおすすめ。
- ケインの出演歴を追いたい人: 1999年の宍戸開とのコンビから2015年、2025年の復活までを比較する。
- 現在のブランド戦略を知りたい人: 2026年の「リポビタンDays」やスポーツ応援CMを見る。
特に注意したいのは、リポビタンDの広告すべてが「ファイト一発」シリーズというわけではない点だ。商品ブランドの広告と、1977年から続く象徴的なCMシリーズを分けて考えると、歴代出演者や現在のCM展開を整理しやすい。
ファイト一発CMに関するよくある質問(FAQ)
Q1:リポビタンDのファイト一発CMはいつから始まった?
A1:現在知られる「ファイト・一発!」をキャッチフレーズにしたシリーズは1977年に始まった。初代の二人組は勝野洋と宮内淳。商品自体は1962年発売で、テレビCMも同年に始まっている。
Q2:リポビタンDの初代CM出演者は誰?
A2:初代出演者は、当時の読売ジャイアンツに所属していた野球選手のエンディ宮本(宮本敏雄)。1963年には王貞治が2代目として起用され、約10年間出演した。
Q3:ファイト一発のキャッチコピーが生まれた理由は?
A3:1977年に登場したフレーズ。それ以前は「ファイトを飲もう!」「ファイトで行こう!」などが使用されていた。王貞治のホームランと「一発」を掛け合わせたコピーが背景にあった可能性を、大正製薬の担当者が取材で説明している。
Q4:ケイン・コスギの崖CMは2025年に復活した?
A4:復活した。2025年5月14日に大正製薬が新WebCMを公開し、同社は「ファイト イッパーツ!」の掛け声が11年ぶりに復活したと発表した。今回は自然の崖ではなく、仕事上の危機を崖に見立てた内容になっている。
Q5:リポビタンDのCMはどこで撮影されている?
A5:アメリカ、タイ、オーストラリアなどの海外ロケ地が知られている。2004年の丸太梯子篇はタイで撮影された。作品ごとに企画に適した場所が選ばれている。
Q6:2026年現在のリポビタンDのCM出演者は誰?
A6:2026年は吉沢亮が「リポビタンDays」のCMキャラクターに起用されたほか、女性アスリート篇やラグビー日本代表出演のCMも展開されている。2025年にはケイン・コスギの崖CMも復活している。
リポビタンDのCMは、1962年の発売と同時に始まり、宮本敏雄、王貞治、宝田明、高橋英樹らを経て、1977年に勝野洋・宮内淳による「ファイト・一発!」シリーズへと発展した。
その後、渡辺裕之、宍戸開、ケイン・コスギなど、多くの出演者がブランドの歴史を彩ってきた。特にケインは1999年から長く出演し、2025年5月には象徴的な掛け声と崖CMの復活を実現させた。
そして2026年は、吉沢亮、女性アスリート、ラグビー日本代表などを起用し、日常の努力や多様な挑戦を応援する広告へと展開している。
60年以上続くリポビタンDの広告が教えてくれるのは、長く愛されるブランドには、守るべき伝統と変えるべき表現の両方が必要だということだ。
1977年の「ファイト・一発!」から2025年のケイン復活、そして2026年の新しいCMへ。これからも時代ごとに異なる挑戦者たちが、リポビタンDの広告の歴史をつくっていく。