最初に、大会全体の放送体制を整理しておきたい。
2026年大会は、現地時間6月11日から7月19日まで、アメリカ・カナダ・メキシコの3カ国で開催された。出場国は従来の32カ国から48カ国に増え、試合数も過去最大の104試合となった。日本時間では6月12日に開幕し、決勝は7月20日未明に行われた。
放送権の構造で特徴的だったのは、地上波テレビ局が注目カードを分担する一方、DAZNが全試合のライブ配信を担ったことだ。つまり、テレビ放送とネット配信では、視聴できる試合の範囲が明確に異なっていた。
地上波だけで全104試合を見ることはできた?答えは、できなかった。
NHK総合、日本テレビ系列、フジテレビ系列が放送したのは、それぞれが担当する一部の試合だった。地上波で日本代表戦や決勝などの注目カードを視聴できても、全104試合をリアルタイムで追うにはDAZNが必要だった。
一方、衛星放送にはNHK BSとNHK BSプレミアム4Kがあり、NHK BSプレミアム4Kは全104試合をカバーしていた。ただし、すべてが生中継ではなく、録画放送も含まれていた点が大切だ。
各放送局・配信サービスの担当範囲| 放送局・サービス | 担当試合数・放送内容 | 視聴上の特徴 |
|---|---|---|
| NHK総合 | 地上波34試合 | 日本戦、開幕戦、決勝などを中継 |
| NHK BS | 日本対チュニジアなど | 日本代表戦を衛星放送で中継 |
| NHK BSプレミアム4K | 全104試合 | 生中継と録画放送 |
| 日本テレビ系列 | 15試合 | 日本対チュニジアを含む |
| フジテレビ系列 | 10試合 | グループステージ・決勝トーナメントを担当 |
| DAZN | 全104試合 | 唯一の全試合ライブ配信サービス |
※NHK総合の34試合は、1次リーグ19試合と決勝トーナメント15試合。各局の担当試合には大会内で重複するカードがあるため、単純合算はできない。
この分担は各社の公式発表と日本サッカー協会(JFA)の放送予定に基づくものだ。
【日本代表戦の放送日程】オランダ・チュニジア・スウェーデン戦はどこで見られた?

日本代表のグループFの試合は、3試合ともテレビ放送とDAZNで視聴できる体制だった。ただし、担当局は同じではない。
日本サッカー協会が公開した公式放送一覧では、次のように整理されている。
日本対オランダ|6月15日(月)午前5時
放送局:NHK総合
ネット配信:DAZN
グループF第1節。日本時間の午前5時キックオフで、NHK総合が地上波生中継を担当した。
民放での生中継ではなく、NHK総合が中心となるカードだった。NHK ONEでも地上波放送と同時に配信された。
日本対チュニジア|6月21日(日)午後1時
放送局:日本テレビ系列・NHK BS
ネット配信:DAZN
グループF第2節。日本テレビ系列の放送時間は午前10時25分から午後4時まで。キックオフは午後1時だった。
この試合は、3試合の中で特に放送局の違いに注意したいカードだ。
NHK総合ではなく、日本テレビ系列とNHK BSがテレビ中継を担当した。NHKの地上波で日本代表の試合を探しても見つからなかった理由は、この放送局の振り分けにある。
日本対スウェーデン|6月26日(金)午前8時
放送局:NHK総合
ネット配信:DAZN
グループF第3節。NHK総合が地上波生中継を担当し、DAZNでもライブ配信された。
日本代表のグループステージ最終戦は、再びNHK総合で視聴できる試合だった。
日本代表3試合の放送局早見表| 試合 | 日本時間のキックオフ | テレビ放送 | ネット配信 |
|---|---|---|---|
| 日本対オランダ | 6月15日 5:00 | NHK総合 | DAZN |
| 日本対チュニジア | 6月21日 13:00 | 日本テレビ・NHK BS | DAZN |
| 日本対スウェーデン | 6月26日 8:00 | NHK総合 | DAZN |
なお、上記の時刻はキックオフ時刻であり、テレビ番組の放送開始時刻とは異なる場合がある。特に日本対チュニジア戦は、日本テレビ系列の番組開始が10時25分だった。
【NHK BS・NHK BSプレミアム4K】全104試合をテレビで見られた?
地上波以外のテレビ視聴方法として注目されたのが、NHK BSとNHK BSプレミアム4Kだ。
両者は同じ衛星放送でも役割が異なる。
NHK BSは日本代表戦を中心にカバーNHK BSは、グループステージの日本対チュニジア戦を中継した。また、日本代表が決勝トーナメントへ進出した場合のラウンド32の試合も放送対象に含まれていた。
そのため、NHK総合で放送されない日本代表戦をテレビで見たい人にとって、NHK BSは重要な選択肢だった。
NHK BSプレミアム4Kは全104試合を放送NHKが2026年6月8日に発表した大会放送計画では、NHK BSプレミアム4K(BSP4K)について、全104試合を生中継と録画放送で届けると説明していた。
ここで間違えやすいのが「全104試合放送」と「全104試合生中継」の違いだ。
- 全104試合を放送:BSP4K
- 全104試合をライブ配信:DAZN
- NHK総合の対象34試合を同時・見逃し配信:NHK ONE
つまり、BSP4Kなら大会全試合をテレビ放送で追えるものの、試合によっては録画放送となる。リアルタイム観戦を優先する場合はDAZNとの違いを理解しておく必要があった。
【DAZN・NHK ONE】無料視聴と見逃し配信の範囲を解説
テレビ以外で大会を楽しむ方法として、DAZNとNHK ONEが用意されていた。
ただし、両サービスは配信対象が異なる。日本代表戦を無料で見たい人と、全試合を見逃さずに追いたい人では、選ぶサービスも変わる。
DAZNは全104試合をライブ配信DAZNは日本国内における全104試合の配信権を取得し、全試合を日本語実況・解説付きでライブ配信した。
特筆すべきなのは、全試合を有料にしたわけではないことだ。
DAZNが発表した無料配信対象は次のとおり。
- 日本代表戦の全試合
- 準決勝2試合
- 3位決定戦
- 決勝
したがって、日本代表戦だけを見たい人は、全104試合を視聴できる有料プランに加入しなくても、無料配信を利用できた。
一方、イングランドやブラジル、アルゼンチンなど、他国のグループステージを含めて全試合を見たい場合は、対象となる有料視聴プランが必要だった。
DAZNの公式視聴案内では、スタンダードプランが全104試合の視聴対象とされ、ベースボールプランは別途ワールドカップ追加オプションが必要と案内されていた。
DAZNの見逃し配信は全104試合が対象海外開催だった今大会では、日本時間の早朝や午前中にキックオフする試合も多かった。
リアルタイムで視聴できない人にとって、見逃し配信は重要な機能だった。
DAZNの公式ヘルプによると、ワールドカップ視聴対象者は以下のコンテンツを利用できた。
- 全104試合のフルリプレイ
- 試合の拡張ハイライト
- 日本語実況・専門家による解説
- HDR画質でのストリーミング
ただし、全試合の見逃し配信はダウンロードしてオフラインで再生する形式には対応していなかった。
つまり、後から試合を見直すことはできても、インターネット接続なしで視聴することはできなかった。
NHK ONEはNHK総合の放送をネットでも視聴できるサービスNHK ONEは、NHKのインターネット配信サービスだ。
今大会では、NHK地上波で放送する34試合と大会期間中のハイライト番組が同時配信・見逃し配信の対象となった。
NHKが公表した内容では、対象となるのは次の番組だ。
- 1次リーグの地上波中継19試合
- 決勝トーナメントの地上波中継15試合
- 大会期間中のデイリーハイライト
- 毎日の2分間ハイライト番組
注意したいのは、NHK ONEでは大会全104試合が配信されたわけではないという点だ。
NHK総合で放送する試合をネットでも見たい人には便利だが、日本テレビやフジテレビが担当する試合までNHK ONEで見られるわけではない。
また、NHKの受信契約が必要で、すでに世帯で契約している場合は追加の契約や負担は不要だった。
【よくある誤解を検証】地上波無料・BS・ネット配信の違い
FIFAワールドカップ2026の視聴方法では、似たような表現が使われたことで、視聴範囲を誤解しやすい部分もあった。
特に押さえておきたいのは、無料配信、全試合放送、全試合ライブ配信の3つを混同しないことだ。
誤解1:地上波で全104試合を無料視聴できた?これは誤りだ。
NHK、日本テレビ、フジテレビはそれぞれ担当する試合を放送したが、地上波で全104試合を網羅したわけではない。
地上波で視聴できた試合以外も含めてリアルタイムで追うには、DAZNが必要だった。
誤解2:NHK BSプレミアム4Kなら全試合を生中継で見られた?これも正確ではない。
NHK BSプレミアム4Kは全104試合を放送したが、生中継と録画放送の両方が含まれていた。
全試合をリアルタイムで見たい場合と、全試合をテレビ放送で視聴したい場合では、条件が異なっていた。
誤解3:DAZNの日本代表戦無料配信は全104試合無料という意味?違う。
無料対象は日本代表戦全試合、準決勝、3位決定戦、決勝などに限られていた。
それ以外の試合を含めて全104試合を見る場合は、対象となる有料プランなどが必要だった。
視聴目的別に考える放送サービスの選び方| 視聴したい内容 | 適したサービス |
|---|---|
| 日本代表戦を無料で見たい | DAZN・地上波・NHK BS |
| NHKの中継試合をスマホで見たい | NHK ONE |
| 地上波の注目試合をテレビで見たい | NHK総合・日本テレビ・フジテレビ |
| 大会全104試合をテレビで見たい | NHK BSプレミアム4K |
| 全104試合をリアルタイムで見たい | DAZN |
| 試合終了後に全試合を見直したい | DAZNの見逃し配信 |
テレビ中心で観戦したい人にはNHK総合、民放各局、NHK BSなどが選択肢となった。一方、日本代表以外の試合も含めて大会全体を追いたい人には、DAZNの全試合ライブ配信が対応していた。
【FIFAワールドカップ2026のテレビ放送】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:FIFAワールドカップ2026は地上波だけで全試合を見られた?
A1:見られなかった。NHK、日本テレビ系列、フジテレビ系列が一部の試合を生中継したが、全104試合のライブ配信を実施したのはDAZNだった。
Q2:日本対オランダ戦の放送局はどこだった?
A2:2026年6月15日(月)午前5時キックオフで、NHK総合とDAZNが中継・配信を担当した。
Q3:日本対チュニジア戦はどこで放送された?
A3:2026年6月21日(日)午後1時キックオフで、日本テレビ系列とNHK BSがテレビ中継を担当し、DAZNでも配信された。
Q4:日本対スウェーデン戦のテレビ放送はどこだった?
A4:2026年6月26日(金)午前8時キックオフで、NHK総合とDAZNが中継・配信した。
Q5:DAZNは日本代表戦を無料で見られた?
A5:見られた。日本代表戦の全試合が無料配信の対象だった。準決勝、3位決定戦、決勝も無料配信対象だった。ただし、大会全104試合が無料だったわけではない。
Q6:NHK ONEで全104試合を見逃し視聴できた?
A6:できなかった。NHK ONEの対象はNHK地上波の中継34試合と大会期間中のハイライト番組だった。DAZNは全104試合の見逃し配信に対応していた。
Q7:NHK BSプレミアム4Kは全104試合を生中継した?
A7:全104試合を放送したが、録画放送も含まれていた。全試合のライブ視聴に対応したのはDAZNだった。
FIFAワールドカップ2026の国内放送・配信体制を振り返ると、NHK、民放、衛星放送、インターネット配信がそれぞれ異なる役割を担っていた。
特に要点は次の5つだ。
1. NHK総合: 日本対オランダ、日本対スウェーデンなどを中継。
2. 日本テレビ系列: 日本対チュニジアを含む15試合を中継。
3. フジテレビ系列: 10試合を中継。
4. NHK BSプレミアム4K: 全104試合を生中継・録画で放送。
5. DAZN: 全104試合をライブ配信し、日本代表戦などを無料配信。
大会を通して見えてきたのは、テレビの無料放送だけで楽しめる試合と、ネット配信でなければ視聴できない試合が明確に分かれていたことだ。
日本代表の試合を中心に楽しむなら地上波やDAZNの無料配信でも対応できた。一方、世界各国の代表チームの戦いをすべてリアルタイムで追うなら、DAZNが必要だった。
今後の国際大会でも、放送局ごとの中継権、無料配信の対象、見逃し配信の範囲は大会ごとに異なる。視聴方法を調べる際には、単に「全試合放送」という表現を見るのではなく、生中継なのか録画なのか、無料なのか有料なのか、見逃し配信まで対応しているのかを確認することが大切だ。