行定勲の映画を調べる際に間違えやすいのが、「監督作品」と「企画・プロデュース作品」の区別です。
映画情報サイトでは、行定勲の名前が関連作品のスタッフ欄に掲載されていても、必ずしも本人が監督を担当しているわけではありません。
企画・プロデュースを担当した主な作品『ひとりぼっちじゃない』(2023年)
- 公開日:2023年3月10日
- 出演:井口理、馬場ふみか、河合優実
- 監督・脚本:伊藤ちひろ
- 行定勲の担当:企画・プロデュース
コミュニケーションが苦手な歯科医師と、謎めいた女性との恋愛を描いた作品です。行定勲は企画・プロデュースを担当し、監督は伊藤ちひろが務めています。
『サイド バイ サイド 隣にいる人』(2023年)
- 公開日:2023年4月14日
- 出演:坂口健太郎、齋藤飛鳥、市川実日子、浅香航大
- 監督・脚本:伊藤ちひろ
- 行定勲の担当:企画・プロデュース
他人の思いを感じ取る不思議な力を持つ青年を描いた作品です。
行定勲と伊藤ちひろの組み合わせは、『世界の中心で、愛をさけぶ』などでも知られています。ここでは行定勲が企画・プロデュースに回り、伊藤ちひろが監督・脚本を担う体制になっています。
『破壊の日』(2020年)
こちらは豊田利晃が企画・監督・脚本を担当した作品で、行定勲はエグゼクティブプロデューサーとして参加しています。監督作品として数えるのは適切ではありません。
監督・企画・プロデュースの違い| クレジット | 主な役割 | 行定勲の関連作品 |
|---|---|---|
| 監督 | 映像表現、演出、俳優の演技などを統括 | GO、楓 |
| 企画 | 作品の構想やプロジェクトの立ち上げ | ひとりぼっちじゃない |
| プロデュース | 制作体制や作品の実現を支える | サイド バイ サイド |
| エグゼクティブプロデューサー | 作品全体の上位の制作統括に関わる | 破壊の日 |
映画の監督を務めることと、企画・プロデュースを担当することは別の仕事です。
行定勲のキャリアを見る場合は、作品名だけでなく、エンドクレジットや公式作品情報の担当欄まで確認すると、実際の関わり方を正確に理解できます。
【最新作を深掘り】2025年公開『楓』はどんな映画?

2026年時点で、行定勲の公開済み長編劇場監督作として最も新しい作品が『楓』です。
スピッツの名曲から生まれたラブストーリー『楓』は、スピッツの楽曲「楓」を原案・主題歌とする映画です。
2025年12月19日に全国公開され、東映とアスミック・エースが配給を担当しました。
主なスタッフ・キャストは以下のとおりです。
- 監督:行定勲
- 脚本:髙橋泉
- 原案・主題歌:スピッツ「楓」
- 音楽:Yaffle
- 主演:福士蒼汰、福原遥
- 共演:宮沢氷魚、石井杏奈、宮近海斗、大塚寧々、加藤雅也
公式作品紹介によると、物語の中心にいるのは双子の兄弟、須永涼と須永恵、そして木下亜子です。
恵はニュージーランドでの事故によって亡くなります。残された涼は、ショックを受けた亜子に真実を伝えられず、亡くなった弟のふりをして生活を続けます。
やがて、涼自身も亜子に惹かれていき、二人の関係は複雑な方向へ進んでいきます。
『世界の中心で、愛をさけぶ』との共通点『楓』を行定勲の過去作品と比較する際、注目したいのが「大切な人を失うこと」と「残された人がどう生きるか」というテーマです。
『世界の中心で、愛をさけぶ』では、初恋と死別の記憶が物語の軸になっています。
一方、『楓』では、死別を経験した人物が、亡くなった人の存在を背負いながら新しい関係を築こうとします。
両作品は物語の設定こそ異なりますが、喪失した相手への思いや、残された人の心の変化を描く点で比較して見る価値があります。
『楓』は単にスピッツの楽曲を映画化した作品というだけではなく、音楽が持つ記憶や感情を映像作品へと展開した企画としても注目できます。
【よくある質問】行定勲の映画に関するFAQ
Q1:行定勲の代表作は何ですか?
A1:代表作として特に知られているのは『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』『ナラタージュ』『リバーズ・エッジ』『窮鼠はチーズの夢を見る』です。初期のキャリアを知るなら『GO』、恋愛映画を楽しむなら『世界の中心で、愛をさけぶ』がおすすめです。
Q2:行定勲の最新映画は何ですか?
A2:2026年時点で確認できる公開済みの最新長編監督作は、2025年12月19日公開の『楓』です。福士蒼汰と福原遥が主演し、スピッツの「楓」を原案・主題歌に採用しています。
Q3:行定勲は日本アカデミー賞を受賞していますか?
A3:はい。2002年の第25回日本アカデミー賞で『GO』により最優秀監督賞を受賞しています。また、『世界の中心で、愛をさけぶ』と『北の零年』では優秀監督賞を受賞しています。
Q4:『ひとりぼっちじゃない』や『サイド バイ サイド』も行定勲の監督作品ですか?
A4:いいえ。どちらも伊藤ちひろが監督を担当しています。行定勲は企画・プロデュースを担当しています。
Q5:行定勲の映画を初めて見るなら何がおすすめですか?
A5:最初の1本には『GO』がおすすめです。監督としての初期の代表的な成功作であり、青春、恋愛、社会問題をバランスよく楽しめます。恋愛映画が目的なら『世界の中心で、愛をさけぶ』から見るのもよい選択です。
行定勲は、『GO』で日本アカデミー賞最優秀監督賞を獲得し、『世界の中心で、愛をさけぶ』で大規模な興行的成功を収めた映画監督です。
その後も『ナラタージュ』『リバーズ・エッジ』『窮鼠はチーズの夢を見る』など、恋愛、青春、社会、人間の欲望を扱った作品を発表してきました。
2025年公開の『楓』では、スピッツの楽曲を原案に、喪失と愛情をめぐる物語に取り組んでいます。
作品選びで迷ったときは、次の基準を参考にしてください。
- 青春映画の原点を知りたいなら『GO』
- 王道の感動的な恋愛映画なら『世界の中心で、愛をさけぶ』
- 切ない大人の恋愛なら『ナラタージュ』
- 人間の孤独や社会の歪みを見たいなら『リバーズ・エッジ』
- 複雑な恋愛心理を味わいたいなら『窮鼠はチーズの夢を見る』
- 2025年以降の最新の監督作を見たいなら『楓』
【プロの結論】
行定勲の映画を理解するうえで大切なのは、単にヒット作を追うのではなく、作品ごとに変化する「人間の感情の描き方」に注目することです。
青春映画から文芸作品、社会派ドラマ、恋愛映画、アクションまで、ジャンルは変わっても、人と人との距離や、言葉にできない感情を映像で表現する姿勢には一貫性があります。
また、監督・脚本・企画・プロデュースというクレジットの違いを押さえれば、行定勲が映画制作のどの部分を担ってきたのかも、より正確に把握できます。
2026年に改めて作品を振り返るなら、『GO』から『楓』までを年代順に鑑賞し、日本映画の表現の変化と行定勲自身の作家性の広がりを比較してみるのも面白いでしょう。