映画『天と地と』の物語は、戦国時代の天文17年(1548年)から始まります。越後では、守護代・長尾晴景の弟である長尾景虎が、兄の政治を正すために挙兵。一方、甲斐では武田晴信が勢力を広げ、信濃方面への進出を進めていました。
長尾景虎から上杉謙信へ――主人公が抱える葛藤主人公の景虎は、戦場では冷徹な判断力と優れた軍略を見せる武将です。しかし、兄を討ったことへの後悔を抱え、単純に勝利だけを求める人物ではありません。
軍師・宇佐美定行は、そんな景虎の迷いを見抜き、戦乱の世に生きる者の宿命を説きます。加えて、幼なじみの乃美との再会も、景虎の人間的な側面を描く重要な要素です。
武田晴信との対立から川中島の決戦へ甲斐の武田晴信は、勢力拡大を続ける野心的な武将です。景虎とは異なる政治的・軍事的な立場にありながら、互いに優れた力量を持つ存在として描かれます。
両者の対立は、やがて上杉軍と武田軍が激突する川中島の戦いへと発展します。映画では、単なる合戦の勝敗だけでなく、二人の武将が背負う責任や信念、戦国時代を生きることの厳しさが物語の軸になっています。
なお、川中島の戦いは実際には複数回にわたって行われた歴史上の戦いです。映画は歴史小説をもとにしたドラマ作品であり、史実の完全な再現映像ではありません。
【キャスト・人物相関】榎木孝明、津川雅彦、浅野温子ら豪華出演陣

本作の見どころの一つは、実力派俳優をそろえたキャスティングです。
主要キャストと役柄一覧以下は映画.com、WOWOWなどの作品情報に掲載されている出演者を中心に整理したものです。
主人公の上杉謙信を演じるのは榎木孝明です。謙信は、軍神という後世のイメージだけで語れる人物ではありません。映画では、戦場での強さと、肉親を討ったことに対する苦悩という二面性が描かれています。
榎木の演技を見る際には、戦場での表情だけでなく、迷いや孤独を抱える場面にも注目したいところです。武将としての威厳と、一人の人間としての葛藤を両立させることが、この役の大きな見どころです。
津川雅彦が演じた武田信玄武田信玄を演じるのは津川雅彦です。信玄は、軍事的な能力だけでなく、領国経営や勢力拡大への強い意志を持つ人物として登場します。
榎木孝明演じる謙信との対比によって、それぞれ異なる戦略や価値観が浮かび上がります。二人の存在感が作品全体に緊張感を与えています。
浅野温子・財前直見らが演じる女性たち浅野温子が演じる乃美は、景虎の幼なじみという役どころです。戦国武将同士の対決が物語の中心である一方、乃美との関係は、主人公の人間性を理解する手がかりになります。
また、財前直見が演じる八重も登場します。戦国時代を舞台にした作品では、武将の軍略だけでなく、女性たちの存在が物語にどのような奥行きを与えるかも見どころです。
【原作・監督・音楽】海音寺潮五郎と角川春樹、小室哲哉の挑戦
原作は海音寺潮五郎の歴史小説原作は、歴史小説家・海音寺潮五郎による同名小説『天と地と』です。
海音寺潮五郎は1901年生まれ、1977年没。武将の生涯や歴史上の人物の人間性を描いた作品を数多く残しました。
出版社の文藝春秋が紹介する原作小説も、上杉謙信の半生と武田信玄との川中島合戦を中心に据えた歴史大作として位置づけています。映画版では、その長大な物語を約2時間の映像作品に再構成しています。
監督・脚本を担当した角川春樹映画の監督・製作を務めたのは角川春樹です。脚本には鎌田敏夫、吉原勲、角川春樹の3人が名を連ねています。
角川映画は、作品そのものだけでなく、宣伝や音楽、映像表現を含めた総合的な映画展開で知られています。本作でも、戦国時代の大規模な合戦をスクリーン上で表現することに力が注がれました。
WOWOWの作品解説では、カナダでの長期ロケや大規模な製作費を投じた超大作として紹介されています。単なる歴史劇にとどまらず、映像のスケールを前面に押し出した作品です。
小室哲哉が担当した音楽と主題歌本作の音楽監督を担当したのは小室哲哉です。現在のJ-POPシーンで知られる小室の音楽活動を振り返るうえでも、興味深い仕事の一つです。
主題歌として知られる楽曲は、小室哲哉のシングル「天と地と」。1990年4月21日に発売され、オリコンの作品情報では最高順位4位、タイアップ作品として角川映画『天と地と』が記録されています。
映画音楽と主題歌を分けて楽しむのもおすすめです。合戦場面では映像のスケールを支える音楽に注目し、主題歌では作品全体の世界観をどのように表現しているかを聴き比べると、より深く作品を味わえます。
【作品評価・口コミ】『天と地と』は面白い?評価が分かれる理由
『天と地と』は、歴史大作としての映像表現と、人物ドラマとしての構成の両面から評価できる作品です。
評価を考える際には、作品データベースの点数だけでなく、どの部分に魅力を感じるかを分けて考えることが大切です。
映画レビューサイトの評価映画データベースKINENOTEでは、平均評点55.0点(170人)、レビュー34件という記録があります。一方、映画.comでは2.9点(5点満点、18件)です。いずれも各サイトに登録された利用者による評価で、すべての観客の意見を代表するものではありません。
評価されやすいポイント- 合戦シーンの迫力: 大規模な軍勢や戦場の映像表現を楽しめる。
- 俳優陣の存在感: 榎木孝明と津川雅彦による二人の武将の対比が印象的。
- 映像の構図: 戦国時代を壮大なスケールで表現した画面づくり。
- 音楽の魅力: 小室哲哉が担当した音楽が作品の雰囲気を支えている。
映画.comに掲載された過去の鑑賞レビューには、合戦シーンの迫力やカメラワーク、映像の構図を評価する声がある一方、物語の展開や一部の場面構成に厳しい意見も見られます。
視聴をおすすめできる人・できない人おすすめできる人
- 上杉謙信や武田信玄など、戦国武将に興味がある人
- 川中島の戦いを映像作品で楽しみたい人
- 1990年代の角川映画や日本映画の歴史を振り返りたい人
- 小室哲哉の初期の映画音楽に関心がある人
- 大規模な合戦シーンや時代劇の映像美を楽しみたい人
好みが分かれる可能性がある人
- 史実に忠実な歴史ドキュメンタリーを求める人
- 現代的なテンポの速いストーリー展開を重視する人
- 合戦よりも、人物の心理描写を細かく掘り下げた作品を求める人
この映画の魅力は、史実の細部を教科書のように解説することではなく、歴史上の人物を大きな映像世界の中で描く点にあります。歴史の正確さを重視する人は、鑑賞後に原作や歴史資料と照らし合わせると、作品の脚色も含めて楽しめます。
【2026年最新】『天と地と』の放送予定・配信情報・上映時間
2026年11月に映画『天と地と』を視聴したい人にとって、注目したいのがムービープラスの放送予定です。
2026年11月のテレビ放送予定ムービープラスの公式番組情報には、次の2回の放送が掲載されています。
第1回放送11月9日(月)
08:00~
2026年・ムービープラス
第2回放送11月30日(月)
16:30~
2026年・ムービープラス
放送時間は番組編成により変更される場合があります。視聴前にチャンネルの最新番組表をご確認ください。
11月9日は午前8時からの放送なので、録画予約を利用すると見逃しを防ぎやすくなります。11月30日には午後の放送も予定されています。
動画配信サービスで視聴できる?2026年11月4日時点で確認できる各サービスの作品掲載情報では、国内向けに複数の視聴方法があります。
Hulu
公式作品ページに1990年公開作品として掲載。表示時間は1時間59分です。
出典:Hulu作品情報
U-NEXT
公式作品ページに見放題作品として掲載。エピソード情報では120分と表示されています。
出典:U-NEXT作品情報
Amazon Prime Video
映画.comの配信情報ではレンタル作品として掲載されています。
出典:映画.com
配信契約や作品の掲載状況は変更されることがあります。また、日本国内向けの配信情報と海外からの視聴可否は同じではありません。海外在住の場合は、利用地域のサービスで作品が検索できるか確認してください。
上映時間は119分?118分・120分との違い上映時間については、データベースや配信サービスによって表記に違いがあります。
- 映画.com:119分
- KINENOTE:119分
- Hulu:1時間59分(119分)
- U-NEXT:120分
- allcinema:118分
一般的な作品紹介では119分を基準にすると分かりやすいでしょう。配信サービスでは表示上の丸め方や収録版の違いも考えられるため、実際の視聴時間は各サービスの作品ページを優先してください。
なお、海外向けの作品データには104分という別の上映時間も掲載されています。上映時間だけを見て、すべての配信版が同一編集だと判断しないことも大切です。
【プロの結論】映画『天と地と』を今見る価値と作品の本質
映画『天と地と』の本質は、上杉謙信と武田信玄という二人の有名武将の対決を、大規模な映像表現で描いたことにあります。
歴史上の人物を扱う映画には、大きく分けて二つの楽しみ方があります。一つは史実や歴史背景を知るための視点。もう一つは、歴史上の人物を題材にした人間ドラマとして楽しむ視点です。本作は後者の要素が強く、謙信の葛藤や信玄との対立を映像で味わう作品です。
特に注目したいのは、謙信を単なる無敵の武将として描いていない点です。兄を討ったことへの後悔や、乱世に生きる者の宿命を抱えた人物として描くことで、戦場での強さと内面の弱さが対照的に浮かび上がります。
また、1990年という公開時期も見逃せません。角川春樹による大規模な映画企画、小室哲哉の音楽、実力派俳優の共演が一つの作品に集まっています。現在の視点から見ると、当時の日本映画が目指した大作時代劇の方向性を知る手がかりにもなります。
【よくある質問】映画『天と地と』に関するFAQ
Q1:映画『天と地と』は何年公開ですか?
A1:1990年6月23日公開です。東映配給の日本映画で、監督は角川春樹です。
Q2:映画『天と地と』の主人公は誰ですか?
A2:主人公は上杉謙信です。映画では、若き日の長尾景虎から上杉謙信へと至る人物像が榎木孝明によって演じられています。
Q3:武田信玄を演じた俳優は誰ですか?
A3:津川雅彦です。上杉謙信を演じる榎木孝明とともに、物語の中心となる二人の武将を演じています。
Q4:浅野温子は何の役で出演していますか?
A4:浅野温子は乃美役です。主人公・景虎の幼なじみとして登場します。
Q5:原作は誰が書いた小説ですか?
A5:歴史小説家の海音寺潮五郎です。上杉謙信の生涯と武田信玄との川中島合戦を題材にした同名小説が原作です。
Q6:小室哲哉は主題歌だけを担当したのですか?
A6:主題歌に加えて音楽監督も担当しています。シングル「天と地と」は1990年4月21日に発売されました。
Q7:映画の上映時間は何分ですか?
A7:一般的な作品情報では119分です。ただし、配信サービスや映画データベースによって118分、120分など異なる表示もあります。
Q8:2026年11月の放送はいつですか?
A8:ムービープラスでは2026年11月9日(月)8時からと、11月30日(月)16時30分からの放送が予定されています。
Q9:2026年11月現在、動画配信で見られますか?
A9:HuluとU-NEXTの公式作品ページで掲載が確認できます。配信契約や視聴地域によって利用条件が異なるため、各サービスの最新情報をご確認ください。
映画『天と地と』は、1990年6月23日に公開された角川春樹監督による歴史スペクタクルです。海音寺潮五郎の原作をもとに、上杉謙信と武田信玄の対立、そして川中島の戦いを壮大なスケールで描いています。
榎木孝明、津川雅彦、浅野温子をはじめとする俳優陣の共演、小室哲哉による音楽も作品を特徴づける重要な要素です。
2026年11月は、ムービープラスで11月9日と11月30日の放送が予定され、HuluやU-NEXTでも配信作品として掲載されています。テレビ放送で楽しむ場合も、動画配信で鑑賞する場合も、作品の上映時間や配信地域を事前に確認しておくと安心です。
戦国武将の歴史に興味がある人はもちろん、1990年代の日本映画や角川映画の大作路線を振り返りたい人にも、改めて鑑賞する価値のある一本です。
主な情報確認先:ムービープラス、映画.com、KINENOTE、WOWOW、Hulu、U-NEXT、文藝春秋、国立国会図書館、オリコン。