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『打ち上げ花火』2017年版は何が違う?1993年版・結末・主題歌を徹底解説

桜庭 準 桜庭 準 • 更新: • 公開: • 読了約 24 分
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2017年8月18日に公開されたアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』。広瀬すず、菅田将暉、宮野真守ら豪華キャストが声を担当し、新房昭之総監督と武内宣之監督、脚本の大根仁という異色の制作陣が手がけた青春ファンタジー作品です。主題歌にはDAOKO×米津玄師の「打上花火」が起用され、映画の映像とともに大きな印象を残しました。

実は、この作品には1993年にフジテレビ系のドラマ枠「if もしも」で放送された岩井俊二監督の実写作品という原点があります。ただし、2017年版は単純なリメイクではありません。登場人物を小学生から中学生に変更し、時間を巻き戻す不思議な玉を中心に、典道となずなの恋愛と選択を描く新しい物語へと発展させています。2026年に改めて作品を振り返り、1993年版との違い、あらすじ、時間が戻る理由、謎の残る結末、キャストや主題歌、公開当時からの評価まで整理します。

【作品の基本情報】2017年版『打ち上げ花火』のあらすじと見どころ

打ち上げ花火下から見るか横から見るか2017
2017年8月18日公開、90分の劇場アニメーション

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は、2017年8月18日に東宝配給で公開された日本の長編アニメーション映画です。上映時間は90分。原作は岩井俊二、脚本は大根仁、総監督は新房昭之、監督は武内宣之が担当しました。

アニメーション制作を担当したのはシャフトです。『化物語』や『魔法少女まどかマギカ』などで知られる新房昭之とシャフトの組み合わせによって、現実と幻想が入り交じる独特の映像表現が生み出されました。

物語の舞台は、夏休みの海辺の町。花火大会を控えたある日、中学生の島田典道と安曇祐介は、クラスメイトの及川なずなをめぐって水泳競争をすることになります。

なずなは母親の再婚に伴って転校することが決まっていました。町を離れたくない彼女は、花火大会の日に家を出ようと考え、競争に勝った男子を誘おうとします。

ところが、競争に勝った祐介はなずなとの約束を果たしません。典道も、なずなが母親に連れ戻される場面を目撃しながら、彼女を助けることができませんでした。

「もしも、あのとき違う結果になっていたら」。典道が後悔を抱え、なずなが海で拾った不思議な玉を投げると、時間が競争の場面まで巻き戻ります。

そこから始まるのは、失敗するたびに過去へ戻り、別の選択を試す不思議な夏の一日です。何度も繰り返される時間の中で、典道となずなの関係は少しずつ変化していきます。

タイトルに込められた「見る角度」という問い

作品のタイトルにある「打ち上げ花火は下から見るか、横から見るか」という疑問は、物語の中で男子生徒たちが話題にする素朴なテーマです。

通常、打ち上げ花火は地上から見上げるため、円形に広がる美しい光として目に入ります。しかし、真横から見た場合はどうなるのか。丸く見えるのか、それとも平べったく見えるのか。

この問いは、単なる花火の形状に関する話題にとどまりません。同じ出来事でも、見る位置や立場が変われば、受け取る印象や意味が変わるという作品全体のテーマにもつながっています。

典道が何度も時間をやり直す展開も、同じ一日を異なる角度から見つめ直す行為として捉えられます。

【1993年版と2017年版を比較】岩井俊二の原作から何が変わった?

原点は1993年のテレビドラマ「if もしも」

2017年版の原点は、1993年にフジテレビ系のオムニバスドラマ「if もしも」の一編として放送された『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』です。

監督・脚本を担当したのは岩井俊二。主演は山崎裕太と奥菜恵で、それぞれ典道となずなを演じました。

1993年版は、人生の選択によって異なる結末が生まれるという「if もしも」の番組コンセプトを生かした作品です。花火大会の日、小学生の典道や祐介たちが花火を横から見ようと計画する一方、なずなは家庭の事情を抱えながら、自分の未来を選ぼうとします。

このテレビドラマは後に劇場公開もされ、1995年8月12日に映画館で公開されました。そのため、1993年版という呼び方は制作・放送年を指し、劇場公開年とは区別する必要があります。

2017年版では小学生から中学生へ変更

両作品の大きな違いは、登場人物の年齢設定と物語の構成です。

2017年版では、原作の小学生という設定を中学生へ変更しています。岩井俊二監督も、ニッポン放送のインタビューで、同じ小学生の設定ではオリジナル作品と重なる部分が大きくなるため、変更したことを説明しています。

加えて、2017年版では時間を巻き戻す不思議な玉という仕掛けを中心に物語が展開します。原作の「もしも」という選択の構造を引き継ぎながら、アニメーションならではの幻想的な世界を広げているのです。

岩井俊二監督は、原作をそのまま映像化するのではなく、既視感と新鮮さを組み合わせることの面白さについてもインタビューで語っています。2017年版は、原作の魅力を残しつつ、別の物語として成立させた作品といえます。

1993年版・2017年版の違い一覧
比較項目 1993年版 2017年版
作品形式 テレビドラマ 劇場アニメーション映画
制作・放送年 1993年 2017年
劇場公開 1995年8月12日 2017年8月18日
原作・原案 岩井俊二 岩井俊二
主人公の年齢設定 小学生 中学生
典道役 山崎裕太 菅田将暉(声)
なずな役 奥菜恵 広瀬すず(声)
物語の中心 人生の選択と二つの結末 時間の巻き戻しと「もしも」の世界
監督 岩井俊二 武内宣之
制作の特徴 実写による青春ドラマ シャフトによる幻想的なアニメーション

この比較から分かるのは、2017年版が単に実写作品をアニメーションに置き換えたものではないということです。人物の年齢、物語の進め方、映像表現まで大きく再構成されています。

1993年版を先に見れば、岩井俊二が描いた原点の魅力を感じられます。一方、2017年版から入れば、時間を巻き戻す物語として独立した青春ファンタジーを楽しめます。

【時間が巻き戻る理由】不思議な玉と「もしも」の世界を考察

なずなが海で拾った不思議な玉が物語の鍵

2017年版で特に印象的なのが、なずなが持っている不思議な玉です。

この玉は、なずなが海で拾ったもの。典道が水泳競争の結果やなずなを助けられなかったことを悔やみ、玉を投げた瞬間、時間が過去へ戻ります。

シャフトの公式作品紹介でも、玉を投げることで時間が巻き戻り、何度も繰り返される一日が物語の中心として紹介されています。

重要なのは、この玉が一般的なSF作品に登場するタイムマシンとは異なることです。時間を操作する科学的な原理や、玉が存在する仕組みについて、作中では詳細な説明がありません。

そのため、玉は単なる時間移動の道具というよりも、典道の後悔や願望を具現化する象徴として見ることができます。

時間が戻るのは失敗をやり直したいから?

典道が最初に時間を戻す動機は、なずなを助けられなかったことへの後悔です。

もし水泳競争で勝っていたら。もし祐介が約束を守っていたら。もし自分がもっと勇気を出していたら。

こうした「もしも」の気持ちは、誰もが過去を振り返るときに抱く感情です。

しかし、典道が時間を戻しても、すべてが思い通りに進むわけではありません。なずなを救おうとするたびに、別の問題が起きます。

その結果、典道はさらに玉を使い、異なる可能性の世界へ進んでいきます。

ここで注目したいのは、時間を戻す回数が増えるほど、世界そのものが現実離れしていく点です。花火の形が不自然になったり、現実の法則では説明しにくい風景が現れたりします。

これは、典道が単純に過去へ戻っているのではなく、自分の願いによって別の可能性を生み出しているという解釈にもつながります。

花火が平べったく見える世界の意味

繰り返しの中で登場する、平面的な花火の描写も重要です。

現実の打ち上げ花火は、球状の玉が空中で破裂して光を放つため、基本的にはさまざまな方向から円形に見える構造をしています。

それに対して、作品に登場する異様な花火は、現実と異なる世界へ入り込んでいることを視覚的に表現したものと考えられます。

タイトルにある「下から見るか、横から見るか」という問いが、ここで再び意味を持ちます。見る角度によって異なる答えが生まれるように、典道が選んだ世界によって、同じ夏の一日も異なる姿を見せるのです。

【典道となずなの恋愛関係】二人は両思いだったのか?

典道が抱いていたなずなへの気持ち

島田典道は、同級生の及川なずなに好意を寄せています。しかし、彼はその気持ちを積極的に伝えられるタイプではありません。

親友の祐介もなずなに好意を持っているため、典道は自分の感情を表に出しにくい立場にいます。

水泳競争で祐介に負けたこと、なずなが母親に連れ戻される場面で何もできなかったことは、典道にとって大きな後悔になります。

この作品の時間の巻き戻しは、恋愛における後悔とも結びついています。好きな相手に対して何もできなかった自分を変えたいという願いが、物語を動かす原動力になっているのです。

なずなは典道をどう思っていた?

一方のなずなも、典道に特別な感情を抱いていることがうかがえます。

水泳競争では祐介が勝ったものの、なずなは典道が勝つと思っていたことを伝えます。この言葉は、典道に対する彼女の期待や関心を感じさせる場面です。

なずなは母親の再婚によって生活環境が変わり、自分の意思とは関係なく転校させられようとしています。彼女にとって典道は、そんな状況の中で自分の気持ちを理解してくれる可能性のある相手です。

ただし、二人の関係を単純な恋人同士として整理するのは難しいでしょう。中学生という年齢ならではの未熟さや、言葉にしきれない感情が物語の中心にあります。

駆け落ちという選択が象徴するもの

なずなが典道を誘って町を出ようとする行動は、家庭の事情から逃げたいという気持ちだけでは説明できません。

自分の人生を自分で選びたいという願いと、典道と一緒にいたいという気持ちが重なっています。

しかし、二人が選ぶ未来は決して簡単ではありません。典道は何度も失敗を経験しながら、なずなと一緒にいることの意味を考えるようになります。

この物語が描いているのは、単に好きな人を救う少年の話ではありません。相手の気持ちを受け止め、自分自身で選択することを覚えていく少年の成長でもあります。

【声優・制作陣・主題歌】広瀬すず、菅田将暉、宮野真守とシャフトの魅力

主要キャラクターと声優一覧

2017年版は、俳優と声優の両方から実力派の出演者を集めたキャスティングも話題になりました。

  • 及川なずな:広瀬すず
  • 島田典道:菅田将暉
  • 安曇祐介:宮野真守
  • なずなの母:松たか子
  • 田島純一:浅沼晋太郎
  • 和弘:豊永利行
  • 稔:梶裕貴
  • 三浦先生:花澤香菜
  • 光石先生:櫻井孝宏

広瀬すずは、思春期の複雑な感情を抱えるなずなを担当。菅田将暉は、後悔や葛藤を抱えながら行動する典道を演じています。

宮野真守が担当した祐介は、典道の親友でありながら、なずなをめぐる恋愛上のライバルでもある人物です。

さらに松たか子や花澤香菜、梶裕貴、櫻井孝宏など、多彩な出演者が作品を支えています。

新房昭之総監督と武内宣之監督の役割

制作面では、新房昭之が総監督、武内宣之が監督を担当しました。

新房昭之は『化物語』シリーズや『魔法少女まどかマギカ』などで知られるアニメーション演出家です。独特の構図、象徴的な映像、現実と非現実の境界を曖昧にする演出に定評があります。

武内宣之は監督として、作品全体の映像と物語をまとめました。脚本を担当した大根仁は、『モテキ』や『バクマン。』などで知られる映画・テレビドラマの脚本家です。

実写映画を得意とする大根仁と、独自の映像表現を持つ新房昭之、そしてシャフトのアニメーション技術が組み合わさったことが、本作の大きな特徴です。

DAOKO×米津玄師「打上花火」が作品にもたらしたもの

本作を語るうえで欠かせないのが、主題歌「打上花火」です。

歌唱はDAOKOと米津玄師。作詞・作曲は米津玄師が担当し、2017年8月16日にシングルとして発売されました。

楽曲は映画のストーリーと深く結びついており、夏の終わりを思わせる切なさや、二人の関係の儚さを印象づけます。

また、挿入歌にはDAOKOが歌う「Forever Friends」が採用されています。この曲は1993年版にも関係する楽曲で、2017年版では新たな歌唱によって受け継がれました。

つまり、主題歌と挿入歌には新旧の作品をつなぐ役割もあります。2017年版が過去の作品を尊重しながら、新しい世代に向けて再構築されたことを象徴する部分です。

【2017年版の結末を考察】最後に典道となずなはどこへ行った?

※ここからは映画のラストシーンに関するネタバレを含みます。

海の中で交わされる二人の気持ち

物語の終盤、典道となずなは不思議な世界へとたどり着きます。

何度も時間を巻き戻し、二人で逃げようとした結果、周囲の人々や現実の状況とは切り離されたような世界が広がります。

その中で二人は、互いの気持ちを確かめるように過ごします。海へ入った二人の姿は、現実から離れた幻想的な空間として描かれています。

なずなの「次会えるの、どんな世界かな?」という言葉も、作品の結末を考えるうえで重要な意味を持ちます。

この言葉には、今いる世界から離れることへの不安だけでなく、次に訪れる未来への期待も感じられます。

新学期の教室に二人がいない理由

ラストでは、新学期を迎えた教室の様子が描かれます。

先生が出席を取る場面で、なずなの名前は呼ばれません。もともと転校する予定だったため、彼女が教室にいないこと自体は不自然ではありません。

一方、典道の名前は呼ばれます。しかし、返事をする姿はありません。

この演出が、映画最大の謎の一つです。

結末の解釈は大きく二つ

解釈1:二人は別の世界へ進んだ

一つ目は、典道となずなが現実とは異なる世界に残ったという考え方です。

典道はなずなと一緒にいられる世界を望み、何度も時間を巻き戻しました。その結果、二人だけのような世界にたどり着いたと解釈できます。

この解釈では、最後に教室で典道の姿が確認できないことも、二人が現実世界から離れたことを示唆していると考えられます。

解釈2:現実世界に戻り、典道は学校を休んだ

もう一つは、最後には現実世界へ戻ったという解釈です。

なずなは予定どおり転校し、典道は彼女がいなくなった寂しさから学校を休んでいるという考え方です。

この解釈では、最後に描かれる花畑が重要になります。二人の思い出につながる場所であり、典道がなずなとの時間を思い返している可能性を感じさせます。

どちらが正解なのか?

作品は、二人が最後にどの世界へ進んだのかを明確には説明していません。

この曖昧さは、単なる説明不足として片付けられるものではありません。1993年版から受け継がれた「もしも」というテーマを考えれば、観客自身が異なる未来を想像することにも意味があります。

そもそも、人生の選択には一つの正解しかないわけではありません。もし別の選択をしていたら、どんな未来が待っていたのか。その問いを最後まで残すことが、この作品の特徴です。

したがって、ハッピーエンドかバッドエンドかという二択だけで判断するよりも、典道が自分の気持ちと向き合い、なずなと未来を選ぼうとしたことに注目すると、作品の余韻がより深くなります。

【評判・評価を検証】2017年公開時から2026年まで作品が語られる理由

興行収入は15.9億円を記録

2017年版は、公開当時から大きな注目を集めました。

シネマトゥデイが紹介した日本映画製作者連盟のデータによると、国内興行収入は15.9億円を記録しています。2017年の邦画興行ランキングでも上位に入った作品です。

岩井俊二の原作、新房昭之の総監督、広瀬すずと菅田将暉の出演、DAOKO×米津玄師の主題歌という組み合わせも、公開前から関心を集める要素になりました。

評価が分かれる理由はストーリーの難解さ

一方で、映画の評価は必ずしも一様ではありません。

Filmarksでは、2026年11月の閲覧時点で平均評価は5点満点中2.6点、レビュー件数は約4万7000件となっています。映画.comでも評価は分かれており、作品に対する反応には幅があります。

肯定的な評価で目立つのは、次のようなポイントです。

  • 花火や海、空を描いた映像の美しさ。
  • DAOKO×米津玄師による主題歌の印象の強さ。
  • シャフトらしい独特の構図や映像演出。
  • 時間が繰り返される幻想的な物語構成。

反対に、厳しい評価につながりやすいのは、次のような部分です。

  • 時間が巻き戻る仕組みが十分に説明されない。
  • 登場人物の行動や心情が分かりにくい場面がある。
  • 終盤の展開が急に幻想的になり、物語を追いにくい。
  • ラストシーンの意味が明確に説明されない。

つまり、本作はストーリーの分かりやすさよりも、映像、音楽、雰囲気、解釈の余白を重視した作品として受け止められる傾向があります。

『君の名は。』の後に公開された影響

2017年という公開時期も、評価を考えるうえで見逃せません。

本作が公開された時期は、2016年公開の『君の名は。』が大きな話題となった後でした。

同じく青春、恋愛、幻想的な現象を扱うアニメ映画として比較されやすく、観客の期待も高まっていたと考えられます。

ただし、両作品の物語構造は異なります。『君の名は。』が複数の登場人物の運命や時間をめぐる物語を比較的明確な筋立てで描くのに対し、『打ち上げ花火』は一人の少年の後悔と選択を、幻想的な映像表現で描きます。

分かりやすい物語の展開を求める人には難解に感じられる一方、映像の象徴性や結末の考察を楽しむ人には印象に残りやすい作品です。

2026年に改めて見るなら、どんな人におすすめ?

おすすめできる人

  • 岩井俊二の1993年版を知っていて、別の解釈を楽しみたい人。
  • 青春時代の恋愛や、伝えられなかった気持ちを描く作品が好きな人。
  • シャフト特有の映像演出や幻想的なアニメーションが好きな人。
  • 物語の謎やラストシーンを自分なりに考察するのが好きな人。
  • DAOKOや米津玄師の音楽を作品と一緒に楽しみたい人。

あまり向いていない可能性がある人

  • 時間移動の仕組みが論理的に説明されるSF作品を期待する人。
  • 物語の伏線がすべて明確に回収される映画を好む人。
  • 登場人物の心情がセリフで丁寧に説明される作品を求める人。

作品の評価を判断するときは、単純なレビュー点数だけでなく、映像作品としての魅力と脚本の分かりやすさを分けて考えることが大切です。

【よくある質問】『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』2017年版に関するFAQ

Q1:2017年版『打ち上げ花火』は1993年版のリメイクですか?
A1:1993年に岩井俊二が監督・脚本を担当したテレビドラマを原作とするアニメーション映画です。ただし、登場人物を小学生から中学生に変更し、時間を巻き戻す不思議な玉を中心に物語を再構成しているため、単純な映像化やリメイクとは異なります。

Q2:1993年版は映画ではなくテレビドラマだったのですか?
A2:最初は1993年にフジテレビ系のオムニバスドラマ「if もしも」の一編として放送されました。その後、1995年8月12日に劇場公開されています。

Q3:2017年版のなずなと典道の声優は誰ですか?
A3:及川なずな役が広瀬すず、島田典道役が菅田将暉です。典道の親友である安曇祐介役は宮野真守が担当しています。

Q4:時間が巻き戻る理由は何ですか?
A4:なずなが海で拾った不思議な玉を典道が投げることがきっかけです。玉の科学的な仕組みは明確に説明されておらず、「もしも」の願いや別の可能性を象徴する存在として解釈できます。

Q5:最後に典道となずなは結ばれたのでしょうか?
A5:二人が最後にどの世界へ進んだのかは明確に説明されていません。別世界で一緒に生きていく解釈と、現実世界に戻って典道が学校を休んでいるという解釈があります。

Q6:主題歌を歌っているのは誰ですか?
A6:DAOKOと米津玄師による「打上花火」です。米津玄師が作詞・作曲を担当しました。また、挿入歌にはDAOKOが歌う「Forever Friends」が使用されています。

Q7:2017年版のアニメーション制作会社はどこですか?
A7:シャフトです。新房昭之が総監督、武内宣之が監督を担当し、大根仁が脚本を手がけました。

2017年公開の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は、1993年の岩井俊二監督によるテレビドラマを原点としながら、独自の物語へと発展させたアニメーション映画です。

小学生から中学生への設定変更、時間を巻き戻す不思議な玉、典道となずなの恋愛、幻想的な花火の映像など、2017年版ならではの要素が数多く盛り込まれています。

広瀬すず、菅田将暉、宮野真守らの声の出演に加え、新房昭之総監督、武内宣之監督、大根仁脚本、シャフトによるアニメーションという制作陣も大きな魅力です。そして、DAOKO×米津玄師の「打上花火」は、作品の切なさと青春の余韻を強く印象づけました。

一方、時間が巻き戻る理由や最後の二人の行方には、明確な答えが用意されていません。そこが本作の評価を分ける部分であり、何度も見返して考察したくなる理由でもあります。

1993年版が描いたのは、人生の分岐点で選択する少年少女の姿。2017年版が描いたのは、その選択を何度もやり直そうとする少年と、未来を自分で選ぼうとする少女の姿です。

二つの作品を見比べることで、同じ物語の原点からどれほど異なる表現が生まれるのかを実感できます。2026年に改めて鑑賞するなら、まずは2017年版の結末を自分なりに考え、その後に1993年版を見るのもおすすめです。

花火を下から見るのか、横から見るのか。そして、あの夏に別の選択をしていたら何が変わったのか。答えを一つに決めず、観る人それぞれの解釈を残すことこそ、この作品が持つ最大の魅力です。