福井1区は、福井県内の衆議院小選挙区の一つで、福井市、大野市、勝山市、あわら市、坂井市、永平寺町の6市町で構成されています。2026年2月8日に投開票された第51回衆議院議員総選挙では、自由民主党の稲田朋美氏が93,292票を獲得し、得票率48.1%で当選しました。選挙区の投票率は54.28%でした。
今回の選挙では、稲田氏に加え、中道改革連合の波多野翼氏、国民民主党の山中しゅんすけ氏、参政党の藤本かずき氏が立候補。4人が争う構図となりました。2024年の衆院選から得票数や得票率がどう変化したのか、稲田氏の連続当選が意味するものは何か。過去の選挙結果や歴代当選者も振り返りながら、2026年時点の福井1区の勢力図を整理します。
【福井1区はどこ?】区割りと対象となる6市町を詳しく解説
福井1区は、衆議院議員総選挙で使用される福井県の小選挙区です。1つの選挙区から小選挙区選出の衆議院議員を1人選びます。
現在の区割りは、福井県北部から内陸部にかけて広がり、県庁所在地の福井市と、奥越地域、坂井地域などを含んでいます。
福井1区を構成する6市町- 福井市:福井県の県庁所在地であり、行政・経済・商業の中心地。
- 大野市:奥越地域に位置し、農業や観光など地域産業が重要な都市。
- 勝山市:恐竜関連施設や自然資源を持つ内陸の都市。
- あわら市:温泉観光などで知られる福井県北部の都市。
- 坂井市:三国地区や丸岡地区などを含む、産業・農業・観光の拠点。
- 永平寺町:吉田郡に属する町で、永平寺をはじめとする歴史・文化資源を持つ。
この6市町が、2026年の衆議院議員総選挙における福井県第1区の対象区域です。福井県選挙管理委員会の開票資料でも、福井市、大野市、勝山市、あわら市、坂井市、吉田郡(永平寺町)を第1区として集計しています。
福井1区と福井2区の違い福井県の衆議院小選挙区は1区と2区に分かれています。福井1区が県北部を中心とするのに対し、2区は敦賀市、小浜市、鯖江市、越前市などを含む区域です。
特に注意したいのは、福井県議会の選挙区と衆議院の福井1区を混同しないことです。選挙制度が異なれば区域の設定も異なるため、衆院選の候補者や当選者を調べる場合は「福井県第1区」という衆議院の区割りを基準にする必要があります。
また、衆議院の小選挙区は過去に複数回の区割り改定を受けています。2022年改定後の区割りが現在の基準となっており、古い選挙結果を比較する際には当時の区域も確認することが大切です。
【2026年衆院選の結果】稲田朋美氏が93,292票で当選
2026年2月8日投開票の第51回衆議院議員総選挙では、福井1区の定数1に対して4人が立候補しました。
結果は、自由民主党の前職・稲田朋美氏が93,292票を獲得して当選。2位の波多野翼氏に54,363票の差をつけました。
2026年2月8日の福井1区選挙結果福井県選挙管理委員会が公表した確定開票資料によると、4候補の得票数は合計193,951票でした。
- 当選者:稲田朋美氏(自由民主党)
- 得票数:93,292票
- 得票率:48.1%
- 候補者数:4人
- 選挙区の定数:1人
- 投票率:54.28%
- 選挙当日の有権者数:361,873人
稲田氏は2005年の初当選以来、福井1区で連続当選を重ねています。衆議院の公式議員プロフィールでも、2026年4月時点で当選8回と記載されています。
現職議員・稲田朋美氏の経歴稲田朋美氏は1959年2月20日、福井県越前市生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、弁護士として活動しました。
国政では自由民主党に所属し、防衛大臣、内閣府特命担当大臣、行政改革担当大臣などを歴任。党の政務調査会長も務めた経験があります。
防衛政策や行政改革など、国政の重要分野で閣僚経験を持つことは、福井1区における政治的な存在感を考えるうえで重要な背景です。
2026年11月時点でも、衆議院の福井県第1区選出議員は稲田朋美氏です。なお、衆議院の議員情報では所属会派を「自由民主党・無所属の会」としています。
【福井1区の候補者一覧】4人の得票数と得票率を比較
2026年の福井1区では、現職の稲田氏に対し、異なる政党から3人が挑戦しました。
注目すべきなのは、単純な与党対野党の二者対決ではなかったことです。中道改革連合、国民民主党、参政党がそれぞれ候補者を擁立し、野党側の票も複数の選択肢に分かれました。
候補者4人の開票結果一覧| 候補者 | 所属政党 | 得票数 | 得票率 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 稲田朋美 | 自由民主党 | 93,292票 | 48.10% | 当選 |
| 波多野翼 | 中道改革連合 | 38,929票 | 20.07% | 落選 |
| 山中しゅんすけ | 国民民主党 | 34,541票 | 17.81% | 落選 |
| 藤本かずき | 参政党 | 27,189票 | 14.02% | 落選 |
出典:福井県選挙管理委員会「令和8年2月8日執行 衆議院小選挙区選出議員選挙 開票結果」。得票率は候補者の得票数を有効投票数193,951票で割った数値を小数第2位まで表示。
波多野翼氏は2024年から再挑戦波多野翼氏は、2024年10月27日の第50回衆院選にも福井1区から立候補した人物です。
前回は立憲民主党から出馬し、70,328票、得票率35.5%を獲得。小選挙区では稲田氏に敗れましたが、比例代表で当選しました。
2026年は中道改革連合から立候補し、38,929票を獲得しました。前回の小選挙区得票数と比較すると31,399票の減少です。
ただし、所属政党の再編や候補者構成、選挙時の政治状況も異なるため、この数字だけで波多野氏個人への支持がそのまま減ったと判断することはできません。
山中しゅんすけ氏と藤本かずき氏も参入国民民主党の山中しゅんすけ氏は34,541票を獲得し、得票率17.81%で3位となりました。
参政党の藤本かずき氏は27,189票、得票率14.02%で4位でした。
両候補とも新人として福井1区の選挙に参加し、既存の自民党と中道改革連合による競争に新たな選択肢を加えました。
今回の候補者構成から見えるのは、福井1区の有権者が一つの野党勢力だけでなく、複数の政党を選択肢として比較する選挙環境になっていることです。
【福井1区の過去の選挙結果】歴代当選者と稲田朋美氏の連続当選
福井1区の政治的な特徴を理解するには、2026年の結果だけでなく、過去の衆院選を振り返る必要があります。
小選挙区制が導入された1996年以降、福井1区では笹木竜三氏、松宮勲氏、稲田朋美氏が小選挙区で当選してきました。
福井1区の歴代当選者- 1996年:笹木竜三氏(新進党)
- 2000年:松宮勲氏(自由民主党)
- 2003年:松宮勲氏(自由民主党)
- 2005年:稲田朋美氏(自由民主党)
- 2009年:稲田朋美氏(自由民主党)
- 2012年:稲田朋美氏(自由民主党)
- 2014年:稲田朋美氏(自由民主党)
- 2017年:稲田朋美氏(自由民主党)
- 2021年:稲田朋美氏(自由民主党)
- 2024年:稲田朋美氏(自由民主党)
- 2026年:稲田朋美氏(自由民主党)
2005年以降は稲田氏が8回連続で小選挙区当選を果たしています。衆議院公式プロフィールに記載された当選回数とも一致します。
稲田朋美氏の得票数の推移稲田氏の過去の得票数を見ると、選挙ごとに変動があることが分かります。
- 2005年:51,242票
- 2009年:78,969票
- 2012年:68,027票
- 2014年:116,855票
- 2017年:116,969票
- 2021年:136,171票
- 2024年:86,906票
- 2026年:93,292票
特に目を引くのは、2021年の136,171票です。今回の93,292票と比較すると42,879票の差があります。
一方、2024年の86,906票からは6,386票増加しています。得票数だけを見ると、2024年の選挙から一定の回復が見られます。
2024年と2026年で何が変わったのか2024年の福井1区では、稲田氏が86,906票、得票率43.9%で当選しました。2位の波多野氏は70,328票、得票率35.5%を獲得し、比例代表で復活当選しています。
2026年は稲田氏が93,292票、得票率48.1%となり、得票数・得票率の双方で前回を上回りました。
ただし、2026年は候補者が5人から4人に減り、野党側の政党構成も変化しています。したがって、稲田氏の得票増をそのまま個人への支持拡大だけで説明することはできません。
また、選挙区の区割りは2002年、2013年、2017年、2022年などに改定されています。過去の得票数を長期間にわたって比較する場合は、当時の区域と有権者構成の違いも考慮する必要があります。
【福井1区の投票率54.28%】得票率との違いと選挙の分析
2026年の福井1区の投票率は54.28%でした。
これは2024年の55.61%と比べて1.33ポイント低下しています。2021年の56.82%と比較しても2.54ポイント低い数字です。
2026年の投票率と有権者数福井県選挙管理委員会の確定資料によると、2026年の福井1区の選挙当日の有権者数は361,873人でした。
男女別では男性173,893人、女性187,980人です。投票者数は196,407人で、選挙区全体の投票率は54.28%となっています。
なお、福井県全体の確定投票率は54.29%です。県全体と福井1区の数字はほぼ同じですが、集計対象が異なるため混同しないよう注意が必要です。
投票率と得票率は何が違う?選挙結果を調べる際に混同しやすいのが、投票率と得票率です。
投票率は、選挙当日の有権者のうち、実際に投票した人の割合です。一方、得票率は、有効投票のうち特定の候補者が獲得した票の割合を意味します。
今回の稲田氏の48.1%は得票率であり、福井1区の有権者の48.1%全員が稲田氏に投票したという意味ではありません。
この違いを理解しておくと、選挙結果をより正確に読み取れます。
48.1%でも当選できた理由稲田氏の得票率は48.1%であり、過半数には達していません。それでも当選したのは、衆議院の小選挙区制が、候補者のうち最も多くの票を獲得した1人を当選者とする制度だからです。
今回の落選した3候補の得票数を合計すると100,659票となり、稲田氏の93,292票を7,367票上回ります。
この数字だけを見ると、野党側の票がまとまれば結果が変わったようにも見えます。しかし、各候補者の政策や支持層は必ずしも一致していません。別々の候補者に投じられた票が、候補者を一本化すればすべて移動するという前提は成り立ちません。
むしろ今回の選挙では、稲田氏が4人の中で最も多くの票を獲得したこと、野党側の支持が複数政党に分散したこと、投票率が前回を下回ったことを分けて見る必要があります。
【プロの結論】2026年の福井1区から読み解く現在の政治勢力図
2026年の福井1区で最も要点は、稲田朋美氏の8回連続当選と、野党側の複数政党による競争が同時に確認されたことです。
稲田氏は93,292票を獲得し、2024年の86,906票から支持を伸ばしました。得票率も43.9%から48.1%へ上昇しています。長年にわたって同じ選挙区で当選を重ねてきた現職として、一定の選挙基盤を維持していることが数字に表れています。
一方で、得票率は過半数に達していません。波多野翼氏が20.07%、山中しゅんすけ氏が17.81%、藤本かずき氏が14.02%を獲得しており、現職以外にも複数の政党を支持する有権者が存在しています。
今後の福井1区を見るための3つの判断基準1. 稲田氏の得票率が維持されるか
得票数だけでなく、得票率の推移を見ることが重要です。投票率が変化すれば候補者の得票数も影響を受けるため、48.1%という今回の数字を次回選挙の比較基準にする価値があります。
2. 野党側の候補者構成がどう変化するか
波多野氏、山中氏、藤本氏がそれぞれ異なる政党から出馬したことは、福井1区の競争構造を理解するうえで重要です。次回の選挙で候補者が一本化されるのか、複数政党による競争が続くのかによって、選挙の構図は変わる可能性があります。
3. 投票率と地域ごとの投票行動を確認する
福井1区は福井市のような都市部と、大野市・勝山市などの内陸地域、あわら市・坂井市、永平寺町を含む広い選挙区です。地域別の開票結果や投票率を比較すれば、候補者の支持基盤をさらに具体的に分析できます。
情報を見極める際に注意したいこと福井1区の選挙情報を調べる際には、次の3点を確認すると誤解を避けられます。
- 候補者の得票数と比例代表での当選を混同しない。
- 過去の選挙結果を比較するときは、当時の区割りと候補者数を確認する。
- 投票率と候補者の得票率を同じ数字として扱わない。
特に、比例代表で復活当選した候補者と、小選挙区で当選した候補者は区別する必要があります。波多野氏の2024年の当選は比例代表によるものであり、2026年の小選挙区の結果とは当選の仕組みが異なります。
選挙結果を正確に読むには、単に当選者の名前を確認するだけでなく、得票数、得票率、投票率、比例代表の結果を組み合わせて考えることが大切です。
【福井1区】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:福井1区はどこの市町村が対象ですか?
A1:福井市、大野市、勝山市、あわら市、坂井市、永平寺町の6市町です。永平寺町は吉田郡に属しています。
Q2:2026年の福井1区の当選者は誰ですか?
A2:自由民主党の稲田朋美氏です。2026年2月8日の衆院選で93,292票を獲得し、得票率48.1%で当選しました。
Q3:2026年の福井1区の候補者は何人でしたか?
A3:4人です。稲田朋美氏、波多野翼氏、山中しゅんすけ氏、藤本かずき氏が立候補しました。
Q4:稲田朋美氏の得票数と得票率は?
A4:93,292票、得票率48.1%です。2位の波多野翼氏には54,363票の差をつけました。
Q5:2026年の福井1区の投票率は何%ですか?
A5:54.28%です。2024年の55.61%と比べて1.33ポイント低下しました。
Q6:福井1区の歴代当選者は誰ですか?
A6:1996年は笹木竜三氏、2000年と2003年は松宮勲氏、2005年以降は稲田朋美氏が当選しています。稲田氏は2026年まで8回連続当選です。
Q7:波多野翼氏は2024年の衆院選でも立候補しましたか?
A7:はい。2024年は立憲民主党から福井1区に出馬し、70,328票を獲得しました。小選挙区では落選しましたが、比例代表で当選しています。
2026年の福井1区では、稲田朋美氏が93,292票、得票率48.1%で当選しました。投票率は54.28%で、波多野翼氏、山中しゅんすけ氏、藤本かずき氏の3人がこれに続きました。
福井1区の範囲は、福井市、大野市、勝山市、あわら市、坂井市、永平寺町の6市町です。2005年から2026年まで稲田氏が8回連続当選している点は、この選挙区の政治的特徴を示しています。
ただし、2026年の結果は現職の安定した選挙基盤だけで説明できるものではありません。候補者4人による競争、野党側の票の分散、前回からの投票率低下など、複数の要素が重なっています。
今後の福井1区を読み解く際には、稲田氏の得票率の変化、野党各党の候補者構成、地域別の投票動向に注目が必要です。2026年の93,292票と54.28%という数字は、次回の選挙で勢力図の変化を判断するための重要な基準になります。
主な確認資料: 福井県選挙管理委員会の2026年確定開票資料、衆議院公式議員プロフィール、過去の衆議院選挙結果。