伊東選手をめぐる刑事手続きには、もう一つ重要な動きがあります。
それが、伊東選手側による女性2人や『週刊新潮』の編集者らへの刑事告訴です。
2025年2月5日、女性や編集者ら計5人が不起訴伊東選手側は、性加害を報じた記事について、事実に反する内容で名誉を傷つけられたとして、女性や週刊新潮の編集者らを名誉毀損などの疑いで刑事告訴していました。
大阪地検は2025年2月5日、この告訴の対象となった計5人を不起訴処分としました。
つまり、刑事手続きでは次の3つの動きがあったことになります。
- 伊東選手に対する女性2人の刑事告訴:不起訴
- 女性2人に対する伊東選手側の虚偽告訴:不起訴
- 女性や週刊新潮の編集者ら5人に対する伊東選手側の名誉毀損などの告訴:不起訴
いずれも不起訴という結果ですが、対象となった容疑や告訴の内容は異なります。
特に、週刊新潮の編集者ら5人に対する不起訴処分は、約2億円の民事訴訟とは別の刑事手続きです。編集者ら5人が約2億円の損害賠償訴訟の被告になっているわけではありません。
【刑事事件と民事訴訟の違い】不起訴でも損害賠償裁判が続く理由

伊東純也選手の問題で誤解されやすいのが、刑事事件で不起訴になったのに、なぜ民事裁判が必要なのかという点です。
これは、刑事事件と民事訴訟では、目的も判断する内容も異なるためです。
刑事事件は犯罪の成立と処罰を判断する刑事事件では、検察官が捜査結果を踏まえ、被疑者を起訴するかどうかを決めます。
起訴されれば刑事裁判が始まり、裁判所が犯罪の成立や有罪・無罪を判断します。
今回の事件では、大阪地検が双方を嫌疑不十分で不起訴としたため、双方について刑事裁判は開かれていません。
民事訴訟は損害賠償責任を判断する一方、民事訴訟では、当事者間の権利や義務、損害賠償責任の有無などが争われます。
今回の訴訟で伊東選手側が求めているのは、女性2人の行為によって生じたとする損害への賠償です。
民事裁判では、原告と被告がそれぞれ証拠や主張を提出し、裁判所が不法行為の成立や損害、因果関係などを判断します。
そのため、刑事事件で不起訴になったからといって、民事訴訟で必ず請求が認められるわけでも、必ず棄却されるわけでもありません。
今回の問題で押さえたい4つの違い- 不起訴と無罪は違う: 不起訴は検察官の処分であり、裁判所の無罪判決ではない。
- 不起訴相当と被害申告の虚偽認定は違う: 検察審査会が判断したのは不起訴処分の妥当性である。
- 請求額と判決額は違う: 約2億円は原告側の請求額であり、確定した賠償金ではない。
- 刑事手続きと民事訴訟は別: 刑事事件が不起訴になっても、民事裁判で損害賠償を争うことは可能である。
裁判所が公表している刑事手続きの説明でも、起訴するかどうかは検察官が判断し、起訴された後に刑事裁判が始まるという仕組みが示されています。
【2026年11月最新情報】伊東純也の裁判は終わった?現在の判決・和解状況
最も気になるのは、約2億円の民事訴訟が2026年11月現在、どのような結末を迎えているのかという点でしょう。
判決は出たのか?2026年11月4日現在、今回確認できた公表資料と主要報道の範囲では、東京地裁による判決言い渡しを確認できません。
確認できる大きな節目は、2024年11月26日の第1回口頭弁論です。
その後の詳細な審理日程や証拠調べ、結審などについても、広く確認できる続報は見当たりません。
したがって、判決が出て伊東選手側の請求が認められたという情報は確認できません。
女性2人との和解は成立したのか?和解についても、2026年11月4日までに成立を示す確かな公表情報や主要報道は確認できません。
第1回口頭弁論では、伊東選手側が損害賠償を求め、女性側は請求棄却を主張していました。
この段階では、双方の主張が対立していたことが明らかになっています。
なお、民事裁判は判決以外にも、当事者間の和解や訴えの取り下げなどによって終了する場合があります。報道がないことだけで、裁判が現在も係属中だと断定することはできません。
2026年11月時点での整理は、次のとおりです。
- 判決:公表・報道で確認できず
- 和解成立:公表・報道で確認できず
- 訴えの取り下げ:確認できず
- その後の具体的な審理内容:主要報道で確認できず
つまり、約2億円の訴訟について、2026年11月4日時点で最終的な決着を示す確かな公表情報は確認できないというのが現状です。
2026年現在の伊東純也選手のサッカー活動訴訟問題とは別に、伊東選手はサッカー選手として活動を続けています。
2026年11月4日には、日本サッカー協会がブラジル代表戦とパラグアイ代表戦に向けた日本代表メンバー28人を発表しました。
公式発表には、ベルギーのKRCゲンク所属として伊東選手の名前も掲載されています。
したがって、2026年11月現在も日本代表の招集対象となる選手として活動していることが確認できます。
ただし、代表招集やクラブでの競技活動と民事訴訟の結果は別問題です。サッカー界での活動状況をもって、民事裁判の結論を推測することはできません。
【プロの結論】伊東純也訴訟のその後を正しく判断するためのポイント
今回の問題で、特に重要なのは次の5つです。
1. 双方の不起訴は、双方の主張が裁判で認められたという意味ではない。
大阪地検が判断したのは刑事事件として起訴するだけの証拠があるかどうかです。性被害の有無や虚偽告訴の成立について、刑事裁判の判決が出たわけではありません。
2. 大阪第2検察審査会の不起訴相当は対象を限定して理解する。
2025年1月に報じられた議決は、女性2人に対する虚偽告訴容疑の不起訴処分についてのものです。伊東選手の性加害疑惑そのものを裁判所が判断した結果ではありません。
3. 約2億円は請求額であって確定賠償額ではない。
2億243万3131円という数字は、伊東選手とトレーナー側が提起した訴訟の請求総額です。女性側に同額の支払いが命じられたわけではありません。
4. 週刊新潮への刑事告訴と女性2人への民事訴訟を混同しない。
編集者ら5人の不起訴処分と、女性2人への損害賠償請求は異なる法的手続きです。
5. 最終的な評価は民事裁判の公表情報と切り離して考えない。
今後、判決や和解が公表された場合には、請求が認められたのか、どの部分が認められなかったのか、和解条件はどうなったのかを確認する必要があります。
性被害の申告をめぐる問題では、申告した側の権利や尊厳を守ることと、告訴された側の適正な手続きを保障することの両方が欠かせません。著名選手が関係する事件だからこそ、世論や印象だけで法的な結論を先取りしないことが大切です。
【伊東純也の訴訟その後】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:伊東純也選手は不起訴になったのですか?
A1:はい。2024年8月9日、大阪地検は準強制性交等致傷の疑いについて嫌疑不十分で不起訴としました。ただし、これは無罪判決ではなく、刑事裁判が開かれたわけでもありません。
Q2:約2億円の損害賠償請求訴訟は判決が出ましたか?
A2:2026年11月4日時点で、判決が出たことを示す公表情報や主要報道は確認できません。2024年11月26日に東京地裁で第1回口頭弁論が開かれています。
Q3:伊東純也選手と女性2人は和解したのですか?
A3:和解成立を示す確かな公表情報は確認できません。和解が成立したと断定できる状況ではありません。
Q4:大阪第2検察審査会は何を判断したのですか?
A4:2025年1月23日付で、伊東選手側が虚偽告訴の疑いで告訴した女性2人について、大阪地検が不起訴とした処分を「不起訴相当」と議決しました。性被害の有無そのものを判断したものではありません。
Q5:週刊新潮の編集者も約2億円の裁判で訴えられたのですか?
A5:約2億円の民事訴訟で被告となったのは女性2人です。一方、伊東選手側は女性や週刊新潮の編集者ら計5人を名誉毀損などの疑いで刑事告訴しましたが、2025年2月5日に不起訴となりました。
伊東純也選手をめぐる問題は、2024年8月の大阪地検による双方不起訴、2025年1月の大阪第2検察審査会による不起訴相当の議決を経て、刑事手続きに大きな節目を迎えました。
一方、女性2人に対する約2億円の損害賠償請求訴訟は、2024年11月26日に東京地裁で第1回口頭弁論が開かれ、双方の主張が対立しました。
2026年11月4日現在、判決や和解成立を裏付ける確かな公表情報は確認できません。
今後の注目点は、民事裁判の審理状況、損害賠償請求に対する裁判所の判断、そして当事者から公表される新たな情報です。
「不起訴になったからすべて解決した」「約2億円を請求したから賠償が決まった」という理解は、いずれも正確ではありません。
刑事事件の処分と民事訴訟の結論を分けて追うことが、伊東純也訴訟の現在を正しく理解するための最も重要な判断基準です。