警察犬の犬種を理解するうえで、最初に押さえたいのが、日本警察犬協会による犬種指定と、各都道府県警察による実際の採用制度は別のものだという点です。
公益社団法人日本警察犬協会は、警察犬に適した犬種として7犬種を指定しています。これは警察犬の代表的な犬種を示すものであり、指定外の犬が警察犬になれないという法律上の制限ではありません。
実際、千葉県警察の広報資料でも、指定7犬種以外の犬が警察犬になれることが説明されています。
つまり、警察犬を選ぶ際には、犬種だけでなく、嗅覚、集中力、服従性、体力、健康状態、指導手との連携などを総合的に見る必要があります。
なぜシェパードが警察犬の代表格なのかジャーマン・シェパードが警察犬の象徴になっているのには理由があります。
もともと牧羊犬として発展した犬種であり、知能、運動能力、持久力、警戒心、指示を理解する能力など、さまざまな作業に対応できる性質を備えています。
ジャパンケネルクラブの犬種標準でも、安定した性格、大胆さ、注意深さ、訓練のしやすさなどが特徴として記載されています。
警察犬には、単純に嗅覚が優れているだけでは不十分です。長時間の捜索でも集中を保ち、指導手の指示に従い、現場の状況が変わっても落ち着いて行動できる能力が大切です。
シェパードは、こうした複数の能力をバランスよく備えていることから、長年にわたって警察犬の代表的な存在となっています。
【完全一覧】日本警察犬協会が指定する7犬種の特徴を比較

日本警察犬協会の公式サイトに掲載されている指定犬種は、次の7種類です。
警察犬の代表的存在
ドイツ原産の大型犬で、知能と身体能力を兼ね備えています。指導手との信頼関係を築きやすく、複雑な訓練にも対応できることが大きな強みです。
警察犬としての用途は幅広く、足跡追及や臭気選別、捜索活動などで活躍します。
警察犬のイメージとして最も定着している犬種ですが、すべての警察犬がシェパードというわけではありません。
2.ドーベルマン
俊敏性と警戒能力が持ち味
ドイツ原産の大型犬で、引き締まった体格と優れた運動能力が特徴です。周囲への注意力や作業意欲にも優れています。
外見の精悍さから警備犬の印象も強い犬種です。警察犬としては、体力や服従性、集中力などを生かした作業への適性が評価されます。
ただし、警戒心の強さだけで警察犬になれるわけではなく、安定した気質と適切な訓練が欠かせません。
3.コリー
知性と敏捷性を備えた牧羊犬
イギリス由来の牧羊犬で、周囲の状況を把握する注意力や、指示に応じて行動する能力が特徴です。
シェパードやドーベルマンほど警察犬のイメージが強くないものの、指定7犬種の一角を占めています。
牧羊犬として培われた作業能力や、指導手との協調性が評価される犬種です。
4.エアデール・テリア
テリア種最大級の作業犬
イギリス原産で、「テリアの王様」とも呼ばれます。機敏で活発、作業意欲が旺盛なことが特徴です。
日本警察犬協会の犬種紹介では、かつて英独で警察犬として使用された歴史も紹介されています。
テリア特有の積極性と活動性を持ち、使役犬としての歴史が長い犬種です。
5.ボクサー
力強い体格と勇敢な気質
ドイツ原産の中型犬で、筋肉質な体格と活発な動きが特徴です。勇敢さや警戒心、作業への意欲を備えています。
見た目のたくましさだけでなく、服従性や訓練への反応も重要な評価対象です。
6.ラブラドール・レトリーバー
嗅覚と協調性に優れた犬種
イギリスで発展したレトリーバーで、優れた嗅覚と穏やかな気質を持っています。
盲導犬や介助犬としても知られていますが、警察犬としても重要な存在です。
人との協調性が高く、指示を理解して作業を続ける能力が評価されています。
7.ゴールデン・レトリーバー
温厚さと学習能力を兼ね備える
イギリス原産の大型犬で、友好的かつ従順な性格が特徴です。作業能力や忍耐力にも優れています。
家庭犬としての人気が高い一方、使役犬としての適性もあります。
ラブラドールと同じレトリーバー系ですが、被毛や体格、個々の性格には違いがあります。
7犬種に共通しているのは、犬種の知名度や見た目ではなく、訓練によって警察活動に必要な能力を発揮できる可能性があることです。
【意外な実例】柴犬やチワワも警察犬になれる!指定外犬種の採用実態
警察犬の犬種について、最も誤解されやすいのが「指定7犬種以外は警察犬になれない」という認識です。
実際には、各都道府県警察の制度によって、指定外犬種が採用されることがあります。
2026年は、その変化を象徴するニュースが相次ぎました。
2026年、岐阜県警で初の柴犬警察犬「つぶ」が誕生
柴犬「つぶ」
岐阜県警・揖斐警察署
岐阜県警で初めて警察犬に任命された柴犬。2025年11月の審査会に挑戦し、合格しました。
2026年4月6日、岐阜県警揖斐警察署で警察犬の任命式が行われ、メスの柴犬「つぶ」が正式に任命されました。
当時2歳だったつぶは、シェパードなどの大型犬と並んで警察犬として活動することになりました。
東海テレビの報道によると、つぶは2025年11月の嘱託警察犬審査会に参加。鋭い嗅覚と集中力を発揮し、遺留品の発見に成功して合格しました。
柴犬ならではの体格も注目されています。
大型犬が入りにくい狭い場所で活動できることは、小型・中型犬を採用するメリットの一つです。
この事例は、警察犬として必要なのは特定の犬種の血統だけではなく、現場で求められる能力であることを示しています。
チワワの「桃」も警察犬に合格した過去がある
ロングコートチワワ「桃」
奈良県警・捜索救助部門
体重約3kgのチワワが、嘱託警察犬の審査に合格した事例です。
チワワの警察犬として知られるのが、奈良県警で合格したロングコートチワワの「桃」です。
2010年11月、当時7歳だった桃は、奈良県警の嘱託警察犬審査会に参加しました。
挑戦したのは、足跡追及や臭気選別ではなく、捜索救助の部門です。
当時の報道によると、遺留品のにおいを手掛かりに、100メートル四方の範囲内にいる要救助者を制限時間内に探す課題に合格しました。
大型犬が入りにくい場所で、小さな体を生かせる可能性が期待された事例です。
ここで重要なのは、桃の合格が2010年の出来事であり、2026年現在の現役チワワ警察犬の数を示すものではないということです。
それでも、犬種だけで警察犬の可能性を判断できないことを示す象徴的な実例です。
トイプードルやミニチュアシュナウザーも活躍柴犬やチワワ以外にも、指定外犬種の採用例があります。
- トイプードル「そら」:石川県内初のトイプードル警察犬として知られる事例。石川県警は2014年度以降、指定7犬種の制限を撤廃しています。
- ミニチュアシュナウザー「テトラ」:岐阜県内で小型犬として初めて嘱託警察犬となった犬。2026年にも再任命が報道されています。
- ジャック・ラッセル・テリア「芳乃」:2025年の愛知県警の審査に合格した犬。家庭犬として暮らしながら訓練を受けています。
特に芳乃は、2026年7月のCBCテレビの報道で取り上げられました。報道時点では、まだ現場への出動経験はないと紹介されています。
2026年に広がる指定外犬種の採用CBCテレビが2026年7月の特集で紹介した集計では、全国にいる警察犬は約1,200頭で、そのうち約9割が嘱託警察犬とされています。
また、指定7犬種以外の警察犬は全国で81頭と紹介されました。
この数字は同番組の報道による集計であり、警察庁が公表した全国一律の最新統計とは区別する必要があります。
それでも、指定外犬種の活用が一部の珍しい事例だけではなく、各地に広がっていることが分かります。
背景には、住宅事情の変化や大型犬の飼育者の減少、民間訓練士の後継者不足などがあります。
候補となる犬の範囲を広げることは、警察犬の確保という面でも意味があります。
【どちらが違う?】直轄警察犬と嘱託警察犬の仕組みを比較
警察犬には、大きく分けて直轄警察犬と嘱託警察犬の2種類があります。
この違いは犬種ではなく、誰が飼育・訓練し、どのような仕組みで警察活動に参加するかという点にあります。
直轄警察犬とは?直轄警察犬は、警察が直接飼育・管理・訓練する犬です。
警察組織の中で管理され、担当職員との信頼関係を築きながら訓練を続けます。
特徴は、警察側で出動体制を管理できることです。
警察庁の2024年3月18日付通達でも、直轄警察犬については、夜間や休日を問わず迅速な出動が可能であることや、危険を伴う事件、特殊な事件への対応能力が利点として挙げられています。
嘱託警察犬とは?嘱託警察犬は、一般の飼い主や民間の訓練施設などで飼育・訓練され、警察の審査を通過して任命される犬です。
普段は民間で生活し、警察から出動要請があった際に指導手とともに現場へ向かいます。
各都道府県警察が実施する審査会に合格する必要があり、犬だけでなく、指導手の対応力も大切です。
直轄犬と嘱託犬の違い| 比較項目 | 直轄警察犬 | 嘱託警察犬 |
|---|---|---|
| 飼育管理 | 警察 | 民間の飼い主・訓練施設 |
| 日常の訓練 | 警察の担当職員 | 民間の指導手・訓練士 |
| 出動方法 | 警察の運用体制で出動 | 警察の要請を受けて出動 |
| 特徴 | 迅速な出動体制を整えやすい | 民間の訓練能力を活用できる |
| 選考 | 警察による調達・適性確認 | 嘱託審査会による選考 |
| 活動期間 | 能力や健康状態などに応じて運用 | 地域ごとの嘱託期間に従う |
警察犬の運用には、犬舎の整備、食費、医療費、日常的な訓練、担当者の確保など、継続的な費用と人員が必要です。
すべての警察本部が十分な数の警察犬を自前で育成・管理するのは容易ではありません。
そこで、民間の訓練士や飼い主が育てた犬の能力を活用する嘱託制度が重要になります。
2026年2月の東海テレビの報道でも、民間訓練施設におけるエサ代の負担や訓練士の後継者不足が課題として取り上げられました。
警察犬の活動を支えているのは犬だけではありません。日頃から訓練を積み重ねる指導手や、飼育を支える民間の協力者も欠かせない存在です。
【警察犬の仕事内容】足跡追及・臭気選別・捜索救助とは?
警察犬は、単に犯人を追いかけるための犬ではありません。
優れた嗅覚を生かし、人間だけでは発見が難しい痕跡や対象物を探し出す役割を担っています。
代表的な仕事を紹介します。
1.足跡追及足跡追及は、地面に残された人のにおいをたどり、対象者が通った経路を追跡する作業です。
現場に残された臭気を手掛かりに、行動経路を追い、途中に落とされた遺留品なども探します。
例えば、行方不明者が最後に確認された場所や、事件現場に残された物品などが捜索の手掛かりになります。
犬は地面のにおいを確認しながら進み、対象となる臭気を追い続けます。
重要なのは、ただ走る速さではなく、ほかの人や動物のにおいが混ざった環境でも正確に追跡できることです。
2.臭気選別臭気選別は、複数のにおいの中から、指定された人物などに対応する臭気を見つけ出す作業です。
代表的な審査では、臭気を付けた布と複数の比較対象を用意し、犬が目的のにおいを選びます。
奈良県警の説明では、5枚の白布の中から対象者のにおいが付いた布を選別する方法が紹介されています。
岡山県警の審査要領では、臭気布を5点用意し、原臭と同じものを選ぶ審査を3回実施するとされています。
単に布を見つけるのではなく、においを正しく識別する能力が問われます。
3.捜索救助捜索救助は、行方不明者や災害現場の要救助者を探す活動です。
対象者の衣服などに残るにおいを手掛かりに、広い範囲を捜索します。
足跡を追う作業とは異なり、対象者が通った経路を正確にたどることだけが目的ではありません。
その場にいる人のにおいを探し出し、発見を指導手に知らせることが大切です。
ここで注目されるのが、小型犬の活躍です。
大型犬では入りにくい狭い空間や、障害物の多い場所などでは、小型犬の体格が有利に働く可能性があります。
4.その他の専門的な捜索都道府県警察によっては、一般的な警察犬の仕事以外にも専門的な捜索分野を設けています。
例えば岡山県警では、次のような審査区分があります。
- 一般捜索犬
- 地域捜索犬
- 死体捜索犬
それぞれに必要な訓練や審査項目が異なります。
警察犬という名称は一つでも、実際の仕事内容は地域や担当する専門分野によって変わります。
【2026年最新】警察犬の訓練・審査基準と選考の仕組み
警察犬になるためには、優れた嗅覚を持っているだけでは不十分です。
健康状態、性格、服従性、作業への集中力、指導手との連携など、複数の要素が評価されます。
2026年の都道府県警察の審査資料を見ると、地域によって受審条件が異なることも分かります。
警察犬に求められる基本的な能力警察庁が2024年3月18日に発出した「警察犬の効果的な運用について」という通達は、2026年現在も有効期間内です。
同通達では、直轄警察犬の調達・訓練について、次のような基準を示しています。
健康状態
- 皮膚や便などに異常がないこと
- 骨格がしっかりしていること
- 歩き方が良好であること
- 股関節や肘関節に異常がないこと
性格・資質
- 高い集中力を維持できること
- 物品を持ってくる意欲が旺盛であること
- 明朗で大胆な性格であること
- 担当者に対する服従心があること
訓練内容
- 服従訓練
- 嗅覚訓練
- 警戒訓練
加えて、嗅覚訓練には足跡追及、臭気選別、地域捜索などが含まれています。
ここで注意したいのは、この通達の具体的な調達・訓練基準は直轄警察犬を対象としたものだという点です。嘱託警察犬の審査は各都道府県警察の規定に基づいて実施されます。
2026年の都道府県別審査基準の違い実際の審査内容を比較すると、犬種の扱いや評価項目には違いがあります。
新潟県警:犬種を問わない受審制度
2026年8月に公表された令和8年度の募集要項では、受審犬の犬種は問いません。
足跡追及や臭気選別、捜索などの能力を持ち、1年間の活動に耐えられる健康状態であることなどが条件とされています。
また、狂犬病予防注射や犬の登録、マイクロチップ情報登録などについても条件が設けられています。
山口県警:5人の臭気から対象者を選ぶ
2026年9月に公表された令和9年嘱託警察犬の資格審査案内では、足跡追及と臭気選別が審査項目になっています。
臭気選別では、5人の臭気から仮想犯人の臭気を選び出す能力を確認します。
審査に合格した犬と指導手は、1年間嘱託される仕組みです。
奈良県警:部門ごとに犬種条件を設定
2026年8月公表の令和9年審査会の募集要項では、足跡追及と臭気選別の部門に日本警察犬協会の指定7犬種を設定しています。
一方、捜索救助の部門では犬種を問いません。
加えて、足跡追及ではPSH2以上または同等のIGP2以上、臭気選別ではPAH2以上という訓練資格の条件も設けられています。
このように、同じ県内でも活動部門によって受審条件が異なる場合があります。
警察犬になるまでの基本的な流れ嘱託警察犬を目指す場合、一般的には次のような流れになります。
飼育・健康管理
日頃から健康状態を管理し、基本的なしつけを身につけます。
専門訓練
服従、足跡追及、臭気選別、捜索救助など、希望する分野の訓練を積みます。
嘱託警察犬審査会への参加
各都道府県警察の受審条件を満たし、犬と指導手が審査を受けます。
能力・適性の評価
課題の正確さ、集中力、服従性、指導手の出動体制などが確認されます。
合格・嘱託
合格した犬と指導手が警察から嘱託され、警察活動に協力します。
継続的な訓練と出動
任命後も訓練を続け、警察からの要請に対応します。
なお、審査に合格しただけで自動的に警察犬として活動できるわけではありません。地域の需要、指導手の出動体制、犬の適性なども考慮されます。
【プロの結論】警察犬選びで本当に重視されるのは犬種より適性警察犬の選考を理解するうえで、最も重要なのは犬種と能力を混同しないことです。
シェパードやドーベルマンなどの指定犬種には、長年の使役実績や犬種としての作業適性があります。
一方、柴犬やチワワ、トイプードルなどの指定外犬種にも、それぞれの体格や性格を生かせる仕事があります。
例えば、大型犬の体力や持久力が必要な捜索もあれば、小型犬の機動性が役立つ場所もあります。
また、犬種の特徴が同じでも、個体ごとの性格、健康状態、集中力、指導手との相性は異なります。
警察犬の能力は、犬種のブランドではなく、犬と指導手が実際の審査・訓練で発揮する力によって判断されるのです。
2026年の指定外犬種の採用拡大は、警察犬の確保だけでなく、現場に合った能力を持つ犬を幅広く選ぶという意味でも注目されています。
【警察犬の犬種】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本で警察犬に指定されている犬種は何種類ですか?
A1:日本警察犬協会が指定しているのは7犬種です。ジャーマン・シェパード、ドーベルマン、コリー、エアデール・テリア、ボクサー、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバーです。
Q2:柴犬は本当に警察犬になれるのですか?
A2:なれます。2026年4月には、岐阜県警で初めて柴犬の「つぶ」が警察犬に任命されました。指定外犬種でも、各警察の受審条件を満たして合格すれば活動できます。
Q3:チワワも警察犬になったことがありますか?
A3:あります。2010年に奈良県警の嘱託警察犬審査会で、ロングコートチワワの「桃」が捜索救助部門に合格しました。
Q4:警察犬で最も多い犬種は何ですか?
A4:ジャーマン・シェパードが代表的で、長く警察犬の中心的な存在となっています。ただし、全国の犬種別の最新構成比については、統一された最新公表データとは区別して考える必要があります。
Q5:警察犬には小型犬も採用されるのですか?
A5:採用されます。トイプードル、ミニチュアシュナウザー、チワワなどの例があります。小型犬は狭い場所での捜索や機動性などに利点があります。
Q6:直轄警察犬と嘱託警察犬は何が違いますか?
A6:直轄警察犬は警察が直接飼育・訓練する犬で、嘱託警察犬は民間で飼育・訓練され、警察の審査に合格して活動する犬です。
Q7:警察犬になるために必要な資格はありますか?
A7:全国共通で一律の資格が必要というわけではありません。都道府県警察ごとに受審条件が異なり、訓練資格や健康状態、犬種、指導手の出動体制などが審査されます。
Q8:警察犬の主な仕事は何ですか?
A8:代表的な仕事は、足跡追及、臭気選別、行方不明者の捜索救助です。地域によっては、死体捜索などの専門的な活動も行います。
2026年現在、日本警察犬協会が指定する犬種は7種類ですが、実際の警察活動では、それ以外の犬種にも活躍の場が広がっています。
ジャーマン・シェパードやドーベルマンは、優れた身体能力や作業意欲を持つ代表的な警察犬です。一方、ラブラドールやゴールデンは人との協調性や嗅覚を生かし、柴犬やチワワなどの小型犬は、体格を生かした捜索で注目されています。
また、警察犬には直轄警察犬と嘱託警察犬があり、全国の警察活動は警察組織と民間の訓練士・指導手の協力によって支えられています。
今後の警察犬を考えるうえで注目したいのは、犬種の固定観念から離れ、個々の犬が持つ能力を適切な仕事に結び付けることです。足跡追及、臭気選別、災害救助など、それぞれの現場に適した犬を選ぶ仕組みが、警察犬の活動をさらに広げていくでしょう。
警察犬になれるかどうかを決めるのは、犬種の名前だけではありません。犬自身の能力と、日々訓練を積み重ねる指導手との信頼関係こそが、警察犬として活躍するための大切な条件です。