2026年の國學院大學は、学生三大駅伝の前半2大会でいずれも優勝争いに加わった。注目すべきなのは、単に2位という順位だけではない。出雲と全日本では異なるレース展開を経験しながら、終盤まで優勝を狙える位置を維持したことだ。
2026年10月12日・出雲駅伝の結果第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走は、全6区間45.1kmで争われた。
國學院大學は2時間06分54秒の大会新記録で総合2位。優勝した早稲田大学の2時間05分56秒には58秒及ばなかったものの、従来のチーム記録を上回る好成績だった。
レースの要点は4区以降にある。
- 1区・浅野結太:22分52秒、区間4位
- 2区・鼻野木悠翔:15分53秒、区間6位
- 3区・辻原輝:23分56秒、区間8位
- 4区・野中恒亨:17分14秒、区間2位、区間新記録
- 5区・飯國新太:17分39秒、区間3位、区間新記録
- 6区・髙石樹:29分20秒、区間3位
序盤は一時総合6位まで順位を落としたが、4区の野中が区間新記録をマーク。続く飯國も区間新記録で流れをつなぎ、アンカーの髙石が最終的に2位まで順位を押し上げた。
特に野中と飯國がともに区間新記録を出した点は、チームの個人能力の高さを示している。髙石も最後まで優勝を諦めない走りを見せた。
國學院大學陸上競技部の公式結果発表でも、3連覇を目指していたチームにとって悔しさの残る大会だったことが伝えられている。
2026年11月1日・全日本大学駅伝の結果続く第58回全日本大学駅伝対校選手権大会は、愛知県の熱田神宮西門前から三重県の伊勢神宮内宮宇治橋前までを結ぶ全8区間106.8kmのレースだった。
國學院大學は5時間07分05秒で総合2位。優勝した早稲田大学は5時間03分31秒で、その差は3分34秒だった。
飯國新太と吉田蔵之介が、それぞれ区間賞を獲得した。
全区間の結果を確認すると、序盤の巻き返しと中盤以降の安定感が際立つ。
| 区間 | 選手 | 記録 | 区間順位 |
|---|---|---|---|
| 1区 | 尾熊迅斗 | 27分55秒 | 13位 |
| 2区 | 浅野結太 | 31分21秒 | 5位 |
| 3区 | 辻原輝 | 33分52秒 | 6位 |
| 4区 | 飯國新太 | 33分15秒 | 1位 |
| 5区 | 鼻野木悠翔 | 35分34秒 | 2位 |
| 6区 | 吉田蔵之介 | 36分41秒 | 1位 |
| 7区 | 野中恒亨 | 51分07秒 | 4位 |
| 8区 | 髙石樹 | 57分20秒 | 3位 |
1区の尾熊は区間13位だったが、先頭との差はわずか10秒。2区の浅野が一気に順位を8つ上げて5位に浮上した。
3区の辻原が3位まで押し上げ、4区の飯國が区間賞で総合2位へ。5区の鼻野木が順位を維持し、6区の吉田も区間賞の快走で2位を守った。
7区の野中、8区の髙石も大きく崩れず、最後まで2位を維持している。
特筆すべきは吉田の36分41秒だ。区間賞に加えて区間新記録を樹立し、チーム記録も更新した。飯國も33分15秒で國學院記録を塗り替えている。
公式発表では、2024年以来となる全日本優勝を目指したものの、2年連続ならぬ出雲に続く今季2大会連続の準優勝となったことを受け、箱根に向けて残り2か月の課題に取り組む姿勢が示された。
【國學院大學駅伝の主力メンバー】野中恒亨・飯國新太・吉田蔵之介らの実力

2026年度の國學院大學陸上競技部は、4年生の経験値と3年生の成長、さらに2年生の勢いが組み合わさったチームだ。
特に注目したいのは、主将、副将、寮長というチーム運営の中心を担う選手たちが、実際のレースでも結果を残していることだ。
野中恒亨主将:チームを牽引するエース
野中恒亨(のなか・ひろみち)
4年生・人間開発学部健康体育学科
- 5000m:13分28秒47
- 10000m:27分36秒64
- ハーフマラソン:1時間00分51秒
野中は2026年度の主将であり、チームの精神的支柱でもある。
出雲駅伝では4区を担当し、17分14秒の区間新記録をマーク。全日本では最長クラスの7区17.6kmを51分07秒で走り、区間4位で総合2位を維持した。
野中の強みは、短い距離のスピードだけでなく、長い距離でも安定した走りを期待できる点にある。
大学公式プロフィールに記載された令和8年度の抱負は、箱根駅伝の区間賞と総合優勝。個人のタイトルとチームの頂点を同時に目指している。
飯國新太:2026年全日本の区間賞ランナー
飯國新太(いいぐに・あらた)
3年生・法学部法律学科・寮長
- 5000m:13分51秒98
- 10000m:28分23秒35
- ハーフマラソン:1時間01分51秒
飯國は2026年の駅伝シーズンで大きく評価を高めた選手の一人だ。
出雲では5区を担当し、17分39秒の区間3位。区間新記録を記録したものの、区間賞には届かなかった。
しかし、全日本では4区に登場。33分15秒で区間賞を獲得し、チームを総合2位へ押し上げた。
寮長としてチームを支える立場でもあり、競技面と生活面の両方で存在感を発揮している。
吉田蔵之介:全日本6区で区間新記録
吉田蔵之介(よしだ・くらのすけ)
4年生・経済学部経済学科・副将
- 5000m:13分57秒72
- 10000m:29分04秒52
- ハーフマラソン:1時間02分01秒
吉田は全日本大学駅伝6区で36分41秒を記録。区間新記録で区間賞を獲得した。
この区間は12.8km。レース中盤から後半にかけて、チームの順位を守る重要な役割を担う。
さらに吉田は2026年度の副将でもある。公式プロフィールでは、前年の箱根駅伝を走れなかった悔しさを三大駅伝でぶつける意欲も示している。
全日本での結果は、その意気込みを実際の走りに結び付けたものだった。
髙石樹:若い世代を代表する長距離ランナー
髙石樹(たかいし・いつき)
2年生・人間開発学部健康体育学科
- 5000m:13分45秒29
- 10000m:27分57秒71
- ハーフマラソン:1時間00分53秒
髙石は、2026年の出雲と全日本の両方でアンカーを任された。
出雲では6区29分20秒で区間3位。チームを6位から2位へ押し上げるフィニッシュを見せた。
全日本でも8区19.7kmを57分20秒で走り、区間3位を記録。國學院記録も更新している。
2年生でありながら、重要な最終区間を任されている点は見逃せない。箱根駅伝でも、今後のチームを支える選手として期待が集まる。
辻原輝:安定したレース運びを担う副将
辻原輝(つじはら・ひかる)
4年生・文学部史学科
- 5000m:13分35秒30
- 10000m:28分24秒68
- ハーフマラソン:1時間00分33秒
辻原はチームの経験豊富な4年生であり、副将として野中主将を支える存在だ。
2026年の出雲では3区23分56秒、区間8位。全日本では3区33分52秒、区間6位だった。
どちらも区間賞ではないが、全日本では1区13位から2区5位、3区3位へと上昇したチームの流れを引き継いだ。
こうした選手が複数いることは、駅伝で重要な選手層の厚さにつながる。
【2026年度のチーム目標】野中主将体制と「覚悟はいいか」の意味
2026年4月19日、國學院大學陸上競技部は新年度の幹部とチームスローガンを発表した。
チームスローガンは、
「覚悟はいいか〜想いの継承、そして頂点へ〜」
そして、明確に掲げられた目標が箱根駅伝総合優勝だ。
2026年度の幹部一覧| 役職 | 選手名 | 学年 |
|---|---|---|
| 主将 | 野中恒亨 | 新4年 |
| 副将 | 田中愛睦 | 新4年 |
| 副将 | 辻原輝 | 新4年 |
| 副将 | 吉田蔵之介 | 新4年 |
| 寮長 | 飯國新太 | 新3年 |
| 主務 | 西村拓真 | 新4年 |
| 副務 | 平澤琉生 | 新4年 |
注目したいのは、野中だけにチーム運営の責任を集中させていないことだ。
辻原と吉田が副将を務め、飯國が寮長として日常生活の面からチームを支える。複数のリーダーが異なる役割を担う構成になっている。
公式発表では、過去2年間にあと一歩で届かなかった悔しさを踏まえ、部員一人ひとりが総合優勝への決意を持つことがスローガンに込められている。
また、前田康弘監督も2026年度の抱負として、先輩たちの思いを継承し、さらなるステージを目指す姿勢を示している。
前田康弘監督が率いるチームの特徴
前田康弘監督
國學院大學陸上競技部監督。2009年8月に就任。駒澤大学時代には2000年の箱根駅伝総合優勝を主将として経験している。
前田監督の指導体制で注目されるのは、学生三大駅伝それぞれで優勝を争えるチームづくりを進めてきた点だ。
2024年には出雲駅伝と全日本大学駅伝を制覇。2025年には出雲駅伝を連覇した。
箱根駅伝でも2025年3位、2026年2位と着実に順位を上げている。
2026年度の目標が箱根総合優勝に絞られているのは、チームが単に三大駅伝の上位常連で満足していないことの表れだ。
【第103回箱根駅伝2027の展望】國學院大學は総合優勝できるのか
第103回東京箱根間往復大学駅伝競走は、2027年1月2日・3日に開催される。
東京・大手町から箱根・芦ノ湖までを往路5区間、復路5区間の合計10区間217.1kmでつなぐ大会だ。
國學院大學は前回大会の上位10校に入り、シード校として出場する。
箱根で総合優勝を狙える3つの強み1.主力選手の競技力が高い
野中は10000m27分36秒64、髙石は27分57秒71という自己ベストを持つ。
この水準の選手が複数いることは、箱根の長距離区間で大きな武器になる。
2.複数の区間賞ランナーがいる
2026年全日本では飯國と吉田が区間賞を獲得した。
特定の1人だけに依存せず、複数の選手が勝負どころで結果を残せることは総合力の高さを示す。
3.2年生・3年生にも経験が蓄積している
髙石は2026年の出雲と全日本でアンカーを務めた。飯國も全日本で区間賞を獲得し、浅野や鼻野木も上位区間成績を残している。
こうした選手が次のシーズンでも主力として成長できれば、チームの選択肢はさらに広がる。
箱根総合優勝に向けて克服したい3つの課題一方で、前半2大会の結果から見えてくる課題もある。
1.序盤の位置取り
出雲では2区終了時点で総合6位。全日本では1区終了時点で13位だった。
全日本の1区は先頭との差が10秒しかなく、数字ほど大きな出遅れではない。しかし、出雲も含めて序盤に順位を落とした後、主力選手が追い上げる展開が続いた。
箱根は10区間の長丁場であり、序盤に余計な負担をかけないレース運びが求められる。
2.長距離区間での総合力
全日本の7区・8区では野中と髙石が安定した走りを見せた。
しかし、箱根は20km前後の区間が連続する。出雲や全日本での結果だけで、箱根の長距離適性を判断することはできない。
特に往路の山上り・山下りを含めた配置と、復路での安定性が重要になる。
3.選手層と当日の変更への対応
箱根は10人の正選手だけでなく、補欠選手の状態も結果に影響する。
故障やコンディションの変化があった際に、代わりの選手がどこまで力を発揮できるか。主力に負担が集中しない編成が必要だ。
2027年の区間エントリーはいつ分かる?2026年11月4日現在、第103回箱根駅伝の國學院大學の区間エントリーはまだ発表されていない。
現在公表されているのは2026年度の部員情報や幹部構成、各大会の出走記録だ。
大学公式のメンバー紹介に掲載されている選手全員が、そのまま箱根の10人に選ばれるわけではない。
チームエントリーと区間エントリーは別の発表であり、最終的な出走選手については大会直前の公式発表を確認する必要がある。
そのため、現段階で野中が何区、飯國が何区と断定することはできない。
【國學院大學駅伝の歴代成績】出雲・全日本の優勝実績と箱根の順位
國學院大學の駅伝を評価する際には、2026年の成績だけでなく、過去の実績も押さえておきたい。
同大学は出雲駅伝と全日本大学駅伝で優勝経験を持ち、大学駅伝の強豪校として地位を確立してきた。
学生三大駅伝の主な歴代実績| 年 | 出雲駅伝 | 全日本大学駅伝 | 箱根駅伝 |
|---|---|---|---|
| 2019年 | 優勝 | 東海大優勝 | 青学大優勝 |
| 2024年 | 優勝 | 優勝 | 5位 |
| 2025年 | 優勝 | 4位 | 3位 |
| 2026年 | 2位 | 2位 | 2位 |
※2026年の箱根駅伝は1月開催の第102回大会。出雲・全日本は同年秋の大会。
出雲駅伝は2019年に初優勝、2024・2025年には連覇國學院大學が出雲駅伝で初優勝したのは2019年。
その後、2024年に5年ぶり2度目の優勝を達成し、2025年には大会2連覇を実現した。
2024年は野中恒亨、上原琉翔、平林清澄らが区間賞を獲得。2025年も辻原輝らが活躍し、チームの総合力を示した。
2026年は3連覇を目指したが、早稲田大学に及ばず2位となった。
全日本大学駅伝は2024年に初優勝全日本大学駅伝では2024年に悲願の初優勝を達成した。
5時間09分56秒でゴールし、同年の出雲駅伝と合わせて大学三大駅伝2冠を獲得した。
2026年は2年ぶりの優勝を目指したものの、総合2位。再び伊勢路の頂点に立つためにも、序盤の流れや各区間の配置を見直す必要がある。
箱根駅伝は2026年に過去最高の総合2位箱根駅伝の歴代成績では、2026年の第102回大会が大きな転換点となった。
| 大会 | 総合順位 | 総合タイム |
|---|---|---|
| 第102回・2026年 | 2位 | 10時間40分07秒 |
| 第101回・2025年 | 3位 | 10時間50分47秒 |
| 第100回・2024年 | 5位 | 10時間55分27秒 |
| 第99回・2023年 | 4位 | 10時間55分01秒 |
| 第98回・2022年 | 8位 | 10時間57分10秒 |
| 第97回・2021年 | 9位 | 11時間04分22秒 |
| 第96回・2020年 | 3位 | 10時間54分20秒 |
ここで押さえておきたいのが、國學院大學は出雲駅伝と全日本大学駅伝では優勝経験があるものの、箱根駅伝の総合優勝はまだ達成していないという点だ。
2026年の総合2位は過去最高順位。2027年の第103回大会は、悲願の箱根初制覇に挑む重要な大会となる。
【プロの結論】國學院大學が箱根駅伝で優勝するための条件
2026年の國學院大學を評価すると、総合優勝を目指すだけの戦力は十分にそろっている。
ただし、出雲と全日本で連続2位だった事実は、単純に実力が足りないという意味ではない。
むしろ、優勝までの最後の差をどのように埋めるかが明確になったシーズンと捉えられる。
優勝を左右するのは個人の記録だけではない飯國や吉田の区間賞、野中の区間新記録、髙石のアンカーとしての安定感は、個人能力の高さを証明している。
しかし、駅伝は個人の記録を足し合わせるだけの競技ではない。
選手の調子、区間の相性、レースの流れ、襷を受け取る時点の順位など、複数の要素が最終順位に影響する。
國學院大學に求められるのは、主力選手の力を最大限に生かしながら、チーム全体で10区間を戦い抜くことだ。
箱根初優勝を判断するための注目ポイント今後の國學院大學を評価する際には、次の4点を確認したい。
1. 野中主将の状態: 7区など長距離区間で安定した走りを維持できるか。
2. 飯國・吉田の成長: 区間賞を獲得した2人が箱根でも勝負できるか。
3. 髙石ら下級生の進化: 2年生・3年生が長距離区間でどこまで成長するか。
4. 選手層の厚さ: 正選手だけでなく補欠を含めた10区間の編成ができるか。
注目すべきなのは、箱根駅伝で総合優勝を達成したかどうかという結果だけではない。出雲・全日本から箱根へ向けて、チームの課題がどれだけ改善されたかという過程も重要になる。
【國學院大學駅伝】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:國學院大學の2026年出雲駅伝の結果は?
A1:2026年10月12日の第38回出雲駅伝で総合2位でした。記録は2時間06分54秒で、大会新記録を樹立しています。
Q2:國學院大學の2026年全日本大学駅伝の結果は?
A2:2026年11月1日の第58回大会で総合2位でした。総合記録は5時間07分05秒。飯國新太が4区、吉田蔵之介が6区で区間賞を獲得しました。
Q3:2026年度の國學院大學駅伝の主将は誰?
A3:野中恒亨です。2026年度の主将としてチームを率い、出雲では4区区間2位・区間新記録、全日本では7区を担当しました。
Q4:國學院大學は箱根駅伝で総合優勝したことがある?
A4:2026年11月4日時点では、箱根駅伝の総合優勝はありません。第102回大会(2026年)の総合2位が過去最高成績です。出雲駅伝と全日本大学駅伝では優勝経験があります。
Q5:國學院大學の第103回箱根駅伝の区間エントリーは発表された?
A5:2026年11月4日現在、正式な区間エントリーは発表されていません。野中恒亨、飯國新太、吉田蔵之介、髙石樹らの出走区間については、今後の公式発表が注目されます。
2026年の國學院大學陸上競技部は、出雲駅伝と全日本大学駅伝で連続総合2位という結果を残した。
野中恒亨主将のリーダーシップ、飯國新太と吉田蔵之介の区間賞、辻原輝の安定感、そして髙石樹の成長。主力選手それぞれが異なる役割を果たし、チームとしての強さを証明している。
一方、箱根駅伝の総合優勝はまだ実現していない。
2027年1月の第103回大会では、序盤の位置取り、長距離区間の安定性、選手層の厚さが優勝への重要な判断材料となる。
2026年度のスローガンは「覚悟はいいか〜想いの継承、そして頂点へ〜」。目標は箱根駅伝総合優勝だ。
出雲と全日本で積み上げた準優勝の経験を、箱根で初めての総合優勝に変えられるか。
野中主将を中心とした國學院大學の最後の挑戦に、2026年シーズン最大の注目が集まっている。