NTT(日本電信電話)の株式分割は、2023年7月1日に実施された「1株を25株にする」大規模な分割が直近の実績です。2026年11月現在、次回の株式分割について新たな実施日や分割比率は公表されていません。証券コード9432のNTT株を保有している人にとって、今後の追加分割があるのか、保有株数や配当金がどう変わるのかは気になるところです。
NTTが2023年に分割を決定した背景には、2024年から始まった新NISA制度への対応と、個人投資家が購入しやすい投資環境の整備がありました。2026年度の年間配当予想は1株当たり5.4円で、16期連続増配を予定しています。加えて、2026年11月4日には2026年度第2四半期決算も発表されました。最新の公式IR情報をもとに、分割の仕組みから今後の見通しまで整理します。
【2026年最新】NTTの株式分割はいつ?次回予定と追加分割の見通し

まず押さえておきたいのは、NTTの直近の株式分割が2023年7月1日に効力を発生したという事実です。
2026年11月4日現在、NTT株式会社から次回の株式分割について具体的な実施日、分割比率、基準日などは発表されていません。したがって、現段階では「次回分割は未定」というのが正確な状況です。
2023年7月1日の株式分割スケジュールNTTは2023年5月12日開催の取締役会で、普通株式1株を25株に分割することを決議しました。実施に向けた主な日程は次のとおりです。
- 2023年5月12日:株式分割を取締役会で決議
- 2023年6月15日:基準日公告
- 2023年6月29日:分割を考慮した株価で取引開始
- 2023年6月30日:株主確定の基準日
- 2023年7月1日:株式分割の効力発生日
7月1日は土曜日だったため、実際の市場取引では6月29日から分割後の価格が適用されました。6月30日時点で株主名簿に記録された保有株式数を基準に、25倍の株式が割り当てられています。
2026年に追加分割が実施される可能性は?追加分割を考えるうえで注目したいのが、2023年の分割発表時にNTTが示した今後の考え方です。
同社は、2024年の新NISA制度導入後の株式市場の動向や株主構成の変化などを総合的に勘案しながら、投資単位の水準を引き続き検討する方針を示していました。
つまり、将来的な株式分割を完全に否定したわけではありません。しかし、この方針は追加分割の決定や実施予告を意味するものでもありません。
2026年11月4日に更新されたNTTの最新IR資料や適時開示情報にも、次回の株式分割に関する決議は掲載されていません。追加分割を予測する場合は、株価の上昇だけでなく、会社側の投資単位に対する考え方や株主構成の変化を確認する必要があります。
【理由と経緯】NTTが1株を25株に分割した目的とは?
NTTが2023年に大規模な株式分割を実施した最大の目的は、個人投資家が株式を購入しやすい環境を整えることでした。
当時、NTT株は企業としての知名度や安定した事業基盤を持つ一方、100株単位で購入する場合の投資金額が個人投資家にとって一定の負担になっていました。
新NISA制度の導入を見据えた投資環境の改善2024年1月には新しいNISA制度が始まりました。非課税で投資できる制度の拡充によって、個別株への投資を検討する人にとっても、購入時の資金負担は重要な判断材料になりました。
NTTは2023年5月12日の公式発表で、投資単位当たりの金額を引き下げ、幅広い世代の投資家に株主となってもらうことを分割の目的として説明しています。
特に注目したいのは、単に株価を安く見せることではなく、議決権を持つ株主としてNTT株を保有してもらうことを意識していた点です。
分割によって投資金額はどれだけ変わった?NTTが公表した分割説明資料では、分割前の株価を4,000円とした場合の例が示されています。
- 分割前:100株×4,000円=40万円
- 分割後:2,500株×160円=40万円
この例では、保有株式数が25倍になる一方、1株当たりの価格は25分の1になります。資産の合計額は変わりません。
投資単位で比較すると、従来の40万円から約1万6,000円へと大きく引き下げられました。個人投資家がNTT株を検討しやすくなった理由は、この購入単位の変化にあります。
分割後に個人株主は増えたのかNTTが2025年の定時株主総会に向けて公表した事前質問への回答によると、2025年3月末時点の株主数は268万人でした。
これは株式分割を公表する前の2023年3月と比較して約3倍に増えた数字です。株主の年齢構成も多様化したとNTTは説明しています。
もちろん、株主数の増加には新NISAの普及や株式市場全体の動向など、複数の要因が関係します。それでも、購入単位を引き下げた施策が個人株主の拡大につながったことは、NTTの公表資料から読み取れます。
【仕組みを図解】NTT株の保有株数・株価・配当金はどう変わった?
株式分割で最も誤解されやすいのが、株数が増えることで資産価値や配当金まで増えるという考え方です。
実際には、株式分割は保有株式を一定の比率で細分化する手続きです。保有株数と1株当たりの価格が反比例するため、分割を実施した瞬間に資産価値が25倍になるわけではありません。
100株保有していた場合の変化2023年6月30日の基準日時点でNTT株を100株保有していた場合、分割後の保有株数は2,500株になりました。
これは株式の保有割合が変わるという意味ではありません。会社全体の株式数も同じ比率で増えるため、会社に対する持ち分の割合は基本的に維持されます。
分割前後の株価・保有株数・配当金の比較| 比較項目 | 分割前 | 分割後 |
|---|---|---|
| 分割比率 | 1株 | 25株 |
| 保有株数 | 100株 | 2,500株 |
| 参考株価 | 4,000円 | 160円 |
| 株式評価額 | 40万円 | 40万円 |
| 100株単元の購入金額 | 40万円 | 1万6,000円 |
| 年間配当の比較例 | 1株125円 | 1株5円 |
| 100株相当の年間配当 | 1万2,500円 | 1万2,500円 |
※株価4,000円と160円はNTTの説明資料にある比較例です。配当は2023年度の年間予想を分割前後で換算したものです。実際の市場価格や将来の配当を保証する数字ではありません。
株式分割によって配当金は増える?減る?分割によって1株当たりの配当金は原則として25分の1に調整されます。しかし、保有株数が25倍になるため、会社が同じ総額の配当を実施するなら、受け取る配当金の合計額は変わりません。
例えば、分割前の100株に対して年間125円の配当があった場合、合計は1万2,500円です。分割後は2,500株に対して1株5円となり、こちらも年間1万2,500円です。
ただし、これは分割だけによる調整を比較したものです。その後の増配や減配によって、実際の受取額は変化します。
2023年の分割で手続きは必要だった?NTTの株式分割では、株主側で特別な申請や手続きをする必要はありませんでした。証券会社の口座に記録されている保有株数が分割比率に応じて調整される仕組みです。
また、NTTの公式FAQでは、分割後の配当金についても、保有株式数の増加と1株当たり配当額の調整によって、分割そのものを理由とした受取総額の変化はないと説明されています。
【歴代の分割一覧】NTTの株式分割と100株単元制度の関係
NTTは2023年の25分割以前にも、複数回の株式分割を実施してきました。現在の株数や1株当たり配当を過去と比較する際には、これらの分割履歴を把握しておくことが大切です。
NTTの過去の株式分割一覧| 実施日 | 分割比率 | 制度・投資環境との関係 |
|---|---|---|
| 1995年11月24日 | 1株→1.02株 | 過去の株式分割 |
| 2009年1月4日 | 1株→100株 | 100株を1単元とする制度を導入 |
| 2015年7月1日 | 1株→2株 | 投資単位の調整 |
| 2020年1月1日 | 1株→2株 | 投資単位の調整 |
| 2023年7月1日 | 1株→25株 | 新NISA導入を見据えた投資環境の改善 |
NTTの公式IRに掲載された株式の歴史によると、今回の25分割は過去の分割と比較しても大きな比率です。2009年の分割では、株式分割と同時に単元株制度も導入されました。
NTT株の100株単元制度は現在も変わらない2023年の株式分割によって、100株単位の売買制度まで25倍に変更されたわけではありません。
2026年現在も、NTTの通常の売買単位は100株です。したがって、証券取引所で通常の単元株として購入する場合は100株単位となります。
例えば、分割後の株価が160円なら、100株の購入に必要な金額は1万6,000円です。株価が170円なら1万7,000円となります。
なお、証券会社によっては単元未満株の取引サービスがあり、1株単位などで購入できる場合もあります。ただし、単元未満株は通常の100株単位の取引とは議決権や売買方法などの扱いが異なります。
新NISAでNTT株を購入するメリット新NISAの成長投資枠では、対象となる国内上場株式への投資が可能です。NTT株も個別株投資の候補になります。
株式分割によって100株単位の購入金額が下がったことは、限られた投資資金で複数銘柄に分散したい人にとって利点です。
ただし、株式分割によってNISAの非課税枠が増えるわけではありません。年間投資枠や生涯非課税保有限度額の仕組みは変わらず、投資した株式の値上がりや配当が保証されるわけでもありません。
【2026年度最新】NTTの配当予想5.4円と自己株式取得を検証
2026年にNTT株を保有する投資家にとって、株式分割の次回予定と同じくらい重要なのが、配当方針と自己株式取得です。
NTTは株主還元の基本方針として、継続的な増配と機動的な自己株式取得を掲げています。2026年5月14日に更新された公式IRでは、2026年度の年間配当を1株当たり5.4円とする予想を公表しています。
2026年度の年間配当予想は5.4円NTTの2026年度配当予想は、次のとおりです。
- 中間配当:1株当たり2.70円(予定)
- 期末配当:1株当たり2.70円(予定)
- 年間配当:1株当たり5.40円(予定)
これは前年度の年間配当5.3円から0.1円増える計画で、16期連続増配となる見込みです。
2023年の株式分割を考慮した現在の株数で計算すると、100株保有の場合の年間配当予想は540円、1,000株なら5,400円です。税引前の金額であり、実際の受取額は課税口座かNISA口座かによって異なります。
分割前から100株を保有し続けている場合は、分割後の2,500株が基準になります。年間5.4円の配当が実現すれば、年間受取額は1万3,500円です。
2026年の自己株式取得は上限2,000億円2026年5月8日、NTTは自己株式取得に関する取締役会決議を発表しました。
取得の目的は、資本効率の向上と株主還元の充実です。主な条件は以下のとおりです。
- 取得株式数:14億株(上限)
- 取得総額:2,000億円(上限)
- 取得期間:2026年5月11日から2027年3月31日まで
- 取得方法:東京証券取引所での市場買付
加えて、2026年11月2日に発表された取得状況によると、10月31日時点の累計取得株数は6億4,910万7,600株、取得総額は約1,048億7,561万円でした。
これは決議された取得上限に対して、実際にどの程度の買付けが進んでいるかを判断する材料になります。
2026年11月4日発表の第2四半期決算にも注目2026年11月4日、NTTは2026年度第2四半期の連結決算を発表しました。
公表された中間期の主な実績は次のとおりです。
- 営業収益:7兆3,621億5,400万円(前年同期比8.7%増)
- 営業利益:8,300億7,300万円(同12.2%減)
- 親会社の所有者に帰属する中間利益:5,001億9,300万円(同16.0%減)
営業収益は増加した一方、営業利益と中間利益は前年同期を下回りました。つまり、売上規模の拡大と利益面の改善は分けて確認する必要があります。
2026年度の配当予想5.4円は、こうした業績の動向や今後のキャッシュフローと合わせて判断したい数字です。増配方針や自己株式取得は株主還元の面で評価材料になりますが、業績の変化によって株価が下落する可能性もあります。
【投資判断】NTT株の追加分割を待つべき?購入前に確認したいポイント
NTT株を購入するか迷っている人にとって、次回の株式分割が実施されるかどうかは気になるテーマです。しかし、分割の発表を待つことだけを投資判断の中心にするのは合理的とはいえません。
株式分割は購入単位を引き下げる制度上の変更であり、企業の収益力や事業価値を直接高めるものではないからです。
NTT株への投資を検討しやすい人- 少額から国内大型株への投資を始めたい人
- 配当収入を長期的な資産形成に活用したい人
- NTTグループの通信・ICT・データ関連事業の成長に期待する人
- 新NISAの成長投資枠で国内個別株を保有したい人
- 株価の短期変動に左右されず、業績や配当方針を継続的に確認できる人
- 株式分割が発表されれば株価が必ず上昇すると考えている人
- 短期間で大きな値上がり益を期待している人
- 配当利回りだけで銘柄を選び、企業業績を確認しない人
- 通信関連銘柄に資産が集中している人
- 株価下落による含み損に耐えられない人
実際に購入を検討する際は、次の4点を確認すると判断しやすくなります。
1. 配当利回り
年間配当予想5.4円を現在の株価で割ることで、予想配当利回りを計算できます。ただし、株価が下がれば利回りは上がりますが、それだけで割安になったとは限りません。
2. 営業利益と純利益
2026年度第2四半期は増収減益でした。売上高だけでなく、利益率や事業ごとの収益性を確認することが必要です。
3. 自己株式取得の進捗
2026年の取得計画は上限2,000億円です。実際の取得株数と取得金額を定期的に確認することで、株主還元策の実行状況を把握できます。
4. 株式分割の正式発表
追加分割を判断する場合は、NTTのIRニュースや適時開示に掲載される取締役会決議、基準日、効力発生日を確認します。株価が一定水準を超えたという理由だけで、分割実施を決めつけないことが大切です。
【NTT株分割】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:NTTの株式分割はいつ実施されましたか?
A1:直近の株式分割は2023年7月1日に実施されました。普通株式1株を25株にする分割で、2023年6月30日が基準日です。市場では6月29日から分割を考慮した価格で取引されました。
Q2:NTT株の次回の株式分割は2026年にありますか?
A2:2026年11月4日時点で、NTTから次回の株式分割に関する正式発表はありません。追加分割の実施日や比率も未定です。
Q3:NTT株を100株持っていた場合、分割後は何株になりますか?
A3:2023年の分割では100株が2,500株になりました。株価は理論上25分の1になりますが、分割だけで保有資産の価値が変わるわけではありません。
Q4:NTT株の分割で配当金は増えますか?
A4:分割そのものでは配当金の総額は増えません。保有株数が25倍になる一方、1株当たり配当金は原則25分の1に調整されます。その後の増配・減配によって実際の受取額は変わります。
Q5:NTT株の2026年度の配当予想はいくらですか?
A5:NTTが公表している2026年度の年間配当予想は1株当たり5.4円です。中間・期末ともに2.7円を予定しており、実現すれば16期連続増配となります。
Q6:NTT株は現在も100株単位で購入する必要がありますか?
A6:通常の証券取引所での売買単位は100株です。2023年の25分割後も単元株数は変更されていません。ただし、証券会社の単元未満株サービスを利用すれば、1株単位などで購入できる場合があります。
Q7:NTT株は新NISAで購入できますか?
A7:NTT株は新NISAの成長投資枠で投資できる国内上場株式です。非課税保有のメリットを活用できますが、株価下落のリスクや年間投資枠には注意が必要です。
NTTの株式分割は、2023年7月1日に実施された1株から25株への分割が直近の実績です。新NISA制度の導入を見据え、個人投資家が株式を購入しやすい環境を整えることが主な目的でした。
2026年11月現在、次回の追加分割について正式な発表はありません。2023年の分割によって100株は2,500株になりましたが、通常の売買単位は現在も100株です。
一方、2026年度の年間配当予想は5.4円で、16期連続増配を予定しています。上限2,000億円の自己株式取得も進められており、株主還元への取り組みは継続しています。
ただし、11月4日発表の中間決算では増収減益となっており、配当方針だけで投資判断を決めるのは早計です。営業利益や純利益、自己株式取得の進捗、今後の事業成長を合わせて確認する必要があります。
NTT株への投資で大切なのは、次回の株式分割を待つことではなく、現在の株価と企業価値、配当水準を比較することです。2026年以降もNTTの公式IRで分割に関する発表と株主還元方針を確認しながら、長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。