ドラマ『陸王』に登場する老舗足袋メーカー「こはぜ屋」には、実在するモデル企業があるのでしょうか。作中で開発されるランニングシューズ「陸王」も、実際に販売されている商品がモデルになっているのか、気になる人は少なくありません。
結論からいえば、『陸王』は池井戸潤によるフィクションですが、執筆時に取材した実在企業として、埼玉県行田市の「きねや足袋」が存在します。 同社は2013年にランニング足袋「きねや無敵(MUTEKI)」を発売しており、ドラマの撮影にも技術協力しました。一方、劇中のシューズそのものを製作したのはミズノです。加えて、物語の重要な素材「シルクレイ」は池井戸潤が創作したものです。
つまり、実在する企業、実際の製品、伝統的な足袋製造技術、そして作家の創造力が組み合わさって生まれた作品なのです。
この記事では、2026年11月時点の企業公式情報、原作者インタビュー、ドラマ制作資料などをもとに、こはぜ屋のモデル説からMUTEKIの現在、撮影用シューズの製作秘話まで詳しく解説します。
【真相】ドラマ『陸王』のモデルは実在する?こはぜ屋ときねや足袋の関係

『陸王』の舞台となる「こはぜ屋」は、埼玉県行田市にある老舗足袋メーカーという設定です。
役所広司演じる四代目社長・宮沢紘一が、先細る足袋需要に危機感を抱き、会社の存続を賭けてランニングシューズの開発に挑みます。
しかし、こはぜ屋という会社や宮沢紘一という社長が実在するわけではありません。
原作を刊行した集英社も、『陸王』を池井戸潤による小説として紹介しています。作品の中心にあるのは、足袋メーカーの新規事業開発、資金調達、技術革新、大企業との競争を描いた企業小説です。
したがって、実在する会社の経営再建をそのままドラマ化した作品ではありません。
モデル企業として名前が挙がる「きねや足袋」とは?埼玉県行田市・1929年創業
和装用足袋や地下足袋などを製造する老舗メーカー。伝統的な縫製技術を生かし、ランニング足袋の開発にも取り組んでいる。
きねや足袋は、実際に埼玉県行田市で営業している足袋メーカーです。
同社の公式会社案内によると、創業は1929年(昭和4年)。会社設立は1949年で、現在も足袋製造を続けています。
加えて、同社の歴史をたどると、次のような歩みが確認できます。
- 1929年:創業者の中澤政雪が足袋の下請け業を開始
- 1949年:中澤足袋有限会社を設立
- 1965年:きねや足袋株式会社に改名
- 1995年:ベトナムに進出
- 2006年:足袋づくりを見学できる「足袋の館」を開館
- 2014年:中澤貴之氏へ事業を継承
こうした企業の歩みは、伝統産業を守りながら新しい市場に挑む『陸王』の世界観と重なります。
池井戸潤は実際にきねや足袋を取材していたモデル説が広まった最大の理由は、原作者本人がきねや足袋を訪問していたことです。
2016年7月24日掲載の「週刊文春」の著者インタビューで、池井戸潤は『陸王』の執筆に際して、実際に行田市のきねや足袋を取材したことを明かしています。
取材で注目したのは、伝統的な足袋製造を続ける会社が、ランニング足袋という新しい商品を開発しようとしていたことでした。
当時、きねや足袋は「無敵」という名称のランニング足袋を売り出そうとしていました。
池井戸潤は、この偶然が小説の構想を後押ししたと説明しています。
ただし、ここで注意したいのが、取材先であることと、作品の直接的なモデル企業であることは同じではないという点です。
きねや足袋の技術や事業への挑戦は、作品を構想するうえで重要な現実の背景になりました。しかし、こはぜ屋の経営状況や登場人物、開発をめぐる一連の事件まで、実際のきねや足袋で起きた出来事だと解釈することはできません。
【関係性を整理】陸王・きねや無敵・ミズノ・シルクレイの違い
『陸王』のモデル説を理解するには、作品に登場する企業や商品と、実際に関わった企業を区別する必要があります。
とくに、きねや足袋とミズノは同じように作品に関係していますが、担当した役割はまったく異なります。
実在する企業・商品と架空の設定を比較| 対象 | 実在・架空 | 『陸王』との関係 |
|---|---|---|
| こはぜ屋 | 架空 | 物語の中心となる足袋メーカー |
| きねや足袋 | 実在 | 池井戸潤の取材先・撮影協力企業 |
| きねや無敵 | 実在 | きねや足袋が開発したランニング足袋 |
| 陸王 | 架空 | 劇中でこはぜ屋が開発するシューズ |
| ミズノ | 実在 | ドラマに登場するシューズを製作 |
| ミズノテクニクス | 実在 | 劇中シューズの製作を担当 |
| Vibram FiveFingers | 実在 | 池井戸潤が着想を得たシューズ |
| シルクレイ | 架空 | 物語の中核となるソール素材 |
| 小島染織工業 | 実在 | 池井戸潤が行田取材で訪れた企業 |
理由は大きく3つあります。
1つ目は、所在地が同じ行田市であること。
こはぜ屋もきねや足袋も埼玉県行田市に関係しています。行田市は江戸時代から足袋づくりが盛んな地域で、昭和初期には全国有数の生産地として栄えました。
2つ目は、実際にランニング足袋を開発していること。
きねや足袋は、和装用足袋だけでなく、現代のランニングに使える商品を開発しました。その代表的な製品が「きねや無敵」です。
3つ目は、池井戸潤が実際に取材していること。
単に似た会社が存在するだけではなく、原作者本人が工場を訪れ、製造現場を見学しています。
加えて、TBSの公式番組サイトでも、きねや足袋はドラマの撮影協力企業として紹介されています。古いミシンや縫製技術の指導などを担当したことも記録されています。
このように、きねや足袋は『陸王』と非常に深い関係を持つ実在企業です。
ただし、作品のストーリーをそのまま再現した企業ではありません。
【開発の秘密】きねや無敵(MUTEKI)は陸王のモデルなのか
きねや無敵は2013年に誕生した実在の商品きねや足袋が開発した「きねや無敵(MUTEKI)」は、足袋の伝統的な構造をランニングに応用したシューズです。
発売時期は2013年9月。
開発の始まりは2011年ごろで、約2年をかけて商品化されました。
日本商工会議所の企業事例紹介によると、きねや足袋は従来の足袋製造技術を生かしながら、ランニングに適した天然ゴム製ソールの開発に取り組みました。
開発では、裸足に近い感覚と、走るために必要なグリップ力の両立が課題でした。
試作品を作ってはランナーに実際に走ってもらい、改善点を製品に反映させる工程を繰り返しています。
ソールの形状も何度も検討され、最終的には足裏のカーブに合わせた溝のデザインに落ち着きました。
きねや無敵の特徴と仕組み
薄い天然ゴムソール
公式の商品説明では、天然ゴム100%のソールを採用。伝統的な足袋の構造を生かした薄底設計が特徴。
足袋型の二股構造
親指と残りの4本の指を分ける構造。足指を動かしやすく、地面を感じやすい設計。
シンプルな素材構成
現行の標準モデルは表地がナイロン100%、裏地が綿100%。ソールは天然ゴム100%。
一般的なランニングシューズは、クッション材や複数の素材を組み合わせ、足への衝撃を和らげる設計が中心です。
一方、きねや無敵は、足裏で地面を感じることを重視しています。
これはベアフットランニングと呼ばれる考え方に近いものです。
ただし、クッションが少ないからといって、必ず速く走れるわけではありません。履き手の走り方や身体の慣れによって、使用感は変わります。
きねや無敵の評判は?メリットと注意点きねや無敵の特徴を整理すると、次のようになります。
| 評価項目 | 特徴 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 履き心地 | 裸足感覚を重視 | 一般的な厚底靴とは感覚が異なる |
| 足指の動き | 二股構造 | 足指を動かしやすい |
| ソール | 薄い天然ゴム | 地面の感触が伝わりやすい |
| クッション性 | 控えめ | 衝撃吸収を重視する人には不向きな場合がある |
| 使用方法 | ウォーキングから開始 | 急に長距離を走らない |
| メンテナンス | ソールの摩耗を確認 | 接地の癖を把握しやすい |
きねや足袋の公式サイトでは、いきなり長距離を走るのではなく、まずウォーキングから始め、軽いジョギングを短い距離で行うことを案内しています。
また、使用後にはソールの削れ方を確認するよう推奨しています。
これは、一般的なランニングシューズから履き替える場合にも要点です。
きねや無敵が向いている人・向いていない人向いている人
- 裸足に近い感覚のシューズを試してみたい人
- 足指の動きを意識したトレーニングをしたい人
- 薄底シューズに興味がある人
- ウォーキングや短距離の軽いジョギングから始められる人
慎重に検討したい人
- 厚いクッションによる保護を重視する人
- 普段から薄底シューズを履く習慣がない人
- 最初から長距離や高速走行に使いたい人
- 足裏への刺激が苦手な人
きねや無敵の魅力は、単に珍しい足袋型のデザインではありません。
足袋製造の伝統技術を、現代のランニングという用途に転換した点にあります。
【原作者の着想】Vibram FiveFingersと池井戸潤の取材が生んだ物語
物語の出発点はイタリアのVibram FiveFingers『陸王』の着想について、池井戸潤は2016年9月29日掲載のダイヤモンド・オンラインのインタビューで詳しく語っています。
きっかけは、編集者たちとのゴルフ中の雑談でした。
話題に上ったのが、イタリアのビブラム社が展開する5本指型ランニングシューズ「Vibram FiveFingers(ファイブフィンガーズ)」です。
地面の感覚を得やすい特殊なシューズの話から、池井戸潤は「日本には足袋がある」という発想に至りました。
そこから、足袋メーカーがランニングシューズを開発する小説という構想が生まれたのです。
ここで重要なのは、Vibram FiveFingersもきねや無敵も、陸王そのものと同一の商品ではないことです。
- Vibram FiveFingers:5本の指をそれぞれ分けて包む構造
- きねや無敵:親指と残りの4本を分ける日本の足袋型構造
- 陸王:物語の中で独自の技術を組み合わせて開発される架空のシューズ
それぞれの設計思想には共通点がありますが、構造や開発の背景は異なります。
池井戸潤はきねや足袋以外の企業も訪問していたダイヤモンド・オンラインのインタビューでは、池井戸潤が行田市を訪れた際、きねや足袋だけでなく、藍染めを手掛ける小島染織工業も見学したことが明らかになっています。
これは、物語が特定の一社だけを参考にして作られたわけではないことを示す重要な情報です。
足袋の製造工程、染織技術、地域の歴史など、複数の現実の要素が作品の背景に取り入れられています。
きねや無敵と陸王はどちらが先だった?この点も、モデル説を考えるうえで興味深い部分です。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2011年ごろ | きねや足袋がランニング足袋の開発に着手 |
| 2012年ごろ | 池井戸潤がきねや足袋を取材 |
| 2013年9月 | きねや無敵が発売 |
| 2016年7月8日 | 原作小説『陸王』が集英社から発売 |
| 2017年10月15日 | TBSドラマ『陸王』が放送開始 |
| 2017年12月24日 | ドラマ最終回を放送 |
きねや足袋の開発は小説の刊行より前に進められていました。
また、同社代表の中澤貴之氏は、日本商工会議所の取材記事で、池井戸潤から取材依頼があった時期は、ちょうどランニング足袋の開発に着手していたころだったと説明しています。
つまり、両者は同じ時期に、伝統的な足袋をランニングに応用するという発想に取り組んでいたのです。
この経緯を踏まえると、きねや無敵は『陸王』の物語をそのまま再現した商品ではなく、現実の製造業と小説が同時期に交差した興味深い存在だと分かります。
【撮影秘話】ミズノが製作した陸王とシルクレイの実在性
劇中のランニングシューズを作ったのはミズノドラマ『陸王』に登場する足袋型シューズは、実際にミズノが製作しました。
2017年10月7日、TBSはミズノとのコラボレーションを発表しています。
製作を担当したのは、ミズノテクニクスのクラフトマンで、シューフィッターでもある亀井晶氏を中心としたチームです。
制作側は、作品の重要な小道具であるランニングシューズに本物の陸上競技用シューズの製造技術を取り入れることで、映像のリアリティーを高めようとしました。
一方、きねや足袋は足袋製造の技術指導や古いミシンの提供などで撮影に協力しています。
つまり、両社の役割は次のように分かれていました。
- きねや足袋: 足袋製造の技術協力、縫製指導、撮影協力
- ミズノ: 劇中に登場するランニングシューズの製作
- TBS制作チーム: ドラマの企画、撮影、演出
2017年11月20日付のWWDJAPANの報道では、ミズノテクニクスの亀井晶氏が担当した劇中シューズの製作について紹介されています。
その記事によると、製作には通常のシューズの約1.5倍にあたる時間がかかり、1足の製作に丸一日を要したとされています。
また、トップ選手向けの素材を使用するなど、見た目だけではなく品質面にもこだわっていました。
俳優が実際に履いて走ることを想定し、演者の足指のデータをもとに製作したことも、当時のミズノの協力内容として紹介されています。
これは『陸王』が単に足袋の形をした小道具を用意したドラマではなく、実際のスポーツシューズ製作技術を取り入れていたことを示しています。
シルクレイは実在する素材なのかもう一つ、視聴者が気になるのが「シルクレイ」です。
劇中では、飯山晴之が開発した特殊素材として登場します。
繭を特殊加工して作る素材で、ランニングシューズのソールに必要な性能を実現するための重要な技術という設定です。
しかし、物語に登場するシルクレイは実在する製品・技術ではなく、池井戸潤が創作したものです。
小説丸の著者インタビューでは、池井戸潤本人がシルクレイについて創作であると説明しています。
一方で、倒産した企業の社長が、誰も注目していない特許を保有しているという状況には、現実の企業活動にも通じる部分があると語っています。
つまり、シルクレイは実在する技術の名称ではありません。
現実の製造業における特許、研究開発、資金難といった問題を、小説の物語として表現するために作られた設定です。
原作小説とドラマ版の違い原作は2016年7月8日に発売された592ページの小説です。
一方、ドラマは2017年10月15日から12月24日まで放送された全10話の連続ドラマです。
両者の基本的なストーリーは共通しています。
ただし、表現方法には違いがあります。
| 比較項目 | 原作小説 | ドラマ版 |
|---|---|---|
| 物語の中心 | こはぜ屋の事業再生 | 同じ |
| 開発の描写 | 文章による技術・経営の説明 | 試作品や製造現場を映像化 |
| 登場人物 | 小説の人物描写が中心 | 役者の演技で人物像を表現 |
| 競技シーン | 文章でレースを描写 | 駅伝・マラソンを映像化 |
| 企業間の対立 | 経営・資金面の論理 | 演出や人物の表情を通じて強調 |
| 製作協力 | 小説の取材が背景 | きねや足袋・ミズノなどが協力 |
原作の魅力は、資金調達や特許、新規事業への参入といった経営課題をじっくり追えることです。
ドラマの魅力は、実際に作られたシューズや工場の風景、駅伝の映像を通して、ものづくりの現場を目で見られることにあります。
特に、ミズノが製作したシューズを俳優が実際に履いて走る演出は、映像作品ならではのリアリティーを生み出しました。
【2026年最新】陸王モデルの現在ときねや足袋の今後
きねや足袋は2026年も実在し、営業を続けている2026年11月現在、きねや足袋は公式サイトで会社情報や商品情報を公開しています。
公式会社案内で確認できる情報は次のとおりです。
| 項目 | 2026年時点の公式掲載情報 |
|---|---|
| 会社名 | きねや足袋株式会社 |
| 所在地 | 埼玉県行田市佐間1-28-49 |
| 創業 | 1929年 |
| 設立 | 1949年 |
| 従業員数 | 32名 |
| 主な事業 | 足袋・地下足袋などの製造販売 |
| 新しい取り組み | ランニング足袋の販売 |
同社は和装用足袋や地下足袋の製造を続けながら、ランニング足袋という新しい市場にも取り組んでいます。
また、公式サイトでは足袋づくりを見学できる「足袋の館」も案内されています。見学は予約制で、平日の営業が基本です。
きねや無敵は2026年も販売されている?
きねや無敵・標準モデル
6,600円
公式サイト掲載価格・税込
表地ナイロン、裏地綿、天然ゴムソールの構成。
2026年11月時点のきねや足袋公式商品ページでは、きねや無敵の標準モデルが掲載されています。
主な情報は以下のとおりです。
- メンズ:25.0~28.0cm、29.0cm、30.0cm
- レディース・キッズ:22.0~24.5cm
- 価格:6,600円(税込)
- ソール:天然ゴム100%
- 表地:ナイロン100%
- 裏地:綿100%
また、白綾モデルも掲載されていますが、こちらは在庫限りの商品として案内されています。
価格や在庫は変動する可能性があるため、購入時には最新の商品情報を確認する必要があります。
陸王モデルが示した伝統産業の可能性きねや足袋の事例で興味深いのは、ドラマ放送による知名度の向上だけではありません。
日本商工会議所が紹介した2017年の記事では、きねや無敵の販売数は、ドラマ放送前後の注目によって大きく伸びたと報告されています。
同記事では、年間約500足だった販売実績が、累計約5,000足に達したことも紹介されました。
ただし、これは2017年当時の数字であり、2026年現在の累計販売数を示すものではありません。
この事例から読み取れるのは、伝統産業の商品であっても、従来とは異なる用途を提案することで新しい顧客層を獲得できる可能性があるということです。
足袋という昔ながらの履物を、ランニングという現代的な用途に結びつけた発想は、きねや足袋の実際の事業展開にも表れています。
【プロの結論】陸王のモデル説で間違えないための3つの判断基準
ここまでの情報を整理すると、『陸王』は実話ではありませんが、現実の企業や技術、商品と無関係な物語でもありません。
読者が混同しやすい要点は、次の3つです。
1. 取材先とモデル企業を同一視しない池井戸潤がきねや足袋を取材したのは事実です。
しかし、取材した企業の経営状況や製品が、そのまま小説の設定になったとは限りません。
現実の企業から得た情報を、別の人物や会社の物語に組み替えることは小説の創作手法として自然なことです。
2. 撮影協力と商品開発を混同しないきねや足袋は足袋の製造技術を提供し、ミズノは劇中シューズを製作しました。
この2社の役割を区別することで、「陸王はミズノの商品なのか」「きねや無敵がそのまま撮影に使われたのか」という疑問も整理できます。
3. 実在する技術と物語上の技術を区別する足袋型の構造、天然ゴムソール、薄底設計は現実の商品にも存在します。
しかし、シルクレイのような物語独自の素材や開発経緯はフィクションです。
この違いを理解すると、作品のリアリティーを楽しみながら、実際のものづくりの世界も正確に知ることができます。
『陸王』の本当の魅力は、実話をそのまま描いたことではなく、実在する伝統産業の技術と、企業が新しい市場に挑戦する姿を、説得力のある物語に仕立てたことにあります。
【陸王モデルに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:ドラマ『陸王』のモデルになった会社はどこですか?
A1:埼玉県行田市のきねや足袋が、原作者の池井戸潤が実際に取材した企業として知られています。ただし、こはぜ屋は架空の会社であり、きねや足袋をそのまま再現したものではありません。
Q2:きねや無敵と陸王は同じランニングシューズですか?
A2:違います。きねや無敵は2013年に発売された実在のランニング足袋で、陸王は小説に登場する架空の商品です。足袋型という共通点はありますが、素材や開発経緯は異なります。
Q3:ドラマで使用された陸王はどこのメーカーが作りましたか?
A3:ミズノテクニクスのクラフトマン、亀井晶氏を中心としたチームが製作しました。きねや足袋も足袋製造の技術指導などで協力しています。
Q4:シルクレイは実在する技術ですか?
A4:いいえ。池井戸潤本人が創作した素材だと説明しています。繭を加工した特殊素材という設定は、物語上のものです。
Q5:きねや無敵は2026年現在も購入できますか?
A5:2026年11月時点で、きねや足袋の公式サイトに標準モデルが掲載されています。公式掲載価格は税込6,600円です。在庫や価格は購入時に確認してください。
Q6:池井戸潤はなぜ『陸王』を書くことを思いついたのですか?
A6:編集者との雑談でイタリアのVibram FiveFingersの話題が出たことがきっかけです。日本には足袋があるという発想から、足袋メーカーがランニングシューズを開発する物語を思いついたと本人が語っています。
ドラマ『陸王』のモデルをめぐる疑問を整理すると、次のようになります。
- こはぜ屋は実在しない架空の足袋メーカー。
- きねや足袋は1929年創業の実在企業で、池井戸潤の取材先。
- きねや無敵は2013年に発売された実在のランニング足袋。
- ミズノはドラマの撮影用ランニングシューズを製作。
- シルクレイは池井戸潤が創作した架空の素材。
- 2026年現在も、きねや足袋は公式サイトで商品や会社情報を公開している。
『陸王』は、単なる企業再生ドラマではありません。
長い年月をかけて受け継がれてきた足袋づくりの技術が、新しい分野に挑戦することで未来につながっていく。その姿が、多くの視聴者の心を動かしました。
そして現実のきねや足袋も、伝統的な足袋製造を続けながら、ランニング足袋という新しい商品を世に送り出しています。
ドラマのこはぜ屋は架空でも、その物語を支えるものづくりの精神は現実に存在する。 それこそが、『陸王』のモデルを調べることで見えてくる最大の発見です。