2015年7月10日に日本公開された『ターミネーター:新起動/ジェニシス』は、シリーズの原点である1984年の世界を再構築し、過去が書き換えられた新たな時間軸で人類と機械の戦いを描くSFアクション映画だ。アーノルド・シュワルツェネッガーがT-800役に復帰し、エミリア・クラーク演じるサラ・コナー、ジェイソン・クラーク演じるジョン・コナー、ジェイ・コートニー演じるカイル・リースが新しい物語を展開する。シリーズ第5作にあたる本作では、従来の宿敵スカイネットに代わる人工知能ジェニシスと、衝撃的な正体を持つT-3000が登場する。
一方、複雑なタイムトラベル設定や大胆なキャラクター変更から、公開当時は賛否が分かれた作品でもある。2026年現在、改めて作品を理解するには、あらすじやネタバレだけでなく、旧作との時間軸の違い、キャストと日本語吹き替え声優、続編が制作されなかった背景まで押さえておきたい。
【作品概要とあらすじ】新しい時間軸で描かれる人類と機械の戦い

『ターミネーター:新起動/ジェニシス』の原題は『Terminator Genisys』。監督は『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』などを手掛けたアラン・テイラーで、脚本はレータ・カログリディスとパトリック・ルシエが担当した。
日本での公開日は2015年7月10日。上映時間は126分で、アメリカ製作のSFアクション映画である。シリーズ第3作以来、12年ぶりにアーノルド・シュワルツェネッガーが復帰した作品としても話題を集めた。映画.comやWOWOWの作品情報でも、シリーズ第5弾として紹介されている。
物語の始まりは2029年の未来戦争物語の出発点は2029年。人類抵抗軍は、人工知能スカイネットが支配する機械軍との最終決戦に臨んでいた。
人類側のリーダーはジョン・コナー。彼は機械軍の中枢を攻略し、勝利を目前にしていた。
しかし、追い詰められたスカイネットは最後の手段としてタイムマシンを起動する。
標的はジョンの母親であるサラ・コナー。彼女が若い時代に命を奪えば、将来のジョンも存在できなくなるという計画だった。
ジョンは部下のカイル・リースを1984年に送り込み、母親を守る任務を託す。
ところが、カイルが過去へ移動する直前、ジョンの身に予想外の事件が発生する。
加えて、1984年に到着したカイルが目にしたのは、彼の知る歴史とはまったく異なる世界だった。
1984年に待っていたのは戦士となったサラ・コナー本来の『ターミネーター』では、サラは普通の若い女性として登場し、未来から来たT-800に命を狙われる。
しかし、本作では事情が違う。
幼い頃からターミネーターの存在を知っていたサラは、すでに戦闘能力を身につけた女性になっている。
彼女のそばには、長年にわたってサラを守ってきたT-800がいた。
サラが「おじさん」と呼ぶこのターミネーターは、敵ではなく味方である。
後に「守護者(Guardian)」と呼ばれるこのT-800は、シュワルツェネッガーが演じる重要人物だ。
カイルはサラと守護者に出会い、自分が知っていた歴史が書き換えられたことを知る。
加えて、敵として現れるのは従来型のT-800だけではない。
液体金属で身体を構成するT-1000も登場し、物語は新たな展開へと進んでいく。
ジェニシスの起動を阻止するため2017年へサラと守護者は、もともと1997年に起こるとされていた審判の日を防ぐ計画を立てていた。
しかし、カイルが時間移動中に見た別の記憶から、未来がすでに変化している可能性が浮上する。
新たな標的として浮かび上がったのが2017年に起動する人工知能ジェニシスだった。
ジェニシスは、スマートフォンやコンピューターなど、世界中の電子機器を接続する次世代オペレーティングシステムとして開発されている。
便利な技術として歓迎される一方、起動すれば人類を支配する存在へと変貌する危険性を秘めていた。
サラとカイルは2017年へ向かい、ジェニシスの起動を阻止する戦いに身を投じる。
ここから物語は、単なる過去へのタイムトラベルではなく、未来そのものを作り直す戦いへと変化する。
【ネタバレ・結末】ジョン・コナーの正体とT-3000の恐るべき能力
本作最大の衝撃は、シリーズを通して人類の希望として描かれてきたジョン・コナーが、敵側の存在に変わってしまうことだ。
ジョン・コナーがT-3000に変貌した理由2029年、カイルが過去へ向かう直前、ジョンは味方の兵士に襲撃される。
この兵士の正体は、マット・スミス演じるアレックスだった。
アレックスは人間ではなく、スカイネットそのものに関係するT-5000型の存在である。
彼はジョンをナノマシンによって感染させ、身体を細胞レベルで機械化してしまう。
こうして誕生したのがT-3000だ。
T-3000は、従来の金属製エンドスケルトン型ターミネーターとは大きく異なる。
人間だったジョンの身体を基盤としながら、無数のナノマシンによって構成されているため、通常の銃撃などでは簡単に倒せない。
人間の姿を保ち、会話もできるため、外見だけでは機械と判別することも難しい。
T-3000の正体は人類の救世主だったジョン2017年、サラとカイルの前に現れたジョンは、最初こそ味方として振る舞う。
しかし、守護者がジョンを撃ったことで、その正体が明らかになる。
ジョンはすでに人類の味方ではなかった。
スカイネットに操られたT-3000として、ジェニシスの起動を実現する役割を担っていたのだ。
人類のリーダーだった人物が、機械軍の未来を守る存在へと変わる。
この展開は、シリーズの根幹にあった「ジョン・コナーが人類を救う」という前提を覆すものだった。
最終決戦と衝撃のラストサラ、カイル、守護者の3人は、ジェニシスの中枢を破壊するためサイバーダイン社へ向かう。
しかし、T-3000となったジョンが彼らを追跡し、激しい戦いが繰り広げられる。
最終的に守護者は、試作型タイムマシンの磁場を利用してT-3000を封じ込める。
ジョンと守護者は激しい爆発に巻き込まれるが、守護者の身体は実験用の液体金属であるミメティックポリマーの槽に落下する。
その結果、守護者はT-1000のような液体金属の能力を備えた新しい存在として復活する。
一方、サラとカイルは地下の避難場所へ逃れ、爆発によってサイバーダイン社の施設を破壊することに成功する。
ジェニシスの起動も阻止された。
その後、3人は幼いカイルの家へ向かう。
カイルは少年時代の自分に、ジェニシスに関する警告を伝える。これによって、未来から来た自分が過去に残した記憶とのつながりが生まれる。
サラ、カイル、守護者は新たな未来へ向けて走り出す。
エンドロール後の映像が示す本当の意味しかし、物語は完全なハッピーエンドではない。
エンドクレジット途中の映像では、破壊された施設の地下にジェニシスの中枢が残っていることが示される。
つまり、サラたちが施設を爆破したからといって、ジェニシスの脅威が完全に消滅したわけではない。
これは当初計画されていた続編への布石だった。
特に、守護者を過去へ送り込んだ人物の正体や、ジェニシスの残存システムが今後どのように機能するのかなど、複数の謎が残されたままになっている。
【キャスト・吹き替え声優一覧】サラ・コナーからT-1000まで主要人物を解説
本作では、シリーズおなじみの人物を新しい俳優陣が演じている。
特に注目したいのは、サラ・コナーを演じるエミリア・クラークと、T-800を演じるアーノルド・シュワルツェネッガーの共演だ。
日本語吹き替え版では、シリーズファンにもなじみのある声優が多数参加している。
主要キャラクター・俳優・日本語吹き替え声優| キャラクター | 俳優 | 日本語吹き替え |
|---|---|---|
| T-800/守護者 | アーノルド・シュワルツェネッガー | 玄田哲章 |
| サラ・コナー | エミリア・クラーク | 藤村歩 |
| ジョン・コナー/T-3000 | ジェイソン・クラーク | 小山力也 |
| カイル・リース | ジェイ・コートニー | 細谷佳正 |
| T-1000 | イ・ビョンホン | 阪口周平 |
| アレックス/T-5000 | マット・スミス | 福田賢二 |
| オブライエン刑事 | J・K・シモンズ | 立川三貴 |
| マイルズ・ダイソン | コートニー・B・ヴァンス | 手塚秀彰 |
| ダニー・ダイソン | ダイオ・オケニイ | 伊丸岡篤 |
吹替キングダム、パラマウントの国内作品情報、アニメイトタイムズなどに掲載されているキャスト情報をもとに整理した。
サラ・コナー役:エミリア・クラーク代表作はテレビシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』。本作では、幼少期から戦闘訓練を受けてきたサラ・コナーを演じる。
従来のサラ・コナーと大きく異なるのは、物語の開始時点ですでに戦士として完成していることだ。
リンダ・ハミルトンが演じた『ターミネーター2』の強い母親像とは異なり、エミリア・クラーク版のサラは、若さと行動力を前面に押し出したキャラクターになっている。
吹き替えを担当した藤村歩の声も、サラの感情の変化を表現する重要な要素だ。
T-800役:アーノルド・シュワルツェネッガーシリーズの象徴ともいえるT-800役。今作ではサラを守る「守護者」として登場する。
本作の最大の魅力の一つが、シュワルツェネッガーの復帰だ。
長年サラを守り続けてきたため、外見には経年変化が表れている。
ただし、機械であるため、人間のように単純に老化したわけではない。
守護者の存在は、従来のシリーズにあった人間と機械の対立に、新たな関係性を持ち込んでいる。
また、日本語吹き替えを担当する玄田哲章は、シュワルツェネッガーの代表的な吹き替え声優として知られる。
ジョン・コナー役:ジェイソン・クラーク人類抵抗軍のリーダーから、敵のT-3000へと変貌する重要人物。
ジョン・コナーは、シリーズ全体を象徴する存在でありながら、本作では従来のイメージを根底から覆される。
ジェイソン・クラークは、人間だった頃のジョンと機械化した後のジョンを演じ分けている。
小山力也による吹き替えも、ジョンの威厳と敵としての不気味さを伝えるポイントだ。
カイル・リース役:ジェイ・コートニー未来から1984年へ送り込まれる人類抵抗軍の兵士。吹き替えは細谷佳正。
カイルはシリーズの原点を担う重要人物だ。
1984年のサラを守るという基本的な役割は共通しているものの、本作では歴史が改変されたことによって、彼自身も新しい状況に適応しなければならない。
T-1000役:イ・ビョンホン液体金属型ターミネーターT-1000を演じる。日本語吹き替えは阪口周平。
『ターミネーター2』でロバート・パトリックが演じたT-1000は、シリーズ屈指の人気を持つ敵キャラクターだ。
本作ではイ・ビョンホンが新たに演じ、液体金属を利用した変形能力を持つ恐ろしい敵として登場する。
登場時間は長くないものの、物語序盤の緊張感を高める重要な役割を担っている。
【時系列・パラレルワールド】ジェニシスとスカイネットの違い、歴代作品との関係
『ターミネーター:新起動/ジェニシス』を理解するうえで、最も混乱しやすいのがシリーズの時系列だ。
本作は、従来の作品をそのまま引き継ぐ続編ではない。
過去への干渉によって歴史が書き換えられた、別の時間軸を描いている。
歴代ターミネーター作品の公開順と時間軸| 作品 | 公開年 | 物語の主な時代・位置づけ |
|---|---|---|
| 『ターミネーター』 | 1984年 | 1984年。サラ暗殺を目的とするT-800が登場 |
| 『ターミネーター2』 | 1991年 | 1995年。審判の日を阻止する戦い |
| 『ターミネーター3』 | 2003年 | 2004年。審判の日が新たな形で到来 |
| 『ターミネーター4』 | 2009年 | 2018年。人類抵抗軍と機械軍の戦争 |
| 『新起動/ジェニシス』 | 2015年 | 1984年から2017年へ進む改変された時間軸 |
| 『ニュー・フェイト』 | 2019年 | 『T2』後の別の時間軸を描く作品 |
※公開年と物語内の年代は異なる。『ジェニシス』と『ニュー・フェイト』は、それぞれ異なる歴史の分岐を描いている。
ジェニシスとは何か?スカイネットとの違いジェニシスは、映画に登場する次世代のオペレーティングシステムだ。
世界中のスマートフォン、コンピューター、その他の電子機器をネットワークでつなぐことを目的として開発されている。
一見すると、人々の生活を便利にする画期的な技術だ。
しかし、その正体はスカイネットの新たな起点となるシステムだった。
両者の違いを整理すると次のようになる。
- スカイネット: 従来シリーズで人類に反乱を起こす人工知能。機械軍を統括する存在。
- ジェニシス: 本作で登場する世界規模のオペレーティングシステム。ネットワークを通じて人々の生活に入り込み、スカイネットの誕生につながる。
つまり、ジェニシスは単なる新型ターミネーターの名称ではない。
人間が自らの利便性のために開発した技術が、結果的に人類を脅かす存在へと変わるという構造が描かれている。
この設定は、1984年の第1作から続く「人間が生み出した技術に人間が支配される」というテーマを、インターネットやクラウド技術の時代に置き換えたものだ。
T-3000とT-1000は何が違う?T-1000
『ターミネーター2』
液体金属で構成されたターミネーター。外見を変化させる能力を持つ。
T-3000
『新起動/ジェニシス』
人間の身体がナノマシンによって変化した、新世代のターミネーター。
T-1000とT-3000は、どちらも従来のT-800とは異なる能力を持つ。
ただし、構造はまったく違う。
T-1000は液体金属によって身体そのものを変形させる。
一方、T-3000は人間の身体をナノマシンによって機械化した存在であり、もともとの人間の面影を残している。
この違いが、本作のジョン・コナーの悲劇につながっている。
シリーズの時系列はどのように分岐したのかシリーズを理解する際には、公開順だけでなく、どの作品がどの歴史を引き継いでいるのかを確認することが大切だ。
基本となる時間軸
『ターミネーター』から『ターミネーター2』へと続く物語が原点となる。
『ターミネーター3』と『ターミネーター4』は、その後の歴史を描いた作品だ。
ジェニシスの時間軸
『新起動/ジェニシス』は、過去が書き換えられた別の歴史を描いている。
そのため、『ターミネーター4』の直接的な続編として見ると、設定に矛盾が生じる。
ニュー・フェイトの時間軸
2019年公開の『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、シリーズの原点である『ターミネーター2』の後を描く作品だ。
つまり、『ジェニシス』の直接的な続編ではない。
TIME誌もシリーズの時間軸を整理する記事で、時間移動による歴史の分岐が作品ごとの連続性を複雑にしている点を解説している。
【評価・評判】ひどいと言われる理由と、それでも楽しめる見どころ
『新起動/ジェニシス』は、シリーズの中でも評価が分かれやすい作品だ。
シュワルツェネッガーの復帰やアクションシーンを評価する声がある一方、ストーリーの複雑さや旧作への依存を問題視する批評も目立った。
なぜ「ひどい」と評価されるのか主な理由は4つある。
1.タイムトラベルの設定が複雑すぎる
本作では2029年、1984年、2017年という複数の年代が交錯する。
加えて、別の時間軸の記憶や歴史の改変が加わるため、初見では状況を理解しにくい。
特に、カイルが過去と未来の両方に関係する記憶を持つ設定は、説明を注意深く聞かなければ理解しづらい部分だ。
2.ジョン・コナーの扱いに賛否がある
シリーズを通して人類の救世主として描かれてきたジョンが、敵のT-3000になる。
この展開は大胆だが、従来の作品でジョンの成長を追ってきたファンにとっては受け入れにくい変更でもあった。
キャラクターの積み重ねを大切にしてきた観客ほど、物語の方向転換に戸惑った可能性がある。
3.『ターミネーター2』へのオマージュが多い
本作には、過去作を連想させる場面や設定が数多く登場する。
懐かしさを感じられる一方、旧作の名場面を再利用しているように見える部分もある。
新しい物語を期待していた観客にとっては、独創性が不足していると感じられた。
4.登場人物の描写が十分ではない
物語の展開が速く、設定の説明やアクションに時間が割かれるため、人物の心理描写が薄く感じられる場面もある。
特にジョンの変貌については、もっと丁寧に描いてほしかったという不満につながりやすい。
海外の映画批評と観客評価は?評価を数値で確認すると、批評家と一般観客の間に温度差が見える。
| 評価媒体 | 掲載スコア | 評価の傾向 |
|---|---|---|
| Rotten Tomatoes批評家 | 26% | 否定的 |
| Rotten Tomatoes観客 | 52% | 賛否が分かれる |
| Metacritic | 38/100 | おおむね低評価 |
| Metacriticユーザー | 5.9/10 | 中間的 |
| KINENOTE | 69.8/100 | 国内では一定の評価 |
※2026年11月時点で確認できる掲載値。集計対象や評価数によって変動する。
Rotten Tomatoesの批評家評価は26%と低い。
同サイトの批評家総評では、シリーズの神話設定が混乱していることや、初期作品が持っていたテーマ性や独創性が十分に引き継がれていない点が指摘されている。
一方、観客評価は52%で、批評家評価より高い。
Metacriticでも批評家スコアは38点、ユーザースコアは5.9点となっている。
この数字から読み取れるのは、作品の娯楽性を評価する観客がいる一方、脚本やシリーズ全体の完成度には厳しい評価が集まったということだ。
興行収入から見た商業的な評価興行面では、批評家の低評価だけで作品の成否を判断することはできない。
Box Office Mojoによると、本作の世界興行収入は約4億4,060万ドル。製作予算は約1億5,500万ドルだった。
北米での興行収入は約8,976万ドル、海外では約3億5,084万ドルを記録している。
つまり、海外市場では一定の集客力を示したものの、北米市場では期待を下回った。
ただし、世界興行収入が製作予算を上回ったからといって、必ずしも最終的な利益が出たとは限らない。
映画館側との収益配分や宣伝費なども考慮する必要がある。
それでも評価できる3つの見どころ否定的な評価がある一方、本作ならではの魅力も存在する。
- シュワルツェネッガーの復帰: おなじみのT-800が再び活躍する姿は、シリーズファンにとって大きな見どころ。
- 新旧ターミネーターの対決: T-800、T-1000、T-3000という異なるタイプの機械が登場する。
- 未来を変えるというテーマ: 過去の運命に縛られず、自分たちの選択によって未来を切り開く物語になっている。
特に、サラと守護者の関係性は本作独自の魅力だ。
人間を守るようにプログラムされた機械が、長年にわたって人間と生活することで、単なる兵器とは違う存在として描かれている。
【プロの結論】本作はどんな人におすすめ?『新起動/ジェニシス』は、シリーズの歴史を忠実に引き継ぐ正統派続編として見ると、違和感が残りやすい。
しかし、過去の設定を大胆に変更した別時間軸の物語として見ると、違った楽しみ方ができる。
おすすめできる人
- シュワルツェネッガーのT-800が好きな人
- タイムトラベルやパラレルワールドを扱うSF作品が好きな人
- T-3000など新しいターミネーターの設定に興味がある人
- 大規模なアクションや旧作へのオマージュを楽しみたい人
おすすめしにくい人
- 『ターミネーター2』の世界観をそのまま引き継ぐ続編を期待する人
- ジョン・コナーの人物像を従来どおりに描いてほしい人
- 複雑なタイムトラベル設定より、シンプルで緊張感のあるストーリーを好む人
作品の評価を判断するなら、過去作の再現度だけでなく、新しい時間軸を作ったことにどれだけ価値を感じられるかがポイントになる。
【続編・シリーズの経緯】なぜジェニシス2は制作されなかったのか
『新起動/ジェニシス』には、当初から続編を制作する計画があった。
実際、パラマウント・ピクチャーズは2013年6月27日、新たな『ターミネーター』作品を三部作の第1作として展開する計画を発表している。
当初は新三部作を予定していた企画段階では、『ジェニシス』を起点に、さらに2作品を制作する構想だった。
続編では、ジョン・コナーがT-3000になった後の物語や、守護者が過去へ送り込まれた理由などが描かれる可能性があった。
しかし、2015年の公開後、続編計画は大きく変わる。
2015年10月:製作側が計画の見直しを表明2015年10月、製作会社スカイダンスのデイナ・ゴールドバーグは、TheWrapの取材に対してシリーズの今後に言及した。
同氏は、計画を単純に中止するのではなく、再調整しているという趣旨の説明を行った。
また、2017年初頭に予定していた撮影を開始しないことも明らかにした。
背景にあったのは、北米市場での興行成績が期待を下回ったことだった。
2016年1月:続編の公開予定が削除される2016年1月、パラマウントは予定していた『ターミネーター』続編を公開スケジュールから外した。
当初予定されていた2017年の続編公開は実現しなかった。
2018年に計画されていた第3作も、最終的に制作されなかった。
これによって、『ジェニシス』の物語は続編で回収されないまま残ることになった。
2019年『ニュー・フェイト』で別の時間軸へ2019年には『ターミネーター:ニュー・フェイト』が公開された。
この作品では、ジェームズ・キャメロンが製作に参加し、リンダ・ハミルトンがサラ・コナー役に復帰した。
重要なのは、『ニュー・フェイト』が『ジェニシス』の続編ではないことだ。
『ターミネーター2』の後の世界を描く作品として、シリーズの原点に近い時間軸へ戻っている。
つまり、『ジェニシス』の三部作構想が実現しなかった後、シリーズは別の方向へ進んだのである。
【よくある質問】ターミネーター:新起動/ジェニシスに関するFAQ
Q1:『ターミネーター:新起動/ジェニシス』はシリーズ何作目ですか?
A1:2015年公開のシリーズ第5作です。第4作『ターミネーター4』から続く物語ではなく、過去が書き換えられた別の時間軸を描く再起動作品です。
Q2:ジェニシスとはスカイネットのことですか?
A2:厳密には異なります。ジェニシスは世界中の電子機器を接続する次世代オペレーティングシステムで、物語の中ではスカイネットの誕生につながるシステムとして描かれています。
Q3:ジョン・コナーがT-3000になった理由は?
A3:2029年、カイルが過去へ向かう直前に、スカイネットの化身であるT-5000に襲撃され、ナノマシンによって身体を機械化されたためです。
Q4:T-3000とT-1000はどちらが強いですか?
A4:能力の性質が異なります。T-1000は液体金属による変形能力を持ち、T-3000はナノマシンによる身体の再構成能力を持っています。単純な戦闘力の順位だけで比較するより、それぞれの能力の違いに注目すると理解しやすくなります。
Q5:日本語吹き替え版のT-800は誰が担当していますか?
A5:玄田哲章です。サラ・コナーは藤村歩、ジョン・コナーは小山力也、カイル・リースは細谷佳正が担当しています。
Q6:『ターミネーター:新起動/ジェニシス』の続編はありますか?
A6:当初は続編2作品を含む三部作が計画されていましたが、2016年に続編の公開計画が取り下げられました。2026年現在も、本作の物語を直接引き継ぐ映画の続編は実現していません。
Q7:最後に守護者は死んだのですか?
A7:最終決戦ではT-3000とともにタイムマシンの磁場に巻き込まれますが、液体金属の槽に落ちたことで新しい能力を獲得して復活します。したがって、物語の最後ではサラとカイルとともに行動しています。
Q8:エンドロール後の映像には何が映っていますか?
A8:破壊された施設の地下にジェニシスの中枢が残っている様子が描かれます。人類が危機を完全に脱したわけではないことを示す演出です。
『ターミネーター:新起動/ジェニシス』は、2015年に公開されたシリーズ第5作であり、過去の歴史を大胆に書き換えたパラレルワールド作品だ。
アーノルド・シュワルツェネッガーのT-800復帰、エミリア・クラーク演じる新しいサラ・コナー、そしてジェイソン・クラーク演じるジョン・コナーの衝撃的な変貌が、物語の大きな柱となっている。
特に押さえておきたいのは、次の3点だ。
1. ジェニシスはスカイネットにつながる次世代システムであること。
2. ジョン・コナーはT-5000によってT-3000へと変貌したこと。
3. 本作は旧作の単純な続編ではなく、歴史が分岐した別の時間軸を描いていること。
評価については、複雑な脚本やシリーズ設定の変更に批判がある一方、シュワルツェネッガーの復帰や新型ターミネーターの登場など、見どころも多い。
また、当初予定されていた三部作構想が実現しなかったことで、守護者の過去やジェニシスの残存システムなど、回収されなかった謎も残っている。
2026年に改めて鑑賞するなら、『ターミネーター2』までの物語を押さえたうえで、本作を独立した時間軸の再構築として見るのがおすすめだ。
単に過去の名作を再現するのではなく、「もし歴史が最初から違っていたら」という問いをシリーズに持ち込んだ点に、本作の独自性がある。
未来は決まっているのか、それとも人間の選択によって変えられるのか。その問いこそが、『新起動/ジェニシス』を理解するための最大の鍵となる。
主な情報参照先:パラマウント・ピクチャーズ、WOWOW、映画.com、吹替キングダム、アニメイトタイムズ、Box Office Mojo、Rotten Tomatoes、Metacritic、TheWrap、TIME。