2026年11月現在、かつて「東急ハンズ」の看板を飾っていた両手のロゴは、新しいコーポレートロゴへと引き継がれています。現在のブランド名は「ハンズ」。2022年10月26日に発表された新ロゴは、漢字の「手」をモチーフに、途切れることのない一本の線で描かれた印象的なデザインです。
さらに2026年は、1976年の創業から50周年を迎えた記念すべき年でもあります。1月21日には50周年記念ロゴも発表されました。ただし、これは通常のコーポレートロゴを再変更したものではなく、周年キャンペーンやイベントなどに使用する特別なデザインです。旧ロゴの歴史から、nendoの佐藤オオキ氏が手掛けた新ロゴの意味、ハンズグリーンを残した理由まで整理すると、ブランドが大切にしてきた一貫した思想が見えてきます。
【2026年最新】東急ハンズロゴは現在どうなった?50周年記念ロゴとの違い

最初に押さえておきたいのは、東急ハンズというブランド名がなくなった後も、創業以来の「手」を大切にする思想は受け継がれているという点です。
2022年のブランド刷新によって、会社名と店舗の屋号は「ハンズ」に統一されました。現在の通常のコーポレートロゴは、漢字の「手」を抽象化した一筆書きのデザインです。
一方、2026年には創業50周年を記念する専用ロゴが発表されています。
2026年の最新ロゴは2種類の役割を持つ2026年1月21日、株式会社ハンズは創業50周年記念ロゴを発表しました。
この記念ロゴには、手と数字の「5」を組み合わせた視覚表現が採用されています。
特徴的なのは、手が数字の5に置かれているようにも、5を持ち上げているようにも見えることです。
そこには、これまで積み重ねてきたハンズの歴史と、これからの未来へ進んでいく姿勢が表現されています。
また、複数のデザイン候補から従業員投票を実施し、最も得票数の多かった案が採用されました。
記念ロゴは、各種キャンペーンやイベントなどで活用するためのものです。
つまり、2026年のロゴを調べる際には、次のように区別すると分かりやすくなります。
- 通常の企業ロゴ: 2022年に導入された「手」の一筆書きマーク。
- 50周年記念ロゴ: 2026年に発表された、手と数字の5を組み合わせた周年限定のデザイン。
2026年に企業ロゴそのものが再び全面刷新されたわけではありません。ここが、最新情報を理解するうえでの要点です。
【1976年からの歴史】東急ハンズ旧ロゴのデザインと意味
東急ハンズの旧ロゴは、1976年の創業時から使用されてきました。
単に店舗名を知らせるためのマークではなく、創業時に掲げられた「手の復権」という理念を視覚化したものです。
旧ロゴは両側に手を配置した印象的なデザイン旧ロゴの代表的な特徴は、「TOKYU HANDS」の文字を中心に、左右に手のシンボルを配置した構成です。
長年親しまれたこのシンボルは、社内外で「手羽」と呼ばれることもありました。
2013年にマイナビニュースが東急ハンズのブランディング担当者に行った取材では、旧ロゴの成り立ちについて詳しい説明がされています。
1976年、シンボルマークのデザイン制作とコーポレートカラーの設定を浜野商品研究所に委託しました。
このため、旧ロゴの制作については、特定の個人が単独でデザインしたとするよりも、浜野商品研究所への委託によって生まれたものと理解するのが正確です。
1975年の初期案から1976年の正式ロゴへ実は、現在知られる旧ロゴの前にも別のデザイン案がありました。
1975年4月の事業構想資料では、新事業の名称として「SUPER HAND」が提案され、左右に角ばった手のマークを置く構成が検討されていました。
その後、1976年2月に新事業が「CREATIVE LIFE STORE TOKYU HANDS」として認可され、シンボルマークも再検討されます。
この過程を経て、両側に手のマークを配した旧ロゴが形づくられました。
旧ロゴに込められた「手の復権」とは?旧ロゴの根底にあるのは、大量生産・大量消費の時代に、生活者自身が自分の手で暮らしをつくるという考え方です。
壊れたものをすぐに買い替えるのではなく、自分で修理する。
既製品を購入するだけでなく、道具や素材を使って自分らしいものを生み出す。
こうした手仕事の価値や、人が自ら創造することの楽しさを見直すという思想が「手の復権」でした。
2013年の担当者インタビューでも、手を通じて新たな生活や文化を創造すること、手作りのぬくもりを大切にすることがロゴの意図として説明されています。
旧ロゴが長年親しまれた理由は、店舗で取り扱う商品だけでなく、企業そのものの価値観を表現していたことにあります。
【歴代ロゴの変遷】1975年から2026年までの重要な出来事
東急ハンズロゴの歴史を理解するには、デザインだけでなく、会社の変化やブランド戦略も合わせて見る必要があります。
以下に、確認できる主要な出来事を時系列で整理しました。
| 年代 | 出来事・ロゴの変化 | 意味・背景 |
|---|---|---|
| 1975年 | SUPER HANDのロゴ案を提案 | 新事業の初期構想 |
| 1976年2月 | TOKYU HANDSの正式なシンボルを再検討 | 創業ブランドの形成 |
| 1976年8月 | 会社設立 | 「手の復権」を掲げる |
| 1976年11月 | 神奈川県藤沢市に第1号実験店を開店 | ブランドの店舗展開が始まる |
| 2009年 | 「ヒント・マーケット」のコンセプト導入 | 片手とTOKYU HANDSを組み合わせた店舗向けロゴも使用 |
| 2022年3月31日 | 東急不動産ホールディングスとの資本関係を解消 | カインズの子会社となる |
| 2022年10月1日 | 株式会社ハンズへ商号変更 | 東急ハンズからハンズへ |
| 2022年10月26日 | 新コーポレートロゴを発表 | nendoの佐藤オオキ氏がデザイン |
| 2024年3月末 | 東急・TOKYUを含む標章の使用終了予定期限 | ブランド名の切り替えを完了する節目 |
| 2026年1月21日 | 創業50周年記念ロゴを発表 | 過去から未来への継承を表現 |
| 2026年8月 | 創業50周年 | 次の50年に向けた節目 |
歴代デザインを調べる際に見落としやすいのが、2009年以降の片手のロゴです。
東急ハンズでは「ヒント・マーケット」というコンセプトの導入に合わせて、片手と「TOKYU HANDS」の文字を組み合わせたデザインも店舗で使用していました。
2013年の担当者取材によると、両手のロゴは企業を表すもの、片手のロゴは各店舗のストアアイコンとして使い分けられていました。
つまり、旧ロゴ時代にも複数の表現方法が存在していたのです。
2022年の刷新は、それまでの店舗向けロゴの変更にとどまらず、会社全体のブランドイメージを再構築する大きな転換でした。
【新ロゴの意味を解説】佐藤オオキとデザインオフィスnendoの仕事
2022年10月に発表されたハンズの新しいコーポレートロゴをデザインしたのは、デザインオフィスnendoのチーフデザイナー、佐藤オオキ氏です。
佐藤氏は東京2020オリンピック・パラリンピックの聖火台デザインなども手掛けたデザイナーです。
今回のプロジェクトでは、単に古いマークを現代的に描き直すのではなく、創業時の理念を新しい時代にどう伝えるかが大きなテーマになりました。
1. 漢字の「手」をモチーフにした理由新ロゴの最大の特徴は、漢字の「手」を抽象的に表現していることです。
英語の「HANDS」をそのまま図案化するのではなく、日本語の漢字を採用した点に特徴があります。
これは、日本で生まれたブランドとしての個性を、海外にも伝わるメッセージにしたいという考えに基づいています。
「手」という文字は、創造、ものづくり、技術、生活といった複数の意味を持ちます。
ハンズが創業以来大切にしてきた価値観を、文字そのものによって表現したデザインです。
2. 途切れない一筆書きに込められた意味新ロゴを特徴づけるもう一つの要素が、一筆書きです。
漢字の「手」を構成する線の端部をつなぎ、一本の細い線が途切れずに続くようにデザインされています。
この表現には、過去を継承しながら未来へとつないでいくという意図があります。
また、nendoの公式プロジェクト紹介によれば、旧ロゴの「手羽」の面影を残すとともに、人がワクワクして舞っているような姿も想起させることを意識したとされています。
ここが新旧ロゴを比較する際の興味深いポイントです。
旧ロゴは左右に手の形を配置することで「手」を直接的に表現していました。
新ロゴは、その手を漢字の一筆書きへと変換しています。
モチーフは変わっていませんが、表現方法は大きく進化したのです。
3. ハンズグリーンを継承した理由新ロゴでは、旧ブランドから親しまれてきた深みのある緑色「ハンズグリーン」が引き継がれています。
ブランド刷新では、色まで一新する選択肢もあります。しかし、ハンズはあえて従来のグリーンを残しました。
理由は、過去を継承しながら未来に向けてブランドを更新するという考え方にあります。
緑色は、旧東急ハンズ時代からの視覚的な記憶をつなぐ役割を果たしています。
そのため、店名やマークが変わっても、以前から店舗を利用していた人にとっては、ハンズらしさを認識しやすいのです。
なお、公式のデザイン説明で強調されているのは、環境保護などの特定の意味ではなく、従来のブランドカラーを継承するという点です。
4. ブランドメッセージも刷新ロゴの変更に合わせて、ハンズは新しいブランドメッセージを策定しました。
「手でソウゾウしよう。手でワクワクしよう。」
ここで使われている「ソウゾウ」には、創造と想像の両方を連想させる余地があります。
商品を販売するだけでなく、使う人自身がアイデアを考え、実際に手を動かし、暮らしを豊かにしていく。
この方向性は、1976年の創業時に掲げた「手の復権」とつながっています。
ロゴの変更は、過去の理念を捨てるためではなく、これからの顧客にも伝わる形へ翻訳するための取り組みだったのです。
【なぜロゴを変更した?】東急ハンズからハンズへの社名変更と旧ロゴの比較
2022年のロゴ刷新には、デザイン面だけでなく企業を取り巻く環境の変化も関係しています。
大きな転換点となったのが、東急不動産ホールディングスとの資本関係の解消と、カインズの子会社化です。
カインズの子会社化がブランド転換の背景に2022年3月31日、東急ハンズは東急不動産ホールディングスとの資本関係を解消し、ベイシアグループの主要事業会社であるカインズの子会社となりました。
その後、同年10月1日に商号を「株式会社東急ハンズ」から「株式会社ハンズ」へ変更。
10月26日には新しいコーポレートロゴを発表しました。
この流れを見ると、社名変更とロゴ変更は別々の出来事ではなく、新しい経営体制のもとでブランドを再構築する一連の取り組みだったことが分かります。
ハンズはカインズとともに、新たなDIY文化の共創や、より良い暮らしの実現を目指す方針を示しました。
また、「東急」「TOKYU」を含む商標や標章については、2024年3月末までに使用を終了する予定が発表されました。
旧ロゴと新ロゴの違いを比較両者の違いを整理すると、次のようになります。
旧・東急ハンズロゴ
- 左右に手のシンボルを配置したデザイン。
- 「TOKYU HANDS」の文字を使用。
- 1976年の創業時から長く親しまれた。
- 「手の復権」という創業理念を直接的に表現。
- 企業ロゴと店舗アイコンで両手・片手のバリエーションがあった。
新・ハンズロゴ
- 漢字の「手」を抽象化したデザイン。
- 一本の途切れない線で構成。
- デザインオフィスnendoの佐藤オオキ氏が担当。
- ハンズグリーンを継承。
- 過去と未来をつなぐブランドイメージを表現。
最大の違いは、手を直接的に描いた旧デザインから、漢字そのものを抽象化した新デザインへと進化したことです。
ただし、手というモチーフとグリーンという色は残っています。
このため、新ロゴは旧ロゴを否定するものではなく、創業以来のアイデンティティを新しい表現へ置き換えたものと捉えられます。
【ハンズ ビー・プラグスマーケット】関連ブランドのロゴも刷新された
2022年のブランド刷新では、ハンズ本体だけでなく、関連する業態のロゴも変更されました。
対象となったのは「ハンズ ビー」と「プラグス マーケット」です。
ハンズ ビーのロゴハンズ ビーは、提案型のライフスタイルショップとして展開されている業態です。
2022年10月26日の発表では、ハンズ本体のコーポレートロゴとともに、ハンズ ビー専用の新しいロゴも公開されました。
店舗のコンセプトや顧客層に合わせて、ブランド全体の刷新に参加した形です。
ハンズ ビーのロゴは、通常のハンズの企業ロゴと混同せず、独立した業態のブランド表示として見ることがポイントです。
プラグス マーケットのロゴプラグス マーケットのロゴには、電気プラグをイメージしたデザインが採用されています。
その理由は、地域が持つさまざまな資源をハンズと地域のパートナー企業が協力して発掘し、「モノ」と「コト」をつないでいくという事業コンセプトにあります。
電気プラグが地域に刺激を流し込むイメージを表現しているのです。
プラグス マーケットは、地域の魅力を発見・発信することを目的とした業態です。
売場は次の3つのゾーンで構成されています。
- 伝え場: 地域の魅力的な商品や取り組みを紹介するイベントゾーン。
- モノの場: ハンズがセレクトした商品を販売するゾーン。
- 話し場: 商品やサービスに関連するテナントゾーン。
単なる小売店ではなく、地域の企業や商業施設、自治体などと連携する仕組みを持っています。
2026年現在の関連業態の展開状況ハンズ公式の会社概要によると、2026年9月17日現在の店舗数は合計101店舗です。
内訳は以下のとおりです。
- ハンズ:73店舗
- ハンズ ビー:19店舗
- プラグス マーケット:9店舗
それぞれ異なる業態でありながら、ハンズというブランドのもとで生活文化の創造を目指しています。
【プロの結論】ロゴの変更から読み解くハンズのブランド戦略今回のロゴ刷新で注目すべきなのは、単純なデザインの新旧比較ではありません。
重要なのは、ブランドが長年築いてきた価値を、どのように新しい時代へ伝えるかという点です。
旧ロゴには、手仕事や創造性を大切にする創業理念が直接的に表現されていました。
新ロゴでは、漢字の「手」を一筆書きにすることで、その理念をよりシンプルで現代的な視覚表現へと変えています。
加えて、ハンズグリーンを残したことで、以前からの顧客にもブランドの連続性を伝えています。
ロゴを見分ける際には、次の3つを判断基準にすると分かりやすいでしょう。
1. 「TOKYU HANDS」と両手のシンボルがあるなら、旧東急ハンズの代表的なロゴ。
2. 漢字の「手」を思わせる一筆書きとグリーンの組み合わせなら、2022年以降のコーポレートロゴ。
3. 「50th」や数字の5を組み合わせたマークなら、2026年の創業50周年記念ロゴ。
この3つを区別すれば、ネット上で見かける旧ロゴ画像や最新ロゴの情報も整理しやすくなります。
【東急ハンズのロゴ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:東急ハンズの旧ロゴはいつから使われていた?
1976年の創業時から使用されていました。左右に手のシンボルを配した「TOKYU HANDS」のロゴが代表的なデザインです。制作は浜野商品研究所に委託されました。
Q2:新しいハンズのロゴをデザインしたのは誰?
デザインオフィスnendoのチーフデザイナー、佐藤オオキ氏です。漢字の「手」をモチーフに、端部をつないだ途切れない一筆書きのデザインを制作しました。
Q3:ハンズのロゴに使われている緑色の名前は?
「ハンズグリーン」です。2022年の刷新でも従来の深みのあるグリーンが継承されました。
Q4:東急ハンズからハンズへ社名が変わったのはいつ?
2022年10月1日です。同日付で会社名が「株式会社ハンズ」に変更されました。新しいコーポレートロゴは同年10月26日から順次使用されています。
Q5:2026年の50周年ロゴは新しい企業ロゴなの?
いいえ。2026年1月21日に発表された50周年記念ロゴは、周年キャンペーンやイベントなどで使用する特別なデザインです。通常のコーポレートロゴとは役割が異なります。
東急ハンズのロゴは、1976年の創業以来、「手の復権」という理念を表現してきました。
旧ロゴの両手のシンボルは、手仕事やものづくりの価値を象徴するものでした。
2022年には、東急不動産ホールディングスとの資本関係解消やカインズの子会社化を背景に、会社名を「ハンズ」へ変更。デザインオフィスnendoの佐藤オオキ氏によって、漢字の「手」をモチーフとした新しいロゴが誕生しました。
ハンズグリーンを残し、一筆書きで過去と未来をつなぐ表現を採用したことは、創業以来の価値観を大切にする姿勢の表れです。
そして2026年8月、ハンズは創業50周年を迎えました。周年記念ロゴには、これまでの歴史と次の未来をつなぐ意味が込められています。
東急ハンズのロゴは変わりましたが、「手を通じて暮らしを創造する」という根本の考え方は変わっていません。
旧ロゴと新ロゴを比較すると、見た目の変化だけでなく、ブランドが50年にわたって守り続けてきた理念と、これからのハンズが目指す方向性を読み取ることができます。
主な参考資料・確認先
- ハンズ公式「2022年 新ロゴ発表」
- デザインオフィスnendo「HANDS」プロジェクト紹介
- マイナビニュース「東急ハンズのロゴに描かれた手には深い意味があった」2013年
- ハンズ公式「創業50周年記念ロゴ発表」2026年1月21日
- ハンズ公式会社概要・プラグス マーケットの紹介