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夜間の熱中症は寝ている間も危険?原因・初期症状と2026年最新の予防策を徹底解説

桜庭 準 桜庭 準 • 更新: • 公開: • 読了約 24 分
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夜間の熱中症は、日中の屋外活動だけが原因ではありません。寝室にこもった熱や高い湿度、就寝中の発汗による水分不足などが重なると、エアコンのない室内でも熱中症を発症する可能性があります。特に、暑さや喉の渇きを感じにくくなった高齢者は、本人が異変に気づかないまま症状が進行する危険があります。

2026年11月4日時点の公的資料を確認すると、総務省消防庁が公表した2026年5~9月の熱中症救急搬送者数は全国で7万7,638人。発生場所では住居が39.6%を占め、最も多い場所となりました。環境省の夜間WBGT情報や厚生労働省の予防指針を踏まえ、夜間に熱中症が起きる原因、初期症状、寝るときのエアコンや水分補給、救急車を呼ぶ判断基準まで詳しく解説します。

【原因を解説】夜間の熱中症はなぜ室内や就寝中にも起こるのか

熱中症夜間

夜になれば気温が下がり、熱中症の危険も小さくなると思われがちです。しかし、実際には夜間も熱中症への警戒が必要です。

厚生労働省は、熱中症について、高温多湿な環境に長くいることで体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能が正常に働かなくなる状態と説明しています。屋外だけでなく、室内で安静にしているときにも発症します。

夜間の発症では、外気温だけでなく、建物に蓄積された熱や室内の湿度、睡眠中の水分不足などが関係します。

原因1:昼間に蓄積された熱が夜になっても室内に残る

日中に強い日差しを受けた屋根、壁、床などは熱を蓄えます。日没後に外気温が下がっても、建物内部の温度がすぐに下がるとは限りません。

特に注意したいのは、次のような住環境です。

  • 最上階や屋根に近い部屋
  • 日当たりが強い南向き・西向きの寝室
  • 窓が少なく、風通しが悪い部屋
  • 日中にエアコンを使用せず、室内に熱がこもった住宅
  • 断熱性や遮熱性が十分でない建物

日中の暑さが室内に残っていると、就寝時になっても体から十分に熱を逃がせません。夜間の熱中症を防ぐには、外の気温だけでなく、実際に寝る部屋の温度を確認することが大切です。

原因2:湿度が高く、汗が蒸発しにくくなる

夜間の熱中症を考えるうえで、気温と同じくらい注意したいのが湿度です。

人間の体は、汗が蒸発するときに発生する気化熱を利用して体温を下げています。しかし、湿度が高い環境では汗が蒸発しにくくなり、体内に熱がこもりやすくなります。

例えば、気温が同じでも、湿度が高く風がほとんどない部屋では、体から熱を逃がしにくくなります。

このため、寝室の暑さを判断するときは、温度計だけでなく湿度計も活用したいところです。エアコンの冷房や除湿機能、適切な空気循環を組み合わせると、熱がこもりにくい環境を整えられます。

原因3:寝ている間の発汗によって脱水症状が進む

睡眠中も人間は汗をかきます。暑い夜には発汗量が増え、知らないうちに水分や塩分を失うことがあります。

日中の水分補給が不足していた場合や、就寝前に大量の汗をかいていた場合は、睡眠中に脱水が進行する可能性があります。

加えて、睡眠中は喉の渇きや体調の変化に気づいても、すぐに水分を補給できないことがあります。こうした事情が、寝ている間の熱中症につながる要因です。

【初期症状を見逃さない】夜間熱中症のサインと脱水症状の特徴

夜間熱中症で注意したいのは、症状が睡眠中に進行することです。目が覚めたときに頭痛や吐き気、異常なだるさを感じた場合、単なる寝不足や疲労と決めつけないことが重要です。

夜間に現れやすい初期症状

厚生労働省が示す熱中症の代表的な症状には、次のようなものがあります。

  • めまい、立ちくらみ
  • 大量の発汗
  • 筋肉痛、足がつる、こむら返り
  • 頭痛
  • 吐き気、気分の悪さ
  • 体のだるさ、倦怠感
  • 手足のしびれ
  • いつもと様子が違う感覚

夜間の場合、寝苦しさ、何度も目が覚める、寝汗がひどい、起床時に頭が痛いといった変化にも注意が必要です。これらは熱中症に限った症状ではありませんが、暑い室内で起きている場合は環境と体調を確認してください。

症状が進行した場合に現れる危険なサイン

熱中症が重症化すると、単なる疲労とは明らかに異なる症状が現れます。

  • 呼びかけても反応が鈍い
  • 受け答えがおかしい
  • 意識がもうろうとする
  • けいれんが起きる
  • 自力で水分を飲めない
  • 体が非常に熱い

こうした症状が見られる場合は、夜間だからといって朝まで様子を見るのは危険です。意識障害や自力での水分摂取ができない状態は、救急車を呼ぶべき重要な判断材料になります。

夜間の脱水症状と熱中症はどう違う?

脱水症状は、体内の水分が不足した状態を指します。一方、熱中症は高温多湿な環境などによって体温調節機能が正常に働かなくなり、体に熱がこもる状態です。

両者は密接に関係しており、発汗によって水分や塩分を失うことで、熱中症のリスクが高まります。

口の渇き、尿量の減少、尿の色が濃くなる、強い倦怠感などは水分不足を考える手掛かりになります。ただし、症状だけで脱水や熱中症の重症度を判断することはできません。

特に高齢者では、喉の渇きを感じにくくなるため、本人が水分不足を自覚していない場合もあります。

【2026年最新データ】夜間WBGTと熱中症リスクを公的資料から検証

夜間の熱中症を考える際、参考になるのが環境省の暑さ指数(WBGT)と総務省消防庁の救急搬送統計です。

2026年の熱中症救急搬送者数は7万7,638人

総務省消防庁が2026年10月28日に公表した確定値によると、2026年5月から9月までの全国の熱中症救急搬送人員は7万7,638人でした。

2008年の調査開始以降で5番目に多い数字です。

特に注目したいのは、発生場所の内訳です。

  • 住居:3万718人(39.6%)
  • 道路:1万6,080人(20.7%)
  • 公衆の屋外:8,529人(11.0%)
  • 仕事場①:7,565人(9.7%)

住居が最も多く、全体の約4割を占めています。熱中症は屋外の炎天下だけでなく、日常生活を送る自宅でも起きていることが分かります。

なお、この消防庁の統計は発生場所などを集計したもので、夜間だけの発症件数を示すものではありません。住居での搬送者数を、そのまま夜間の熱中症件数と読み替えることはできません。

WBGTとは?気温だけでは分からない危険性を示す指標

WBGTは、Wet Bulb Globe Temperatureの略称で、日本語では「湿球黒球温度」と呼ばれます。

気温だけでなく、湿度や日射・輻射熱など、人体と周囲の熱のやり取りに影響する要素を取り入れた指標です。一般的な気温表示とは異なり、熱中症の危険度を把握するために活用されています。

日常生活における暑さ指数の目安は、次のように分類されています。

  • 25未満:注意
  • 25以上28未満:警戒
  • 28以上31未満:厳重警戒
  • 31以上:危険

特にWBGTが28を超えると、熱中症患者の発生率が大きく増加する傾向が環境省の資料で示されています。

環境省の夜間熱中症リスクカレンダーとは

環境省の熱中症予防情報サイトでは、過去5年間の暑さ指数をもとに、夜間の日最低WBGTを確認できる「熱中症リスクカレンダー」が公開されています。

この情報は、夜間でも暑さ指数が高くなる時期を把握し、室内の熱中症対策を考えるために役立ちます。

夜間の日最低WBGTが25以上になる期間は、夜間も熱中症への警戒が必要とされ、換気や空調の活用、室内温度の確認が推奨されています。

ただし、リスクカレンダーは過去5年間の観測値を統計処理したもので、当日の夜の予報ではありません。実際の気象状況や自宅の室温も合わせて判断する必要があります。

また、2026年11月4日時点では、令和8年度のWBGT実況・予測情報の提供は10月21日に終了しています。環境省は次年度の提供開始を2027年4月下旬に予定しており、現在は過去データや普及啓発資料を確認できます。

熱中症に関係する主要データと情報の整理
項目・情報 2026年の公的資料・内容 夜間対策への意味
救急搬送者数 77,638人(5~9月) 熱中症は依然として大きな健康リスク
住居での搬送 30,718人(39.6%) 自宅でも熱中症対策が必要
高齢者の搬送 46,345人(59.7%) 高齢者の見守りと室温管理が重要
入院が必要な搬送 中等症・重症の合計39.7% 症状の悪化を待たず早期対応する
夜間のWBGT 過去5年間の日最低値を確認可能 夜間の暑さが続く時期を把握する
2026年度のWBGT提供 10月21日に終了 次年度は2027年4月下旬開始予定

出典は総務省消防庁「令和8年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」と環境省「熱中症予防情報サイト」です。

このデータから見えてくるのは、熱中症対策を屋外活動だけに限定できないということです。特に住居での発生割合が高いことは、就寝中を含めた室内環境の管理が欠かせないことを示しています。

【高齢者は特に注意】夜間の熱中症リスクが高くなる理由

夜間の熱中症で特に注意したいのが、高齢者です。

厚生労働省は、高齢者について、暑さや水分不足に対する感覚機能、体温調節機能が低下するため、熱中症に注意が必要だと呼びかけています。

2026年の消防庁統計でも、65歳以上の高齢者は4万6,345人で、全体の59.7%を占めました。

喉の渇きを感じにくく、水分補給が遅れる

加齢によって喉の渇きを感じる機能が低下すると、体内の水分が不足していても、本人が水を飲みたいと感じないことがあります。

加えて、夜中にトイレへ行く回数を減らしたいという理由から、就寝前の水分摂取を控える人もいます。

しかし、水分不足を我慢することは熱中症のリスクを高めます。夜間の脱水を防ぐためにも、日中からこまめに水分を補給し、就寝前にも適度に水分を取ることが大切です。

暑さを感じにくく、エアコンの使用を控えてしまう

高齢者は暑さに対する感覚が鈍くなり、体温調節や発汗の機能も低下する場合があります。

そのため、室温が高くなっていても、本人は暑いと感じていないことがあります。

また、冷房の風が苦手、電気代が気になる、冷えすぎるのが嫌といった理由でエアコンを止めてしまうケースにも注意が必要です。

風向きを調整する、風が直接体に当たらないようにする、設定温度を体調に合わせるなど、冷房を無理なく使える環境を整えることが大切です。

一人暮らしの高齢者は周囲の見守りも重要

一人暮らしの場合、夜間に体調が悪化しても、家族や周囲の人が異変に気づくまで時間がかかる可能性があります。

特に、認知機能や身体機能に不安がある人、持病がある人、日常的に水分摂取が少ない人は、周囲による確認が重要です。

家族ができる対策としては、次のようなものがあります。

  • 寝室に温度計と湿度計を設置する
  • エアコンが正常に作動しているか確認する
  • 寝る前の水分補給を声かけする
  • 枕元に飲み水を用意する
  • 暑い日が続くときは電話や訪問で体調を確認する

本人の感覚だけに頼らず、室温や生活環境を客観的に確認することが、夜間熱中症の予防につながります。

【今夜から実践】寝るときの室温・エアコン・水分補給の正しい方法

夜間の熱中症を予防するには、就寝前だけでなく、睡眠中も室内環境を適切に保つことが重要です。

環境省も、熱中症対策のポイントとして、夜間や就寝中を含めたエアコンの適正利用を挙げています。

エアコンは夜間もつけっぱなしにしてよい?

暑い夜は、エアコンを一晩中使用しても問題ありません。むしろ、タイマーで冷房が切れた後に室温が再び上昇する環境では、就寝中の熱中症リスクが高まる可能性があります。

大切なのは、冷房をつける時間の長さよりも、睡眠中に快適で安全な温度環境を維持できるかどうかです。

具体的には、次の方法が考えられます。

  • 室温が上がりやすい夜は冷房を継続して使用する
  • 設定温度は体調や寝具、室内環境に合わせて調整する
  • 風が直接体に当たらないように風向きを調整する
  • 扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させる
  • フィルターを定期的に清掃し、冷房効率を保つ

なお、設定温度と実際の室温は必ずしも一致しません。エアコンのリモコンに表示された数字だけで判断せず、寝室の温度計を確認することが大切です。

熱中症を防ぐ寝室の室温に絶対的な正解はある?

寝るときの室温について、すべての人に共通する一律の設定温度があるわけではありません。

体格、年齢、寝具、住宅の断熱性能、湿度などによって、同じ室温でも体感は異なります。

特に、暑さに弱い高齢者や持病がある人は、一般的な目安だけでなく、本人の体調や医師の指示も踏まえて調整してください。

寝室の温度と湿度を確認し、暑さや寝汗が続く場合は冷房や除湿機能を活用します。反対に、冷えすぎる場合は設定温度や風向きを調整しましょう。

室温だけでなく、湿度を下げて汗が蒸発しやすい環境を整えることも大切です。

寝る前と就寝中の水分補給はどうすればよい?

熱中症の予防には、喉が渇く前からこまめに水分を補給することが基本です。

就寝中は自分で水分を補給できないため、寝る前の水分摂取と、起床時の水分補給を習慣にしましょう。

実践したい要点は次のとおりです。

  • 日中から定期的に水分を補給する
  • 入浴後や就寝前に適度に水を飲む
  • 枕元に水や飲み物を用意する
  • 夜中に目が覚めて喉が渇いていたら水分を補給する
  • 起床後にも水分を取る

大量の水を一度に飲む必要はありません。無理のない範囲で、少量ずつこまめに補給することがポイントです。

大量に汗をかいた場合は、水分だけでなく塩分も失われるため、状況に応じて塩分を含む飲料などを活用します。

ただし、経口補水液は一般的な日常飲料とは異なります。消費者庁によると、ナトリウムやカリウムを多く含むため、脱水状態ではない人が日常的に大量に飲むものではありません。腎臓や心臓の疾患などで水分・塩分の制限がある人は、必ず医師の指示に従ってください。

窓を開けるだけで夜間の熱中症を防げる?

窓を開けて換気することは、室内の熱を逃がす方法の一つです。ただし、外気温や湿度が高い夜は、窓を開けても十分な効果が得られないことがあります。

外の空気が室内より涼しい場合は換気を活用できますが、蒸し暑い夜にはエアコンを優先してください。

遮光カーテンやすだれを使って日中の熱を室内に取り込みにくくすることも、夜間の室温上昇を抑えるために役立ちます。

【夜間熱中症の応急処置】救急車を呼ぶ目安と正しい対応手順

夜間に熱中症が疑われる症状が出た場合は、まず体を冷やし、症状の程度を確認します。

特に重要なのは、意識がはっきりしているか、自力で水分を飲めるかという2点です。

熱中症が疑われる場合の応急処置

厚生労働省が示す応急処置の基本は、涼しい場所への移動、体の冷却、水分補給です。

具体的には次の順番で対応します。

1. 涼しい場所へ移動する

エアコンが効いている部屋など、涼しい場所に移動します。寝室が暑い場合は、より涼しい部屋へ移してください。

2. 衣服を緩めて体を冷やす

衣服や寝具を緩め、体から熱を逃がしやすくします。濡れタオルや冷たいタオルなどを使い、首の周り、脇の下、足の付け根などを重点的に冷やしてください。

扇風機などで風を送ることも、体表面の熱を逃がす助けになります。

3. 意識がはっきりしている場合は水分・塩分を補給する

本人が自力で飲める場合は、水分や塩分を補給します。脱水を伴う場合には、状態に応じて経口補水液なども選択肢になります。

ただし、意識がはっきりしない人や、飲み込むことが難しい人には、誤嚥の危険があるため無理に飲ませてはいけません。

夜間に救急車を呼ぶべき症状

次のような状態が見られた場合は、ためらわず119番へ通報してください。

  • 意識がない、または呼びかけに反応しない
  • 返事がおかしい、会話が成立しない
  • けいれんが起きている
  • 自力で水分を飲めない
  • 意識障害が疑われ、急速に状態が悪化している

特に、意識障害がある場合は、本人が自分で症状を説明できないこともあります。周囲の人が異変に気づいた時点で救急車を要請が必要です。

救急車を呼ぶほどではないと思っても受診が必要なケース

頭痛、吐き気、強い倦怠感などがあり、涼しい場所で休んで水分を補給しても症状が改善しない場合は、医療機関を受診してください。

また、嘔吐が続いて水分を摂取できない場合も、医療機関での対応が必要になる可能性があります。

夜間診療の時間帯だからといって、受診を翌朝まで先延ばしにするのは避けましょう。

救急車を待つ間も、涼しい場所への移動や体の冷却を続けます。ただし、意識がない人に水を飲ませてはいけません。

【よくある誤解を検証】夜間の熱中症対策で失敗しないためのポイント

夜間の熱中症対策には、日常生活の中で見落とされやすいポイントがあります。正しい知識を持つことで、無理のない予防につなげられます。

誤解1:夜は涼しいからエアコンを切っても大丈夫

夜間でも建物に熱が残っている場合や、湿度が高い場合は、熱中症の危険があります。

外の気温だけで判断せず、実際の寝室の温度と湿度を確認してください。暑さが続く場合は、就寝中も冷房を使用することが適切です。

誤解2:汗をかいていなければ熱中症ではない

発汗は熱中症の代表的な症状ですが、汗をかいていないからといって熱中症を否定することはできません。

特に高齢者は、発汗機能が低下する場合があります。皮膚の状態や体調、意識、室内環境などを総合的に確認する必要があります。

誤解3:寝る前に大量の水を飲めば予防できる

一度に大量の水を飲むことより、日中からこまめに水分を補給することが大切です。

また、大量に汗をかいた場合は塩分も失われます。水分だけを補給すればよいと考えず、発汗の程度や体調に応じた補給を心がけましょう。

誤解4:経口補水液を毎晩飲めば熱中症を防げる

経口補水液は脱水時の水分・電解質補給を目的とするもので、健康な人が毎晩飲むための一般的な飲料ではありません。

消費者庁も、日常的な水分補給として経口補水液を大量に飲むことには注意を促しています。通常の水分補給には水やお茶などを基本とし、経口補水液は必要性に応じて適切に使用してください。

夜間熱中症対策で優先すべき判断基準

対策を考える際には、次の3点を優先してください。

  • 環境:寝室の温度・湿度が高くなっていないか。
  • 身体:頭痛、吐き気、異常な発汗、強い倦怠感などがないか。
  • 周囲の支援:高齢者や一人暮らしの人が夜間に異変を感じたとき、すぐに助けを求められるか。

この3点を確認すれば、エアコンの使用、水分補給、見守りのどこを改善すべきかが明確になります。

【熱中症の夜間に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:夜間でも熱中症になることはありますか?
A1:あります。昼間に蓄積した建物の熱や高い湿度、就寝中の発汗による脱水などが原因となり、室内でも発症します。夜間も室温と湿度を確認し、必要に応じてエアコンを使用してください。

Q2:熱中症予防のためにエアコンは一晩中つけっぱなしでも大丈夫ですか?
A2:問題ありません。暑い夜はタイマーで途中停止させるより、睡眠中も適切な室温を維持することが大切です。風向きや設定温度を調整し、冷えすぎないように使用してください。

Q3:寝る前の水分補給はどのくらい必要ですか?
A3:全員に共通する就寝前の水分量はありません。日中からこまめに水分を取り、入浴後や就寝前にも適度に補給してください。心臓や腎臓の疾患などで水分制限がある場合は医師の指示を優先します。

Q4:夜中に頭痛や吐き気が出たら熱中症を疑うべきですか?
A4:暑い室内で頭痛や吐き気、めまい、強い倦怠感などが現れた場合は、熱中症の可能性があります。涼しい場所へ移動し、体を冷やしてください。症状が改善しない場合は医療機関を受診し、意識がおかしい場合や自力で水分を飲めない場合は119番へ通報してください。

Q5:高齢者が夜間に熱中症になりやすいのはなぜですか?
A5:加齢によって暑さや喉の渇きを感じる機能、発汗などの体温調節機能が低下する場合があるためです。本人が暑さを感じていなくても室温が高くなっている可能性があるため、温度計を使った確認や周囲の見守りが重要です。

Q6:環境省の夜間WBGT情報は2026年11月現在も確認できますか?
A6:2026年度のWBGT実況・予測情報の提供は10月21日に終了しています。ただし、過去5年間の夜間の日最低WBGTをまとめた熱中症リスクカレンダーや関連資料は引き続き確認できます。次年度の情報提供は2027年4月下旬に開始予定です。

夜間の熱中症は、屋外だけでなく、自宅の寝室でも発生する身近な健康リスクです。特に、日中の熱が残った部屋、高湿度の環境、就寝中の発汗による脱水が重なると、睡眠中に症状が進行する可能性があります。

2026年の消防庁統計では、5~9月の熱中症救急搬送者数が7万7,638人となり、住居での発生が全体の39.6%を占めました。また、高齢者は59.7%に達しており、室内での予防と周囲の見守りが欠かせません。

【プロの結論】夜間熱中症対策で最も大切なのは、「夜だから大丈夫」「眠っているから問題ない」という思い込みをなくすことです。

今夜から実践したいのは、次の5つです。

  • 寝室に温度計・湿度計を設置する。
  • 暑い夜はエアコンを就寝中も適切に使用する。
  • 日中からこまめに水分を補給し、就寝前と起床後にも水分を取る。
  • 高齢者や一人暮らしの家族の室内環境と体調を確認する。
  • 頭痛や吐き気などの異変を軽視せず、意識障害や水分摂取不能の場合は119番へ通報する。

2026年11月現在、環境省の暑さ指数の季節運用は終了していますが、過去の夜間リスク情報や予防資料は引き続き活用できます。季節を問わず、気温が高い日や湿度の高い夜には、室内環境を確認する習慣を持ちたいところです。

熱中症は早期に気づき、適切に対処が必要です。自分だけでなく、家族や身近な高齢者の睡眠環境にも目を向け、安全に眠れる室内環境を整えていきましょう。

主な参考資料:環境省「熱中症予防情報サイト」「熱中症リスクカレンダー」、厚生労働省「熱中症予防のために」「熱中症が疑われる人を見かけたら」、総務省消防庁「令和8年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」(2026年10月28日公表)、消費者庁「経口補水液について」。

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