エルチキンライスとは、ダウンタウンの松本人志がTBS系『水曜日のダウンタウン』の企画で扮した覆面レスラーである。2015年4月15日放送の2時間スペシャルに登場し、プロレス団体「ドラゴンゲート」の大会でメキシコから来た謎のマスクマンとして活動した。正体は松本人志本人。鍛え上げられた肉体と独特のボケ、そして予想外のリング上での振る舞いによって、番組屈指の印象的な企画として記憶されている。
名前の由来は、松本が作詞し、相方の浜田雅功が歌った楽曲「チキンライス」。さらに2024年1月31日には、松本の活動休止後に『水曜日のダウンタウン』のオープニング映像へ再登場したことでも話題になった。2026年現在の活動状況やフィギュア化の経緯まで、誕生から現在につながる出来事を時系列で整理する。
【正体は松本人志】エルチキンライスが誕生した2015年の水ダウ企画

エルチキンライスの正体は、ダウンタウンの松本人志である。
覆面とリングコスチュームによって顔を隠し、メキシコから来日した謎のマスクマンという設定で登場した。単にマスクをかぶって変装するだけではなく、プロレス会場に実際に入り、選手のセコンドとして試合を盛り上げるという本格的な仕掛けだった。
企画が放送されたのは、2015年4月15日放送の『水曜日のダウンタウン』2時間スペシャル。
検証された説は「松本人志がメキシコからきた謎のマスクマンとしてプロレス会場に登場してもバレない説」だった。
プレゼンターを務めたのは、東京03の豊本明長と博多華丸・大吉の博多大吉。
松本にとって番組初のロケ企画でもあり、普段スタジオで説を検証する側にいるMCが、自ら検証対象になるという構図も見どころだった。
なぜ松本人志が覆面レスラーに選ばれたのかこの企画の面白さは、松本の鍛え上げられた身体にあった。
当時の松本は筋力トレーニングを継続しており、芸人としてのイメージからは想像しにくいほど筋肉質な体格になっていた。
そこで番組は、顔を覆面で隠せば、その肉体を持つ人物がプロレス会場に現れても松本人志だと気づかれないのではないか、という仮説を立てた。
つまり、検証の要点は顔の変装だけではない。
- 顔を隠した状態で観客に正体を見破られるか
- 外国人レスラーという設定が自然に受け入れられるか
- プロレス会場での振る舞いに違和感がないか
- 松本特有の声やリアクションから本人だと気づかれないか
こうした要素が組み合わさり、エルチキンライスというキャラクターが成立した。
2015年4月15日放送回で何が起きた?松本は覆面を着用し、メキシコから来た選手という設定でドラゴンゲートの大会に登場した。
会場では選手のセコンドとして試合を盛り上げ、途中からリング上で紹介される展開にも発展した。
普段のテレビ出演とは異なる環境で、プロレスラーらしい振る舞いを求められた松本。ところが、そこで見せたのは本格的なレスリング技術というよりも、芸人としての発想を生かした独特のパフォーマンスだった。
その結果、覆面をかぶった筋肉質な外国人レスラーという設定が、番組ならではの笑いにつながった。
エルチキンライスは、単なる変装ではなく、松本人志の身体的特徴とお笑いの個性を組み合わせて生まれたキャラクターだった。
【名前の由来】浜田雅功が歌った名曲「チキンライス」との関係
2004年発売の楽曲がリングネームの元ネタエルチキンライスという名前の由来は、2004年11月17日に発売された楽曲「チキンライス」である。
この楽曲は、浜田雅功と槇原敬之によるコラボレーションシングル。作詞を松本人志、作曲・編曲を槇原敬之が担当し、浜田が歌唱した。
楽曲の基本情報は次のとおり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 楽曲名 | チキンライス |
| 発売日 | 2004年11月17日 |
| 歌唱 | 浜田雅功と槇原敬之 |
| 作詞 | 松本人志 |
| 作曲・編曲 | 槇原敬之 |
| リリース形態 | コラボレーションシングル |
| エルチキンライスとの関係 | リングネームの由来 |
槇原敬之の公式ディスコグラフィーでも、作詞が松本人志、作曲・編曲が槇原敬之であることが確認できる。
「チキンライス」に込められた松本人志の少年時代この楽曲が印象的なのは、単なるクリスマスソングではない点だ。
歌詞の背景には、松本自身の少年時代の家庭環境や、家族で外食した際の思い出がある。
子どもの頃、家族で外食する機会に、豪華な料理を頼むことをためらい、比較的手頃なチキンライスを選んでいたという経験が作品の核になっている。
その描写には、親に気を遣う子どもの気持ちや、当時の生活を振り返る大人の視点が重なっている。
松本は2017年のクリスマスイブ、自身のSNSで娘の前で初めて「チキンライス」を歌ったことを明かした。日刊スポーツもこのエピソードを報じており、本人にとっても思い入れのある楽曲であることがうかがえる。
2019年にも松本は同曲への思いを語っており、発売当時の順位も含めて愛着を示していた。
こうした背景を踏まえると、エルチキンライスという名前には、単に食べ物の名前を面白く使った以上のつながりがある。
なぜ「エル」が付いているのか「エル・チキンライス」の「エル」は、スペイン語の男性定冠詞「el」を連想させる表現だ。
スペイン語圏、とりわけメキシコのルチャ・リブレでは、個性的なリングネームを持つ覆面レスラーが数多く活躍している。
そのため、日本語の楽曲名である「チキンライス」にスペイン語風の「エル」を付けることで、メキシコから来たマスクマンという設定に合う名前になっている。
ただし、公式に確認できる名前の由来は、松本が作詞した楽曲「チキンライス」にちなんだものという点だ。
「エル」という部分は、キャラクターのメキシコ人設定を演出する言葉遊びとして理解すると分かりやすい。
【ドラゴンゲートでの役割】エルチキンライスは本当に試合に出たのか?
登場したのは2015年3月15日の埼玉大会エルチキンライスが登場した舞台は、プロレス団体「ドラゴンゲート」の大会だった。
松本が参加したのは、2015年3月15日に埼玉県川越市のえすぽわーる伊佐沼で開催された「GLORIOUS GATE 2015」。
ドラゴンゲート公式の試合結果によると、当日の観衆は700人で、超満員札止めと記録されている。
この大会で松本は覆面を着用し、選手のセコンド役として参加した。
ここで押さえておきたいのは、エルチキンライスが通常の公式戦にレスラーとして出場したわけではないという点だ。
番組企画の一環として会場に登場し、試合を盛り上げる役割を担ったのである。
CIMAらドラゴンゲートの選手との絡みも見どころ企画では、ドラゴンゲートの選手たちとのやり取りも展開された。
特に印象的だったのが、CIMAによるリング上での紹介やマイクパフォーマンスだ。
エルチキンライスはほかの参加者とともに紹介され、得意技を尋ねられる場面などで独特のボケを披露した。
また、スペイン語の言葉を使って叫ぶなど、メキシコ人マスクマンという設定を生かした演出もあった。
プロレスの試合そのものに加え、選手と芸人の即興的な掛け合いが企画の面白さを引き出していた。
エルチキンライスの誕生から現在までの年表| 年月日 | 出来事 | 内容・意味 |
|---|---|---|
| 2004年11月17日 | 楽曲「チキンライス」発売 | 松本人志が作詞、槇原敬之が作曲、浜田雅功が歌唱 |
| 2015年3月15日 | ドラゴンゲート大会に登場 | 埼玉県川越市の大会でセコンドを務める |
| 2015年4月15日 | 水曜日のダウンタウンで放送 | 覆面レスラーとしての検証企画が放送される |
| 2016年10月19日 | ソフビの受注開始 | メディコム・トイ製の限定フィギュアが登場 |
| 2024年1月31日 | 番組OPに再登場 | 松本のイラスト部分がエルチキンライスに変更 |
| 2024年11月13日 | OPでの登場が継続 | 同キャラクターが引き続き使用されていた |
| 2025年11月 | 松本が活動再開 | 有料配信サービスDOWNTOWN+で活動を再開 |
| 2026年9月30日 | TBSが番組出演について説明 | 水曜日のダウンタウンへの復帰は未決定と説明 |
この年表から分かるのは、エルチキンライスの活動が、2015年の一度きりの企画で終わったわけではないということだ。
2016年には商品化され、2024年には番組のオープニング映像という形で再び視聴者の前に現れた。
一方、ドラゴンゲートへの継続参戦や、プロレスラーとしての正式な活動歴が確認されているわけではない。
【カブローンの意味】エルチキンライスが叫んだスペイン語を解説
番組で登場した「カブローン」とは?エルチキンライスの印象的な場面の一つが、スペイン語の「カブローン(cabrón)」を叫ぶシーンだ。
メキシコ人マスクマンという設定に合わせ、スペイン語を使ったパフォーマンスを披露した。
番組内では「バカヤロー」に近い意味として紹介された。
しかし、実際のスペイン語では、cabrónは状況によって意味やニュアンスが変わる言葉である。
メキシコのスペイン語を扱う「Diccionario del Español de México(メキシコスペイン語辞典)」では、次のような用法が掲載されている。
- 相手に向けた侮辱的な呼びかけ
- 意地悪な人物や嫌な人物を指す表現
- 親しい友人に対するくだけた呼びかけ
- 何かに非常に長けた人物を評価する表現
つまり、必ずしも日本語の「バカヤロー」と一対一で対応するわけではない。
「カブローン」は悪口なのか?基本的には下品な表現に分類されるため、使用する相手や場面には注意が必要だ。
ただし、親しい間柄では冗談交じりに使われることもあり、必ずしも敵意を示すとは限らない。
エルチキンライスの場合は、プロレス会場でメキシコ人レスラーを演じるためのコミカルな演出として使われていた。
そのため、番組内での「バカヤロー」という訳は、キャラクターの勢いや笑いを伝える意訳として捉えると理解しやすい。
なお、辞書にはほかの特殊な意味も掲載されているが、番組中の使用場面をそのまま別の意味に結び付けるのは適切ではない。
エルチキンライスの「カブローン」は、スペイン語の厳密な翻訳を楽しむというより、メキシコ人マスクマンという設定を盛り上げる演出の一つだった。
【フィギュア化も実現】エルチキンライスの限定ソフビとは?
2016年にメディコム・トイから商品化エルチキンライスは、テレビ番組内だけのキャラクターにとどまらず、2016年にはフィギュアとして商品化された。
製造を担当したのは、玩具メーカーのメディコム・トイ。
商品名は「エル・チキンライス ソフビ(ブルマァク新復刻版)」で、ブルマァクの復刻イメージを取り入れたソフトビニール製フィギュアだった。
メディコム・トイの公式ブログによると、2016年10月19日から予約受付が開始され、受注限定生産として販売された。
主な仕様は次のとおり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | エル・チキンライス ソフビ |
| 仕様 | ブルマァク新復刻版 |
| 予約開始日 | 2016年10月19日 |
| メーカー | メディコム・トイ |
| 発売元 | TBS/よしもとアール・アンド・シー |
| 頒布価格 | 13,824円(税込) |
| サイズ | 全高約260mm |
| 販売方式 | 受注限定生産 |
このフィギュアの特徴は、一般的な店頭販売商品とは異なる購入方法だったことだ。
購入するには、『水曜日のダウンタウン』DVD第4巻・第5巻と浜田雅功ベアブリックを組み合わせた初回限定特別版BOXセットに同梱された購入コードが必要だった。
そのコードを使って、エルチキンライスのソフビを申し込む仕組みだったのである。
受付期間は2016年12月31日までとされていた。
この販売方式により、番組ファンや松本人志のコレクターにとって、特別感のあるグッズになった。
現在も購入できるのか?2026年現在、当時の受注販売は終了している。
そのため、新品を通常の公式販売ルートで購入できる商品として扱うことはできない。
中古市場やフリマアプリなどで出品される可能性はあるものの、価格や商品の状態、付属品の有無は出品ごとに異なる。
購入を検討する場合は、次の点を確認したい。
- 正規品であることを確認できるか
- マスクやコスチュームなどの造形に欠損がないか
- 付属品や購入時の証明が残っているか
- 箱や保管状態に問題がないか
- 希少性だけを理由に相場以上の価格になっていないか
単なるテレビ番組の記念品ではなく、ブルマァクの復刻イメージを採用したソフビという点も、この商品の特徴である。
【2024年のOP映像で再登場】エルチキンライスのその後と2026年現在
2024年1月31日、番組オープニングに登場エルチキンライスが再び大きな注目を集めたのは、2024年1月31日放送の『水曜日のダウンタウン』だった。
この日は松本人志が活動休止を発表してから、初めて番組に出演しない放送回となった。
それに伴い、番組のオープニング映像にも変更が加えられた。
それまで松本を模したキャラクターが登場していた部分が、過去に本人が演じた覆面レスラー「エル・チキンライス」に差し替えられたのである。
この変更はORICON NEWSや日刊スポーツなどでも報じられ、過去の企画を覚えていた視聴者の間で話題になった。
特に興味深かったのは、松本本人の代わりに、かつて番組内で生まれたキャラクターが登場したという構図だ。
2015年には笑いを生み出すための変装だったエルチキンライスが、約9年後には番組のオープニングを象徴する存在として再登場した。
2024年11月にも覆面姿が続いた2024年11月13日放送回でも、エルチキンライスがオープニングに登場した。
この時期は、松本が週刊文春側への訴えを取り下げた後であり、通常の松本のイラストに戻るのではないかと期待する声もあった。
しかし、日刊スポーツの報道によれば、実際のオープニングは覆面姿のままだった。
ここで重要なのは、番組内でのキャラクターの扱いと、松本人志本人の活動状況を分けて考えることだ。
エルチキンライスがオープニングに登場していたからといって、松本本人が番組に出演していたわけではない。
2025年以降、松本人志は活動を再開松本本人については、2025年11月1日に有料配信サービス「DOWNTOWN+」の生配信に出演し、活動を再開した。
吉本興業が発表した同サービスの概要では、松本人志がプロデュース・出演する新しいコンテンツを展開することも説明されている。
したがって、2026年現在の松本は、活動休止当時と同じ状況ではない。
一方で、地上波テレビ番組への復帰は別の問題である。
2026年9月30日、TBSは松本の『キングオブコント』および『水曜日のダウンタウン』への出演について、現時点で決まっていないと説明した。
つまり、配信サービスでの活動再開と、『水曜日のダウンタウン』へのレギュラー復帰は区別する必要がある。
エルチキンライスは今後も復活するのか?エルチキンライスについては、2015年の企画から始まり、2016年のフィギュア化、2024年のオープニング映像への再登場という経緯がある。
しかし、2026年11月現在、ドラゴンゲートへの継続参戦や、独立したプロレスラーとしての活動が発表されているわけではない。
また、松本の地上波番組復帰が決まっていない以上、エルチキンライスが再び番組に登場するかどうかも確定していない。
今後の展開を考えるうえでは、次の3点が注目される。
1. 『水曜日のダウンタウン』で過去の企画が再び取り上げられるか。
2. 松本人志の地上波レギュラー出演が実現するか。
3. 2016年の限定ソフビに続く新しい公式グッズが企画されるか。
エルチキンライスは、松本人志の活動歴の中でも独特な位置を占めるキャラクターであり、番組の歴史を振り返る際にも欠かせない存在になっている。
【エルチキンライスに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:エルチキンライスの正体は松本人志ですか?
A1:はい。エルチキンライスの正体はダウンタウンの松本人志です。2015年4月15日放送の『水曜日のダウンタウン』で、メキシコから来た謎の覆面レスラーという設定でプロレス会場に登場しました。
Q2:エルチキンライスが登場した水曜日のダウンタウンは何年何月何日ですか?
A2:2015年4月15日放送の2時間スペシャルです。「松本人志がメキシコからきた謎のマスクマンとしてプロレス会場に登場してもバレない説」という企画で登場しました。実際の大会への参加は同年3月15日です。
Q3:エルチキンライスの名前の由来は何ですか?
A3:松本人志が作詞した楽曲「チキンライス」が由来です。2004年11月17日に浜田雅功と槇原敬之のコラボレーションシングルとして発売されました。「エル」はメキシコ人マスクマンという設定に合うスペイン語風の表現です。
Q4:エルチキンライスのフィギュアは現在も販売されていますか?
A4:2016年にメディコム・トイから受注限定生産で販売されたソフビは、すでに当時の受付を終了しています。2026年現在は中古市場などで見つかる可能性がありますが、公式の通常販売商品ではありません。
エルチキンライスの正体は、ダウンタウンの松本人志。2015年4月15日放送の『水曜日のダウンタウン』で、メキシコから来た謎の覆面レスラーとして登場したことが誕生のきっかけだった。
その名前は、松本が作詞し、浜田雅功が歌った2004年の名曲「チキンライス」に由来する。ドラゴンゲートの大会ではセコンド役として試合を盛り上げ、2016年にはメディコム・トイから限定ソフビも発売された。
さらに2024年1月31日には番組オープニング映像に再登場し、過去の企画を知る視聴者を驚かせた。
2026年現在、松本はDOWNTOWN+で活動を再開している一方、『水曜日のダウンタウン』へのレギュラー復帰は決まっていない。エルチキンライス自体も、現役のプロレスラーというより、番組の歴史から生まれた特別なキャラクターとして位置付けられる。
このキャラクターの魅力は、単に松本人志が覆面をかぶったという話にとどまらない。自身の少年時代の思い出を込めた楽曲、鍛え上げられた肉体、プロレスという異なる舞台、そして予測不能なお笑いが一つになった企画だったことにある。
エルチキンライスは、松本人志の音楽的な一面と芸人としての発想、そして『水曜日のダウンタウン』らしい大胆な企画力が生み出した、唯一無二の覆面レスラーなのである。