2026年11月4日時点で確認できるNPB公式記録によると、山本は中日の背番号60を着ける内野手として2026年シーズンを終えている。今季は一軍で33試合に出場したが、前年のように継続して出場機会を得ることはできなかった。
具体的な一軍打撃成績は次のとおりだ。
山本泰寛・2026年一軍成績33
試合出場.174
打率1
本塁打4
打点.250
出塁率.482
OPS
打席 / 打数
80 / 69
安打 / 二塁打
12 / 1
三振 / 四球
18 / 7
出典:NPB公式・個人年度別成績、2026年シーズン終了時点。
注目したいのは、2025年からの出場機会の変化だ。2025年は112試合に出場していたのに対し、2026年は33試合にとどまった。打率も前年の.242から.174に低下している。
つまり、今季の山本は守備固めや複数ポジションのバックアップとして必要とされる場面はあったものの、打撃面でレギュラー争いを優位に進められなかった。
ただし、33試合という数字だけで選手としての価値を判断するのは早い。2026年は一軍登録と抹消を複数回経験しており、まとまった出場機会を得にくいシーズンだったことも考慮する必要がある。
【登録抹消の理由】山本泰寛が2026年に一軍と二軍を行き来した経緯
2026年の山本を理解するうえで欠かせないのが、3回の登録抹消だ。
中日ドラゴンズ公式サイトの出場選手登録抹消履歴では、3月26日の登録後、4月2日に抹消。その後、4月24日に再登録され、7月10日に再び抹消。さらに8月27日に昇格し、8月31日に抹消されている。
それぞれの背景は異なる。単純に打撃不振だけが原因だったわけではない。
1回目:4月2日、開幕一軍からわずか5試合で抹消山本は開幕一軍メンバーに入ったものの、開幕から5試合で出場機会を得られなかった。
4月2日の巨人戦を前に、大野雄大投手と高橋周平内野手が登録され、山本は登録抹消となった。日刊スポーツの報道でも、開幕一軍入りしながら出場機会がなかったことが伝えられている。
この時点では一軍で打撃結果を残せなかったというより、チーム編成上の入れ替えによって出場機会を失った側面が強い。
2回目:7月10日、30試合出場後に抹消4月24日に再昇格した山本は、二塁・三塁・遊撃の3ポジションを守り、内野のバックアップとして起用された。
しかし、打率は1割台に低迷。7月9日のDeNA戦では、1点を追う7回無死一、二塁の場面で代打として送り出されたが、送りバントを試みて一飛に終わった。
翌10日には辻本倫太郎内野手が登録され、山本は抹消された。中日スポーツの報道では、山本の守備対応力が評価される一方、打率.186という打撃成績も紹介されている。
この交代は、内野の控え選手に求められる役割と、攻撃面での貢献を改めて考えさせるものだった。
3回目:8月31日、遊撃手の負傷離脱を受けた緊急昇格から4日8月には中日の内野陣に大きなアクシデントが発生した。
村松開人が8月15日の巨人戦で死球を受けて離脱。加えて、遊撃を守っていた土田龍空も8月26日の阪神戦で死球を受け、戦列を離れた。
そこで白羽の矢が立ったのが山本だった。8月27日に一軍登録され、同日のDeNA戦では7番・遊撃手として即スタメン出場。第2打席で右前打を放ったものの、その後は十分な結果を残せなかった。
日刊スポーツによると、昇格後の3試合は10打数1安打、1四球、5三振。8月31日に登録抹消となった。
このケースでは、遊撃手不足というチーム事情による緊急昇格だったことがポイントだ。短期間で結果を求められる難しい状況だったといえる。
なお、抹消理由について球団が個別に詳細な説明を公表したわけではない。報道から読み取れるのは、出場機会の減少や打撃結果、負傷者の復帰を見据えた選手編成などが重なったということだ。
【巨人・阪神・中日の経歴】山本泰寛の移籍とキャリアの転換点
山本泰寛は、慶應義塾高校、慶應義塾大学を経てプロ入りした内野手だ。2015年のドラフト5位で巨人から指名され、2016年にプロ初出場を果たした。
その後、2020年オフの金銭トレードで阪神に移籍。2023年に戦力外通告を受けたが、中日が獲得に動き、2024年から新天地でプレーしている。
巨人、阪神、中日というセ・リーグ3球団を経験したキャリアは、決して一直線ではない。各球団での立ち位置を整理すると、山本の選手としての特徴が見えてくる。
山本泰寛の球歴と年度別実績
山本は2016年5月1日のヤクルト戦で一軍初出場。翌2017年にはプロ初本塁打となる満塁本塁打を記録した。
巨人時代で特に存在感を示したのが2019年だ。92試合に出場し、打率.232、2本塁打、10打点を記録。複数の内野ポジションを守れる選手として、チームの選手起用を支えた。
ただし、巨人ではレギュラーを完全に確保するまでには至らなかった。2020年は一軍出場がなく、シーズン終了後に金銭トレードで阪神へ移ることになった。
阪神時代:2022年に86試合出場阪神移籍後の2021年は69試合に出場。打率.186ながら、内野の複数ポジションを守れる選手として起用された。
2022年には86試合出場、打率.249、2本塁打、15打点と数字を伸ばした。巨人時代から続く守備の柔軟性に加え、打撃でも一定の貢献を見せたシーズンだった。
しかし2023年は一軍出場がなく、10月に翌シーズンの契約を結ばない旨を通告された。山本は現役続行を希望し、他球団でのプレーを目指した。
中日移籍:戦力外から再び一軍の舞台へ2023年11月、中日が山本の獲得に動いたことが報じられ、2024年から中日の一員となった。
この移籍の意味は大きい。阪神では一軍出場がなかった2023年から、翌2024年には79試合に出場。打率.250を記録し、内野のユーティリティーとして再び存在感を示した。
2025年には112試合出場まで伸ばし、自己最多を更新。戦力外通告を受けた選手が、新しい環境で出場機会を取り戻したという点で、山本のキャリアにおける重要な転換点だった。
【守備力と評判】ショート・セカンド・サードを守れる強みとは?
山本泰寛の最大の持ち味は、内野の複数ポジションに対応できる守備力だ。
遊撃手、二塁手、三塁手をこなせるため、試合途中の選手交代や故障者が出た際のポジション調整にも対応できる。特定のポジションだけを守る選手と違い、ベンチに置いておくことでチーム編成に柔軟性が生まれる。
2025年の守備成績は安定感を裏付けるNPB公式の2025年度個人守備成績を見ると、山本は遊撃手として77試合、二塁手として31試合、三塁手として23試合に出場している。
特筆すべきは失策数だ。二塁手では31試合で失策0、三塁手でも23試合で失策0。遊撃手では77試合で失策4、守備率.987を記録した。
2025年・ポジション別守備成績
出典:NPB公式・2025年度中日ドラゴンズ個人守備成績。
この数字から分かるのは、遊撃を中心にしながら二塁・三塁にも対応していたということだ。特に二塁と三塁では公式記録上、失策を記録していない。
2026年は二塁・三塁を中心に起用2026年のNPB公式守備成績では、山本は二塁手として14試合、三塁手として9試合、遊撃手として6試合に出場した。
二塁と三塁では守備率1.000を記録した一方、遊撃では6試合で失策1、守備率.938となっている。
2025年と比較すると、遊撃手としての出場が大きく減ったことが分かる。2026年は村松開人や土田龍空など、遊撃を主戦場とする選手との競争に加え、チーム事情に応じてポジションを変える役割が中心となった。
ただし、守備率は捕球・送球に関する失策の割合を示す数字であり、守備範囲や打球への反応速度、ポジショニングまで完全に評価する指標ではない。山本の守備を評価する際には、複数ポジションを一定水準で守れることと、実際の出場機会を合わせて見る必要がある。
守備専門の選手としてだけでなく、試合展開に応じて二塁・三塁・遊撃を入れ替えられる点が、山本の大きな価値となっている。
【打撃成績を比較】2025年の好調から2026年の不振、二軍成績まで
山本は守備力を評価される選手だが、一軍で出場機会を増やすには打撃面の改善も欠かせない。
2024年に中日へ加入してからの成績を見ると、2025年がキャリアのなかでも重要なシーズンだったことが分かる。
中日移籍後の一軍打撃成績
2025年の山本は、打率.242、84安打、4本塁打、23打点という成績を残した。
112試合出場は自己最多であり、内野の複数ポジションを守りながらシーズンを通して一軍に同行したことも大きい。
5月18日の試合では2打席連続本塁打を放った。長打力を主な武器とする選手ではないものの、状況によっては一発で試合の流れを変える打撃もできることを示した。
この年は守備だけに依存せず、打撃でも一定の結果を残したことが、出場機会の増加につながったと考えられる。
2026年の二軍成績は一軍より改善2026年の二軍成績を見ると、一軍とは違った傾向が表れている。
2026年・一軍と二軍の打撃比較.174
打率
33
試合
1
本塁打
4
打点
.260
打率
36
試合
0
本塁打
7
打点
二軍:100打数26安打、出塁率.312、OPS.622、4盗塁。データ提供元のシーズン集計による。
二軍では36試合に出場し、打率.260、26安打、7打点を記録。さらに4盗塁を決めている。
一軍の打率.174と比較すると、二軍では安打を積み重ねることができていた。三振も14個にとどまり、100打数に対する三振率は14%だった。
ただし、二軍で打率が上がったことだけを理由に、一軍でも同じ結果が出ると判断することはできない。二軍では本塁打がなく、OPSも.622。長打で試合を動かす力や、一軍投手への対応力には課題が残る。
今後の打撃面では、単純な打率の上昇だけでなく、進塁打や犠打を含めた状況対応、得点圏での打撃、四球による出塁など、控え選手として求められる役割をどこまで果たせるかが焦点になる。
【今後の展望】背番号60の山本泰寛は中日の内野争いに残れるか
2027年以降を見据えた山本の立ち位置を考えると、鍵になるのは中日の内野陣の競争状況だ。
2026年のNPB公式守備記録では、遊撃手として村松開人が126試合、二塁手として田中幹也が77試合に出場している。福永裕基も二塁・三塁を守り、内野の選択肢は複数存在する。
こうした状況では、山本が特定ポジションのレギュラーを奪うには、守備力だけでなく打撃面での明確なアピールが必要だ。
今後の起用で考えられる3つの役割1. 内野のユーティリティーとしての起用
最も現実的なのは、二塁・三塁・遊撃をカバーする控え内野手としての役割だ。レギュラー選手の休養日や故障時に複数のポジションを守れることは、長いシーズンを戦ううえで大きなメリットになる。
2. 守備固め・試合終盤の交代要員
リードしている試合の終盤に守備を強化したい場合、複数ポジションに対応できる山本は選択肢となる。特に試合途中で内野の配置を変更する必要が生じたとき、柔軟に動ける点は評価材料になる。
3. 打撃改善による出場機会の拡大
2025年のように年間100試合以上に出場するには、守備に加えて打撃での貢献が必要だ。2026年は一軍打率.174に終わったため、二軍での打撃成績を一軍でも再現できるかが課題になる。
国内FA権取得もキャリアの節目2026年7月2日には、山本が国内FA権を取得していたことが報じられた。6月27日に登録日数が7年に達したことによるもので、巨人、阪神、中日の3球団を経験した選手として新たな節目を迎えた。
NPBが10月19日に公示した2026年度のフリーエージェント有資格選手一覧にも、山本は中日の国内FA権保有選手として掲載されている。
ただし、FA権を取得したことと、実際に行使することは別の話だ。取得だけで移籍や退団が決まるわけではない。今後の去就については、本人の判断や球団との交渉を含めた正式な発表が注目される。
山本にとって、2027年以降もプロ野球で存在感を発揮するためには、守備の安定感を維持しながら、限られた打席で結果を残すことが求められる。複数ポジションを守れるという特徴を、チームにとって欠かせない価値へとつなげられるかがポイントだ。
【中日山本泰寛】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:山本泰寛の2026年一軍成績は?
A1:2026年シーズンは33試合に出場し、打率.174、12安打、1本塁打、4打点でした。出塁率は.250、OPSは.482です。
Q2:山本泰寛が2026年に登録抹消された理由は?
A2:4月2日は開幕一軍ながら出場機会がなかったこと、7月10日は打撃不振やチーム編成の入れ替え、8月31日は遊撃手の負傷離脱を受けた緊急昇格後に十分な結果を残せなかったことが、それぞれ背景にあります。
Q3:山本泰寛の2026年二軍成績は?
A3:36試合に出場し、100打数26安打、打率.260、0本塁打、7打点、4盗塁を記録しています。
Q4:山本泰寛の背番号は何番?
A4:中日での背番号は60番です。巨人では56番、阪神では00番を着用していました。
Q5:山本泰寛はショートとセカンドのどちらが得意?
A5:2025年は遊撃手として77試合、二塁手として31試合に出場しました。遊撃を中心に二塁・三塁も守れる選手です。2026年は二塁14試合、三塁9試合、遊撃6試合という守備記録でした。
Q6:山本泰寛は巨人から阪神、中日へどのように移籍した?
A6:2015年ドラフト5位で巨人に入団し、2020年オフに金銭トレードで阪神へ移籍。2023年に阪神から戦力外通告を受けた後、中日が獲得し、2024年からプレーしています。
中日ドラゴンズの山本泰寛は、巨人、阪神を経て中日に加入し、複数ポジションを守れる内野手としてキャリアを築いてきた選手だ。
2025年には112試合出場、打率.242、4本塁打、23打点と自己最多の出場機会を獲得。特に二塁・三塁で失策0、遊撃でも守備率.987という数字は、守備面での安定感を示している。
一方、2026年は33試合出場、打率.174と打撃面で苦しみ、3度の登録抹消を経験した。二軍では打率.260を記録しており、打撃を立て直す余地は残されている。
山本を評価する際に注目したいのは、単純な打率や本塁打数だけではない。複数ポジションを守れる対応力、試合終盤の守備固め、故障者が出た際の穴埋めなど、数字だけでは見えにくい役割もある。
【プロの結論】 山本泰寛の最大の武器は、二塁・三塁・遊撃を横断できる守備の柔軟性だ。ただし、2025年の112試合出場を再現するには、守備だけでなく打撃でも信頼を取り戻す必要がある。2026年の苦戦をどう乗り越え、再び一軍で継続的な出場機会を得られるか。背番号60の今後を占う最大の要点は、守備力を土台にした打撃の復調にある。