北海道日本ハムファイターズの中心選手として活躍し、2022年にはパ・リーグ首位打者とベストナインを獲得した松本剛。長年チームを支え、選手会長も務めた外野手は、2025年オフに国内FA権を行使し、読売ジャイアンツへの移籍を決断した。
その背景には、2025年の打率.188という苦しいシーズンだけでなく、選手としてもう一度自分の可能性を試したいという強い思いがあった。実際、巨人移籍1年目となる2026年は、130試合に出場して打率.274を記録。前年から大きく数字を改善し、新天地で存在感を示した。
【プロフィール】松本剛とは何者?帝京高校から日本ハムの主力へ

松本剛(まつもと・ごう)は、埼玉県出身のプロ野球選手。右投右打の外野手で、コンタクト能力の高い打撃と走塁を持ち味とする。
高校時代は帝京高校でプレーし、甲子園には2009年夏、2010年春、2011年夏の3度出場。3年時には主将を務めた。高校野球の名門で経験を積み、2011年のドラフト2位で北海道日本ハムファイターズに入団した。
松本剛の基本プロフィール- 名前:松本剛(まつもと・ごう)
- 生年月日:1993年8月11日
- 出身地:埼玉県川口市
- 身長:180cm
- 投打:右投右打
- ポジション:外野手
- 出身高校:帝京高校
- ドラフト:2011年ドラフト2位
- 日本ハム入団:2012年
- 2026年所属球団:読売ジャイアンツ
- 2026年背番号:9
プロ入り当初から順風満帆だったわけではない。2013年に一軍公式戦へ初出場したものの、すぐにレギュラーを獲得したわけではなく、出場機会が限られる時期も経験した。
2015年には内野手から外野手へ転向。2017年には115試合に出場して打率.274を記録し、初めて規定打席に到達した。長い育成期間を経て、一軍の主力候補へと成長していった選手だ。
【日本ハム時代の実績】2022年の首位打者とベストナイン獲得が転機
松本剛のキャリアを語るうえで欠かせないのが、2022年シーズンだ。
新庄剛志監督が就任したこの年、松本は開幕戦で4番に起用されると、シーズンを通して安定した打撃を披露。117試合に出場し、395打数137安打、打率.347という成績を残した。
この数字でパ・リーグ首位打者に輝き、プロ入り後初の個人タイトルを獲得。加えて、2022年11月にはパ・リーグのベストナインにも初選出された。
首位打者を獲得した2022年、何が優れていたのか松本の強みは、単純な長打力ではなく、ボールをバットに当てる技術と打球方向をコントロールする能力にあった。
日本ハムの公式発表でも、詰まりながらヒットゾーンに打球を運ぶ技術や、逆方向へ流し打つ能力が評価されている。ホームランを量産するタイプではなく、安打を積み重ねて打率を高めるスタイルが特徴だった。
2022年7月下旬には左膝を骨折して離脱したものの、約1カ月で復帰。限られた出場機会の中でも打率を維持し、9月28日の代打出場で規定打席に到達した。
2022年の首位打者獲得は、単なる好調ではなく、長年の努力が結果につながった象徴的な出来事だった。
選手会長としてもチームを支えた同年オフ、松本は日本ハムの選手会長に就任。2023年からチームのリーダー的な役割を担うことになった。
選手会長は、単に試合で結果を残すだけでなく、選手間のコミュニケーションやチーム全体のまとまりにも関わる立場だ。松本は首位打者という実績を持つ選手として、若手とベテランをつなぐ役割も期待されていた。
2023年も134試合に出場して打率.276を記録。2024年も127試合に出場した。しかし、2025年に入ると打撃成績と出場機会が大きく落ち込むことになる。
【日本ハム退団の経緯】2025年の不振からFA宣言、巨人移籍まで
松本剛の日本ハム退団は、球団から戦力外を通告されたことによるものではない。本人が国内FA権を行使し、他球団との交渉を経て自ら移籍先を選んだ結果だ。
2025年は66試合、打率.188と苦戦2025年の松本は、66試合の出場で打率.188、30安打、0本塁打、7打点という成績に終わった。
前年の2024年も打率.236まで低下しており、2022年の首位打者獲得時と比べると、打撃面で苦しい状況が続いていた。
加えて、万波中正、水谷瞬、五十幡亮汰、矢澤宏太ら若手外野手の台頭もあり、チーム内の競争は激化。松本自身も2025年には2度の二軍降格を経験した。
スポーツ報知の2026年1月の担当記者コラムによると、6月に2度目の二軍降格を経験した後は鎌ケ谷で若手選手とともに練習を重ね、首位打者を獲得した2022年の映像を見返して打撃を模索していた。
新庄監督も松本のレギュラー獲得を期待しており、厳しい言葉を掛ける場面があった。本人も悔しさや情けなさを感じながら、打撃の改善に取り組んでいたという。
2025年11月11日、国内FA権の行使を発表松本は2025年9月26日に出場選手登録日数が8年に達し、国内FA権を取得した。
そして11月11日、日本ハムは松本がFA権を行使する意思を球団に伝え、申請書類を提出したと正式発表した。
このとき、松本は球団を通じて次のコメントを発表している。
「ファイターズからはありがたい提示をしていただき、感謝しています。ただ、自分に対する他球団の評価を聞いてみたく、この決断に至りました」
この発言で重要なのは、日本ハムからの提示に不満があったと説明しているわけではない点だ。本人は球団への感謝を示したうえで、他球団が自分をどのように評価するのかを知りたいと述べている。
巨人が獲得に動き、11月27日に入団会見FA交渉が解禁された後、巨人は松本の獲得に向けて動いた。
巨人は当時、外野のポジション争いが激しく、特に中堅の固定が課題となっていた。右打ちの外野手であり、守備や走塁にも強みを持つ松本は、補強ポイントに合致する存在だった。
2025年11月25日には巨人入りを決断したと報じられ、11月27日に入団会見を実施。契約は2年総額2億5000万円と報じられ、背番号は9に決まった。
なお、NPBの2025年度FA宣言選手の公示でも、松本の移籍先は読売ジャイアンツと記録されている。
松本剛のキャリアと移籍の重要な転換点| 時期 | 所属・出来事 | 主な実績・意味 |
|---|---|---|
| 1993年 | 埼玉県川口市で誕生 | 8月11日生まれ |
| 2011年 | 日本ハムがドラフト2位指名 | 帝京高校からプロ入り |
| 2013年 | 一軍公式戦初出場 | プロとしてのキャリアが本格化 |
| 2017年 | 日本ハム | 115試合、打率.274。初の規定打席到達 |
| 2022年 | 日本ハム | 117試合、打率.347。首位打者・ベストナイン獲得 |
| 2023年 | 日本ハム | 選手会長としてチームを支える |
| 2024年 | 日本ハム | 127試合、打率.236 |
| 2025年11月11日 | 国内FA権行使 | 他球団の評価を確認する決断 |
| 2025年11月27日 | 巨人入団会見 | 背番号9で新たな挑戦を開始 |
| 2026年 | 読売ジャイアンツ | 130試合、打率.274。移籍1年目で復調 |
【巨人移籍の真相】松本剛が日本ハムを離れた本当の理由とは?
松本剛の巨人移籍について、最も注目すべきなのは、本人が移籍を決めた理由を複数の場面で具体的に説明していることだ。
2026年1月、元日本ハムの杉谷拳士氏が自身の公式YouTubeチャンネルで松本と対談。その内容を報じた日刊スポーツでは、FA権を行使した際の心境が紹介された。
理由1:新しい環境で自分を奮い立たせたかった松本は、当初はFA権を自分とは関係のない制度だと考えていたという。若い頃は二軍で過ごす時間も長く、FAを意識する機会はなかった。
しかし、一軍での実績を積み重ねる中で、FA権取得が現実的になっていった。
毎年、自分のシーズンを振り返る時間を設けていた松本は、翌年に向けて何をすべきかを考えた結果、新しい環境に移ることも選択肢の一つだと考えるようになった。
「まだやれる、まだやってやるという思いがすごく強かった」
この言葉には、2025年の不振で野球人生を終わらせたくないという意地が表れている。
日本ハムで積み上げてきた実績や人間関係を大切にしながらも、環境を変えて再び自分の力を証明したい。その気持ちが移籍の大きな背景にあった。
理由2:阿部慎之助監督から直接声を掛けられた2025年11月27日の巨人入団会見で、松本は阿部慎之助監督から直接、チームの力になってほしいと声を掛けられたことを明かしている。
松本は、悔しいシーズンが続いていた中で、巨人から最初に声を掛けてもらったことが決断を後押ししたと説明した。
巨人側にとっても、松本は単に打率の高い選手というだけではない。中堅を守れる外野手であり、野球に取り組む姿勢や経験を若手に伝えられる存在として期待されていた。
スポニチの入団会見報道でも、巨人側は外野の一角を担う選手としての能力に加え、野球への姿勢を評価していたと伝えられている。
理由3:巨人は少年時代から憧れていた球団だったもう一つの背景が、松本自身と巨人との関係だ。
松本は少年時代から巨人ファンで、東京ドームにも足を運んでいた。本人にとって、巨人は単なる移籍先ではなく、子どもの頃から憧れていた球団でもあった。
入団会見では、巨人のユニホームを着てプレーできることへの喜びも語っている。
ただし、憧れだけで移籍を決めたわけではない。2025年の不振から抜け出し、レギュラー争いに挑むという競技者としての目的と、幼少期からの思いが重なった決断だった。
日本ハムとの関係が悪化して退団したのか?ここは誤解しやすいポイントだ。
日本ハムは松本のFA宣言に際して慰留に努め、本人にも条件を提示していた。松本自身も球団への感謝を公式コメントで表明している。
また、2026年1月の報道では、日本ハムで選手会長を務めた経験について「人としても成長させてもらいましたし、野球人としても育ててもらった」と振り返っている。
したがって、監督との確執や球団への不満が直接の移籍理由だったと捉えるのは適切ではない。確認できる本人の説明は、新しい環境で再挑戦したいという前向きなものだ。
【2026年最新成績】巨人移籍1年目で打率.274、130試合出場を記録
松本剛の巨人移籍が正しかったのかを考えるうえで、最も分かりやすい材料が2026年の成績だ。
2025年に打率.188まで落ち込んだ打撃は、2026年には打率.274まで改善。出場試合数も66試合から130試合へ増加した。
松本剛の2025年と2026年の成績比較- 2025年:66試合、185打席、160打数、30安打、打率.188、0本塁打、7打点、3盗塁
- 2026年:130試合、464打席、419打数、115安打、打率.274、3本塁打、25打点、17盗塁
打率は.086ポイント上昇し、出場試合数は64試合増加した。安打数も30本から115本へと大きく伸びている。
2026年の詳細な成績を見ると、出塁率.324、長打率.337、OPS.661。17盗塁も記録しており、打撃だけでなく走塁面でもチームに貢献した。
松本剛の打率推移を振り返る松本の年度別打率を見ると、2022年の首位打者獲得を頂点に、2023年以降は下降傾向となり、2025年に大きく落ち込んだことが分かる。
- 2017年:打率.274
- 2022年:打率.347(首位打者)
- 2023年:打率.276
- 2024年:打率.236
- 2025年:打率.188
- 2026年:打率.274
2026年の.274は、2023年の.276に近い数字だ。2025年の不振から立ち直り、日本ハム時代にレギュラーとして活躍していた頃の水準に戻してきたと評価できる。
一方、2022年の.347にはまだ届いていない。首位打者を獲得したシーズンと同じ状態に完全復活したとまでは言えない点も重要だ。
2026年の評価は打率だけでは決まらない2026年の松本は130試合に出場し、115安打を記録した。シーズンを通じて一軍でプレーする機会を確保できたことは、2025年との大きな違いである。
また、17盗塁という数字は、松本の走力が依然として武器であることを示している。
一方で、本塁打は3本、打点は25。長打で試合を決めるタイプというより、出塁や進塁、走塁で攻撃をつなぐ役割が中心となっている。
OPS.661という数字も踏まえると、打率の回復と長打力の課題は分けて評価する必要がある。2026年はレギュラー争いで結果を残したシーズンだが、さらなる打撃面の上積みが今後のテーマになる。
【背番号9の意味】巨人で松本剛に期待される役割と今後の課題
巨人移籍に際して松本が背負うことになった背番号は9。巨人では清水隆行や亀井善行らが着用した番号として知られている。
松本自身もこの番号に思い入れがあり、入団会見では背番号9を希望していたことを明かした。
巨人が松本に期待したのは外野の安定感巨人は2025年、外野のポジションを固定できない状況が続いていた。特に中堅の守備位置を安定させることが課題の一つだった。
松本は日本ハム時代に外野手として経験を積み、中堅を中心に守ってきた選手だ。打撃だけでなく守備や走塁を含めた総合力が評価され、巨人の補強ポイントに合致した。
加えて、選手会長を経験したリーダーシップも評価材料となった。若手外野手が多いチームにおいて、経験豊富な選手が日々の準備や試合への姿勢を示す意味は小さくない。
2026年に証明したこと、これから求められること2026年の130試合出場と打率.274は、松本が新天地でも一軍の戦力になれることを示した。
特に、前年の不振を引きずらずに結果を残したことは大きい。打率だけでなく、17盗塁という走力も含め、チームの攻撃に複数の形で貢献できることを示している。
ただし、今後は打率の維持に加えて、出塁率や長打力をどこまで改善できるかが焦点となる。2022年の首位打者という実績があるだけに、ファンが期待する水準も高い。
また、年齢を重ねる中で、出場試合数を維持するためのコンディション管理も重要になる。2026年に実現した130試合出場を継続できるかどうかは、巨人でのキャリアを左右するポイントになるだろう。
【プロの結論】松本剛の巨人移籍はキャリア再構築のための決断だった
松本剛の移籍を理解するには、2025年の打率.188だけを見るのでは不十分だ。
2022年にはパ・リーグ首位打者とベストナインを獲得し、日本ハムの選手会長も務めた。その一方、若手外野手の台頭によって出場機会が減り、2025年には二軍降格も経験した。
その状況でFA権を取得し、他球団の評価を聞くことを選んだ。巨人からは阿部監督が直接声を掛け、新しい環境で再挑戦する機会が与えられた。
そして2026年、130試合出場と打率.274という結果で、その決断に応えた。
この移籍の本質は、古巣との関係を断ち切ることではなく、選手としての価値をもう一度証明するために環境を変えたことにある。
松本剛を評価するときに押さえたい3つの判断基準1. 打率と出場機会をセットで見る
2025年の.188から2026年の.274への改善は大きい。さらに66試合から130試合への増加を考えると、単純な短期間の好調ではなく、シーズンを通じて戦力として起用された点に意味がある。
2. 首位打者時代と現在を混同しない
2022年の.347は特別な実績だが、2026年の.274も十分に評価できる成績だ。過去のタイトルだけで現在の能力を判断するのではなく、安打数、出塁率、盗塁、出場数などを合わせて見ることが重要だ。
3. 移籍理由は本人の発言を基準にする
FA移籍には球団の補強方針や選手の契約条件など、さまざまな事情が関係する。しかし、松本の場合は本人が新しい環境への挑戦や、他球団からの評価を知りたいという意思を明らかにしている。確執や不仲といった根拠のない話題より、本人の説明と実際の成績を重視したい。
日ハム松本剛に関するよくある質問(FAQ)
Q1:松本剛は現在どこの球団に所属していますか?
A1:2026年現在は読売ジャイアンツに所属しています。2025年オフに日本ハムから国内FA権を行使して移籍し、背番号9を着用しています。
Q2:松本剛が日本ハムから巨人へ移籍した理由は何ですか?
A2:本人は、新しい環境で再び自分を奮い立たせたいという思いを語っています。また、他球団からの評価を聞きたいという理由でFA権を行使し、阿部慎之助監督から直接声を掛けられたことも巨人入りの決め手になりました。
Q3:松本剛の2026年の成績はどれくらいですか?
A3:2026年は130試合に出場し、打率.274、115安打、3本塁打、25打点、17盗塁を記録しました。2025年の打率.188から大きく改善しています。
Q4:松本剛は2022年に首位打者を獲得していますか?
A4:はい。2022年に打率.347を記録し、パ・リーグ首位打者を獲得しました。同年には外野手部門のベストナインにも初選出されています。
Q5:松本剛の巨人での背番号はいくつですか?
A5:背番号は9です。2025年11月27日の入団会見で発表され、清水隆行や亀井善行らが着用した番号を引き継ぎました。
Q6:松本剛は日本ハムで選手会長を務めていましたか?
A6:はい。2022年オフに選手会長に就任し、2023年からチームのリーダー的な役割を担いました。2026年1月の本人の振り返りでも、日本ハムでの経験に感謝を示しています。
日ハム松本剛は、2025年オフに国内FA権を行使し、長年在籍した日本ハムから巨人へ移籍した。
その決断の背景には、2025年の打率.188という不振から抜け出し、新しい環境でもう一度自分の力を試したいという本人の強い意志があった。
2022年には打率.347で首位打者とベストナインを獲得し、選手会長としてもチームを支えた実績を持つ。そうした経験を経て選んだ巨人移籍は、キャリアの新たな挑戦だった。
そして2026年は130試合出場、打率.274、115安打、17盗塁を記録。2025年の苦しい数字から大きく巻き返した。
2022年の首位打者時代と同じ打率には届いていないものの、レギュラーとして戦える力を改めて示したことは確かだ。
今後の注目点は、打率.274という水準を維持できるか、そして長打力や出塁率をさらに伸ばせるかという部分にある。背番号9を背負う松本剛が、巨人でどこまで存在感を高められるのか。日本ハム時代から応援してきたファンにとっても、引き続き目が離せない選手だ。
主な事実確認資料: 日本野球機構(NPB)の年度別個人成績、北海道日本ハムファイターズ公式発表、日刊スポーツ、スポーツ報知、スポニチの報道。