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人面魚の正体はコイだった?1990年の大ブームと2026年の現在を徹底解説

桜庭 準 桜庭 準 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
目次

人面魚とは、人間の顔のような模様が頭部に浮かんで見えるコイのことだ。1990年、山形県鶴岡市の善寳寺(ぜんぽうじ)にある「貝喰の池」で目撃された魚が写真週刊誌『FRIDAY』に掲載され、日本中を巻き込む一大ブームとなった。池には一日1万人もの見物客が押し寄せたとされ、平成初期を代表する不思議な生き物として記憶されている。

あれから35年以上が経過した2025年10月、FRIDAYが現地を再取材。善寳寺の広報室職員は、現在も人面魚が池にいると説明した。さらに2026年8月29日放送のテレビ朝日『THE世代感』でも、金色・銀色・黒色の人面魚が計8匹生息しているという情報が紹介された。ただし、1990年に話題になった魚と同じ個体なのか、その子孫なのかは判明していない。

【人面魚の正体】実在するのは本当?コイの模様が人間の顔に見える理由

人面魚

人面魚は、実在する魚なのか。それとも都市伝説から生まれた架空の生き物なのか。

答えは、人面魚と呼ばれるコイそのものは実在するが、人間の顔を持つ特別な生物ではないということだ。

人面魚はコイの一種?正確にはどんな魚なのか

人面魚の代表的な個体が確認されてきたのは、錦鯉が泳ぐ池だ。

コイはコイ目コイ科に分類される淡水魚で、学名は「Cyprinus carpio」。日本各地の河川や池などに生息し、観賞用として品種改良された錦鯉には、赤・白・黒・金色など多彩な色彩や模様がある。

鶴岡市立加茂水族館の生物図鑑でも、善寳寺の貝喰の池には、頭部の模様が人の顔のように見える人面魚が生息していることで有名だと紹介されている。

つまり、人面魚は新種の魚ではなく、コイの頭部にある色彩や模様が人間の顔に見える個体につけられた呼び名なのだ。

なぜコイの顔が人間の顔に見えるのか

人面魚の不思議を理解するうえで重要なのが、心理学でいう「パレイドリア」という現象である。

パレイドリアとは、実際には顔ではない模様や物体を、人間の顔や生き物の姿として認識してしまう知覚現象だ。

例えば、次のようなものが代表的である。

- 壁のシミが人間の顔に見える
- 雲の形が動物や人物に見える
- コンセントの穴が目や口のように見える
- 岩や木の模様から人間の表情を感じる

立命館大学の認知心理学に関する解説では、人間は一度顔らしい模様を認識すると、実際には顔ではないと理解していても、顔として見続けてしまうことが説明されている。

同大学の高橋康介教授は、人面魚や心霊写真もパレイドリアの例として取り上げている。

人面魚の場合、コイの頭部にある濃淡や色の配置が目・鼻・口のように見えることで、人間の顔を連想させる。

人面魚の正体を整理すると、次のようになる。

疑問 実際の内容
人面魚は実在する? 顔のような模様を持つコイは実在する
新種の魚なのか いいえ。コイの一種
人間の顔が付いている? いいえ。模様が顔に見える
正体は突然変異なのか 個々の模様の発生原因は特定されていない
超自然的な生き物なのか 科学的な裏付けはない

人面魚の魅力は、実在する魚でありながら、見る人の認識によって不思議な表情を見せる点にある。

【1990年の人面魚ブーム】FRIDAY掲載から全国的な騒動に発展した経緯

人面魚が日本中に知られるようになったのは1990年(平成2年)だ。

舞台となったのは、山形県鶴岡市にある善寳寺の境内。龍神を祀る寺として知られ、その裏手に位置する貝喰の池である。

FRIDAYの写真掲載がブームのきっかけ

1990年6月、写真週刊誌『FRIDAY』が善寳寺の池を泳ぐ、人の顔のような模様を持ったコイの写真を掲載した。

2024年11月にFRIDAYが創刊40周年企画で当時を振り返った記事でも、1990年6月22日号の掲載写真が人面魚ブームの第一報として紹介されている。

また、フジテレビの番組『奇跡体験!アンビリバボー』でも、当時の騒動が取り上げられた。同番組によると、ブームの発端はFRIDAYに掲載された読者投稿の写真だったという。

写真を見た人々の間で「魚の頭に人間の顔があるように見える」と話題になり、テレビや新聞なども相次いで取り上げた。

善寳寺に一日1万人が殺到した異例のブーム

人面魚の話題は、単なる珍しい写真の紹介にとどまらなかった。

一目見ようとする人々が全国から山形県鶴岡市に押し寄せ、善寳寺周辺は大きな混雑に見舞われた。

FRIDAYが2025年の再取材で鶴岡市役所観光物産課の説明として紹介したところによると、当時は一日1万人もの見物客が訪れ、道路は大渋滞。寺の前にあった土産物店では「人面魚饅頭」も飛ぶように売れたという。

加えて、魚の顔を近くで見ようとして池に落ちる人まで出たと、FRIDAYの後年の回顧記事は伝えている。

人面魚ブームの重要な出来事を時系列で整理
時期 出来事 関係する人物・媒体
1990年6月 人面魚の写真を掲載 写真週刊誌FRIDAY
1990年夏 全国的なブームに発展 テレビ・新聞など
1990年夏 一日1万人規模の見物客が訪問 善寳寺・鶴岡市
2024年11月 創刊40周年企画で当時を回顧 FRIDAYデジタル
2025年10月11日 貝喰の池を再取材 FRIDAYデジタル
2026年8月29日 現在の人面魚を番組で紹介 テレビ朝日『THE世代感』

1990年の人面魚ブームが大きく広がった背景には、写真という視覚的な証拠と、テレビによる繰り返しの紹介があった。

一枚の写真が全国的な話題になり、現地を訪れる人が増え、その様子がさらにニュースになる。こうした連鎖が、当時の人面魚ブームを拡大させたのである。

【人面魚の現在】2025年の再取材と2026年最新情報で判明したこと

1990年に全国を騒がせた人面魚は、現在どうなっているのか。

ブームから35年以上が経過した2025年、FRIDAYが善寳寺を訪れ、貝喰の池を再取材した。

そこで確認されたのは、現在も人間の顔のような模様を持つコイが泳いでいる姿だった。

2025年10月のFRIDAY再取材で金色の人面魚を確認

2025年10月11日公開のFRIDAYデジタルの記事では、記者が秋の貝喰の池を訪問した様子が詳しく紹介されている。

池のほとりで水面を眺めていると、黒いコイの群れに交じって一匹の金色のコイが近づいてきたという。

その頭部には、かつて話題になった人面魚を思わせる模様が確認された。

さらに善寳寺の広報室職員は、当時の取材に対して、現在も人面魚が池にいると説明。具体的には次の3匹を挙げている。

- 金色の人面魚:1匹
- 銀色の人面魚:2匹

職員によれば、特に金色の個体は1990年に報道された人面魚と同じ色で、見応えがあるという。

2026年8月には8匹の人面魚が紹介された

さらに新しい情報として注目されるのが、2026年8月29日に放送されたテレビ朝日の『THE世代感』だ。

番組の放送内容を記録したテレビ番組情報では、善寳寺の貝喰の池に生息する人面魚について、次の内訳が紹介されている。


2026年8月29日紹介の人面魚の内訳

合計8匹




金色
1匹







銀色
2匹







黒色
5匹





出典:2026年8月29日放送『THE世代感』の番組内容記録。

2025年のFRIDAY取材では金色1匹・銀色2匹が紹介され、2026年8月の番組情報では黒色5匹を含む計8匹が紹介された。

これは取材時点や紹介対象の違いを踏まえて読む必要がある。特定の個体がいつでも同じ場所に現れることを保証する数字ではない。

善寳寺の公式観光案内でも現在の生息を紹介

人面魚の現在については、観光情報からも確認できる。

鶴岡市の観光情報を掲載する「つるおか観光ナビ」では、善寳寺の紹介ページに、貝喰の池について二龍神の棲み家と伝えられる場所と説明されている。

同ページには、平成の時代に話題となった人面魚が現在も池を泳いでいるとの記載もある。

つまり、1990年の人面魚は過去のニュースだけに存在するものではない。2025年の現地再取材、2026年のテレビ番組、鶴岡市の観光情報という複数の記録から、現在も顔のような模様を持つコイが確認されていることが分かる。

【同一個体か子孫か】1990年の人面魚は35年以上生きているのか

人面魚の現在をめぐる最大の疑問が、1990年に話題になった個体と現在の金色の人面魚が同じ魚なのかという問題だ。

これは単純な見た目の比較だけでは判断できない。

コイは35年以上生きることができる?

FRIDAYの2025年の取材では、琵琶湖博物館の学芸員で淡水魚類の生態学に詳しい金尾滋史氏が、当時の人面魚の生存可能性について説明している。

金尾氏によれば、かつてテレビで紹介された人面魚は約70cmほどに見え、適切な飼育環境であれば、その後35年間生き続けることも十分考えられるという。

コイは長寿の魚であり、50年以上生きる個体もいる。したがって、1990年に話題になった魚が現在も生存している可能性そのものは否定できない。

子孫が同じ人面模様を受け継ぐ可能性は?

一方で、1990年の人面魚の子孫が現在の人面魚なのではないかという説もある。

この点について金尾氏は、同じ模様の個体が子孫に生まれる可能性は低いと説明している。

錦鯉は個体ごとに色彩や模様が異なる。繁殖によって親とまったく同じ模様を持つ子を得ることは難しく、専門のブリーダーでも狙った模様の個体を選別するのは容易ではない。

そのため、現在の人面魚が1990年の個体と異なる魚であれば、偶然、人間の顔に似た模様を持って成長した可能性が自然だという。

同一個体・子孫説の真相を比較
説 根拠・考え方 現在の判断
1990年と同一個体 コイは長寿で35年以上生きる可能性がある 生存の可能性はあるが未確認
1990年の個体の子孫 同じ池で繁殖した可能性 同一模様の再現は難しい
別のコイ 偶然、顔に似た模様を持った 専門家が自然な可能性として説明
超自然的な存在 龍神伝説などに基づく解釈 科学的な証明はない

2026年8月のテレビ番組でも、寺の僧侶が当時の人面魚が生き残っている可能性に触れたと紹介されている。

現時点での要点は、現在も人面魚がいることと、1990年の個体が生きていることは別の事実だという点だ。

同じ池に似た模様のコイが泳いでいても、それだけで同一個体とは断定できない。

【人面魚の真相と由来】善寳寺の龍神伝説と都市伝説の関係

人面魚が話題になった善寳寺は、単に珍しい魚がいる寺ではない。

海の守護神である龍神を祀る寺として知られ、境内の貝喰の池にも古くから伝説が残されている。

貝喰の池に伝わる龍神伝説

FRIDAYの2025年の取材では、善寳寺の広報室職員が、貝喰の池には1000年以上前に妙達上人が龍神と出会ったという伝説があると説明している。

また、鯉が滝を登って龍になるという故事と結びつけ、人面魚は龍になる途中の姿として信じられ、昔から大切にされてきたという。

この伝承があるからこそ、池に現れる人面魚は単なる珍しい模様のコイ以上の存在として受け止められてきた。

善寳寺の公式観光情報でも、貝喰の池は二龍神の棲み家と伝えられる場所として紹介されている。

人面魚は都市伝説なのか

人面魚は、1990年代の都市伝説ブームとも関係が深い。

当時は人面魚だけでなく、人間の顔を持つとされる「人面犬」など、不思議な生き物に関する話題が広がっていた。

人面犬は、人間のような顔を持ち、人間の言葉を話すとされる架空の生き物として語られた都市伝説である。

人面魚も、こうした不思議な生き物への関心が高まる時代背景の中で、全国的な注目を集めた。

ただし、両者には明確な違いがある。

- 人面犬:人間の顔を持つ犬という都市伝説
- 人面魚:人間の顔に見える模様を持つ実在のコイ
- 龍神伝説:善寳寺の信仰や伝承に関わる物語
- パレイドリア:顔ではない模様を顔として認識する心理現象

これらを混同すると、人面魚の本当の姿が見えにくくなる。

人面魚は、実在するコイの模様と人間の認識、そして善寳寺に伝わる龍神信仰が重なり合って生まれた、非常に珍しい話題なのである。

【人面魚の写真・目撃情報】現在の姿を見るために知っておきたいこと

人面魚を実際に見たい人にとって、気になるのが写真や現地での目撃情報だろう。

1990年当時と2025年の写真は何が違う?

1990年の人面魚は、FRIDAYの誌面に掲載された写真によって全国に知られるようになった。

当時の写真では、金色のコイの頭部に人間の顔を思わせる模様が確認できた。

一方、2025年10月の再取材では、記者が現地で金色の人面魚を撮影している。FRIDAYデジタルには当時の写真と現在の様子を比較できる複数の写真が掲載された。

写真を比較する際には、次の点に注目するとよい。

1. 頭部の黒や白の模様の配置
2. 目や鼻のように見える部分の位置
3. 魚の体色と頭部の色彩の違い
4. 撮影した角度や水面の反射

特に水面の反射や撮影角度によって、模様の見え方が変化することがある。

人面魚を見に行ける場所は?


所在地:山形県鶴岡市下川字関根100
見どころ:貝喰の池、人面魚、五重塔、龍神信仰
交通:鶴岡駅から湯野浜方面のバスで約30分、善宝寺下車


貝喰の池は善寳寺の境内にあり、龍神伝説が伝わる場所でもある。

訪問する際は、魚の姿だけでなく、寺の歴史や境内の建築物にも目を向けたい。人面魚が見られるかどうかは、魚の動きや水面の状態によっても変わるため、必ず特定の個体に会えるとは限らない。

【人面魚に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:人面魚は本当に実在するのですか?

人間の顔のような模様を持つコイは実在する。山形県鶴岡市の善寳寺・貝喰の池では1990年に全国的な話題となり、2025年の再取材でも人面魚が確認された。ただし、人間の顔を持つ未知の生物という意味での人面魚が発見されたわけではない。

Q2:人面魚は2026年現在も善寳寺にいますか?

いる。善寳寺の観光案内では現在も池を泳いでいると紹介されている。2026年8月29日放送のテレビ朝日『THE世代感』の番組情報では、金色1匹・銀色2匹・黒色5匹の計8匹が紹介された。

Q3:1990年の人面魚と現在の金色の人面魚は同じ個体ですか?

同一個体かどうかは確認されていない。コイは長寿で、35年以上生きる可能性はある。一方、専門家は同じ模様を持つ子孫が生まれることは難しいと説明している。

Q4:人面魚の写真はFRIDAYに掲載されたのですか?

掲載された。1990年6月22日号のFRIDAYに、山形県鶴岡市の善寳寺にいる人面魚の写真が紹介され、全国的なブームのきっかけになった。2025年10月には同誌が現地を再取材している。

Q5:金色の人面魚には今でも会えますか?

貝喰の池では金色の人面魚が確認されている。2025年のFRIDAY取材では金色1匹、2026年8月のテレビ番組情報でも金色1匹が紹介された。ただし、訪問時に必ず姿を見られるとは限らない。

人面魚は、1990年に山形県鶴岡市の善寳寺・貝喰の池で話題になり、FRIDAYへの写真掲載をきっかけに全国的なブームを巻き起こしたコイである。

その正体は、人間の顔のように見える模様を持った実在のコイ。パレイドリアという心理現象によって、魚の模様が人間の顔や表情として認識されることが、不思議な印象を生み出している。

2025年10月のFRIDAY再取材では、金色1匹・銀色2匹の人面魚が紹介された。さらに2026年8月のテレビ番組では、黒色5匹を含む計8匹の存在も紹介されている。

ただし、最も気になる1990年当時の個体が現在も生きているのか、それとも子孫なのかという問題には、まだ決定的な答えが出ていない。

人面魚の魅力は、科学的に説明できる魚の模様と、善寳寺に伝わる龍神伝説、そして35年以上にわたって語り継がれてきた歴史が一つになっているところにある。

1990年のブームは終わっても、人面魚そのものは現在も貝喰の池に息づいている。 平成の不思議なニュースとして始まった物語は、2026年もなお、訪れる人々の好奇心を引きつけている。

主な参照資料

- FRIDAYデジタル「幻の人面魚が山形の池に生き残っていた!?」(2025年10月11日)
- FRIDAYデジタル「創刊40周年特別企画・90年代編」(2024年11月20日)
- フジテレビ『奇跡体験!アンビリバボー』
- 鶴岡市観光情報「龍王尊 善寳寺」
- 鶴岡市立加茂水族館「コイ」
- 日本心理学会「なぜ壁のシミが顔に見えるのですか?」
- 立命館大学「もう顔にしか見えない!? パレイドリア現象」
- テレビ朝日『THE世代感』(2026年8月29日放送内容)

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