現在の尾車親方:元琴恵光
- 年寄名:尾車 充隆(おぐるま)
- 本名:柏谷充隆
- 生年月日:1991年11月20日
- 出身地:宮崎県延岡市
- 所属:佐渡ヶ嶽部屋
- 現役時代の最高位:東前頭4枚目
日本相撲協会の2026年の年寄プロフィールには、尾車充隆の名前が掲載されています。現役時代の四股名は琴恵光充憲で、現在は佐渡ヶ嶽部屋に所属する年寄です。
ここで混同しやすいのが、琴風と琴恵光の名前の違いです。
琴風と琴恵光は何が違う?
琴風(ことかぜ)
- 元大関
- 本名:中山浩一
- 三重県津市出身
- 1957年4月26日生まれ
- 幕内優勝2回
- 2024年5月11日退職
琴恵光(ことえこう)
- 元幕内
- 本名:柏谷充隆
- 宮崎県延岡市出身
- 1991年11月20日生まれ
- 幕内在位29場所
- 2024年5月17日引退・尾車襲名
両者は同じ佐渡ヶ嶽部屋につながる相撲界の人物ですが、年齢も現役時代の実績も異なります。
琴風は1980年代に活躍した大関であり、琴恵光は2000年代以降に土俵に上がった幕内力士です。
つまり、琴恵光が琴風の弟子だったという意味での単純な師弟継承ではなく、日本相撲協会の承認を受けて年寄名跡「尾車」を引き継いだという関係です。
この違いを理解すれば、「尾車親方は琴風なのか、琴恵光なのか」という疑問は解消できます。
【2024年に何が起きた?琴風の退職と琴恵光の襲名を時系列で整理】

今回の名前の交代で重要なのは、2024年5月11日と5月17日の2つの日付です。
日本相撲協会は、それぞれ別の公式発表で退職と年寄襲名を公表しました。
尾車親方の交代までの経緯| 時期 | 出来事 | 意味 |
|---|---|---|
| 1985年11月 | 琴風が現役引退 | 年寄「尾車」を襲名 |
| 1987年 | 尾車部屋を創設 | 師匠として後進を育成 |
| 2022年2月7日 | 尾車部屋を閉鎖 | 所属員が他部屋へ転属 |
| 2022年4月 | 65歳で定年 | 再雇用の参与に |
| 2024年5月11日 | 琴風が協会を退職 | 先代尾車の退職 |
| 2024年5月17日 | 琴恵光が現役引退 | 年寄「尾車」を襲名 |
| 2024年11月 | 琴風がNHK解説者デビュー | 新たな活動を開始 |
| 2026年11月 | 琴恵光が尾車親方として在籍 | 琴風はNHK解説者として活動 |
琴風は2022年4月に65歳の定年を迎えました。
しかし、相撲協会には定年後に再雇用される制度があり、琴風も参与として協会に残っていました。
通常の再雇用期間を考えれば、70歳の任期満了まで在籍する選択肢もありました。
ところが、2024年5月11日付で退職。67歳での退職だったため、当時の報道でも注目されました。
退職の経緯については、SmartFLASHが2024年5月8日、琴風が5月7日に退職届を提出したと報道しています。
同報道では、琴風が以前から「後進に道を譲るべき」という考えを持っていたことや、年寄名跡「尾車」を佐渡ヶ嶽部屋に返す意向だったことが紹介されています。
ただし、協会の公式発表が示しているのは退職日と本名などの基本事項です。退職の理由を協会が公式に詳しく説明したわけではありません。
注目したいのは、退職によって年寄名跡の継承が可能になり、6日後に琴恵光の襲名が承認されたことです。
琴恵光の引退と襲名は同時に承認2024年5月17日、日本相撲協会は理事会で琴恵光の引退と年寄「尾車」の襲名を承認しました。
公式発表に記載されているのは、次の内容です。
引退および年寄襲名のお知らせ 令和6年5月17日、理事会で元幕内 琴恵光(本名 柏谷 充隆、佐渡ヶ嶽部屋)引退、年寄 尾車襲名を承認しました。 出典:日本相撲協会公式発表・2024年5月17日
この発表によって、琴風から琴恵光への年寄名跡の交代が正式に成立しました。
【先代・琴風とはどんな力士?現役時代の成績と優勝回数】
琴風豪規(ことかぜ・ごうき)
元大関として昭和の大相撲を盛り上げた力士です。
佐渡ヶ嶽部屋出身で、左四つからの寄りを得意としました。力強い前進力と粘りのある相撲が特徴です。
日本相撲協会の歴代大関プロフィールによると、琴風の主な記録は次のとおりです。
| 項目 | 記録 |
|---|---|
| 四股名 | 琴風豪規 |
| 読み方 | ことかぜ・ごうき |
| 本名 | 中山浩一 |
| 生年月日 | 1957年4月26日 |
| 出身地 | 三重県津市 |
| 所属部屋 | 佐渡ヶ嶽部屋 |
| 得意技 | 左四つ・寄り |
| 大関在位 | 22場所 |
| 幕内優勝 | 2回 |
| 十両優勝 | 1回 |
| 幕下優勝 | 1回 |
| 殊勲賞 | 3回 |
| 敢闘賞 | 2回 |
| 技能賞 | 1回 |
| 金星 | 6個 |
| 生涯戦歴 | 561勝352敗102休 |
琴風の代表的な実績は、幕内最高優勝2回です。
1回目は1981年9月場所。関脇として12勝3敗を記録し、初優勝を果たしました。
この活躍を経て、同年11月場所に大関へ昇進しています。
2回目は1983年1月場所。大関として14勝1敗を挙げ、優勝決定戦で朝潮を破って優勝しました。
大関在位は22場所。現役時代の生涯戦歴は561勝352敗102休でした。
特に注目したいのは、優勝2回だけでなく、大関として長期間にわたり上位で戦い続けた実績です。
引退後は指導者として尾車部屋を率いた琴風は1985年11月場所で現役を引退し、年寄「尾車」を襲名しました。
その後、1987年に尾車部屋を創設。
現役時代の経験を生かしながら、若手力士の育成に取り組みました。
尾車部屋から育った代表的な力士が、関脇まで昇進した豪風と嘉風です。
琴風のキャリアを振り返ると、次の3つの段階に分けられます。
- 現役時代: 元大関として幕内優勝2回を達成。
- 親方時代: 尾車部屋を率い、関脇経験者を育成。
- 退職後: NHK大相撲中継の専属解説者として活動。
競技者から指導者、そして解説者へと役割を変えてきた人物です。
【尾車部屋はなぜ閉鎖された?豪風・嘉風の移籍先も解説】
尾車部屋は、琴風が長年師匠を務めた相撲部屋です。
しかし、2022年2月7日付で正式に閉鎖されました。
日本相撲協会は2022年1月27日の理事会で、押尾川部屋の新設と尾車部屋所属員の転属を承認しています。
尾車部屋閉鎖の背景大きな転換点となったのは、琴風の定年です。
琴風が65歳を迎えることに伴い、尾車部屋は従来の形で存続することが難しくなりました。
そこで、部屋に所属していた元関脇・豪風が独立して押尾川部屋を新設することになりました。
残る所属員は二所ノ関部屋に転属し、尾車部屋そのものは閉鎖されました。
重要なのは、尾車部屋の閉鎖と年寄名跡「尾車」の消滅は別の話だということです。
部屋がなくなっても、年寄名跡は別の人物が継承できます。
豪風と嘉風はその後どうなった?
豪風(ごうふう)
現役時代は関脇まで昇進。
2022年に押尾川部屋を創設し、師匠となりました。
尾車部屋から独立した後継世代の指導者です。
嘉風(よしかぜ)
現役時代は関脇まで昇進。
引退後は年寄「中村」を襲名し、二所ノ関部屋へ転属しました。
現役時代の経験を指導に生かしています。
この2人は琴風が育てた代表的な力士です。
日本相撲協会の2022年1月27日付の発表では、押尾川部屋へ7人、二所ノ関部屋へ10人が転属することが示されています。
尾車部屋という組織はなくなりましたが、そこで培われた指導者や力士のつながりは、押尾川部屋や二所ノ関部屋などに引き継がれています。
【琴風の現在はNHK大相撲解説者|2026年も活動を継続】
琴風浩一
- 2024年11月:NHK専属解説者としてデビュー
- 主な活動:NHK大相撲中継
- 現役時代:元大関・琴風豪規
- 元日本相撲協会理事
琴風は協会を退職した後、相撲界との関わりを完全に断ったわけではありません。
2024年11月10日、大相撲九州場所初日にNHK大相撲中継の専属解説者としてデビューしました。
デイリースポーツの報道では、琴風は初日の中入り後の取組を担当。初めての解説を終え、次のように語っています。
「生の迫力に改めて相撲は面白いと思った」 出典:デイリースポーツ・2024年11月10日
長年、力士や親方として相撲に携わってきた琴風が、今度は解説者として土俵の魅力を伝える立場になったのです。
2026年のNHK中継でも琴風の解説を確認琴風の活動は2024年だけの一時的な出演ではありません。
2026年9月18日の大相撲秋場所6日目には、NHKの解説を担当したことが日刊スポーツで報じられています。
同日の取組では、関脇・熱海富士の相撲を評価したほか、横綱・大の里の取組についてもコメントしていました。
また、2026年9月24日の秋場所12日目にもNHK解説を担当しています。
したがって、2026年11月時点での琴風の現状は、日本相撲協会の親方ではなく、NHK大相撲中継の解説者という整理が正確です。
琴風の解説が注目される理由琴風の強みは、大関として土俵に立った経験と、親方として長年力士を指導した経験の両方を持っていることです。
取組を単に勝ち負けで評価するだけではなく、立ち合い、体の位置、攻めの方向、相手との距離など、技術的な部分を説明できる立場にあります。
また、現役力士の心理や、上位力士が背負う責任についても、元大関ならではの視点を持っています。
NHKの中継で琴風の名前を見かけた場合、それは元尾車親方の琴風本人です。現在の尾車親方である琴恵光とは別人なので、注意してください。
【年寄名跡「尾車」の歴代襲名者と名前の仕組み】
尾車という名前は、単なる愛称ではありません。
日本相撲協会の年寄名跡の一つであり、引退した力士が親方として協会に所属する際に使用する名前です。
琴風は8代目、琴恵光は9代目日本相撲協会の公式相撲クイズでは、琴恵光が襲名した尾車は9代目と紹介されています。
また、歴史上の3代尾車は元大関・大戸平で、現在の国技館という名称の由来にも関係した人物として紹介されています。
近年の継承で重要なのは、次の2人です。
| 代 | 襲名した力士 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 8代目 | 琴風豪規 | 元大関・尾車部屋師匠 |
| 9代目 | 琴恵光充憲 | 元前頭4枚目・現尾車親方 |
つまり、琴風が8代目、琴恵光が9代目です。
同じ尾車という名前でも、襲名者が変われば人物も変わります。
年寄名跡と相撲部屋は別の制度ここは検索する際に誤解が生まれやすいポイントです。
年寄名跡と相撲部屋は、必ずしも同じ名前のまま存続するわけではありません。
例えば、今回のケースでは次のような変化が起きました。
- 尾車部屋は2022年に閉鎖。
- 琴風は2024年に協会を退職。
- 琴恵光が年寄名跡「尾車」を襲名。
- 現在の尾車親方は佐渡ヶ嶽部屋に所属。
このため、2026年現在、尾車親方がいるからといって尾車部屋も存在している、というわけではありません。
「尾車親方」と「尾車部屋」は別々に考える必要があります。
【尾車親方に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年現在の尾車親方は誰ですか?
A1:元幕内力士の琴恵光です。2024年5月17日に現役を引退し、年寄「尾車」を襲名しました。佐渡ヶ嶽部屋に所属しています。
Q2:尾車親方は元大関の琴風ですか?
A2:以前は琴風でした。琴風は8代目尾車で、2024年5月11日付で日本相撲協会を退職しています。現在の尾車親方は9代目の琴恵光です。
Q3:琴風と琴恵光は親子や兄弟ですか?
A3:両者は別人です。琴風の本名は中山浩一、琴恵光の本名は柏谷充隆です。共通しているのは、年寄名跡「尾車」を継承したという点です。
Q4:尾車部屋は現在もありますか?
A4:ありません。2022年2月7日付で閉鎖されました。元関脇・豪風が押尾川部屋を新設し、その他の所属員は二所ノ関部屋などへ転属しました。
Q5:琴風は現在何をしていますか?
A5:日本相撲協会を退職した後、NHK大相撲中継の専属解説者として活動しています。2026年9月の秋場所でも解説を担当したことが報道されています。
Q6:琴風の現役時代の優勝回数は何回ですか?
A6:幕内最高優勝は2回です。1981年9月場所と1983年1月場所に優勝しています。大関在位は22場所でした。
Q7:琴恵光の現役時代の最高位は何枚目ですか?
A7:東前頭4枚目です。幕内在位は29場所で、生涯戦歴は531勝542敗14休でした。
Q8:琴風のNHK解説は2026年も続いていますか?
A8:はい。2026年9月の秋場所でもNHK解説を担当したことが報道されています。現在の尾車親方・琴恵光とは別の立場で活動しています。
2026年11月現在の尾車親方は、元幕内・琴恵光です。
一方、元大関・琴風は2024年5月11日に日本相撲協会を退職し、同年11月からNHK大相撲中継の解説者として新しい活動を始めています。
今回の経緯を理解するために押さえておきたいのは、次の3点です。
1. 2022年: 琴風が師匠を務めた尾車部屋が閉鎖され、所属員が押尾川部屋や二所ノ関部屋へ移籍した。
2. 2024年: 琴風が協会を退職し、6日後に琴恵光が9代目尾車を襲名した。
3. 2026年: 琴恵光が現役の年寄「尾車」として協会に在籍し、琴風はNHK解説者として活動している。
相撲界では、現役時代の四股名、引退後の年寄名、部屋の名称がそれぞれ異なる場合があります。
そのため、人物を調べる際には、名前だけで判断するのではなく、本名・襲名した年月・所属部屋・日本相撲協会の公式プロフィールを照らし合わせることが大切です。
琴風が築いた尾車部屋の歴史と、琴恵光が引き継いだ年寄名跡「尾車」。この2つを分けて理解すれば、過去の記事と2026年現在の情報が混同することもありません。
尾車という名前は、相撲界の歴史を受け継ぎながら、次の世代へと引き継がれているのです。