2026年11月現在、再来年にあたる2028年のNHK大河ドラマは、山﨑賢人主演の『ジョン万』に決定している。4月9日のNHK制作・主演発表会見で明らかになった大河ドラマ第67作で、脚本を担当するのは藤本有紀。幕末から明治にかけて日本とアメリカを結んだジョン万次郎こと中濱万次郎の波乱に満ちた生涯を描く。
放送は2028年1月からの予定で、撮影開始は2027年初夏を予定している。10月30日には、翌年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』の人物相関図にも中浜万次郎の名前が登場し、2年連続の幕末大河をつなぐ存在としても注目されている。
この記事では、発表済みの番組情報、物語のあらすじ、ジョン万次郎の歴史的功績、脚本家と主演俳優の実績、キャスト発表の最新状況、ロケ地情報まで整理する。
【最新情報】2028年の大河ドラマ『ジョン万』はいつから?主演・脚本・基本情報

NHKは2026年4月9日、東京・渋谷のNHK放送センターで2028年大河ドラマの制作・主演発表会見を開催した。
発表されたタイトルは『ジョン万』。主演には俳優の山﨑賢人が起用され、主人公のジョン万次郎(中濱万次郎)を演じる。
山﨑にとって大河ドラマへの出演は今回が初めてであり、初出演にして主演という大役を担うことになった。
本作は19世紀の日米と太平洋を舞台に、漂流という過酷な経験を経てアメリカへ渡った一人の漁師が、異国で知識と技術を身につけ、日本へ戻って活躍する姿を描く。
NHKの制作発表資料では、単なる歴史上の偉人の成功物語ではなく、命がけのサバイバルと遠く離れた人々との再会を描く壮大な冒険物語として紹介されている。
『ジョン万』の放送予定・制作スタッフ一覧| 項目 | 発表済みの内容 |
|---|---|
| 作品名 | ジョン万 |
| 放送年 | 2028年 |
| 放送開始 | 2028年1月予定 |
| 作品番号 | NHK大河ドラマ第67作 |
| 主演 | 山﨑賢人 |
| 主人公 | ジョン万次郎(中濱万次郎) |
| 脚本 | 藤本有紀 |
| 制作統括 | 家冨未央 |
| プロデューサー | 二見大輔 |
| 演出 | 保坂慶太、泉並敬眞、石川慶 |
| クランクイン | 2027年初夏予定 |
| 初回放送の具体的な日付 | 未発表 |
| 主要共演者 | 未発表 |
制作統括は家冨未央、プロデューサーは二見大輔が担当する。演出には保坂慶太、泉並敬眞、石川慶の名前が発表されている。
ここで注意したいのが、2028年1月という放送開始時期と初回放送日を混同しないことだ。11月4日時点で公表されているのは2028年1月からの放送予定であり、具体的な初回の日付や放送時間はまだ確定情報として発表されていない。
タイトル『ジョン万』に込められた意味作品名の『ジョン万』は、ジョン万次郎のアメリカでの呼び名に由来する。
万次郎を救助したアメリカの捕鯨船はジョン・ハウランド号だった。船長や乗組員との交流を通して、万次郎は「ジョン・マン」と呼ばれるようになる。
制作統括の家冨未央はTVガイドWebのインタビューで、英語の「ジョン」と日本語の「万」を組み合わせたタイトルには、万次郎が生き抜いた二つの土地、日本とアメリカを表現する意味が込められていると説明している。
日本人として生まれ、アメリカで教育を受け、再び日本へ戻った万次郎。その人生そのものを象徴するタイトルといえる。
【あらすじ・物語】ジョン万次郎の漂流からアメリカ渡航までを描く壮大な冒険
14歳の漁師を襲った運命の漂流物語の出発点は1841年。土佐の貧しい漁師の家に生まれた14歳の少年・万次郎が、仲間たちと漁に出た際に遭難するところから始まる。
当時の日本は鎖国政策下にあり、海外との自由な往来が認められていなかった。
嵐によって船が流され、たどり着いたのは太平洋上の無人島・鳥島。食料も水も十分ではない環境で、万次郎たちは生き延びるための過酷な生活を強いられた。
やがてアメリカの捕鯨船ジョン・ハウランド号が島に現れ、万次郎たちは救助される。
国立公文書館の漂流関係資料にも、この漂流と救助の記録が残されている。
アメリカ渡航で変わった少年の人生救助された万次郎は、他の漂流仲間とは異なり、船長ウィリアム・ホイットフィールドとともにアメリカ本土へ向かう道を選んだ。
到着したのはマサチューセッツ州フェアヘーブン。万次郎は現地で英語、数学、測量、航海術、造船技術などを学ぶ。
当時の日本人にとって、アメリカで本格的な教育を受けることは極めて珍しい経験だった。
加えて、学校での勉強だけではなく、捕鯨船での航海を通じて実践的な技術や異文化への理解を深めていく。
今回のドラマで重要になるのは、この時期の万次郎が単に異国で保護された少年ではなく、自ら学び、経験を積み、人生の選択肢を広げていった人物だったという点だ。
日本への帰国と幕末の歴史への参加アメリカで経験を積んだ万次郎は、日本へ戻ることを決意する。
ゴールドラッシュの時代にカリフォルニアで働いて帰国資金を得た後、ハワイにいた漂流仲間と合流。1851年に琉球へ上陸した。
しかし、帰国は簡単には進まなかった。鎖国下の日本では海外渡航者への警戒が強く、薩摩や長崎などで取り調べを受けることになる。
その後、1852年に故郷の土佐へ帰還した。
帰国後は、アメリカで得た語学力や航海技術を生かして幕府に重用される。通訳、翻訳、教育、航海技術の指導など、幅広い分野で能力を発揮した。
脚本家・藤本有紀が描く「冒険」と「挫折」脚本を担当する藤本有紀は、ジョン万次郎の物語を以前から描きたいと考えていたことを制作発表会見で明かしている。
藤本が注目しているのは、万次郎の成功だけではない。
未知の世界に飛び込む勇気がある一方で、故郷を離れる寂しさ、異文化での苦労、人種による差別、帰国後の複雑な立場など、人生の光と影が存在する。
脚本家としての藤本の持ち味を考えるうえでも、人物の内面を丁寧に描く展開が期待される。
【歴史・人物解説】ジョン万次郎の生涯と日本に残した歴史的功績
中濱万次郎とは何者だったのかジョン万次郎は、1827年に土佐国中浜村、現在の高知県土佐清水市に生まれた人物である。
本名は中濱万次郎。後に幕府から故郷の地名に由来する中浜姓を与えられた。
国立国会図書館の「近代日本人の肖像」では、漂流民、通訳、教育者として紹介されている。
歴史の教科書では、アメリカに渡った日本人や英語を話せる通訳として取り上げられることが多い。しかし、その活動は語学にとどまらなかった。
航海術や造船、測量、海外事情に関する知識を持ち、日本が近代国家へと変化していく時期に重要な役割を果たした。
ジョン万次郎の主な出来事と功績| 年代 | 出来事 | 歴史的な意味 |
|---|---|---|
| 1827年 | 土佐国中浜村に誕生 | 後のジョン万次郎 |
| 1841年 | 14歳で漁の途中に遭難 | 鳥島へ漂着 |
| 1841年 | アメリカ捕鯨船に救助される | ホイットフィールド船長と出会う |
| 1843年頃 | アメリカ本土で生活・教育を受ける | 英語や航海術などを習得 |
| 1851年 | 琉球に上陸 | 日本への帰国が始まる |
| 1852年 | 土佐へ帰郷 | 約10年ぶりに故郷へ戻る |
| 1853年以降 | 幕府に召される | 海外知識を生かして通訳・教育に従事 |
| 1860年 | 咸臨丸でアメリカへ渡航 | 遣米使節の通訳として活躍 |
| 明治時代 | 小笠原開拓調査や教育に携わる | 海外知識を日本の近代化に生かす |
| 1898年 | 71歳で死去 | 波乱に満ちた生涯を終える |
※年代は国立国会図書館、国立公文書館などの歴史資料を参考に整理。
咸臨丸での渡米と幕末の重要人物との関係万次郎の功績を語るうえで欠かせないのが、1860年の咸臨丸による渡米だ。
この年、幕府は日米修好通商条約の批准書交換のため、アメリカへ使節団を派遣した。
万次郎は咸臨丸に乗り込み、通訳や航海に関する知識を生かして渡米を支えた。
咸臨丸には勝海舟や福澤諭吉らも乗船していた。
この渡米経験は、万次郎が単なる漂流経験者から、日本の外交や近代化に関わる人物へと変わったことを象徴する出来事でもある。
その後も小笠原諸島の開拓調査や教育に携わり、開成所(後の東京大学につながる教育機関)の教授としても活動した。
歴史上の評価が高い理由ジョン万次郎の歴史的価値は、日本と海外を結ぶ実務的な橋渡し役を担った点にある。
当時の日本は海外情報を得ることが容易ではなかった。英語を理解し、アメリカの社会や技術を実際に経験した万次郎は、幕府にとって貴重な人材だった。
加えて、彼の人生は身分や生まれによって将来が決まる時代に、知識と経験を通じて社会的な役割を獲得した一つの例でもある。
『ジョン万』では、こうした歴史的功績とともに、漂流した少年がどのようにして異国で成長していったのかが見どころになる。
【キャスト・共演者】山﨑賢人以外の出演者は?2026年11月最新状況
山﨑賢人が大河ドラマ初出演で主演に挑戦主人公を演じる山﨑賢人は、映画やテレビドラマなど幅広いジャンルで活躍してきた俳優だ。
今回の『ジョン万』では、これまでの大河ドラマ出演経験がない状態から、1年間にわたって主人公の人生を演じる。
制作発表会見では、ジョン万次郎の人生を知るほどに魅力を感じると話し、長期間にわたる撮影への意欲を示した。
制作統括の家冨未央は、山﨑の魅力について、共演者の個性を生かしながら作品全体の魅力を引き出す力や、物事に対する純粋な反応を評価している。
万次郎は好奇心旺盛で、困難に直面しても新しい世界へ進んでいく人物だった。山﨑の持つ明るさや行動力が、どのように役柄に反映されるのか注目したい。
脚本・藤本有紀の代表作と期待藤本有紀は、NHKの連続テレビ小説や大河ドラマで実績を積んできた脚本家である。
主な作品には次のようなものがある。
- 『ちりとてちん』(2007年)
- 大河ドラマ『平清盛』(2012年)
- 連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(2021年)
大河ドラマの脚本を担当するのは『平清盛』に続いて2作目となる。
『カムカムエヴリバディ』では、異なる時代を生きる人々の人生を描き、物語の時間軸を巧みに組み立てた。
『ジョン万』でも、14歳の少年時代から明治期までの長い人生を扱うことになるため、時間の経過と人物の成長をどのように描くかが要点になる。
2026年11月4日時点のキャスト発表状況現在、公式に発表されている主演俳優は山﨑賢人である。
一方、ジョン万次郎の母親、ホイットフィールド船長、漂流仲間、アメリカで出会う人物、幕末の政治家などの配役については、正式な発表を待つ段階だ。
特に注目されるのは、ジョン万次郎の人生に深く関わるホイットフィールド船長の配役である。万次郎の人生を大きく変えた恩人であり、作品の人間ドラマを左右する重要人物になる。
また、2026年10月30日には『逆賊の幕臣』の人物相関図に「咸臨丸・通詞・中浜万次郎」の名前が掲載された。
ただし、この人物の俳優名は空欄だった。
このため、2027年版で万次郎を演じる俳優が誰になるのかも関心を集めている。2028年版の主演である山﨑賢人と同じ俳優が起用されるかどうかも含め、現段階では配役の確定情報はない。
【2027年大河と比較】『逆賊の幕臣』と『ジョン万』はどうつながる?
2年連続で幕末を描く大河ドラマ2027年のNHK大河ドラマは、松坂桃李主演の『逆賊の幕臣』だ。
主人公は幕末の幕臣・小栗忠順。脚本は安達奈緒子が担当し、江戸幕府の近代化に尽力した人物の生涯を描く。
2028年の『ジョン万』と共通するのは、どちらも幕末という激動の時代を背景にしている点だ。
ただし、物語の中心人物と視点は異なる。
『逆賊の幕臣』が幕府の政治や近代化を進める幕臣の視点から時代を描くのに対し、『ジョン万』は海外を経験した庶民の人生と冒険に焦点を当てる。
小栗忠順とジョン万次郎には歴史的な接点がある両作品をつなぐ重要な出来事が、1860年の遣米使節である。
小栗忠順はアメリカ軍艦ポーハタン号に乗船し、ジョン万次郎は随伴艦の咸臨丸に乗船した。
同じ使節の一員としてアメリカへ渡った二人だが、乗船した船も担った役割も異なる。
この事実を知っておくと、2作品を連続して視聴する面白さが増す。
2027年と2028年の大河ドラマ比較| 比較項目 | 2027年『逆賊の幕臣』 | 2028年『ジョン万』 |
|---|---|---|
| 大河作品番号 | 第66作 | 第67作 |
| 主演 | 松坂桃李 | 山﨑賢人 |
| 主人公 | 小栗忠順 | ジョン万次郎 |
| 脚本 | 安達奈緒子 | 藤本有紀 |
| 時代背景 | 幕末 | 幕末から明治 |
| 主な視点 | 幕府・政治・近代化 | 漂流・海外経験・異文化交流 |
| 1860年の渡米 | ポーハタン号 | 咸臨丸 |
| 放送開始 | 2027年1月10日 | 2028年1月予定 |
2027年と2028年に幕末を題材とする作品が続くのは、視聴者にとっても興味深い編成だ。
同じ時代を異なる人物の視点から見ることで、歴史の出来事を一方向だけではなく、複数の立場から理解できる。
なお、2026年10月30日に『逆賊の幕臣』の相関図で中浜万次郎の登場が確認されたことは、両作品のつながりを考えるうえで新しい材料になった。
ただし、2作品で同一の俳優が万次郎を演じるかどうかは未発表である。
【ロケ地・撮影情報】高知・アメリカ・沖縄は舞台になる?
クランクインは2027年初夏の予定NHKの制作発表で公表された撮影スケジュールは、2027年初夏のクランクイン予定だ。
2026年11月4日時点では、具体的な撮影場所やロケ日程は公表されていない。
ただし、万次郎の人生に深く関わる土地として、次の場所が歴史的に重要になる。
高知県土佐清水市
万次郎の生まれ故郷である。幼少期の生活や漂流前の漁師としての日々を描く場合、欠かせない土地だ。
土佐清水市にはジョン万次郎資料館があり、彼の生涯や漂流、帰国後の活動に関する資料を紹介している。
アメリカ・マサチューセッツ州フェアヘーブン
万次郎がホイットフィールド船長と暮らし、学校教育を受けた場所である。
2026年の制作準備では、山﨑賢人と制作統括の家冨未央が実際に現地を訪問している。
TVガイドWebのインタビューによると、二人は約4日間滞在し、港や捕鯨に関する歴史、現地の産業について話を聞き、街を歩いて取材したという。
これは作品づくりのための現地調査として注目される動きだ。ただし、現地を訪問したことと、実際にドラマの撮影が行われることは別であり、ロケ地決定を意味するものではない。
沖縄県
万次郎がアメリカから帰国する際、最初に上陸した土地が琉球、現在の沖縄県にあたる。
帰国の物語を描くうえで重要な場所であり、歴史的な舞台として注目される。
ただし、沖縄での撮影についても、NHKから具体的な発表は出ていない。
ロケ地情報を見る際のポイント今後の撮影情報で注目したいのは、国内ロケと海外ロケの区別だ。
歴史上のゆかりの地として紹介されている場所が、そのまま実際の撮影地になるとは限らない。
大河ドラマでは、スタジオセットや国内の別地域で海外の街並みを再現する場合もある。
そのため、土佐清水市やフェアヘーブンが舞台になることと、実際の撮影が行われることを分けて考える必要がある。
【プロの結論】『ジョン万』はなぜ2028年大河の注目作なのか
『ジョン万』の最大の魅力は、幕末の歴史を海の向こうから見つめ直せることにある。
従来の幕末ドラマでは、幕府、朝廷、薩摩、長州など、国内の政治勢力を中心に物語が展開されることが多かった。
しかし、ジョン万次郎は政治の中心に生まれた人物ではない。
14歳の漁師として漂流し、アメリカで学び、日本へ戻り、海外知識を必要とする幕府や教育機関で活躍した。
その人生には、国内政治だけでは見えてこない幕末の姿がある。
特に注目したいのは次の3点だ。
第一に、庶民の視点から歴史を描けること。
万次郎は名門の武家出身でも、政治家の家系でもない。偶然の漂流と自らの選択によって、歴史の重要な局面に関わる人物となった。
第二に、日米交流を個人の人生から描けること。
国同士の外交だけでなく、恩人との出会い、言葉の習得、文化の違い、異国での生活といった個人的な経験が物語の中心になる。
第三に、2027年の『逆賊の幕臣』との歴史的な連続性だ。
小栗忠順とジョン万次郎は、同じ1860年の遣米使節に関わった人物である。政治と外交の側面から幕末を見た翌年に、海外経験と異文化交流の側面から同時代を見直せる。
歴史好きにはもちろん、海外文化や人物の成長物語に関心がある視聴者にも期待できる作品だ。