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【作曲者は葉加瀬太郎本人】「ひまわり」が生まれた背景と朝ドラ『てっぱん』

桜庭 準 桜庭 準 • 更新: • 公開: • 読了約 20 分
目次

「ひまわり」の作曲者は、ヴァイオリニスト・作曲家の葉加瀬太郎だ。作品が収録されたオリジナルアルバム『EMOTIONISM』は、2010年9月29日発売。同年9月27日に放送が始まったNHK連続テレビ小説『てっぱん』と同時期に世に出た楽曲である。

朝ドラ『てっぱん』が描いた世界

『てっぱん』は、NHK連続テレビ小説の第83作。2010年9月27日から2011年4月2日まで全151回が放送された。

物語の主人公は、広島県尾道市で育った村上あかり。瀧本美織が演じるあかりは、トランペットとお好み焼きが大好きな高校生で、やがて大阪に出て、実の祖母・初音とお好み焼き店を営むことになる。

富司純子、安田成美、遠藤憲一らが出演し、尾道と大阪を舞台に家族の絆や人情を描いた作品だ。

このドラマにおいて「ひまわり」は、毎朝のオープニングを彩る音楽として採用された。作品の明るさや、主人公の前向きな性格を視聴者に印象付ける役割を担っていた。

葉加瀬太郎が明かした制作時の思い

「ひまわり」の誕生背景を知るうえで重要なのが、HATSの公式サウンドトラック紹介ページに掲載された葉加瀬太郎本人のコメントだ。

2010年11月2日、尾道で記したサウンドトラックへのメッセージには、次の言葉が残されている。

僕はただ、この清々しさ、暖かさ、純粋さを音楽にしたかったんだ。

葉加瀬が音楽に込めたのは、ドラマの主人公あかりが持つ純粋さや、未来に向かう明るさだった。

注目したいのは、単に朝の番組に合う爽やかな曲を作ったのではなく、ドラマの登場人物や物語の空気そのものを音楽にしようとしていた点である。

同じコメントでは、毎朝8時の放送を楽しみにしていたことや、夕方のステージで「ひまわり」を演奏すると、心の中で再びあかりに会えるという趣旨も語っている。

この言葉からは、作曲者自身が作品の世界に深く共感していたことが伝わる。

ひまわりという花に込められた特別な意味

さらに興味深いのが、葉加瀬太郎自身とひまわりの花との関係だ。

UR都市機構のスペシャルインタビューで、葉加瀬はひまわりについて、娘の名前に選んだほど好きな花であり、「元気の象徴」だと語っている。

この発言は、楽曲の解釈に大きな手掛かりを与えてくれる。

ひまわりには、太陽に向かって咲く姿から、明るさや生命力、前向きな印象を重ねる人も多い。葉加瀬にとっても、単なる季節の花ではなく、人に元気を届ける存在だった。

その思いは、コンサートでの演出にもつながっている。

本人によれば、多くのコンサートで観客にひまわりの種を配り、「ひまわり」をほぼ毎回演奏してきたという。

つまり、この曲は演奏して終わる作品ではない。花の種を通じて観客と喜びを分かち合うという、葉加瀬らしいコンサートの考え方とも結び付いている。

東日本大震災後に広がった「ひまわり」の意味

2011年3月11日の東日本大震災は、この曲の受け止められ方にも影響を与えた。

当時、ロンドンにいた葉加瀬は、震災の報を受けて街角でのチャリティーコンサートを実施。UR都市機構のインタビューでは、阪神・淡路大震災で大切な人を何人も亡くした経験にも触れている。

一方、NHKの『てっぱん』も震災によって放送が一時中断された。

放送再開後、葉加瀬のもとには多くの視聴者からメッセージが届いたという。仮設住宅で暮らす人たちからも、番組が再開したことで失われた日常が少し戻ったように感じた、という趣旨の声が寄せられた。

ここで見逃せないのは、音楽がドラマの演出を超えて、人々の日常に寄り添う存在になったことだ。

葉加瀬は、ひまわりを元気の象徴と捉え、コンサートを通じて人々に元気を届けたいという思いを語っている。

「ひまわり」が長く聴き継がれている背景には、旋律の美しさだけでなく、こうした実体験と音楽活動が重なっている。

【作品と関係者を整理】「ひまわり」の編曲者・収録作品・制作の関係

葉加瀬太郎ひまわり

「ひまわり」を正しく理解するには、作曲者と編曲者、ドラマ用の音源、オリジナルアルバムを区別する必要がある。

特に重要なのが、羽毛田丈史と啼鵬の存在だ。

「ひまわり」に関係する人物と作品の一覧
関係する人物・作品 担当・内容 確認できる事実
葉加瀬太郎 作曲・ヴァイオリン演奏 「ひまわり」の作曲者
羽毛田丈史 編曲 オープニングバージョンを編曲
啼鵬 編曲・音楽制作 サウンドトラック内の複数楽曲を編曲
NHK『てっぱん』 テレビドラマ オープニングテーマとして採用
『EMOTIONISM』 オリジナルアルバム 2010年9月29日発売
『てっぱん』オリジナル・サウンドトラック ドラマ関連作品 2011年1月26日発売
『THE BEST OF TARO HAKASE』 ベストアルバム 2011年8月10日発売
『THE BEST OF 35 YEARS』 35周年記念ベスト 2025年8月6日発売

羽毛田丈史による編曲が生み出したオープニングバージョン

「ひまわり」の制作で重要なのが、編曲を担当した羽毛田丈史だ。

HATS公式の『NHK連続テレビ小説「てっぱん」オリジナル・サウンドトラック』の収録情報には、次のように明記されている。

- 曲名:ひまわり オープニングヴァージョン
- 作曲:葉加瀬太郎
- 編曲:羽毛田丈史
- 発売日:2011年1月26日
- 品番:HUCD-10084

ここで押さえておきたいのは、葉加瀬太郎が作曲し、羽毛田丈史がオープニング用に編曲したという役割分担だ。

羽毛田丈史は、ドラマや映画などの音楽制作でも活動する作曲家・編曲家。自身の公式作品一覧にも、『てっぱん』のオープニングテーマ「ひまわり」の編曲担当として記録されている。

サウンドトラックには複数の「ひまわり」が存在する

実は、ドラマのサウンドトラックには、オープニングバージョン以外にも複数のアレンジが収録されている。

代表的なのが次の3曲だ。

- ひまわり オープニングヴァージョン
- ひまわり 輝き
- ひまわり レゲエヴァージョン

加えて、ひまわり ボレロヴァージョンも収録されている。

これらは同じ主題を持ちながら、異なる編曲で作品の世界を表現している。

とりわけ注目したいのは、オープニングバージョンだけが羽毛田丈史の編曲である点だ。ほかの複数の楽曲は啼鵬が編曲を担当している。

したがって、動画や音源配信サービスで「ひまわり」を検索した際に、複数のバージョンが見つかるのは不自然なことではない。

【収録アルバムを徹底整理】「THE BEST OF TARO HAKASE」と35周年記念盤

「ひまわり」を音源として聴きたい人にとって、収録アルバムの違いも気になるところだ。

代表的な作品を整理すると、2010年のオリジナルアルバムから、ドラマのサウンドトラック、ベスト盤、近年の記念アルバムへとつながる流れが見えてくる。

1. 『EMOTIONISM』(2010年)

「ひまわり」を収録したオリジナルアルバム。

- 発売日:2010年9月29日
- 品番:HUCD-10079(通常盤)
- 収録曲数:14曲
- 収録位置:4曲目

デビュー20周年を記念したアルバムで、葉加瀬太郎のオリジナル曲を中心に、シューマンなどのクラシック作品も収録している。

「ひまわり」をオリジナルアルバムの流れで聴きたい人に適した一枚だ。

2. 『NHK連続テレビ小説「てっぱん」オリジナル・サウンドトラック』(2011年)

- 発売日:2011年1月26日
- 品番:HUCD-10084
- 収録曲数:21曲

ドラマの世界観を音楽で楽しめる作品だ。

「ひまわり オープニングヴァージョン」のほか、「ひまわり 輝き」「ひまわり レゲエヴァージョン」「ひまわり ボレロヴァージョン」などが収録されている。

朝ドラで耳にした音源に近いバージョンを探しているなら、まず確認したい作品である。

3. 『THE BEST OF TARO HAKASE』(2011年)

- 発売日:2011年8月10日
- 品番:HUCD-10099/B(通常盤)
- 収録曲数:15曲

このアルバムにも「ひまわり」が収録されている。

通常盤の1曲目に配置され、NHK連続テレビ小説『てっぱん』のオープニングテーマとして紹介されている。

また、初回生産限定盤は「Passionate Side」と「Healing Side」の2枚組構成。葉加瀬の幅広い音楽性を楽しめる内容になっている。

4. 『THE BEST OF 35 YEARS』(2025年)

2025年8月6日発売のデビュー35周年記念ベストアルバム。

注目は、Disc2の9曲目に収録された「ひまわり~VIOLINISM ver.」だ。

これは、従来の「ひまわり」と区別して聴きたいアレンジバージョンである。

2026年9月2日には、追加特典として「テルーの唄」「北の国から~遙かなる大地より~」をDisc5に収録した期間限定スペシャルパッケージも発売された。

35年の音楽活動を振り返る作品の中に「ひまわり」の新たな演奏バージョンが位置付けられている点は、この曲が現在も葉加瀬の重要なレパートリーであることを示している。

【楽譜・演奏方法】葉加瀬太郎「ひまわり」はバイオリンやピアノで弾ける?

「ひまわり」は、鑑賞するだけでなく、自分で演奏してみたい人にも人気のある作品だ。

実際に、ヴァイオリン用やピアノ用の楽譜が販売されており、ピアノトリオ編成の公式楽譜も存在する。

バイオリンで演奏する場合

葉加瀬太郎の楽曲をヴァイオリンで演奏したい人には、ヤマハの楽譜出版や、ヤマハ「ぷりんと楽譜」で扱われている作品が選択肢になる。

ヤマハの楽譜検索では、『てっぱん』オープニング曲としての「ひまわり」のヴァイオリン譜も掲載されている。

また、葉加瀬アカデミーのメソッドを取り入れた入門向けヴァイオリン教本にも「ひまわり」が収載されている。

ただし、楽曲を演奏できることと、原曲の表現を再現できることは別だ。弓の使い方や音の強弱、旋律の歌わせ方によって印象が大きく変わる。

ピアノで演奏する場合

ピアノソロで弾きたい場合は、中級向けのアレンジなどが販売されている。

ヤマハの楽譜検索では、ピアノソロ版も確認できるため、演奏経験や技術に合わせて選びたい。

特に初心者は、原曲の音をそのまま再現しようとするより、音域や難易度を調整したアレンジを選ぶと取り組みやすい。

ピアノ・バイオリン・チェロの三重奏も可能

より豊かな響きを求める人には、NH&K TRIOの公式楽譜集『Adagio Vol.2』も注目したい。

この楽譜集には「ひまわり」が収録されており、編成はピアノ・ヴァイオリン・チェロ。発売日は2024年3月27日で、難易度は中上級とされている。

独奏とは異なり、3つの楽器が旋律や伴奏を分担するため、室内楽ならではの音の重なりを楽しめる。

演奏スタイル 楽譜の選択肢 特徴
ヴァイオリン独奏 ヴァイオリン譜 原曲の魅力を楽しめる
ピアノ独奏 ピアノソロ譜 一人で演奏できる
ピアノトリオ ピアノ・ヴァイオリン・チェロ 中上級向けのアンサンブル

楽譜を選ぶ際は、曲名だけで判断せず、編成、難易度、伴奏譜の有無を確認することが大切だ。

【2026年最新】葉加瀬太郎のコンサート活動と「ひまわり」の現在

2026年の葉加瀬太郎は、秋の全国コンサートツアーを中心に活動している。

ツアーの正式名称は、

「東海東京フィナンシャル・グループ presents 葉加瀬太郎 コンサートツアー 2026 ~30th Anniversary~ THIS IS THIRTY」

だ。

30周年と35周年は何が違う?

ここは混同しやすいポイントだ。

葉加瀬太郎は1990年、KRYZLER & KOMPANYのヴァイオリニストとしてメジャーデビューした。

その後、1996年にソロアーティストとして活動を開始している。

したがって、2025年の「35周年」は1990年のデビューからの節目であり、2026年の「30th Anniversary」は1996年のソロ活動開始からの節目に当たる。

それぞれ異なる活動の歴史を記念している。

2026年秋ツアーの公演情報

公式発表では、2026年9月5日の埼玉公演から12月28日の東京公演まで、全国各地でコンサートが予定されている。

加えて、好評を受けて愛知と東京で追加公演も発表された。

2026年11月4日時点

日程 会場 状況・備考
11月3日 愛知県芸術劇場 追加公演
11月4日 愛知県芸術劇場 公式日程掲載・完売表示
11月7日 YCC県民文化ホール(山梨) 完売表示
11月15日 神戸国際会館 予定
11月21日 本多の森 北電ホール 予定
11月23日 フェニックスプラザ(福井) 予定
11月29日 けんしん郡山文化センター 予定
12月3・4日 仙台サンプラザホール 予定
12月12・13日 NHKホール 予定
12月19・20日 福岡・熊本 予定
12月24・25日 札幌文化芸術劇場 hitaru 予定
12月28日 東京国際フォーラム・ホールA 予定
12月29日 東京国際フォーラム・ホールA 追加公演

通常公演のチケット料金は全席指定11,000円(税込)。公演によって販売状況が異なるため、申し込み前には最新の公式情報を確認したい。

なお、11月3日の愛知追加公演はすでに終了しており、11月4日の愛知公演も公式ページでは完売表示となっている。

2026年のコンサートで「ひまわり」は聴ける?

葉加瀬太郎は、UR都市機構のインタビューで「ひまわり」を多くのコンサートでほぼ毎回演奏していると説明している。

そのため、代表曲としてコンサートで親しまれてきたことは確認できる。

ただし、2026年の各公演について、個別の演奏曲目がすべて公表されているわけではない。特定の日に必ず「ひまわり」が演奏されると断定することはできない。

コンサートで聴きたい人は、当日の演奏内容や公式発信も確認しておきたい。

【プロの結論】「ひまわり」が長く愛される理由は旋律と物語の両方にある

「ひまわり」の魅力を考えるとき、単に美しいヴァイオリン曲という説明だけでは足りない。

この作品には、少なくとも3つの異なる価値が重なっている。

第一は、音楽としての完成度。

葉加瀬太郎の作曲による旋律を、羽毛田丈史がドラマのオープニングにふさわしい形に編曲した。作曲と編曲の役割が明確で、オリジナル版とテレビ用の音源を区別して楽しめる。

第二は、ドラマとの結び付き。

『てっぱん』の主人公あかりが持つ明るさや純粋さを、葉加瀬自身が音楽にしたいと考えていた。ドラマを見ていた人にとっては、イントロを聴くだけで当時の映像や朝の時間を思い出すきっかけになる。

第三は、演奏活動を通じて広がったメッセージ。

ひまわりを元気の象徴とする葉加瀬の考え方は、震災後のチャリティー活動やコンサートでの種の配布にも表れている。

こうした背景を知ると、「ひまわり」は単なる過去のドラマ主題曲ではなく、葉加瀬太郎の音楽活動を象徴する作品の一つとして理解できる。

初めて聴く人には『EMOTIONISM』、ドラマの記憶をたどりたい人には『てっぱん』のオリジナル・サウンドトラック、演奏の違いを楽しみたい人には『THE BEST OF 35 YEARS』がおすすめだ。

一方、楽譜を探している人は、演奏レベルと編成を先に決めると選びやすい。

【葉加瀬太郎のひまわり】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:葉加瀬太郎の「ひまわり」は誰が作曲した曲ですか?

A1:葉加瀬太郎本人が作曲した楽曲です。NHK連続テレビ小説『てっぱん』のオープニングテーマとして採用され、ドラマ用のオープニングバージョンは羽毛田丈史が編曲しています。

Q2:「ひまわり」は何のアルバムに収録されていますか?

A2:2010年発売の『EMOTIONISM』、2011年発売の『てっぱん』オリジナル・サウンドトラック、『THE BEST OF TARO HAKASE』などに収録されています。2025年発売の『THE BEST OF 35 YEARS』には「ひまわり~VIOLINISM ver.」も収録されています。

Q3:「ひまわり」に込められた思いは何ですか?

A3:葉加瀬太郎は、ひまわりを好きな花であり、元気の象徴だと語っています。また、『てっぱん』の主人公あかりが持つ清々しさや純粋さを音楽にしたかったとも述べています。

Q4:「ひまわり」の楽譜はバイオリン用とピアノ用がありますか?

A4:あります。ヴァイオリン独奏、ピアノソロ、ピアノ・ヴァイオリン・チェロの三重奏など、複数の編成の楽譜が確認できます。購入時は難易度と編成を確認してください。

Q5:2026年の葉加瀬太郎のコンサートでも「ひまわり」は聴けますか?

A5:本人は過去のインタビューで、多くのコンサートでほぼ毎回演奏していると説明しています。ただし、2026年の個別公演の曲目は確定情報を確認する必要があります。

葉加瀬太郎の「ひまわり」は、2010年のNHK連続テレビ小説『てっぱん』をきっかけに広く知られるようになった作品だ。

作曲は葉加瀬太郎、オープニングバージョンの編曲は羽毛田丈史。加えて、本人が語ったひまわりへの思いや、震災後に寄せられた視聴者の反応を知ると、この曲が持つ意味はより深くなる。

2025年にはデビュー35周年記念ベストアルバムに新たな「ひまわり~VIOLINISM ver.」が収録され、2026年にはソロ活動30周年を記念する全国ツアー「THIS IS THIRTY」が開催されている。

ドラマの主題曲として生まれた音楽が、アルバム、コンサート、楽譜を通じて新しい世代にも受け継がれている。

「ひまわり」は、葉加瀬太郎の音楽と人々に元気を届けたいという思いが重なった、長く聴き続けたい一曲なのである。

主な参考資料:HATS(ハッツ)公式ディスコグラフィー・『てっぱん』オリジナル・サウンドトラック解説、葉加瀬太郎公式サイト・2026年ツアー情報、UR都市機構「葉加瀬太郎スペシャルインタビュー」、ヤマハ楽譜出版、放送ライブラリー。

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