2019年の日本選手権優勝によって東京五輪への期待が高まった平野選手。しかし、2021年8月5日に行われた東京2020オリンピックのスケートボード男子パークでは、予選14位という結果に終わりました。
予選14位・62.03点で決勝進出を逃すJOCの大会記録によると、平野選手の予選成績は62.03点の14位でした。男子パークは上位8人が決勝へ進出するため、惜しくも決勝には届きませんでした。
予選通過ラインとの差は10.97点。冬季五輪のハーフパイプで2大会連続銀メダルを獲得していた選手だけに、スケートボードでの結果に驚いた人もいたはずです。
ただし、この14位という数字だけでスケートボードの実力を判断するのは早計です。平野選手は国内選手権を制した実績があり、五輪出場までの国際大会でもポイントを積み重ねていました。東京五輪は、世界のトップ選手が集まる舞台での結果だったのです。
なぜスノーボードの実力をそのまま発揮できなかったのか大きな理由の一つは、両競技の技術的な違いです。
スノーボードとスケートボードは、どちらも板に乗って空中技を繰り出す横乗りスポーツです。回転感覚や空中での姿勢制御、着地の安定性など、共通する技術もあります。
しかし、使用する道具も滑る環境も違います。スノーボードは雪上でエッジを使いながら滑り、ハーフパイプの両側の壁を利用して空中技を繰り返します。一方、スケートボードのパークは車輪でコンクリートなどのコースを走り、曲面やランプ、さまざまなセクションを使って技を組み立てます。
日本大学のインタビューで平野選手自身も、スケートボードでは大会ごとにパークの設計が変わり、同じ技でも会場によって実行できるかどうかが変わる難しさを説明しています。
また、スケートボードに長年取り組んできた専門選手と比べ、練習時間を十分に確保することが難しい状況もありました。スノーボードの大会と並行して調整する必要があったためです。
スケートボードとスノーボードの違いを比較両競技には共通する身体能力がある一方、競技で求められる専門性は異なります。スノーボードで世界一になれる技術があっても、スケートボードで同じように勝てるとは限りません。
スノーボードのハーフパイプでは、FISの採点基準に技の完成度、難度、高さ、多様性、進歩性が含まれます。スケートボードのパークでは、技の難度や多様性だけでなく、コースの使い方、安定性、流れ、技の反復なども評価されます。
この違いを理解すれば、東京五輪の14位と2019年の日本選手権優勝が矛盾しないことも分かります。国内大会で日本一になった実績は本物であり、五輪で決勝に進めなかったこともまた、世界の競技レベルを示す結果なのです。
【2026年最新情報】平野歩夢は現在何をしている?ミラノ五輪後の活動と今後
2026年11月4日現在、平野歩夢選手の競技活動を語るうえで重要なのが、2026年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪です。
東京五輪でスケートボードに挑戦した平野選手は、その後スノーボードに復帰。2022年北京冬季五輪では男子ハーフパイプで金メダルを獲得し、世界の頂点に立ちました。
そして2026年、4大会連続となる冬季五輪に出場しました。
ミラノ・コルティナ2026は男子ハーフパイプ7位
ミラノ・コルティナ2026冬季五輪
7位
男子ハーフパイプ・86.50点
平野選手は2026年1月17日のワールドカップ・ラークス大会で激しく転倒し、骨盤や鼻骨など複数箇所を骨折する大けがを負いました。五輪出場そのものが心配される状況でした。
それでもリハビリを経てミラノ・コルティナ五輪に出場。男子ハーフパイプ決勝では2本目に大技のダブルコーク1620を成功させ、86.50点を記録しました。最終3本目は転倒し、連覇と4大会連続のメダル獲得には届かなかったものの、7位入賞を果たしています。
JOCの公式競技記録でも、男子ハーフパイプ7位、86.50点と掲載されています。
2026年3月には2030年五輪への意欲を表明五輪後の2026年3月5日、平野選手は東京都内のイベントに出席し、今後の競技生活について語りました。
JOCの報道によると、大けがを抱えながら戦ったミラノ大会を終え、2030年の次回冬季五輪に向けて再び準備していきたいという意欲を示しています。
ただし、けがからの回復は簡単ではありませんでした。TBS NEWS DIGの同日報道では、本人が膝の感覚がまだ十分に戻っていないことや、コンディションが万全ではないことを説明しています。一方で、日ごとに回復している実感も語っていました。
加えて、2月末にはアメリカ・コロラド州で開催されたザ・スノーリーグにも出場。五輪直後も競技活動を続けながら、身体の状態を整えていました。
2026年4月にはスノーボード以外の新しい挑戦にも言及2026年4月15日には、兄の英樹選手、弟の海祝選手とともに東京都内のトークイベントに登場しました。
TBS NEWS DIGの報道によると、今後について平野選手は、進むべき道はスノーボードの五輪だけではないと感じていると説明。これから自分がどう成長し、新しい自分に生まれ変われるのかを大切にしたいという考えを示しました。
また、4月のイベントでは、スケートボードとスノーボードの両方で、自分が目指していた五輪出場という目標を達成できたことにも触れています。
この発言は、過去の二刀流への挑戦を振り返るうえでも興味深いものです。スケートボードを単なるスノーボードの練習手段としてだけではなく、独立した競技として追い続けた経験が、本人の競技人生にとって大きな意味を持っていたことがうかがえます。
11月4日最新インタビューで明かした競技者としての将来像2026年11月4日付のデイリースポーツの単独インタビューでは、平野選手が今季の開幕を前に、今後の競技人生について改めて語っています。
同インタビューでは、2030年五輪を視野に入れながら、まずは競技者として納得できるところまで挑戦を続けたいという考えを示しました。
「勝てる可能性があるうちは、らしさを表現して悔いなく挑戦したい」
2026年11月4日付デイリースポーツの単独インタビューより。
加えて、スノーボード以外のフィールドにも挑戦してみたいという思いを明かしています。競技を続けることだけでなく、その先にどのような新しい景色を見せられるかも考えているようです。
したがって、2026年11月現在の平野選手は、スケートボードの競技復帰を発表した段階ではなく、スノーボードを軸に現役生活を続けながら、将来の可能性を探っている段階です。東京五輪の二刀流経験が、今後どのような新しい活動につながるのかも注目されます。
【よくある質問】平野歩夢のスケボーに関する疑問(FAQ)
Q1:平野歩夢はスケートボードで日本一になったことがありますか?
A1:あります。2019年5月12日に開催された第3回日本スケートボード選手権大会の男子パークで優勝しました。国内の有力選手を抑えて獲得したタイトルです。
Q2:平野歩夢の東京オリンピックでの順位は何位でしたか?
A2:2021年8月5日の東京2020スケートボード男子パーク予選で14位でした。得点は62.03点で、上位8人による決勝には進めませんでした。
Q3:平野歩夢は2026年現在もスケートボードを続けていますか?
A3:幼少期からの経験があり、東京五輪にも出場した選手です。ただし、2026年11月4日時点で公表されている直近の競技活動はスノーボードが中心で、新たなスケートボード大会への出場発表は確認できません。今後の新しい挑戦については本人も検討していると語っています。
Q4:平野歩夢はなぜスケートボードを始めたのですか?
A4:4歳頃、兄の影響を受けて始めました。実家がスケートパークを運営していたこともあり、幼少期からスケートボードとスノーボードの両方に取り組める環境がありました。
Q5:平野歩夢の2026年ミラノ・コルティナ五輪の結果は?
A5:スノーボード男子ハーフパイプで7位、86.50点でした。五輪直前に複数箇所を骨折する大けがを負いながら決勝まで進出し、入賞を果たしました。
【プロの結論】平野歩夢のスケボー挑戦が示した唯一無二の競技人生
平野歩夢選手のスケートボード歴を振り返ると、重要なのは2019年の日本選手権優勝だけではありません。4歳から続けてきたボード競技の経験を生かし、すでに世界的な実績を持っていたスノーボードとは異なる世界に飛び込んだことに大きな意味があります。
今回の競技歴から押さえておきたい要点は、次の4つです。
- 幼少期の原点:4歳頃から兄の影響でスケートボードとスノーボードを始めた。
- 国内での実績:2019年日本スケートボード選手権の男子パークで優勝した。
- 東京五輪の結果:2021年に男子パークで予選14位となり、決勝進出は逃した。
- 2026年の現在:ミラノ・コルティナ五輪の男子ハーフパイプで7位となり、2030年五輪や競技以外の新しい挑戦も視野に入れている。
特に誤解したくないのは、東京五輪の14位という結果だけで、スケートボードの実力を評価しないことです。日本選手権優勝という確かな実績があり、世界最高峰の舞台に立つまで競技力を高めていました。
また、スノーボードの金メダリストという肩書だけでは、平野選手の競技人生の全体像は見えてきません。異なる競技に挑戦し、限られた時間の中で専門選手と競い、夏冬両方の五輪に出場した経験こそが、彼の大きな特徴です。
2026年11月現在、平野選手は次の4年間を見据えています。2030年の冬季五輪を目指すのか、スノーボード以外の新しい分野に挑むのか。その選択にも注目が集まります。
平野歩夢は、スノーボードだけの選手ではありません。スケートボードでも日本一を経験し、東京五輪に出場した二刀流アスリートです。その挑戦の軌跡は、順位やメダルの数だけでは測れない競技者としての価値を示しています。