自動運転技術を手がける株式会社ティアフォーは、2026年7月22日、東京証券取引所グロース市場に新規上場しました。証券コードは593Aです。公開価格は1,085円でしたが、上場初日の初値は1,009円となり、公開価格を7.0%下回るスタートでした。一方、11月4日の終値は2,670円まで上昇しており、上場後の株価は大きく変動しています。
同社の強みは、オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」の開発を主導してきた技術力と、自治体・交通事業者・自動車メーカーを巻き込む事業基盤です。しかし、2026年9月期も研究開発投資による大幅な営業赤字が続いています。IPOで調達した資金の使途、SOMPOホールディングスなどの株主構成、創業者・加藤真平氏の経歴を整理し、成長期待と投資リスクの両面から検証します。
【まず確認】ティアフォーの上場日は2026年7月22日!株価・IPOの基本情報
ティアフォーは、東京都品川区に本社を置く自動運転技術の開発企業です。2015年12月の設立以来、オープンソースソフトウェア「Autoware」を軸に、自動運転システムの開発、車両への実装、商用化支援を進めてきました。
東京証券取引所が公表した新規上場会社概要によると、同社は2026年7月22日にグロース市場へ上場。業種は情報・通信業で、証券コードは593Aです。主幹事証券会社は三菱UFJモルガン・スタンレー証券でした。
公開価格1,085円に対して初値1,009円の公募割れIPOの公開価格は1,085円。しかし、上場初日に形成された初値は1,009円となりました。公開価格に対する騰落率はマイナス7.0%です。
初値で購入した投資家にとっては、その後の株価変動が大きな関心事となりました。上場前には自動運転という成長テーマへの期待がありましたが、初値では公開価格を下回る結果となっています。
この初値を理解するうえで重要なのは、事業への期待と、上場時点での収益性を分けて考えることです。ティアフォーは技術開発や実証実験で実績を積み重ねてきた一方、研究開発費が先行し、利益面では赤字が続いていました。将来の成長期待だけでは、IPO時点の株式需要を十分に押し上げられなかった可能性があります。
東京IPOなどの公開データでは、上場時の時価総額は公開価格ベースで約689億円、初値ベースで約641億円とされています。新興企業としては大型の資金調達案件であり、上場前から市場の注目を集めていました。
ティアフォーのIPO基本データ- 会社名:株式会社ティアフォー
- 証券コード:593A
- 上場市場:東京証券取引所グロース市場
- 上場日:2026年7月22日
- 公開価格:1,085円
- 初値:1,009円
- 初値騰落率:マイナス7.0%
- 売買単位:100株
- 主幹事:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
なお、公開価格と初値はIPO当日の需給を示す数字であり、その後の企業価値を直接決めるものではありません。上場後の株価を判断するには、事業の成長性や財務状況を継続的に確認する必要があります。
【上場までの経緯】加藤真平氏の経歴とSOMPOホールディングスなどの株主構成
ティアフォーの上場を理解するには、創業者の加藤真平氏が進めてきた研究開発と、産業界との関係を押さえる必要があります。
創業者・加藤真平氏はAutowareを生み出した研究者加藤真平氏は1982年、神奈川県藤沢市生まれです。自動運転分野のオープンソースソフトウェア開発を主導してきたコンピュータサイエンスの専門家で、ティアフォーの代表取締役CEOを務めています。
同社の公式プロフィールによると、加藤氏は2012年から2016年まで名古屋大学大学院情報科学研究科の准教授を務めました。この時期に自動運転用ソフトウェア「Autoware」を開発しています。
その後、慶應義塾大学、東京大学、カーネギーメロン大学、カリフォルニア大学で博士研究員として勤務。2022年には文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞しました。
研究者として培った技術を実際の産業へ展開するため、2015年12月に愛知県名古屋市でティアフォーを設立。大学発の研究成果を事業化するディープテック企業として成長してきました。
ティアフォーの上場までの主要な出来事| 時期 | 人物・企業・出来事 | 関係性と意味 |
|---|---|---|
| 2015年8月 | Autoware公開 | 加藤真平氏が名古屋大学准教授時代に開発した自動運転用OSSを公開 |
| 2015年12月 | 株式会社ティアフォー設立 | Autowareを活用した自動運転技術の事業化を開始 |
| 2018年12月 | The Autoware Foundation設立 | Autowareの権利を国際業界団体へ譲渡し、グローバルな開発体制を推進 |
| 2025年1月 | 本店所在地を東京都品川区へ移転 | 本社機能を東京へ移転 |
| 2026年6月29日 | 東証の新規上場会社概要公表 | 上場予定日と証券コード593Aなどが明らかに |
| 2026年7月22日 | 東証グロース市場へ上場 | 公開価格1,085円、初値1,009円で取引開始 |
| 2026年11月2日 | Autoware 2.0の開発方針を発表 | AI技術とグローバル企業との連携による次世代開発を推進 |
特に重要なのが、2018年12月のThe Autoware Foundation設立です。ティアフォーはAutowareのすべての権利を同団体へ譲渡し、国際的なオープンソース開発体制に参加しました。
つまり、ティアフォーの競争力はソフトウェアを独占することだけに依存していません。共通技術を世界中の企業や研究者と発展させ、その上に商用製品や導入支援サービスを構築するビジネスモデルが特徴です。
SOMPOホールディングスは筆頭株主上場前の2026年6月29日時点で公表されたコーポレートガバナンス報告書では、SOMPOホールディングス株式会社が筆頭株主として記載されています。
主要株主の状況は次のとおりです。
- SOMPOホールディングス:11,112,500株、21.3%
- 加藤真平氏:5,750,000株、11.0%
- ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合:3,610,000株、6.9%
- ヤマハ発動機:3,459,490株、6.6%
- 出川章理氏:3,300,000株、6.3%
- いすゞ自動車:3,000,000株、5.7%
- KDDI:2,070,000株、4.0%
ここで注目したいのは、SOMPOホールディングスが金融・保険分野の大手企業であることです。自動運転には事故時の責任や保険制度、安全性評価など、技術開発だけでは解決できない課題があります。保険会社との関係は、社会実装を進めるうえで意味を持ちます。
ただし、SOMPOホールディングスはティアフォーの親会社ではありません。東証提出のコーポレートガバナンス報告書では「その他の関係会社」とされ、役員の招聘やグループからの資金借入などはなく、経営判断はティアフォーが独自に行うと説明されています。
なお、上記の株主比率は上場前の2026年6月29日時点の資料に基づくものです。上場時の新株発行やその後の株式保有状況の変化を反映した最新比率とは区別する必要があります。
【事業の核心】Autowareとは何か?ティアフォーが収益化する仕組み
ティアフォーの企業価値を考えるうえで欠かせないのが、オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」です。
Autowareは、自動運転車両に必要な認識・判断・制御などの機能を開発するための共通ソフトウェア基盤です。LinuxやROSをベースとしており、企業や大学、研究機関などが共通の技術を利用しながら開発を進められます。
重要なのは、Autoware自体が無償公開されている点です。ティアフォーはソフトウェアを有料で独占販売するのではなく、商用利用に必要な品質、機能、車載ハードウェア、導入支援を組み合わせて収益を生み出します。
収益を生む3つのサービスティアフォーの事業は、主に次の3つのサービスで構成されています。
1. Mobility Service(モビリティサービス)
自治体や交通事業者などに向けて、自動運転車両の導入を支援します。車両の販売だけでなく、自動運転システムの実装、走行環境の整備、保守、ソフトウェアの更新なども提供します。
地方の路線バスやシャトルなど、運転手不足が深刻な地域での導入が想定される事業です。
2. Development Service(デベロップメントサービス)
自動車メーカーや特殊用途車両メーカーに向けて、自動運転システムの開発を支援します。開発段階ではエンジニアリングサービスを提供し、量産段階では自動運転システムのライセンスや関連ハードウェアの販売などにつなげます。
この事業の魅力は、OEMの量産車両に採用されれば、単発の開発案件だけでなく、その後の車両販売やライセンス提供による継続的な収益を期待できることです。
3. Solution Service(ソリューションサービス)
研究機関、教育機関、企業、政府機関などに向けて、ソフトウェアやハードウェアのツール、コンサルティングを提供します。
自動運転を開発したい企業が必要とする機材や専門知識を提供することで、Autowareを利用する開発者や企業を増やす役割も担っています。
Autoware 2.0で何が変わるのか2026年11月2日、ティアフォーは次世代バージョンとなる「Autoware 2.0」の開発と普及を主導すると発表しました。
今回の取り組みでは、従来のルールベース方式との互換性を維持しながら、データ中心のAI方式への対応を拡充します。AI方式と従来方式を組み合わせられる柔軟なアーキテクチャや、異なるソフトウェアモジュールを統合しやすい仕組みなどが特徴です。
また、Arm、AWS、Red Hatとの連携も発表されています。
- Arm:Autoware 2.0向けコンピューティングプラットフォームの開発
- AWS:クラウドを活用した開発・運用環境の構築
- Red Hat:車載OS「AutoSD」とAutoware 2.0の統合
これは単なるソフトウェアのバージョンアップではありません。AI、半導体、クラウド、車載ソフトウェアを組み合わせ、実際に量産車両へ導入するための産業基盤を整える取り組みです。
ただし、Autoware 2.0の開発発表だけで、量産契約や売上が確定するわけではありません。今後は採用企業数、商用導入台数、ライセンス収入などに具体的な成果が表れるかが焦点です。
【2026年9月期の業績】売上成長と巨額赤字をどう評価する?
ティアフォーの投資判断で、最も慎重に確認したいのが収益性です。
自動運転は、ソフトウェアの開発だけで完成する事業ではありません。実車での検証、安全性の確保、センサーや半導体の調達、車両メーカーとの共同開発など、多額の資金と長い開発期間が必要です。
2025年9月期の実績と2026年9月期の会社予想2026年7月22日の上場時に公表された決算情報では、2025年9月期の売上高は64億1,000万円でした。2026年9月期の会社予想は84億8,400万円で、前期比32.4%の増収を見込んでいました。
一方、営業損失は前期の105億600万円から112億3,900万円へ拡大する予想でした。売上が伸びても、研究開発費や事業拡大に伴う費用が重く、利益を確保する段階には至っていません。
2026年9月期第3四半期の実績2026年8月14日に公表された第3四半期決算短信によると、2025年10月から2026年6月までの累計業績は次のとおりです。
- 売上高:51億7,800万円
- 営業損失:68億2,600万円
- 経常損失:40億8,700万円
- 親会社株主に帰属する四半期純損失:41億7,400万円
特に注目したいのは、研究開発費が59億8,900万円に達していることです。販売費及び一般管理費の総額は88億2,900万円で、売上総利益20億300万円を大きく上回っています。
加えて、営業外収益には補助金収入36億6,100万円が計上されていました。補助金は自動運転技術の研究開発を支える重要な収入ですが、本業の営業損益とは分けて評価する必要があります。
つまり、現状のティアフォーは、売上を伸ばしながら技術開発と商用化のための先行投資を続けている企業です。売上成長だけでなく、研究開発費の効率化や営業損失の縮小が今後の重要な課題になります。
2026年9月期の通期決算はいつ確認できる?2026年11月4日時点では、2026年9月期の通期決算発表は11月13日に予定されています。したがって、現段階では第3四半期までの実績と会社予想を基準に評価することになります。
第3四半期決算短信では、通期予想を据え置き、売上高84億8,400万円、経常損失65億9,300万円、純損失67億3,600万円を見込んでいました。
同社は第2・第4四半期に売上計上が集中する事業特性を説明しています。そのため、第3四半期までの売上進捗率だけで通期計画の達成可能性を判断するのは適切ではありません。
11月13日の決算では、通期売上高が計画に届いたかだけでなく、営業損失の実績、現金残高、研究開発費、2027年9月期の業績見通しも確認したいところです。
【IPO調達資金204億円の使い道】研究開発・量産化・人材採用に投資
ティアフォーが上場した大きな目的の一つは、自動運転技術の開発と商用化を加速するための資金確保です。
2026年7月に公表された「事業計画及び成長可能性に関する事項」では、上場に伴う調達資金の使途として総額204億4,700万円が示されています。
内訳は以下のとおりです。
- 研究開発費用:87億7,100万円
- 量産・事業拡張費用:82億7,200万円
- 組織拡張費用:34億400万円
研究開発費用の中心は、AI技術と自動運転専用半導体の設計・開発です。
自動運転では、周囲の車両や歩行者、道路環境を正確に認識し、状況に応じて安全な判断を行う能力が欠かせません。AIの高度化や走行データの蓄積は、対応できる地域や走行環境を広げるための基盤となります。
同社は第3四半期時点でもAIベースの自動運転開発や大規模データ収集プラットフォームの構築を進めていました。IPO資金は、こうした技術開発を継続するための重要な原資となります。
量産・事業拡張費用82億円の目的自動運転の実証実験から商用化へ進むには、実際に車両を大量に供給できる体制が必要です。
ティアフォーは国内外のサプライヤーとの提携強化、調達機能の拡充、製造・供給体制の整備、海外市場での販売・マーケティング機能の強化に資金を投入する計画です。
特に自動車メーカーとの量産プロジェクトが進展すれば、開発案件の受注だけでなく、量産車両へのソフトウェア搭載やライセンス収入につながる可能性があります。
組織拡張費用34億円の目的自動運転技術の開発には、ソフトウェアエンジニアだけでなく、半導体、車載システム、安全性評価、サプライチェーン管理、海外事業などの専門人材が必要です。
組織拡張費用は、こうした技術者や事業運営を担う人材の採用、コーポレート機能の強化などに充てる計画です。
なお、IPO関連の市場データでは、公開株式の公募・売出などを合わせた資金吸収額は約267億2,400万円とされています。これはIPO全体の規模を示す指標であり、会社が使途を示した調達資金204億4,700万円とは区別して理解する必要があります。
【ティアフォーの株価は現在いくら?】11月4日の終値は2,670円
上場初日の公募割れから一転し、ティアフォーの株価はその後、大きく変動しました。
2026年11月4日の東証終値は2,670円。前日比264円高、上昇率は10.97%でした。公開価格1,085円と比較すると約146%高い水準です。
上場後の株価推移と高値・安値2026年11月4日時点で確認できる主な株価データは次のとおりです。
- 公開価格:1,085円
- 上場初値:1,009円
- 上場来安値:871円(2026年8月7日)
- 上場来高値:3,790円(2026年9月4日)
- 11月4日終値:2,670円
- 11月4日出来高:11,326,500株
公開価格を大きく上回るまで上昇した一方、9月4日の高値3,790円からは調整しています。11月4日の終値は高値から約29.6%低い水準です。
この値動きから読み取れるのは、ティアフォーが成長期待の高い銘柄として取引される一方、短期的な需給や投資家の期待の変化にも大きく影響されていることです。
株価が動く背景にある3つの要素1. 自動運転市場への成長期待
人手不足や地域交通の維持といった社会課題は、自動運転技術の需要を生む要因です。政府も2030年度までに自動運転サービス車両1万台を普及させる目標を掲げています。
2. 量産化と大手企業との協業
ティアフォーは自動車メーカーや交通事業者との共同開発を進めています。2026年の第3四半期決算では、KDDIおよびKDDIスマートモビリティとの協業を通じて、2030年までに累計1,000台規模の商用導入を目指す取り組みも公表されました。
こうした協業が実際の車両導入や売上拡大につながれば、企業価値を評価する材料になります。
3. 赤字と資金消費への警戒
反対に、研究開発費や人件費が膨らみ、赤字が長期化する場合には、投資家の期待が後退する可能性があります。特に、売上成長が利益改善に結び付くまでの期間は、株価の変動が大きくなることも考えられます。
現在の株価だけを見て割安・割高を判断するのではなく、売上成長率、営業損失、現金残高、受注案件の量産移行を合わせて確認することが大切です。
【将来性と評判を検証】ティアフォー株は買いなのか?投資判断のポイント
ティアフォーの将来性を評価する際には、技術面の競争力と、実際に利益を生み出せる事業構造が整っているかを分けて考える必要があります。
将来性を評価できる3つの強み強み1:Autowareを中心とした国際的な開発エコシステム
自動運転システムをゼロから開発するには、多額の費用と長い時間が必要です。Autowareを共通基盤として利用できることは、開発企業や研究機関にとってメリットがあります。
加えて、ティアフォーはAutowareの開発を主導してきた企業であり、関連する製品群や商用導入のノウハウを蓄積しています。ソフトウェアだけでなく、実際の車両やサービスまで対応できる点は強みです。
強み2:交通・物流分野の構造的な需要
日本ではバス運転手不足や物流人材の不足が社会課題となっています。自動運転バス、トラック、工場内搬送車両などは、人手不足への対応策として導入が期待される分野です。
同社の2026年9月期第3四半期決算では、実証実験・実装地域数は44地域、2026年7月時点の受注地域数は58地域と公表されています。研究段階だけでなく、地域での実装を進めている点は評価材料です。
強み3:大手企業との連携と海外展開
ヤマハ発動機、いすゞ自動車、KDDIなどとの関係に加え、Autoware 2.0ではArm、AWS、Red Hatとの連携を進めています。
自動運転の普及には、車両メーカー、半導体企業、クラウド事業者、保険会社など、多様な企業との協力が欠かせません。ティアフォーがこうした企業群をつなぐ存在になれるかが、長期的な成長を左右します。
投資前に理解したい4つのリスク1. 営業赤字が続いている
第3四半期累計の営業損失は68億2,600万円でした。研究開発投資が将来の売上につながるまでには時間がかかるため、利益改善が遅れる可能性があります。
2. 自動運転の安全性と事故リスク
自動運転車両で重大事故が発生すれば、企業の信用や事業展開に影響を与えます。ソフトウェアの欠陥や製造物責任など、技術面だけでは解決できない課題もあります。
同社は上場時の成長可能性資料で、2026年5月時点の公道における人身事故件数が0件だったと説明しています。ただし、過去の実績が将来の事故リスクをなくすわけではありません。
3. 法規制や社会実装の進捗
自動運転は走行できる地域や条件、運行主体の責任などが制度によって左右されます。許認可の取得や地域住民の理解が想定より遅れれば、売上計画に影響する可能性があります。
4. 量産化とサプライチェーンの問題
自動運転車両の量産には、センサー、コンピューター、半導体などの安定調達が欠かせません。開発に成功しても、製造コストや供給体制が整わなければ事業規模を拡大できません。
ティアフォー株が向いている投資家・慎重に考えたい投資家ティアフォー株を検討する際は、自分がどのような投資期間とリスク許容度を持っているかが重要です。
検討しやすい投資家
- 自動運転やAI、モビリティ産業の中長期的な成長を期待する人
- 短期的な株価変動を受け入れられる人
- 赤字企業の成長投資と事業化の過程を評価できる人
- 決算資料や受注・量産化の進捗を継続的に確認できる人
慎重な判断が必要な投資家
- 安定した黒字経営や高配当を重視する人
- 短期間での利益確定を優先する人
- 株価の急落に耐えられない人
- 業績の裏付けがない成長期待だけで投資したくない人
特に、同社は2026年9月期の配当予想が0円です。現時点では配当収入よりも、事業成長による企業価値の向上を期待するタイプの銘柄と考えられます。
市場での評価も、技術や協業への期待と、赤字継続や量産化の不確実性との間で揺れやすい構造です。短期の株価上昇だけをもって事業の成功が確定したと判断するのは早計です。
【よくある質問】ティアフォーの上場に関するFAQ
Q1:ティアフォーの上場日はいつですか?
A1:2026年7月22日です。東京証券取引所グロース市場に上場し、証券コード593Aで取引されています。
Q2:ティアフォーの公開価格と初値はいくらでしたか?
A2:公開価格は1,085円、上場初日の初値は1,009円でした。初値は公開価格を7.0%下回っています。
Q3:ティアフォーの株価は現在いくらですか?
A3:2026年11月4日の東証終値は2,670円です。公開価格の1,085円を上回っていますが、9月4日には3,790円の上場来高値を記録しており、値動きの大きい銘柄です。
Q4:ティアフォーのIPO調達資金は何に使われますか?
A4:会社の成長可能性資料では、総額204億4,700万円を研究開発費用87億7,100万円、量産・事業拡張費用82億7,200万円、組織拡張費用34億400万円に配分する計画です。
Q5:ティアフォーの筆頭株主はどこですか?
A5:上場前の2026年6月29日時点では、SOMPOホールディングスが11,112,500株、保有比率21.3%で筆頭株主でした。なお、これは上場前の株主構成です。
Q6:ティアフォーは黒字企業ですか?
A6:2026年9月期第3四半期累計では、営業損失68億2,600万円を計上しています。通期も営業赤字を見込む会社予想でした。2026年9月期の通期決算は11月13日に発表予定です。
ティアフォーは2026年7月22日に東証グロース市場へ上場し、証券コード593Aで株式市場にデビューしました。公開価格1,085円に対して初値は1,009円と公募割れでしたが、11月4日の終値は2,670円まで上昇しています。
企業としての最大の強みは、Autowareを中心に構築してきた自動運転の開発基盤と、自治体・交通事業者・自動車メーカーとの協業関係です。加えて、Autoware 2.0の開発やArm、AWS、Red Hatとの連携によって、AI時代の自動運転市場で存在感を高めようとしています。
一方、2026年9月期第3四半期までの営業損失は68億2,600万円。IPOで得た資金を研究開発や量産体制の整備に投入する段階であり、安定した利益を生み出す企業へ移行できるかは、今後の大きな課題です。
【プロの結論】
ティアフォーを評価する際に見るべきなのは、自動運転という成長テーマそのものではなく、その技術が何台の車両に採用され、どれだけ継続的な売上と利益を生み出すかという点です。
今後の投資判断では、特に次の5項目を確認したいところです。
- 2026年9月期の通期決算と2027年9月期の業績見通し
- 研究開発費の増加に対する売上高・粗利益の伸び
- 自動運転車両の受注地域数と実際の商用導入台数
- 自動車メーカーとの量産プロジェクトの進捗
- 営業損失の縮小と営業キャッシュフローの改善
自動運転の社会実装が広がれば、ティアフォーには大きな事業機会があります。しかし、技術的な優位性と株主が利益を得られる企業価値の成長は、必ずしも同じタイミングで実現するわけではありません。
成長期待だけで判断せず、決算と商用導入の実績を確認しながら、中長期的な視点で評価することが、593Aへの投資を考えるうえで重要です。