石川県が公開している資料の正式名称は「令和6年能登半島地震でお亡くなりになった方の氏名等」です。県の公式情報ページでは、第1報から第35報までの公表資料を確認できます。
2026年4月23日公表の第35報では、次の1人が新たに掲載されました。
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 氏名 | 松波 貴美子さん |
| ふりがな | まつなみ きみこさん |
| 市町名 | 石川県穴水町 |
| 性別 | 女性 |
| 年齢 | 84歳 |
| 死因 | 病院で死亡 |
| 死亡区分 | 災害関連死 |
| 市町による認定日 | 2026年4月8日 |
| 公表日 | 2026年4月23日 |
この発表で、県が公表した氏名の累計は170人となりました。そのうち災害関連死は33人です。
第35報は、新たに1人の災害関連死が確認されたことを受けた公表資料です。氏名だけでなく、年齢、居住市町、性別、死因も掲載されています。
なお、県の公表資料に記載されるのは、遺族の同意を得られた内容です。したがって、170人という数字は、県が氏名等を公表した方の累計を示しています。
過去の公表分も含めた氏名一覧を調べる場合は、石川県公式ページの「お亡くなりになった方の氏名等」という項目から、各報のPDFを確認する方法が確実です。
【なぜ全員の名前が公表されない?】遺族同意とプライバシーの公表基準

能登半島地震の犠牲者について、死亡が確認されているにもかかわらず氏名が公表されていないケースがあります。
これは、死亡の確認と氏名の公表が別の手続きだからです。
石川県は、亡くなった方の氏名等について、遺族の同意を得られた内容を公表する仕組みを採用しています。
具体的な公表基準は次の2点です。
1. DVやストーカー等の被害、住民基本台帳の閲覧制限措置などがないこと。
2. 氏名等の公表について家族等の同意があること。
また、一度公表された場合でも、遺族から申し出があれば非公表に切り替えることがあります。
この仕組みには、二つの側面があります。
一つは、亡くなった方の存在や人生を社会に伝えることです。遠方に住む親族、知人、友人などが訃報を知る機会にもなります。
もう一つは、残された家族のプライバシーと安全を守ることです。災害によって家族を失った遺族にとって、氏名や個人情報の公表は大きな意味を持つ判断です。
特にDVやストーカー被害、住民基本台帳の閲覧制限などがある場合、氏名の公開が遺族や関係者の安全に影響する可能性があります。
そのため、県は単純に死亡者全員の名前を公開するのではなく、遺族の意向を踏まえて公表しています。
ここで注意したいのが、安否不明者の氏名公表制度との違いです。
発災直後の安否不明者については、捜索や救助活動の効率化を目的として、原則公表する別の基準が設けられていました。一方、亡くなった方の氏名等の公表は、遺族の同意を前提としています。
同じ氏名公表でも、目的と判断基準は異なります。
【第35報と第234報を比較】死亡者数と公表氏名の違い
石川県の能登半島地震に関する資料には、「第35報」と「第234報」があります。
数字だけを見ると同じ被害報告の更新版のように感じられますが、実際には別々の資料です。
第35報は亡くなった方の氏名等を公表する資料、第234報は人的被害や建物被害を市町別に集計する資料です。
両者を混同すると、死亡者数と公表氏名数の違いを正しく理解できません。
| 資料・対象 | 基準日・公表日 | 死者数・公表氏名 | 災害関連死 |
|---|---|---|---|
| 氏名一覧・第35報 | 2026年4月23日 | 公表氏名170人 | 33人 |
| 被害状況・第234報 | 2026年10月30日14時 | 死者744人 | 516人 |
| 輪島市 | 2026年10月30日14時 | 死者254人 | 153人 |
| 珠洲市 | 2026年10月30日14時 | 死者198人 | 101人 |
| 穴水町 | 2026年10月30日14時 | 死者57人 | 37人 |
出典は石川県の氏名公表資料第35報と、人的・建物被害状況第234報です。
特に押さえたいのは、170人と744人が異なる数字である理由です。
- 170人:遺族の同意など公表基準を満たして氏名等が公表された人数。2026年4月23日時点。
- 744人:2026年10月30日14時現在の被害状況資料に掲載された死者数。
- 516人:第234報における災害関連死の人数。
集計時点が約6か月異なるため、170人と744人をそのまま差し引いて非公表者数を算出することはできません。
また、死亡者数が増加したからといって、氏名公表の基準が変更されたわけでもありません。
死亡の認定、災害関連死の認定、氏名の公表は、それぞれ異なる行政上の判断です。
この三つを区別することが、公式発表を読み解くうえで重要です。
【2026年10月30日現在の被害状況】輪島市・珠洲市・穴水町の死者数
石川県が2026年10月30日14時現在で公表した第234報では、県内の死者は合計744人となっています。
そのうち、災害関連死は516人です。
この数字から分かるのは、能登半島地震による人的被害が、発災直後の建物倒壊などによる直接的な犠牲だけではないということです。
特に輪島市、珠洲市、穴水町の被害状況は次のとおりです。
輪島市:死者254人輪島市の死者は254人で、そのうち災害関連死は153人です。
死者数は県内の市町の中でも特に多く、地震による建物被害や、その後の避難生活による影響が長期にわたって続いていることが数字に表れています。
珠洲市:死者198人珠洲市では死者198人、うち災害関連死101人が計上されています。
災害関連死が100人を超えていることは、地震による被害が発災時だけで完結しなかったことを示しています。
穴水町:死者57人穴水町では死者57人、うち災害関連死37人です。
2026年4月23日の第35報で新たに氏名が公表された松波貴美子さんも穴水町の方です。
同氏は、2026年4月8日に穴水町によって災害関連死と認定され、その後、遺族の同意を得た内容が県から公表されました。
第234報で確認できる県全体の被害人的被害だけでなく、住宅被害も深刻な状況が続いています。
2026年10月30日14時現在の第234報では、次の数値が掲載されています。
- 死者:744人
- うち災害関連死:516人
- 行方不明者:2人
- 重傷者:401人
- 軽傷者:876人
- 住家全壊:6,168棟
- 住家半壊:18,725棟
- 住家一部破損:91,621棟
- 住家被害合計:116,525棟
これらは2026年10月30日14時現在の集計であり、氏名公表の累計170人とは異なる統計です。
死亡者数だけに注目すると見えにくいものの、住まいの損壊や避難生活など、被災地が抱える問題は多岐にわたっています。
【災害関連死とは?】認定の仕組みと公表氏名に反映されるまで
能登半島地震の死亡者数を理解するうえで、欠かせないのが「災害関連死」という区分です。
災害関連死とは、地震による直接的な外傷だけでなく、負傷の悪化や避難生活における身体的負担などによって病気を発症し、災害が原因で亡くなったと認められたケースを指します。
災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき、災害が死亡の原因になったと認定されることが重要です。
直接死と災害関連死の違い直接死と災害関連死は、死亡に至った経緯が異なります。
直接死は、地震による建物倒壊や土砂災害など、災害そのものによって直接的に命を失ったケースです。
一方、災害関連死は、避難生活などの身体的・環境的な負担が死亡につながったと認められたケースです。
例えば、避難生活に伴う身体への負担や、災害によって悪化した負傷・疾病などが認定の対象となり得ます。
災害関連死の認定は誰が行う?災害関連死の認定には、市町による審査が関係します。
第35報に掲載された松波貴美子さんの場合、穴水町が2026年4月8日に災害関連死として認定し、石川県が4月23日に氏名等を公表しました。
この流れからも、災害関連死の認定と氏名公表が別の段階で行われることが分かります。
認定された方についても、遺族の同意など公表基準を満たさなければ、氏名等が公開されるとは限りません。
災害関連死が長期的に増える背景大規模災害では、発災直後にすべての死亡事例が確定するわけではありません。
避難生活の長期化、身体的な負担、持病の悪化など、時間の経過とともに災害との因果関係が審査される事例があります。
そのため、発災から時間が経過した後も災害関連死の認定が行われ、被害状況の統計が更新されることがあります。
2026年4月23日の第35報では災害関連死33人が氏名公表の累計に含まれていましたが、10月30日の被害状況第234報では災害関連死516人が計上されています。
これは、氏名公表の累計と、災害関連死の認定を含む死亡者数の集計が別の仕組みであることを理解するうえで重要な数字です。
【石川県地震死亡者名前】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:石川県の能登半島地震で亡くなった方の名前はどこで確認できますか?
石川県公式サイトの「お亡くなりになった方の氏名等」という項目で確認できます。第1報から第35報までの公表資料が掲載されています。最新の第35報は2026年4月23日公表です。
Q2:2026年4月23日時点で公表されている名前は何人ですか?
累計170人です。そのうち災害関連死は33人です。第35報では穴水町の松波貴美子さん(84)が新たに公表されました。
Q3:死亡者744人と公表氏名170人の違いは何ですか?
744人は2026年10月30日14時現在の被害状況における死者数です。一方、170人は2026年4月23日時点で遺族の同意などの公表基準を満たして氏名等が公開された方の累計です。集計時点と集計対象が異なります。
Q4:災害関連死も氏名が公表されますか?
公表基準を満たし、遺族の同意が得られた場合に氏名等が公表されます。災害関連死と認定されたことだけで、自動的に氏名が公開されるわけではありません。
Q5:輪島市、珠洲市、穴水町の死者数は何人ですか?
2026年10月30日14時現在の第234報では、輪島市254人、珠洲市198人、穴水町57人です。それぞれの災害関連死は153人、101人、37人となっています。
Q6:一度公表された名前が非公表になることはありますか?
あります。石川県は、遺族から申し出があった場合に非公表へ切り替えることがあると説明しています。
令和6年能登半島地震で亡くなった方の氏名について、石川県の公式発表で確認できる最新の公表資料は第35報(2026年4月23日公表)です。
同報では穴水町の松波貴美子さん(84)が新たに掲載され、氏名公表の累計は170人、うち災害関連死は33人となりました。
一方、2026年10月30日14時現在の被害状況第234報では、県内の死者は744人、うち災害関連死は516人です。
この二つの数字は矛盾していません。氏名公表と被害状況の集計では、目的も対象も異なるためです。
死亡者の名前を調べる場合は、次の3点を確認すると情報を正しく読み取れます。
- 氏名を確認する場合: 石川県の「お亡くなりになった方の氏名等」を確認する。
- 死者数を確認する場合: 被害状況の最新報を確認し、集計日時を確かめる。
- 災害関連死を調べる場合: 認定人数と氏名公表人数を区別する。
災害の犠牲者を数字だけで捉えることなく、一人ひとりの尊厳と遺族の意向にも目を向けることが大切です。石川県の公式資料を確認する際も、公表基準と集計時点を合わせて読むことが、正確な理解につながります。
主な公的資料: 石川県の氏名公表資料、氏名公表基準、2026年10月30日付の被害状況第234報。