神宮バッティングドームが多くの利用者に支持されていた理由は、単に都心で野球ができる場所だったからではない。初心者から経験者まで楽しめる設備と、プロ野球ファンの心をくすぐる演出がそろっていたことにある。
12打席を備えた本格的なバッティング施設閉場前の施設は全12打席を備え、球速は時速70~130kmの範囲から選択できた。右打ち・左打ちに対応し、複数の球速設定や変化球を楽しめる仕様だった。
さらに特徴的だったのが、プロ野球選手とのバーチャル対戦だ。過去の施設紹介では、松坂大輔投手や上原浩治投手らの映像を使った対戦体験が紹介されている。実際の投手と向き合っているような演出は、一般的なバッティングセンターとの差別化につながっていた。
こうした設備は、野球経験者の練習だけでなく、親子でのレジャーやヤクルトファンの観光にも適していた。神宮球場のある外苑エリアという立地も、施設の魅力を高める要素だった。
閉場前の料金はいくらだった?閉場前の料金については、じゃらんなどの過去の施設紹介に次の情報が掲載されている。なお、これは営業当時の参考価格であり、2026年現在の利用料金ではない。
| 利用回数 | 球数 | 掲載されていた料金 |
|---|---|---|
| 1プレー | 20球 | 420円 |
| 3プレー | 60球 | 1,100円 |
| 11プレー | 220球 | 3,000円 |
| 20プレー | 400球 | 5,000円 |
まとめ買いをすると1球当たりの料金が下がる仕組みで、継続的に練習する利用者にも使いやすい価格設定だった。過去の掲載情報によって410円と420円などの差があるため、上記はじゃらん掲載の料金を基準としている。
当時の設備や料金を知ることは、施設がどのような価値を提供していたのかを理解する手掛かりになる。一方、現在は閉場しているため、古い料金表を見て現地へ向かうことのないよう注意したい。
【経緯を時系列で整理】閉場と神宮外苑再開発の関係者一覧

神宮バッティングドームの閉場を理解するには、施設単体の動きだけでなく、神宮外苑全体の再整備を把握する必要がある。
東京都や新宿区、明治神宮外苑、再開発事業者が公表している情報を整理すると、施設の閉場と都市計画の関係が見えてくる。
主要な関係者・施設の相関関係| 主体・施設 | 神宮バッティングドームとの関係 | 公表情報・現状 |
|---|---|---|
| 明治神宮外苑 | 施設の管理・公式告知 | 2026年2月1日に閉場を告知 |
| 神宮バッティングドーム | 今回の中心施設 | 2026年4月5日閉場 |
| 東京都都市整備局 | 再開発の都市計画・情報公開 | 神宮外苑地区の再開発事業を公表 |
| 神宮外苑地区まちづくり事業者 | 地区全体の再整備を推進 | バッティングセンターを廃止対象施設として整理 |
| 神宮球場 | 同じ外苑地区の主要スポーツ施設 | 再開発計画で更新対象 |
| 秩父宮ラグビー場 | 同じ外苑地区のスポーツ施設 | 建て替え計画の対象 |
| 中央広場 | 再整備後の公共的な空間 | 約1.5haの芝生広場を計画 |
東京都都市整備局の資料では、再開発区域は約17.5ha、事業費は約3,445億円とされている。神宮球場やラグビー場の更新だけでなく、歩行者空間や緑地、商業施設なども含む大規模な計画だ。
2025年から2026年までの重要な経緯再開発事業は、バッティングドームの閉場告知より前から進められていた。新宿区の公表資料では、2025年9月26日に事業計画の変更認可、同年12月25日に権利変換計画の認可が行われたことが確認できる。
その後、2026年2月1日に明治神宮外苑が閉場を告知し、4月5日に施設が営業を終了した。この流れを見ると、閉場は再開発に伴う地区全体の施設再編と結び付いた動きであることが分かる。
【ネットの反応・炎上】閉場を惜しむ声と再開発への賛否
神宮外苑の再開発は、単なる建物の更新にとどまらず、緑地の保全やスポーツ施設の公共性をめぐって議論が続いてきた。神宮バッティングドームの閉場も、その大きな変化の一つとして受け止められている。
ネット上では閉場を惜しむ声もYahoo!マップに掲載された施設の口コミには、閉場を知って残念に感じる利用者の投稿が確認できる。2026年10月4日の投稿には、施設の終了を惜しむ趣旨のコメントが掲載されていた。
「寂しいなぁ」
これは個人の口コミであり、利用者全体の意見を代表するものではない。ただ、営業終了後も施設の記憶や評価が残っていることは、長く親しまれてきたスポットだったことを示している。
「神宮バッティングドーム自体が炎上した」は本当?ここで区別したいのが、バッティングドームの閉場と、神宮外苑再開発全体をめぐる論争だ。
確認できる公的資料では、施設内での不祥事や利用者トラブルが原因となって閉場したという説明は見当たらない。議論の中心は、外苑地区の再整備によって従来のスポーツ施設や緑地がどう変わるのかという問題だ。
特に論点となっているのは、次の3点である。
- 緑地・樹木の保全: 歴史あるいちょう並木や外苑の景観をどう維持するのか。
- スポーツ施設へのアクセス: 誰もが気軽に利用できた既存施設の廃止をどう補うのか。
- 情報公開と住民参加: 再開発の内容や環境への影響について、十分な説明が行われているのか。
事業者側は計画の意義を説明し、樹木の保全に関する計画変更や説明会などを実施してきた。一方、再開発への批判や見直しを求める声も存在する。東京都のFAQにも、こうした批判的意見やスポーツ環境の変化に関する質問が取り上げられている。
噂の真相を検証!移転・復活・経営トラブルの情報閉場後に気になるのが、施設の移転や再開の可能性だ。現時点で確認できる情報を整理すると、次のようになる。
| 気になる情報 | 確認できる状況 |
|---|---|
| 一時休業で後日再開する | 公式には4月5日閉場と告知 |
| 別の場所へ移転する | 移転先の公式発表は確認できない |
| 再開発後に同じ施設が復活する | 復活を確定する発表は確認できない |
| 経営トラブルが閉場の原因 | それを裏付ける公式情報は確認できない |
| 再開発計画と関係がある | 計画上の廃止対象施設に含まれている |
重要なのは、閉場の事実と、その後の復活に関する期待を混同しないことだ。再開発後に新しいスポーツ空間が整備される計画はあるが、それが旧バッティングドームと同じ設備・サービスを提供することを意味するわけではない。
【今後どうなる?】神宮外苑のスポーツ環境と代替施設の行方
神宮バッティングドームがなくなったことで、影響を受けるのは日常的に利用していた野球ファンや地域住民だけではない。外苑地区のスポーツ施設がどのような形に変わるのかという点でも、今回の閉場は注目すべき出来事だ。
再開発後はスポーツを楽しめる場所が整備される?東京都の神宮外苑地区に関するFAQでは、再開発後のスポーツ環境について、中央広場に約1.5haの芝生広場を整備する構想が示されている。
事業者側は、プロアスリートとの交流、パラスポーツ体験、子どもや高齢者、障害のある人も参加できるスポーツイベントなどを想定している。また、複合棟Bには室内球技場を整備する計画もある。
ただし、これらは従来のバッティングドームの直接的な代替施設ではない。バッティングマシンや打席、球速設定、プロ野球選手とのバーチャル対戦といった機能が引き継がれるとの発表は確認できない。
つまり、スポーツに触れる機会を設けることと、従来と同じように個人が気軽にバッティング練習できる環境を残すことは、別の課題として考える必要がある。
今後のニュースで注目したいポイント2026年以降、神宮外苑の再開発を追う際には、次の点を確認すると全体像を把握しやすい。
1. 新しいスポーツ施設の具体的な利用条件や料金
2. 中央広場で実施されるスポーツイベントの内容
3. 室内球技場の利用対象や一般開放の範囲
4. 緑地や歩行者空間の整備状況
5. バッティング施設に相当する設備が新たに設置されるか
特に注目したいのは、一般利用者が日常的に使えるスポーツ施設がどこまで確保されるかという点だ。大規模な競技施設が新しくなっても、気軽に体を動かせる場所が減ってしまえば、地域住民にとっての利便性は必ずしも向上しない。
【神宮バッティングドーム】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:神宮バッティングドームは2026年現在も営業していますか?
A1:営業していません。明治神宮外苑の公式発表によると、2026年4月5日をもって閉場しています。
Q2:神宮バッティングドームの閉場理由は何ですか?
A2:神宮外苑地区の再開発に伴う施設再編と関係しています。東京都や事業者の計画資料では、バッティングセンターは廃止対象施設として扱われています。
Q3:神宮バッティングドームの料金はいくらでしたか?
A3:閉場前の掲載情報では、20球420円、60球1,100円、220球3,000円、400球5,000円でした。現在利用できる料金ではありません。
Q4:神宮バッティングドームは移転・復活しますか?
A4:2026年11月時点で、移転先や再開を確定する公式発表は確認できません。再開発後のスポーツ施設計画と、旧施設の復活は区別して考える必要があります。
Q5:神宮バッティングドームは何打席ありましたか?
A5:閉場前は12打席を備えていました。球速は時速70~130kmに対応し、プロ野球選手とのバーチャル対戦も人気の設備でした。
Q6:閉場後も神宮球場や周辺施設は利用できますか?
A6:神宮バッティングドームの閉場と神宮球場の営業は別の話です。神宮球場では野球観戦などが引き続き行われています。ただし、外苑地区では再開発に伴う施設や動線の変更があるため、訪問前に各施設の最新案内を確認してください。
神宮バッティングドームは、プロ野球選手とのバーチャル対戦や12打席の設備を備え、野球ファンや家族連れに親しまれてきた施設だった。しかし、2026年4月5日をもって閉場し、現在は営業していない。
閉場の背景には、約17.5haに及ぶ神宮外苑地区の再開発がある。施設単体の経営トラブルや不祥事というより、地区全体のスポーツ環境や土地利用を見直す流れの中で、従来の施設が姿を消したと理解するのが適切だ。
今後の焦点は、新しい広場や室内球技場などの整備によって、誰もがスポーツに親しめる環境が実際にどこまで実現するかにある。バッティングドームが担っていた「思い立ったときに気軽に打てる場所」という価値が、今後の神宮外苑にどのような形で受け継がれるのか。
2026年の最新情報を追ううえでは、閉場日だけでなく、再開発の進捗と新しいスポーツ施設の具体的な利用条件にも注目したい。