2026年、JR東海の新幹線をシニア世代がお得に利用する方法に、新しい選択肢が加わりました。注目は、2026年10月1日に利用が始まった「EX 65+割」です。乗車日時点で65歳以上の人を対象に、東海道・山陽・九州新幹線を割引価格で利用できる新しい商品で、マイナンバーカードによる本人確認が利用条件になっています。
一方、50歳以上なら「50+(フィフティ・プラス)」、65歳以上なら「ジパング倶楽部」という従来からの選択肢もあります。ただし、これらは同じシニア割引ではありません。利用できる年齢、必要な会員登録、割引の仕組み、予約方法がそれぞれ異なります。特に、スマートEXとエクスプレス予約の違いや、「のぞみ」の特急料金が割引対象になるかどうかは、申し込み前に押さえておきたいポイントです。
【2026年10月スタート】JR東海の新幹線「EX 65+割」とは?
2026年のシニア向け新幹線割引で最も注目されるのが、JR東海のEXサービスで取り扱う「EX 65+割」です。
従来のシニア向けサービスとは異なり、年齢確認にマイナンバーカードを利用し、インターネット上で予約から乗車まで完結する仕組みが採用されています。
EX 65+割の対象年齢と開始日EX 65+割は、乗車日時点で満65歳以上の人が対象です。
2026年10月1日から2027年3月31日までの対象日に利用できます。発売は2026年9月15日に始まり、乗車日の1か月前の午前10時から予約できる仕組みです。
対象となるのは、東京から鹿児島中央までの東海道・山陽・九州新幹線のうち、営業キロが100キロを超える区間です。
対象列車は次のとおりです。
- のぞみ
- みずほ
- ひかり
- こだま
- さくら
- つばめ
普通車指定席とグリーン車が対象で、列車ごとに発売数が設定されています。
つまり、65歳以上であればいつでも、どの列車でも無条件に割引になるわけではありません。利用日と区間、座席の設定、残席状況を確認する必要があります。
EX 65+割の割引率と料金EX 65+割は、ジパング倶楽部のように「一律20%引き」「30%引き」と表示される制度ではありません。
乗車区間や列車、座席、利用時期に応じた専用価格が設定されています。
例えば、JR東海が公開している通常期の普通車指定席の価格表では、東京〜名古屋間の「のぞみ」利用時のEX 65+割は片道10,020円です。
「ひかり」「こだま」利用時には、同区間で9,810円という設定もあります。
加えて、繁忙期や閑散期には価格が変わります。東海道・山陽・九州新幹線をまたぐ区間では、シーズンによる価格調整額も異なります。
そのため、単純に割引率だけを比較するより、実際に乗車する区間と列車を入力して料金を確認する方法が確実です。
スマートEXとエクスプレス予約のどちらでも使える?ここは間違えやすいポイントです。
EX 65+割は、エクスプレス予約とスマートEXの両方が対象です。
| 項目 | エクスプレス予約 | スマートEX |
|---|---|---|
| EX 65+割 | 対象 | 対象 |
| 年会費 | 1,100円(税込) | 無料 |
| 65歳以上の条件 | 必要 | 必要 |
| マイナンバーカード登録 | 必要 | 必要 |
| EXアプリでの登録 | 必要 | 必要 |
スマートEXは年会費無料なので、通常の新幹線予約に使っている人なら、EX 65+割のためだけにエクスプレス予約へ切り替える必要はありません。
なお、エクスプレス予約の年会費1,100円はサービスの利用料です。別途、クレジットカード自体の年会費がかかる場合もあります。
(出典:エクスプレス予約公式「EX 65+割」、スマートEX公式商品案内、エクスプレス予約公式「年会費について」)
【50歳から利用可能】JR東海ツアーズの「50+」はどんな旅行商品?
65歳になる前でも、JR東海関連のサービスを使ってお得に旅行する方法があります。
それが、JR東海ツアーズの「50+(フィフティ・プラス)」です。
50+の対象年齢と利用条件50+は、50歳以上のエクスプレス予約会員専用の旅行商品です。
通常のシニア割引乗車券とは異なり、50歳以上の人を対象にした旅行プランを購入できるサービスです。
主な条件は次の3つです。
- 50歳以上であること。
- エクスプレス予約の会員登録をしていること。
- エクスプレス予約会員本人が旅行の代表者として参加すること。
特に注意したいのが、スマートEX会員は50+の対象外という点です。
EX 65+割ではスマートEXが利用できますが、50+ではエクスプレス予約への加入が必要です。同じEX関連サービスでも利用条件は別々です。
50+では何がお得になる?50+の魅力は、単純な乗車券の割引ではなく、旅行全体の費用を抑えられる専用プランにあります。
代表的な商品には、往復新幹線と宿泊施設を組み合わせた旅行商品があります。
旅行スタイルに合わせて宿泊施設や出発日などを選べるほか、商品によっては早期申し込みプランや現地体験が付いたプランも用意されています。
旅行代金は固定ではありません。宿泊施設の空室状況、列車の空席状況、申し込み時期、選択する条件によって変動します。
そのため、50+を利用する場合は、一般向けの新幹線とホテルのセット商品とも比較して、総額で判断するのがおすすめです。
エクスプレス予約の年会費1,100円は必要?50+を利用するにはエクスプレス予約の会員登録が必要です。
エクスプレス予約のサービス年会費は年間1,100円(税込)です。
年に何度も新幹線を利用する人や、50+の旅行商品を継続して利用する人なら、会費を含めてもメリットが出る可能性があります。
反対に、年に1回程度しか旅行しない人は、一般向けの旅行商品やスマートEXの早特商品と比較してから加入を決めたいところです。
(出典:JR東海ツアーズ公式「50歳以上の人が申し込みできる専用プランはありますか」、50+専用商品案内、エクスプレス予約公式年会費案内)
【65歳以上なら比較必須】ジパング倶楽部の20%・30%割引
65歳以上の人にとって、EX 65+割と並んで検討したいのがジパング倶楽部です。
ジパング倶楽部は、JR6社が運営するシニア向け旅行クラブで、全国のJR線を利用した旅行をお得に楽しめる仕組みです。
ジパング倶楽部の入会条件と年会費JR東海ジパング倶楽部では、新規入会の対象者を次のように定めています。
- 満65歳以上
- 日本在住
- 個人会員として申し込み
個人会員の年会費は3,840円です。
2024年4月1日から夫婦会員の新規申し込みは終了しています。現在新たに申し込む場合は、原則として個人会員になります。
入会手続きは、JR東海の主な駅で申込書を入手するか、公式サイトから申込書を印刷して行います。
年会費をゆうちょ銀行または郵便局から振り込み、本人確認書類のコピーなど必要書類を添えて事務局へ郵送します。
手続き完了後、会員手帳が届くまでの目安は約2週間です。
ジパング割引の20%・30%はどう違う?ジパング倶楽部の大きな魅力は、年間20枚のJR乗車券購入証を利用できることです。
割引率は新規入会と更新会員で異なります。
| 区分 | 割引率 | 利用できる回数 |
|---|---|---|
| 新規入会者 | 20%引き | 最初の3回 |
| 新規入会者 | 30%引き | 4回目以降17回 |
| 更新会員 | 30%引き | 年間20回 |
新規入会時は20%割引券から使用する仕組みです。更新会員になると、20回すべてを30%割引で利用できます。
長距離旅行を年に何度も計画する人にとっては、非常に魅力的な制度です。
ただし、割引には対象列車や利用期間などの条件があります。
2026年3月14日から片道101キロ以上に変更2026年の重要な変更点が、ジパング倶楽部の割引適用距離です。
従来は片道・往復・連続の利用で201キロ以上という条件がありました。
しかし、JRグループが往復乗車券と連続乗車券の発売を2026年3月13日で終了したことに伴い、2026年3月14日から片道101キロ以上に変更されました。
この変更により、往復旅行の場合も、往路と復路それぞれが101キロ以上であれば割引対象になります。
例えば、東京から名古屋への片道旅行は営業キロが101キロを超えるため、距離条件を満たします。
一方、往復の合計距離が101キロを超えていても、片道ごとの距離が101キロに満たなければ対象になりません。
ここは申し込み時に特に注意したい部分です。
(出典:JR東海公式「ジパング倶楽部」、JR東海「2026年3月14日からの購入ルール変更」、ジパング倶楽部会則)
【一目でわかる】50歳・60歳・65歳の新幹線シニア割引比較表
ここまで紹介した3制度は、対象年齢だけでなく、割引の仕組みそのものが異なります。
2026年11月時点の条件を整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 50+ | EX 65+割 | ジパング倶楽部 |
|---|---|---|---|
| 対象年齢 | 50歳以上 | 65歳以上 | 新規は65歳以上 |
| サービスの種類 | 専用旅行商品 | 新幹線専用商品 | JR旅行クラブ |
| 割引の仕組み | 専用旅行プラン | 区間別の専用価格 | 20%・30% |
| 年会費 | EX予約1,100円 | スマートEXなら無料 | 3,840円 |
| マイナンバーカード | 不要 | 登録必須 | 不要 |
| 予約方法 | 専用サイト | EXアプリ等 | JR窓口など |
| のぞみ | 商品による | 対象 | 特急料金は対象外 |
| 利用距離 | 商品による | 101キロ以上 | 101キロ以上 |
| 本人利用 | 会員本人が旅行代表者 | 登録した本人のみ | 会員本人のみ |
50歳になったばかりの人は、まず50+を検討するのが基本です。
ただし、50+は旅行商品なので、新幹線の片道乗車だけを安くしたい場合には、通常のEX早特商品などと比較する必要があります。
60歳から64歳までの人も、原則として50+が選択肢になります。
なお、ジパング倶楽部には経過措置があります。2024年3月末時点で資格を有していた60歳以上64歳以下の女性の個人会員や夫婦会員は、継続して更新している場合に限り、従来の資格が認められています。
これは新規入会できるという意味ではありません。
65歳以上はEX 65+割とジパング倶楽部を比較65歳を迎えたら、EX 65+割とジパング倶楽部の両方を検討できます。
旅行回数が少なく、スマートフォンで予約を完結させたい人にはEX 65+割が便利です。
一方、JR線を使った旅行を頻繁に楽しみ、のぞみ以外の列車も柔軟に利用できる人にはジパング倶楽部が魅力的です。
また、EX 65+割とジパング倶楽部は割引の仕組みが違うため、実際の乗車区間で料金を比べることが大切です。
【予約方法を解説】EX 65+割のマイナンバーカード登録手順
EX 65+割を利用するには、EXアプリでマイナンバーカードの情報を登録し、割引資格を連携させる必要があります。
登録操作はEXアプリから行います。
マイナンバーカード登録の6ステップ1. EXアプリを起動し、右上の「アカウント」マークをタップする。
2. 「割引資格情報登録」を選択する。
3. 「マイナンバーカード登録」の「登録」をタップする。
4. 利用規約を確認し、同意する。
5. マイナンバーカードの生年月日、有効期限、セキュリティコードを入力する。
6. 画面の案内に従って登録を完了し、完了画面を確認する。
入力する情報は次の3項目です。
- 生年月日:6桁
- 有効期限:8桁
- セキュリティコード:4桁
登録開始日は2026年9月15日です。
2026年11月現在の登録エラーにも注意2026年11月2日、スマートEX公式からマイナンバーカード登録に関するお知らせが発表されました。
一部の会員で登録できないケースが発生しており、同日にEXアプリのバージョン10.0.6がリリースされています。
登録時にエラーが出る場合は、アプリを最新版に更新したうえで、再度手続きを行うことが案内されています。
登録画面そのものが表示されない場合や、情報入力後にエラーになる場合は、公式FAQの案内も確認してください。
(出典:スマートEX公式「マイナンバーカード登録または障害者手帳登録ができない場合について」2026年11月2日)
EX 65+割の予約から乗車までマイナンバーカードの登録が終わったら、通常のEXサービスの予約画面から対象商品を選択します。
予約時には次の点を確認しましょう。
- 乗車日が対象期間内であること。
- 乗車日時点で65歳以上であること。
- 乗車区間が営業キロ100キロを超えていること。
- 対象列車・座席に空席があること。
- EX 65+割の商品を選択していること。
乗車時は、登録した本人の乗車用ICカードを使用します。
紙のきっぷを受け取って乗車することはできません。また、係員から年齢確認を求められる場合に備えて、運転免許証やマイナンバーカードなどの公的証明書を携帯してください。
EX 65+割は本人1名分のみの予約です。家族や同行者の分をまとめて同じ割引で購入することはできません。
【知らないと損】シニア割引の注意点とよくある誤解
シニア向けの新幹線割引は、対象年齢だけを見て申し込むと、思ったような割引が受けられないことがあります。
特に注意したいのは、のぞみの特急料金、利用期間、年会費、本人確認の4点です。
ジパング倶楽部なら「のぞみ」も30%引きになる?これは誤解です。
ジパング倶楽部では、のぞみ・みずほの特急料金とグリーン料金が割引対象外です。自由席も同様です。
例えば、のぞみを利用する場合、乗車券の運賃部分にはジパング割引を適用できますが、のぞみの特急料金は通常の料金になります。
そのため、乗車券と特急券の合計額が30%安くなるわけではありません。
一方、EX 65+割はのぞみも対象列車に含まれています。
この違いは、65歳以上の人が両制度を比較するうえで非常に重要です。
ジパング倶楽部には利用できない期間があるJR東海ジパング倶楽部では、次の期間に割引を利用できません。
- 4月27日〜5月6日
- 8月10日〜8月19日
- 12月28日〜翌年1月6日
ゴールデンウイーク、お盆、年末年始に旅行する人は注意が必要です。
また、他の割引との併用も原則できません。
EX 65+割は途中下車できないEX 65+割は、乗車券と特急券が一体になった新幹線専用商品です。
途中下車はできず、途中駅で降りた場合は、その先の未乗車区間が無効になります。
また、発売数には限りがあり、通常の指定席に空席があってもEX 65+割の設定枠が終了していれば購入できません。
予約変更は、改札入場前かつ予約列車の発車時刻までであれば、条件を満たす範囲で手数料無料で行えます。
ただし、乗車日や残席などの条件があります。
年会費だけで判断しない年会費を比較すると、スマートEXは無料、エクスプレス予約は1,100円、ジパング倶楽部は3,840円です。
しかし、年会費が安い制度が必ずしも最もお得とは限りません。
例えば、年間に何度も長距離旅行をする人なら、ジパング倶楽部の30%割引を活用できる可能性があります。
逆に、旅行回数が少なく、65歳以上で東京〜名古屋などの新幹線移動をする人なら、年会費無料のスマートEXを使ったEX 65+割が合理的な選択になることもあります。
大切なのは、年会費だけでなく、年間の旅行回数と実際に節約できる金額を合わせて考えることです。
【プロの結論】年齢別に選ぶJR東海の新幹線シニア割引
ここまでの制度を踏まえると、2026年のシニア向け新幹線割引は、年齢と旅行スタイルで選ぶのが最も合理的です。
50〜64歳:50+を中心に旅行商品を比較する
50歳以上でエクスプレス予約を利用している人なら、50+が候補になります。
往復新幹線と宿泊を組み合わせた旅行を考えている人に向いています。ただし、単純な片道移動なら、スマートEXや早特商品のほうが適している場合もあります。
65歳以上:EX 65+割を最初に確認する
スマートEXを利用している人なら、追加のサービス年会費を負担せずにEX 65+割を利用できる点が魅力です。
マイナンバーカードの登録や対象日の確認は必要ですが、予約から乗車までをオンラインで完結できます。
65歳以上で旅行回数が多い人:ジパング倶楽部も検討する
年間の旅行回数が多く、JR線を長距離利用する人なら、ジパング倶楽部の価値が高まります。
新規会員でも4回目以降は30%割引になるため、年間の利用計画を立てておくと会費以上のメリットを得られる可能性があります。
ただし、のぞみの特急料金や繁忙期の利用制限には注意が必要です。
最も大切なのは、年齢だけで選ばないことです。
50歳から使える旅行商品、65歳から使えるチケットレス商品、65歳以上の長距離旅行に向く会員制度。それぞれの得意分野を理解すれば、旅行の目的に応じて無駄のない選択ができます。
JR東海の新幹線シニア割引に関するよくある質問(FAQ)
Q1:JR東海の新幹線シニア割引は何歳から利用できますか?
A1:50歳以上ならJR東海ツアーズの50+、65歳以上ならEX 65+割やジパング倶楽部が候補になります。ただし、50+はエクスプレス予約会員限定の旅行商品です。
Q2:スマートEXでも65歳以上の割引を受けられますか?
A2:はい。2026年10月開始のEX 65+割はスマートEXでも利用できます。乗車日時点で65歳以上であることと、EXアプリでのマイナンバーカード登録が必要です。
Q3:EX 65+割はのぞみも割引になりますか?
A3:はい。EX 65+割は、のぞみ・みずほ・ひかり・こだま・さくら・つばめが対象です。ただし、対象日や列車ごとの発売数に制限があります。
Q4:ジパング倶楽部の年会費はいくらですか?
A4:JR東海ジパング倶楽部の個人会員は年間3,840円です。新規入会には満65歳以上、日本在住などの条件があります。
Q5:ジパング倶楽部でのぞみの特急料金も30%引きになりますか?
A5:いいえ。のぞみ・みずほの特急料金とグリーン料金は割引対象外です。乗車券の運賃部分と特急料金を分けて考える必要があります。
Q6:ジパング倶楽部は片道何キロから割引になりますか?
A6:2026年3月14日以降は片道101キロ以上です。往復利用の場合も、往路と復路それぞれが101キロ以上である必要があります。
2026年のJR東海の新幹線シニア割引は、50歳と65歳を境に利用できる制度が大きく変わります。
50歳以上ならJR東海ツアーズの50+、65歳以上なら新登場のEX 65+割、さらに長距離旅行を頻繁にする人にはジパング倶楽部という選択肢があります。
特に2026年10月に始まったEX 65+割は、スマートEXでも利用できる点が大きな特徴です。マイナンバーカードの登録さえ済ませれば、年会費無料のスマートEXを使ってシニア向けの専用価格で新幹線を予約できます。
一方、ジパング倶楽部は2026年3月に片道101キロ以上へと利用条件が変更され、長距離旅行を楽しむ人にとって使いやすい制度になりました。
これから新幹線で旅行する予定がある人は、年齢だけで判断せず、乗車区間、列車、旅行回数、年会費を比較してみてください。自分の旅行スタイルに合った制度を選ぶことが、2026年の新幹線旅行を賢く楽しむ第一歩です。