このフレーズの正体を理解するには、歌詞の聞こえ方と、CMで使われた実際の表現を分ける必要があります。
東京コピーライターズクラブ(TCC)の広告作品アーカイブには、ロッテFit’sの30秒CMのコピーが登録されています。そこには、次のフレーズが記録されています。
「噛むんと フニャン フニャン」「フニャンニャニャン」
つまり、「にゃんにゃん」と聞こえる部分は、実際には「フニャン」「フニャンニャニャン」という独特の言葉遊びです。猫をテーマにした歌ではなく、ガムを噛んだときの柔らかさを表現した広告ソングでした。
また、CMで使われた「噛むとフニャン」という表現は、商品コンセプトそのものにもつながっています。検索するときには「かむんとにゃんにゃん」だけでなく、「噛むんとフニャン」「Fit’s 噛むとフニャン」と入力すると、当時の広告資料やCM情報を探しやすくなります。
この広告コピーは、TCCの記録でコピーライター林尚司さんの作品として掲載され、2010年度の掲載作品に含まれています。
【歌詞を検証】「噛むとフニャン」と「噛むんとフニャン」は何が違う?

混同しやすいのが、商品を説明するキャッチコピーと、実際に歌われるCMソングの歌詞です。
一般的に知られている商品側の表現は「噛むとフニャン」。一方、TCCの広告コピーに記録された歌詞は「噛むんと フニャン フニャン」です。
正式なフレーズを確認するポイント2009年の30秒CMには、出演者の名前を歌い込む構成もあります。佐々木希さんが出演するバージョンでは「のぞみ」、佐藤健さんが出演するバージョンでは「たける」という名前が冒頭に入ります。
その後に共通の「噛むんとフニャン」というフレーズが続き、最後はロッテFit’sの商品名を印象づける構成です。単に同じ言葉を繰り返すだけではなく、出演者の名前と商品の特徴を一つのメロディーにまとめていました。
歌詞を検索するときに押さえておきたいのは、次の3点です。
- 「噛むとフニャン」:商品コンセプトを表すキャッチコピーとして知られる表現。
- 「噛むんとフニャン フニャン」:TCCの広告記録に残るCMソングのフレーズ。
- 「フニャンニャニャン」:「にゃんにゃん」と聞き間違えやすい、歌詞中の特徴的な言葉。
なお、TCCに掲載されているのは30秒CMの広告コピーです。市販楽曲の歌詞全文と同一のものとして扱うのではなく、CMで実際に使われたフレーズを確認する資料として見るのが適切です。
【2009年のCM出演者】佐々木希・佐藤健・渡辺直美の関係を一覧で整理
2009年のFit’s CMが印象に残る理由の一つは、当時の人気俳優・モデル・お笑いタレントが出演していたことです。
初期CMは「ショッピング篇」と「犬の散歩篇」の2種類。佐々木希さんと佐藤健さんがそれぞれ中心となり、渡辺直美さん、西内まりやさん、山本ひかるさんが加わる構成でした。
当時の日本食糧新聞の報道やCDJournalの紹介記事から、出演者と制作関係者の役割を整理すると、次のようになります。
関係者・作品の対応表この表で注目したいのは、佐々木希さんと佐藤健さんが同じCMシリーズの中心人物でありながら、初期のCMでは別々のシチュエーションで踊っていたことです。
2009年3月27日付の日本食糧新聞によると、「犬の散歩篇」には佐藤健さん、渡辺直美さん、山本ひかるさんが出演。「ショッピング篇」には佐々木希さん、渡辺直美さん、西内まりやさんが出演しました。
渡辺直美さんは両方のCMに登場しており、シリーズを象徴するコミカルなダンスの見どころを担っていました。
佐々木希のFit’s CMが印象に残った理由佐々木希さんが出演したショッピング篇では、買い物中の女性が突然ダンスを始めるという、日常と非日常を組み合わせた演出が採用されました。
当時の佐々木さんはモデルとしての知名度を高めていた時期で、自然体のかわいらしさと、少し力の抜けたダンスの組み合わせがCMの雰囲気に合っていました。
CMの冒頭に名前を歌い込む仕掛けも、出演者と楽曲を結びつける工夫です。商品名だけでなく、出演者の名前まで記憶に残る構造になっていました。
佐藤健のフィッツダンスと渡辺直美の存在感佐藤健さんは犬の散歩篇に出演。俳優としてのイメージとは異なる、柔らかな動きのダンスを披露しました。
一方、渡辺直美さんは当時からダンスパフォーマンスでも知られており、佐々木さんや佐藤さんとは異なるリズム感と身体表現でCMにアクセントを加えました。
3人の組み合わせが効果的だったのは、それぞれの個性が異なっていたからです。モデルの自然な表情、俳優の意外性、芸人のダンスパフォーマンスが一つの広告の中で共存していました。
その後のCMでも出演者や演出は変化していますが、2009年の初期シリーズを理解するうえでは、この5人の出演場面を区別することが大切です。
【振付の秘密】パパイヤ鈴木が作ったフィッツダンスはなぜ流行した?
Fit’s CMを見た人の記憶に強く残っているのは、歌だけではありません。上半身や腰を柔らかく動かしながら、独特のリズムで踊る「フィッツダンス」です。
振付を担当したのは、ダンサー・振付師として活躍するパパイヤ鈴木さん。2009年3月22日に開かれたCM発表会にも登場し、佐々木希さん、佐藤健さんとともにダンスを披露しました。
日本食糧新聞の報道では、この振付はFit’sの柔らかな食感を、全身をフニャンとさせる動きで表現したものと説明されています。つまり、ダンスそのものが商品の機能を伝える広告表現だったのです。
フィッツダンスが広がった3つの理由1.商品と振付の意味が一致していた
Fit’sの特徴は、噛んだときの柔らかさです。通常のダンスのように鋭く動くのではなく、身体をくねらせるような振付にすることで、商品の食感を視覚的に伝えられました。
2.完全なプロ向けのダンスではなかった
複雑すぎず、簡単すぎない振付だったこともポイントです。J-CASTトレンドが2009年8月に報じた記事では、ロッテの広報担当者が、視聴者に「自分にもできそう」と感じさせる程度の難易度が人気につながったとの見方を示しています。
3.視聴者が参加できる仕組みを用意した
ロッテは2009年4月からYouTubeを活用したフィッツダンスコンテストを展開。CMを見るだけでなく、自分で踊って動画を投稿する参加型キャンペーンへ発展させました。
キャンペーンの賞品は、1位が賞金100万円とFit’s1年分。広告を見た人が自ら動画を作ることで、CMの認知をさらに広げる仕組みでした。
2009年当時の反響はどれほどだった?J-CASTトレンドの2009年8月3日付記事によれば、同年7月29日時点でYouTube上のCM再生回数は360万回を超えていました。
加えて、ダンスコンテストには約3か月間で国内外から約1,700本の動画が投稿されたと報じられています。優勝者の動画も13万回以上再生されました。
これらは2009年当時の報道に基づく数字であり、2026年現在の累計再生回数ではありません。それでも、テレビCMから動画投稿へと広がった当時の反響を把握するうえで、重要な記録です。
【元ネタを解説】『狼少年ケン』の主題歌と小林亜星の関係
Fit’sのCMソングには、もう一つ興味深い背景があります。それが、1960年代のテレビアニメ『狼少年ケン』です。
2009年のCMで使用されたメロディーは、このアニメの主題歌をベースにした替え歌でした。つまり、CMのために完全に新しいメロディーを一から作ったわけではありません。
原曲の作曲者は小林亜星東映アニメーションの公式作品情報によると、『狼少年ケン』は1963年11月25日に放送を開始したテレビアニメです。1965年8月16日まで放送され、全86話が制作されました。
主題歌の作詞は大野寛夫さん、作曲は小林亜星さん。オープニング曲とエンディング曲の両方に「狼少年ケン」という楽曲が記載されています。
小林亜星さんは数多くのテレビ番組やCM音楽を手がけた作曲家です。『狼少年ケン』の主題歌も、作品を象徴する音楽として知られています。
たむらぱんが歌うことで生まれ変わったメロディーFit’s版の歌唱を担当したのは、シンガーソングライターのたむらぱんです。
2009年3月25日付のライブドアニュースや、TOWER RECORDS ONLINEの記事は、たむらぱんが『狼少年ケンのテーマ』の替え歌を歌っていることを紹介しています。
原曲の親しみやすいメロディーを活用しながら、歌詞をガムの柔らかさや商品名に結びつけたことで、昔のアニメを知らない世代にも伝わりやすいCMソングになりました。
ここで押さえたいのは、役割の違いです。
- 小林亜星:原曲『狼少年ケン』の作曲者。
- 大野寛夫:原曲の作詞者。
- たむらぱん:Fit’s CM版の歌唱担当。
- 林尚司:TCCの広告記録に掲載されたCMコピーのコピーライター。
原曲の作詞・作曲者と、CMの歌唱者や広告コピーの制作者は別の役割です。この区別を理解すると、CMソングの制作背景がより明確になります。
なぜ『狼少年ケン』がCMの元ネタに選ばれたのかこの組み合わせの面白さは、昔から親しまれてきたアニメソングのリズムと、現代的な商品広告を組み合わせた点にあります。
CMでは、原曲のメロディーが持つ覚えやすさを生かしつつ、歌詞をFit’sの商品特徴に置き換えています。そこに、たむらぱんの独特な歌声とパパイヤ鈴木の振付が加わりました。
昔のアニメを知っている世代には懐かしく、知らない世代には新鮮に感じられる。この世代をまたぐ音楽の使い方が、広告としての強みになっていたと考えられます。
【2026年の視点】Fit’sのCMが今も記憶に残る理由とよくある誤解
2009年から17年が経過した2026年現在、Fit’sのCMを振り返る際に注目したいのは、音楽・ダンス・出演者の3要素が一体化していたことです。
当時のテレビCMは、単に商品を紹介するだけでなく、視聴者が口ずさめる言葉や、まねしたくなる動きを組み込んでいました。
現在のSNS動画やショート動画にも通じる広告手法ですが、Fit’sはYouTubeを使った参加型キャンペーンを2009年に展開していた点が特徴的です。
ネットで混同されやすい4つのポイント誤解1:「かむんとにゃんにゃん」が正式な曲名である
CMの正式な広告記録にあるフレーズは「噛むんとフニャン フニャン」です。「かむんとにゃんにゃん」は聞き取りや記憶による表現として区別できます。
誤解2:たむらぱんが原曲も作曲した
原曲『狼少年ケン』の作曲者は小林亜星さんです。たむらぱんはFit’s CM版の歌唱を担当しています。
誤解3:パパイヤ鈴木がCMソングを歌っている
パパイヤ鈴木さんの担当は振付です。歌唱担当はたむらぱんです。
誤解4:佐々木希と佐藤健がすべてのCMで一緒に踊っていた
初期CMは「ショッピング篇」と「犬の散歩篇」に分かれており、それぞれ出演者の組み合わせが異なりました。
こうした情報を確認するときは、当時の広告アーカイブ、発売時の新聞報道、音楽メディア、アニメ制作会社の作品情報を照合すると、人物や作品の取り違えを避けやすくなります。
【よくある質問】かむんとにゃんにゃんに関するFAQ
Q1:「かむんとにゃんにゃん」のCMは何のCMですか?
A1:2009年に放送されたロッテのガム「Fit’s(フィッツ)」のCMです。正式なフレーズは「噛むんとフニャン フニャン」。佐々木希さんや佐藤健さんらが出演しました。
Q2:Fit’sのCMソングを歌っているのは誰ですか?
A2:シンガーソングライターのたむらぱんです。『狼少年ケン』の主題歌をアレンジした替え歌を歌唱しています。
Q3:噛むとフニャンの原曲は何ですか?
A3:1963年放送開始のテレビアニメ『狼少年ケン』の主題歌です。作曲は小林亜星さん、作詞は大野寛夫さんです。
Q4:Fit’sのダンスを振り付けしたのは誰ですか?
A4:振付師のパパイヤ鈴木さんです。ガムの柔らかな食感を表現するため、身体をフニャンと動かす振付が採用されました。
Q5:2009年のFit’s CMには誰が出演していましたか?
A5:佐々木希さん、佐藤健さん、渡辺直美さん、西内まりやさん、山本ひかるさんらが出演しました。初期のショッピング篇と犬の散歩篇で出演者の組み合わせが異なります。
Q6:「噛むとフニャン」と「噛むんとフニャン」は同じ意味ですか?
A6:基本的には同じ商品の柔らかさを表現しています。「噛むとフニャン」はキャッチコピーとして知られる表現で、CMの歌詞では「噛むんとフニャン」という言い回しが使われています。
Q7:『狼少年ケン』の主題歌を作曲した小林亜星とはどんな人物ですか?
A7:テレビ番組やCM音楽など幅広い分野で活躍した作曲家です。『狼少年ケン』の主題歌も代表的な作品の一つとして知られています。
「かむんとにゃんにゃん」の正体は、2009年に人気を集めたロッテFit’sのCMソングです。正式な広告コピーに記録されているのは「噛むんとフニャン フニャン」「フニャンニャニャン」というフレーズでした。
歌唱はたむらぱん、振付はパパイヤ鈴木。出演者には佐々木希さん、佐藤健さん、渡辺直美さん、西内まりやさん、山本ひかるさんらが名を連ねています。
加えて、CMソングの原曲は1963年放送開始のアニメ『狼少年ケン』の主題歌で、作曲者は小林亜星さんです。
このCMの魅力は、懐かしいアニメソングのメロディー、覚えやすい広告コピー、思わずまねしたくなる振付を組み合わせたところにあります。テレビで流れる15秒や30秒の映像に、音楽とダンスと商品イメージを凝縮した広告作品でした。
2026年に懐かしいフレーズを検索するなら、「かむんとにゃんにゃん」だけでなく「噛むんとフニャン」「ロッテFit’s 2009年CM」「狼少年ケン 主題歌」という言葉も手がかりになります。聞き覚えのある歌の正体をたどると、当時の広告文化と昭和アニメ音楽の意外なつながりが見えてきます。
主な資料・参考記録: 東映アニメーション公式作品情報、東京コピーライターズクラブ広告作品アーカイブ、日本食糧新聞、J-CASTトレンド、TOWER RECORDS ONLINE、CDJournal。