親へのお年玉はいくら渡すのが適切なのか。社会人になって初めてのお正月や、結婚後に義両親と新年を迎えるとき、金額や渡し方に迷う人は少なくありません。子どもに渡すものという印象が強いお年玉ですが、親に日頃の感謝を伝える目的で現金を贈る家庭もあります。2026年のお年玉に関する実態調査でも、親を含む大人への金銭の贈り物が確認されています。
親へのお年玉には全国共通の金額基準がなく、両親にまとめて渡すのか、一人ずつ渡すのか、片親なのか、義両親なのかによっても考え方が変わります。加えて、本来のお年玉は目上から目下へ渡す習慣であるため、親に現金を贈る場合は「御年賀」や「御礼」といった名目を選ぶことも大切です。2026年の調査結果を踏まえ、無理のない金額設定から渡す時期、のし袋の選び方まで整理します。
【2026年最新】親へのお年玉は必要?相場と実際の調査データ

親へのお年玉は、必ず渡さなければならないものではありません。そもそもお年玉は、新年を迎える際に目上の人から目下の人へ贈る習慣として定着してきました。現在では、親から子どもや孫へ渡す現金を指すことが一般的です。
そのため、成人した子どもが親に現金を渡す場合、厳密には通常のお年玉とは性質が異なります。社会人になって経済的に自立したことを機に、育ててもらった感謝や新年の挨拶を込めて贈るものと考えると自然です。
親に渡すこと自体が問題なのではなく、相手との関係に合った名目や伝え方を選ぶことがポイントになります。
2026年のお年玉調査から見る実態2026年のお年玉事情を把握するうえで参考になるのが、紙製品メーカーの株式会社マルアイが2025年11月25日から26日に実施した「2026年お年玉に関する実態調査」です。
全国の20代以上の男女2,405人を対象に事前調査を行い、2026年のお正月にお年玉を渡す予定と回答した604人を対象に詳しい調査を実施しました。
主な結果は次のとおりです。
- 2026年のお正月にお年玉を渡す予定の人は40.4%。
- お年玉を渡す予定の人数は平均3人。
- 渡す相手は親戚の子どもが58.6%、自分の子どもが38.6%、孫・ひ孫が29.3%。
- 金額は全体として1,000円台〜4,000円台が中心。
- 現金をぽち袋に入れて手渡す方法が77.8%で最多。
この調査では、子どもだけでなく大人もお年玉を受け取る対象に含まれています。また、親(配偶者を含む)も1万円台〜4万円以上の金額を渡す相手として挙げられています。
ただし、調査結果の全体平均を、そのまま親へのお年玉の平均額と考えることはできません。親だけの平均金額が示されているわけではないためです。
参考までに、2025年のお年玉を対象とした前回のマルアイ調査では、親に渡す人のうち1万円以上を選んだ人が42.1%で最多でした。親への贈り物は、子ども向けのお年玉とは異なる金額設定をする家庭もあることがうかがえます。
【いくら渡す?】親へのお年玉の金額目安と両親・片親・義両親の考え方
両親へまとめて渡すなら5,000〜10,000円が実用的な目安両親にまとめてお年玉を渡す場合、実際の予算として考えやすいのは5,000〜10,000円程度です。
これは全国共通の統計上の平均額ではなく、家計への負担と贈り物としてのバランスを考えた実用的な金額例です。親が二人とも健在で、日頃から食事や買い物などで交流している家庭なら、世帯単位で一つの封筒にまとめても問題ありません。
経済的に余裕がある場合や、定年退職など人生の節目を迎えた親への感謝を込める場合は、10,000〜20,000円程度に設定する方法もあります。
両親に一人ずつ渡す場合父親と母親にそれぞれ渡したい場合は、一人あたり3,000〜5,000円程度を予算の目安にすると、合計金額を管理しやすくなります。
一人ずつ渡すメリットは、それぞれに感謝を伝えられることです。父親には趣味に使ってもらい、母親には好きなものを買ってもらうなど、本人の希望に合わせやすくなります。
ただし、金額に差をつける必要はありません。特別な事情がなければ同額にすると、余計な気遣いを生まずに済みます。
片親へのお年玉はどう考える?片親に渡す場合も、両親がいる家庭の金額を機械的に半分にする必要はありません。基本的には一人の親に対して渡す金額として考えます。
例えば、両親にまとめて10,000円を渡していた家庭なら、片親にも5,000〜10,000円程度を目安に検討できます。
親の生活状況や収入、自分自身の家計に余裕があれば金額を増やしても構いません。一方、生活費の補助を目的とするなら、お正月の贈り物とは分けて考えたほうが、継続的な支援の計画を立てやすくなります。
義両親へのお年玉は実の親と同額が基本結婚している場合、悩みやすいのが義両親へのお年玉です。
実の親には渡すのに義両親には渡さない、あるいは義両親だけに高額を渡すといった対応は、家庭内の不公平感につながる可能性があります。
おすすめは、夫婦で相談して実家と義実家の予算をそろえる方法です。例えば、双方の親に世帯単位で10,000円ずつ渡す、あるいは双方の父母にそれぞれ5,000円ずつ渡すといった形です。
ただし、家庭によっては義両親に現金を渡す習慣がなく、食事や手土産で新年の挨拶を済ませることもあります。配偶者に実家の慣習を確認してから決めると安心です。
関係性別の金額目安一覧金額を決める際の参考として、関係性別の実用的な予算例をまとめました。
| 贈る相手 | 金額の目安 | 考え方・注意点 |
|---|---|---|
| 両親へまとめて | 5,000〜10,000円 | 世帯単位で一つにまとめる |
| 父母それぞれ | 3,000〜5,000円ずつ | 基本的に同額にする |
| 片親 | 5,000〜10,000円 | 一人の親への贈り物として考える |
| 義両親 | 5,000〜10,000円 | 実家と同程度の予算を検討する |
| 生活支援も兼ねる場合 | 10,000〜30,000円 | 自分の家計を優先し、継続可能な範囲で設定する |
この金額はあくまで予算設計の参考例です。親の年齢や経済状況、家族の慣習によって適切な金額は変わります。特に生活支援を兼ねる場合は、通常の新年の贈り物とは目的を分けて考えることが大切です。
【渡す時期はいつ?】親へのお年玉とお年賀の違いを解説
渡すなら元日から三が日が自然親への新年の贈り物は、元日から1月3日までの三が日に渡すと自然です。実家に帰省する場合は、新年の挨拶を交わしたタイミングで渡すと、形式ばらずに感謝を伝えられます。
三が日に会えない場合は、松の内までを一つの目安にするとよいでしょう。
一般的な松の内の期間は地域によって異なり、関東では1月7日まで、関西では1月15日までとされることが多くなっています。高島屋の贈答マナーでも、この地域差を踏まえた案内がされています。
松の内を過ぎた場合はどうする?仕事や帰省の都合で松の内に渡せなかった場合は、無理にお年賀として渡す必要はありません。
松の内を過ぎてから立春の前日までは「寒中御見舞」などの表書きを使う方法があります。親しい間柄であれば、遅くなったことを一言添えて、普通の贈り物として渡してもよいでしょう。
お年玉とお年賀の違いお年玉とお年賀は、どちらも新年に関係する贈り物ですが、一般的な使われ方には違いがあります。
お年玉は子どもなど目下の人に渡す金銭的な贈り物、お年賀は新年の挨拶として大人や日頃お世話になっている人に贈る品物や贈答品という区別が基本です。
親に現金を渡す場合は、お年玉という呼び方にこだわらず、新年の挨拶や感謝の気持ちを表す贈り物として扱うと、上下関係を意識させずに済みます。
【失礼にならない渡し方】親へのお年玉ののし袋・表書き・マナー
「お年玉」と書かず「御年賀」「御礼」を選ぶ親に現金を渡す際に気をつけたいのが、封筒の表書きです。
三菱UFJカードの贈答マナー解説でも、お年玉は目上から目下へ渡すものとされ、自分の親に渡す場合は本来のお年玉とは区別する考え方が紹介されています。
そのため、親に渡す封筒には次のような表書きが適しています。
- 御年賀:新年の挨拶として現金を贈る場合。
- 御礼:日頃の感謝を伝えたい場合。
- 感謝:親しい親子関係で、気持ちを直接伝えたい場合。
- ほんの気持ち:堅苦しい形式を避けたい場合。
親しい間柄なら、表書きを省略したシンプルな封筒でも構いません。重要なのは、親を子ども扱いするような印象を与えないことです。
のし袋はどのようなものを選ぶ?現金を贈る場合は、金額に見合ったシンプルなのし袋や封筒を選びます。親に対する新年の贈り物なら、豪華すぎる祝儀袋よりも、落ち着いたデザインのものが使いやすいでしょう。
正式な新年の贈答として包む場合は、紅白の蝶結び(花結び)の水引が適しています。蝶結びは、何度あってもよい慶事や季節の挨拶に用いられる形式です。
一方、普段から気軽に贈り物を交換している家庭なら、無地の封筒や小さなのし袋でも十分です。
お札の入れ方と渡すときの注意点現金を包む際には、以下の点を意識すると丁寧な印象になります。
- できるだけ新札、またはきれいな状態のお札を用意する。
- お札は肖像がある面を表にして入れる。
- 小さな封筒を使用する場合は、お札を三つ折りにして整える。
- 金額に応じて封筒の大きさやデザインを選ぶ。
- 裸の現金を直接手渡ししない。
また、渡すときには人前で金額を強調したり、親の生活状況を必要以上に話題にしたりしないことも大切です。
「いつもありがとう。今年も元気でいてね」「少しだけど、お正月に使ってね」といった自然な言葉を添えるだけで、贈り物の印象は変わります。
【現金以外でも喜ばれる】親がお年玉を断る理由とおすすめの正月プレゼント
親がお年玉を断るのはなぜ?親に現金を渡そうとしたとき、「そんなものはいらない」「自分たちのために使いなさい」と断られることがあります。
こうした反応には、いくつかの背景が考えられます。
- 子どもの生活を心配している:結婚や子育て、住宅費など、本人の生活を優先してほしい。
- 親としての立場を大切にしている:子どもからお金を受け取ることに、まだ慣れていない。
- 金銭的な援助を必要としていない:自分たちの収入や貯蓄で十分に生活できている。
- 現金より別の形の贈り物を好む:食事や旅行、日用品など、実際に使えるものを喜ぶ。
断られたからといって、感謝の気持ちそのものを拒否されたと受け止める必要はありません。親にとっては、子どもが自分の生活を大切にしていることが何よりうれしい場合もあります。
何度も現金を差し出すより、「じゃあ、お正月の食事は私たちに払わせてね」と別の形に切り替えるほうが、自然に受け入れてもらえることがあります。
親へのお年玉におすすめの現金以外の贈り物現金を受け取ってもらえない場合や、普段から物を贈ることが多い家庭なら、親の好みや生活に合った品物を選ぶ方法があります。
- グルメ・食品:高級なお肉、海産物、和菓子、果物など。
- お茶・コーヒー:毎日の休憩時間に楽しめる飲み物のセット。
- 衣類・日用品:暖かいパジャマ、ブランケット、使いやすい生活用品。
- 食事のプレゼント:家族での外食や、少し特別なランチ。
- 旅行・体験ギフト:温泉旅行、日帰り旅行、観劇などの体験。
- ギフトカード:親が普段利用する店舗やサービスで使えるもの。
特におすすめなのは、親が自分では購入を後回しにしているものです。日常的に使える食品や衣類、家族で過ごす時間などは、金額以上に喜ばれることがあります。
親孝行につながるお正月プレゼントの選び方お正月の贈り物は、必ずしも高価である必要はありません。親が普段どのような生活を送り、何を必要としているのかを考えることが大切です。
例えば、外出が好きな親には食事や旅行、家で過ごす時間が長い親には食品や生活用品など、本人の趣味や生活スタイルに合ったものを選ぶとよいでしょう。
また、遠方に住んでいてなかなか帰省できない場合は、配送で品物を届けたり、電話やビデオ通話で新年の挨拶をしたりすることも立派な親孝行です。
現金にこだわらず、親が本当に喜ぶ方法を選ぶことが、無理なく続けられる贈り物につながります。
【プロの結論】親へのお年玉で失敗しない3つの判断基準
1. 自分の家計を圧迫しない金額にする親孝行をしたいという気持ちが強くても、生活費や貯蓄を削ってまで高額なお年玉を渡す必要はありません。
2026年のお年玉調査でも、金額を前年から変えない理由として、渡す相手の人数が変わらないことや、経済的な余裕の問題が挙げられています。物価上昇が続くなか、贈る側の負担を考えることも大切です。
最初から無理のない金額に設定し、毎年同じ予算で続けるほうが、親子双方にとって安心できる関係を保ちやすくなります。
2. 実家と義実家のバランスを考える結婚している人は、実の親と義両親への金額や贈り方を夫婦で話し合っておくことをおすすめします。
双方の親に同額を渡すことが必ずしも正解ではありませんが、世帯単位で予算を統一する、現金ではなく双方に同程度の品物を贈るなど、納得できるルールを決めておくとトラブルを避けやすくなります。
3. 金額よりも受け取る親の気持ちを優先する親が現金を望んでいないなら、無理に渡す必要はありません。親の希望に合わせて、食事やプレゼント、家族で過ごす時間などに置き換えることもできます。
親へのお年玉の本質は、金銭を渡すことではなく、日頃の感謝を伝えることです。形式にこだわりすぎず、親子双方が気持ちよく新年を迎えられる方法を選びましょう。
親へのお年玉に関するよくある質問(FAQ)
Q1:親へのお年玉はいくら渡すのが一般的ですか?
A1:全国共通の決まった相場はありません。予算の参考例として、両親にまとめて渡すなら5,000〜10,000円程度、一人ずつなら3,000〜5,000円程度が考えやすい金額です。自分の収入や親の状況に合わせて調整しましょう。
Q2:親にお年玉を渡すのはマナー違反ですか?
A2:親に感謝の気持ちを込めて現金を贈ること自体が問題になるわけではありません。ただし、お年玉は本来、目上から目下へ渡す習慣です。親には「御年賀」「御礼」などの名目で渡すと自然です。
Q3:片親の場合、お年玉の金額は半分にすべきですか?
A3:必ず半分にする必要はありません。一人の親への贈り物として5,000〜10,000円程度を参考にし、生活状況や自分の予算に合わせて決めるとよいでしょう。
Q4:義両親にも実の親と同じ金額を渡すべきですか?
A4:必ず同額にする決まりはありませんが、夫婦で予算を統一しておくと安心です。実家と義実家それぞれの慣習を確認し、双方が納得できる方法を選びましょう。
Q5:親へのお年玉はいつ渡せばよいですか?
A5:元日から三が日までに渡すと自然です。遅くなる場合は、関東では1月7日、関西では1月15日を目安とする松の内までに新年の挨拶とともに渡す方法があります。
Q6:親がお年玉を受け取ってくれない場合はどうすればよいですか?
A6:無理に受け取ってもらう必要はありません。外食をごちそうする、食品や日用品を贈る、旅行をプレゼントするなど、親が喜ぶ形に切り替えるとよいでしょう。
Q7:親へのお年玉はポチ袋に入れてもよいですか?
A7:親しい家庭ならシンプルな封筒でも問題ありません。正式な贈答として渡す場合は、御年賀や御礼と書いたのし袋を使うと丁寧です。「お年玉」と書かれた子ども向けのぽち袋は避けるのが無難です。
親へのお年玉には、全国共通の金額基準や必ず渡さなければならない決まりはありません。両親へまとめて渡すなら5,000〜10,000円程度、一人ずつなら3,000〜5,000円程度を予算の参考にしながら、家庭の状況に合わせて決めるとよいでしょう。
片親や義両親への贈り物も、人数だけで金額を機械的に決めるのではなく、親の希望や家族の慣習、自分たちの経済状況を踏まえて考えることが大切です。
渡す時期は三が日から松の内を目安にし、現金を贈る場合は「御年賀」「御礼」などの表書きを選ぶと、目上の親に対しても自然な新年の贈り物になります。
もし親が現金を断るなら、食事や品物、旅行などに切り替えても構いません。大切なのは金額の大きさではなく、これまで育ててくれたことへの感謝を、自分たちにできる方法で伝えることです。2026年のお正月も、親子双方が気持ちよく過ごせる贈り方を選びましょう。
主な根拠資料
- 株式会社マルアイ「2026年お年玉に関する実態調査」(2025年12月16日公表)
- 株式会社マルアイ「2025年お年玉に関する実態調査」
- 三菱UFJカード「お年玉の相場は?金額の目安やマナー、キャッシュレス対応方法」
- 高島屋「ギフトの贈り方とマナー・豆知識」
- 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」