まず注目したいのが、一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会と、通学用品メーカーのフットマーク株式会社が公表した2026年の調査結果です。
ランドセル工業会の調査では祖父母が52.4%ランドセル工業会が公表した「ランドセル購入に関する調査2026」は、2026年4月に小学校へ進学する児童のために、新しくランドセルを購入した20~69歳の男女1,500人を対象に実施されました。調査業務は株式会社クロス・マーケティングが担当しています。
購入費用を負担した人の内訳は、次のとおりです。
- 両親:44.2%
- 父方の祖父母:27.9%
- 母方の祖父母:24.5%
- その他・不明:3.4%
父方と母方の祖父母を合わせると、52.4%になります。
つまり、この調査では両親よりも祖父母が費用を負担した割合のほうが高く、祖父母がランドセルを入学祝いとして贈る習慣が現在も根強く残っていることが分かります。
特に注目したいのは、父方と母方の差が3.4ポイントにとどまっている点です。どちらか一方の祖父母が圧倒的に多いという結果ではありません。
フットマークの調査では親が55.1%一方、2026年4月23日にフットマークが発表した「布製ランドセルの認知度に関する調査2026」では、異なる傾向が示されました。
小学1年生の子どもを持つ保護者1,200人を対象にした調査で、最終的にランドセル代を支払った人を見ると、次のような変化が確認されています。
- 親:2023年44.2%から2026年55.1%へ
- 祖父母:2023年53.4%から2026年42.3%へ
親の支払い割合は過半数を超え、祖父母の割合は11.1ポイント減少しました。
同社は、ランドセルが「祖父母が贈るもの」から「親と子が選んで買うもの」へ変わりつつあると分析しています。
ただし、フットマークの調査は布製ランドセルの認知度を主題とした調査です。ランドセル工業会の購入者調査と全く同じ設計ではありません。
どちらの調査が正しいのか?ここで注意したいのが、52.4%と55.1%を直接比較して、どちらかが間違っていると判断しないことです。
ランドセル工業会は、購入した家庭における父方・母方の祖父母と両親の負担を分けて集計しています。
一方、フットマークは小学1年生の保護者を対象とし、最終支払い者の変化を比較しています。
調査対象や質問の設計が異なるため、結果に差が出るのは不自然ではありません。
2026年の実態は、祖父母が購入する家庭も依然として多い一方、親が自分たちで購入する家庭も過半数を占める調査がある、ということです。
「ランドセルは祖父母が買うもの」と決めつける必要はありません。家庭の経済状況や祖父母との関係、親子の希望に合わせて選ぶ時代になっています。
【父方・母方どっち?】ランドセルを買う祖父母に決まりはある?

ランドセル購入で意外に難しいのが、父方と母方のどちらの祖父母にお願いするかという問題です。
両家とも孫の入学を楽しみにしている場合、どちらが購入するのかを決めるだけでも気を遣います。
2026年の調査では父方の祖父母がわずかに多いランドセル工業会の2026年調査では、父方と母方の祖父母の負担割合は次の結果でした。
- 父方の祖父母:27.9%
- 母方の祖父母:24.5%
父方が3.4ポイント上回っていますが、大きな開きではありません。
この結果から、父方の祖父母が買うのが一般的、あるいは母方の祖父母が買うべき、といった一律の慣習があるとは判断できません。
地域や親族の考え方、祖父母との距離、家計の状況などによっても変わります。
父方・母方それぞれに購入を申し出られたら?両家から「ランドセルを買ってあげたい」と申し出があった場合は、早い段階で両親が調整役になることが大切です。
おすすめなのは、次の3つの方法です。
方法1:一方がランドセル、もう一方が別の入学祝いを贈る
父方の祖父母にランドセルをお願いし、母方の祖父母には学習机や通学用品などを相談する方法です。
ただし、金額を完全に同じにする必要はありません。双方の希望や予算を尊重しましょう。
方法2:両家でランドセル代を分担する
両家ともランドセルを贈りたい場合は、費用を分ける方法もあります。
例えば、6万円のランドセルなら、父方3万円、母方3万円という形です。
方法3:両親が購入し、祖父母には別のお祝いをお願いする
親が子どもの希望する商品を購入したい場合は、ランドセル代を自分たちで負担し、祖父母には入学用品など別の形でお祝いしてもらう方法もあります。
大切なのは、どちらの祖父母の気持ちも無下にしないことです。
【費用はいくら?】ランドセル購入費用の負担と折半パターン
誰が買うかを決める際には、実際にいくらかかるのかも重要です。
ランドセルは素材やブランド、機能によって価格が異なり、購入費用をどう分けるかによって家計への影響も変わります。
2026年のランドセル平均購入金額は62,034円ランドセル工業会の2026年調査によると、平均購入金額は62,034円でした。
加えて、65,000円以上の価格帯を選んだ人は46.0%。購入価格が比較的高い商品を選ぶ家庭も少なくありません。
例えば、平均購入金額を基準に費用を分けると、以下のようになります。
- 両親が全額負担:62,034円
- 両親と祖父母で半分ずつ:各31,017円
- 父方・母方・両親の3者で均等に分担:約20,678円ずつ
※いずれも2026年の平均購入金額を使った計算例です。
ランドセル購入費用の代表的な4パターン家庭で採用しやすい負担方法は、大きく4つあります。
① 祖父母が全額負担する
昔からある入学祝いの形です。
祖父母が孫へのプレゼントとして購入費用を出し、両親と子どもが商品を選ぶ方法です。
② 両親が全額負担する
親が購入計画を立て、子どもの希望や予算に合わせて商品を選びます。
祖父母に気を遣わずに購入できるため、希望するブランドや機能が決まっている家庭にも向いています。
③ 祖父母と両親で折半する
祖父母から一定額を入学祝いとして受け取り、残りを両親が負担します。
例えば、祖父母が3万円、両親が3万2,034円という形です。
この方法なら、祖父母の気持ちを受け取りながら、親子の希望に合った商品を購入できます。
④ 父方・母方の祖父母で折半する
両家ともランドセルを贈りたい場合に適した方法です。
一方の祖父母だけに負担が集中しないというメリットがあります。
ただし、最初に予算や支払い時期を決めておかないと、どちらがいくら負担するのか曖昧になりやすいため注意が必要です。
折半するときは差額の扱いも決めておくランドセル代の折半で見落としやすいのが、予算を超えた場合の対応です。
例えば、祖父母が3万円まで負担すると申し出てくれた場合、希望するランドセルが7万円なら差額4万円を誰が負担するのか、購入前に話しておきましょう。
また、送料や名入れ、付属品などを含めるのかも決めておくと安心です。
費用負担を明確にしておけば、購入後に「思ったより高かった」「そこまで出すつもりではなかった」といった行き違いを防ぎやすくなります。
【誰が選ぶ?】ランドセルを買う人と決める人は別でもいい
ランドセル購入では、費用を負担する人と商品を選ぶ人を同じにする必要はありません。
例えば、祖父母が代金を出し、両親と子どもが一緒に選ぶ家庭もあります。
むしろ、この役割分担を最初に決めておくと、家族間のトラブルを防ぎやすくなります。
子ども自身が最終決定者になるケースが多いフットマークの2026年調査について、監修した白土健・大正大学名誉教授は、最終決定者が子ども自身である割合が83.3%と高いことにも触れています。
この数字から分かるのは、祖父母が購入費用を負担する場合でも、実際の商品選びでは子どもの意思が大切にされているということです。
ランドセルは入学時だけでなく、その後6年間にわたって使うものです。
そのため、本人が気に入った色やデザインを選ぶことには大きな意味があります。
家族それぞれの役割を分けるとスムーズおすすめの役割分担は次のとおりです。
- 子ども:好きな色、デザイン、背負ったときの感想を伝える。
- 両親:予算、重量、サイズ、収納力、保証、身体へのフィット感を確認する。
- 祖父母:プレゼントとしての予算を決め、購入費用を負担するか相談する。
例えば、子どもが紫色のランドセルを希望していても、親が背負いやすさや重さを確認すると、別の商品が候補に入ることもあります。
その場合は、親が一方的に決めるのではなく、条件に合う複数の商品を提示し、最後は子どもに選んでもらう方法がおすすめです。
お金を出す人が商品まで決める必要はない祖父母に購入してもらうときに注意したいのが、プレゼントする側と使う側の希望が異なるケースです。
祖父母が高級な革製ランドセルを贈りたいと思っていても、子どもは軽い素材や別の色を希望する可能性があります。
逆に、子どもが希望する商品が予算を超えてしまう場合もあります。
こうしたすれ違いを防ぐためには、購入前に次の内容を共有しておくことが大切です。
1. 予算の上限
2. 子どもの希望する色やデザイン
3. 親が確認したい機能や重量
4. 最終的に誰が商品を決定するか
費用を出してくれる人への感謝と、6年間使う子どもの意思を両立させることが、納得できるランドセル選びにつながります。
【ラン活はいつから?】祖父母への頼み方と購入トラブルを防ぐ方法
ランドセル選びは「ラン活」と呼ばれるほど、早い時期から情報収集を始める家庭が増えています。
購入時期が早まると、祖父母への相談や予算決めも前倒しで必要になります。
2026年調査で分かったラン活の開始時期ランドセル工業会の2026年調査では、検討を始めた時期は4月が16.7%で最多でした。
また、入学前々年の12月も14.9%、5月も10.5%となっています。
フットマークの調査でも、入学1年前の4月以前に購入した家庭が16.7%とされ、早期に準備を進める傾向が確認されています。
こうした早期化の背景には、ランドセルの種類やデザインの増加があります。
フットマークの調査では、ラン活で苦労したこととして「選択肢が多すぎて迷った」が34.3%でした。一方、「特に困ったことはなかった」という回答も42.8%あります。
選択肢が多いからこそ、購入直前になって家族の意見を調整するのではなく、早めに予算と役割を決めておくことが大切です。
祖父母にランドセルを買ってもらうときの頼み方祖父母に購入をお願いしたい場合、いきなり「ランドセルを買ってほしい」と伝えるより、入学祝いについて相談する形がおすすめです。
例えば、次のような伝え方が考えられます。
「小学校の入学準備を始めようと思っているんだけど、もし入学祝いを考えてくれているなら、ランドセルをお願いできたらうれしいなと思っているよ。子どもの希望も聞きながら選びたいので、予算や購入方法について一度相談させてね」
要点は、購入を当然のこととしてお願いしないことです。
祖父母にも予算や希望があるため、無理のない範囲で考えてもらう姿勢が大切です。
また、次のような情報を事前に伝えておくと、話が具体的になります。
- ランドセルの希望価格帯
- 子どもが希望する色やデザイン
- 購入を予定している時期
- 一緒に店舗へ行きたいのか、代金だけお願いしたいのか
商品を決めてからお願いするより、購入前に相談するほうが双方の希望を調整しやすくなります。
ランドセル購入で祖父母とトラブルになりやすいケース親族間で起きやすい行き違いには、いくつかのパターンがあります。
ケース1:父方と母方の祖父母がそれぞれ購入するつもりだった
両家ともランドセルを買うつもりでいたのに、片方の祖父母に先に購入をお願いしてしまうケースです。
対策として、購入を決める前に両家の希望を確認しておきましょう。
ケース2:祖父母が購入した商品を子どもが気に入らない
祖父母が善意で選んだ商品でも、子どもの好みと一致するとは限りません。
色やデザインの希望を事前に共有し、できれば子どもと一緒に選ぶ機会を設けると安心です。
ケース3:祖父母が想定していた予算と希望商品が合わない
祖父母は5万円程度を考えていたのに、子どもが8万円の商品を希望するなど、予算の差が生じることがあります。
この場合は、祖父母の予算を超えた分を両親が負担するなど、柔軟に調整しましょう。
ケース4:両家の負担額に差が出て不満が残る
一方の祖父母だけが高額な費用を負担した場合、もう一方との間で気まずさが生じることもあります。
金額だけで公平性を判断するのではなく、それぞれの家庭の事情や贈りたい気持ちを尊重が必要です。
ランドセル購入時の親族間マナーで押さえたいことランドセルを誰が買うかについて、父方・母方のどちらかが必ず負担しなければならないという全国共通の決まりはありません。
そのため、次の4点を意識するとスムーズです。
- 祖父母に購入をお願いする前に、両親同士で方針を決める。
- 両家から申し出があった場合は、早めに相談する。
- 購入費用を負担してもらう場合でも、商品選びに参加してもらうかどうかを共有する。
- 購入してもらったら、感謝の気持ちをきちんと伝える。
特に大切なのは、祖父母の好意を当然のものと考えないことです。
ランドセル代を出してもらわない家庭でも、親が購入することに何の問題もありません。経済的な事情によっては、無理をせず自分たちの予算内で選ぶことが大切です。
【ランドセル誰が買う?】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ランドセルは親と祖父母のどちらが買うのが一般的ですか?
A1:2026年のランドセル工業会の調査では、父方・母方の祖父母を合わせた負担割合が52.4%で、両親の44.2%を上回っています。一方、フットマークの調査では親が55.1%でした。どちらが買っても問題なく、家庭ごとの事情に合わせて決められます。
Q2:ランドセルは父方と母方のどちらの祖父母が買うものですか?
A2:全国共通の決まりはありません。2026年のランドセル工業会調査では父方27.9%、母方24.5%で、両者に大きな差はありません。両家の希望や予算を確認し、話し合って決めるのがおすすめです。
Q3:祖父母にランドセルを買ってもらう場合、誰が商品を選びますか?
A3:費用を出す人と商品を選ぶ人は別でも構いません。フットマークの2026年調査では、最終決定者が子ども自身という割合は83.3%でした。親が機能や予算を確認し、子どもが色やデザインを選び、祖父母が費用を負担する方法もあります。
Q4:ランドセルの購入費用は折半してもよいですか?
A4:問題ありません。両親と祖父母で半分ずつ負担したり、父方・母方の祖父母で分けたりする方法があります。購入前に負担額と差額の扱いを決めておくと安心です。
Q5:2026年のランドセルの平均購入価格はいくらですか?
A5:ランドセル工業会の2026年調査では、平均購入金額は62,034円です。65,000円以上の商品を購入した人も46.0%います。予算は平均価格だけで決めず、家庭の経済状況や必要な機能に合わせて検討しましょう。
Q6:ランドセルはいつから購入準備を始めればよいですか?
A6:2026年のランドセル工業会調査では、検討開始時期は4月が16.7%で最多でした。入学前々年の12月から検討する家庭もあります。人気商品や希望するモデルを選びたい場合は、早めに情報収集を始めると余裕を持って準備できます。
2026年の調査から、ランドセルの購入費用を負担する人は家庭によって異なることが改めて分かりました。
ランドセル工業会では祖父母の負担割合が合計52.4%、フットマークでは親の負担割合が55.1%という結果です。
父方と母方の祖父母についても、父方27.9%、母方24.5%と大きな差はありません。
つまり、ランドセルは祖父母が買うものという固定観念にとらわれず、両親が購入する方法や、両家で費用を折半する方法など、家庭に合った形を選んでよいのです。
【プロの結論】失敗しないランドセル購入の3つの判断基準最後に、購入時に押さえておきたいポイントを整理します。
1.費用を負担する人を先に決める
祖父母にお願いするのか、両親が購入するのか、両家で折半するのかを早めに話し合います。
2.商品を決めるときは子どもの意思を尊重する
ランドセルは6年間使うものです。購入費用を出してくれる人への感謝を忘れず、実際に使う子どもの好みや身体へのフィット感も大切にしましょう。
3.父方・母方の祖父母への配慮を忘れない
両家から購入の申し出があった場合は、どちらか一方の気持ちを置き去りにしないようにします。ランドセル以外の入学祝いをお願いするなど、柔軟に考えることもできます。
ランドセルは、子どもの小学校生活の始まりを彩る大切な贈り物です。
誰が購入したか、誰が多く費用を負担したかを競う必要はありません。親、祖父母、そして子ども本人が納得できる方法を選び、気持ちよく入学の日を迎えられることが何より大切です。