ロマンティックアセクシャル(Romantic Asexual)とは、他者に恋愛感情を抱くことはあっても、他者に対する性的な惹かれをほとんど、またはまったく経験しない人を指す言葉です。
英語では「Romantic Asexual」と表記され、日本語では「ロマンティック・アセクシュアル」「ロマンティックアセクシャル」といった表記が使われています。
ここで重要なのは、「好き」という感情には複数の種類があるという点です。
例えば、次のような感情は必ずしも一致しません。
- 恋愛的な惹かれ: 特定の人を恋愛対象として好きになる、恋人になりたいと思う感覚。
- 性的な惹かれ: 特定の人に性的な魅力を感じ、その人に性的な関心が向く感覚。
- 情緒的な惹かれ: 相手と心を通わせたい、深い信頼関係を築きたいと思う感覚。
- 美的な惹かれ: 相手の外見や雰囲気を美しい、魅力的だと感じる感覚。
ロマンティックアセクシャルの場合、恋愛的な惹かれは存在しても、性的な惹かれは存在しない、あるいは非常に弱いという組み合わせが考えられます。
この区別は、国立社会保障・人口問題研究所の『人口問題研究』に掲載されたアロマンティック/アセクシュアルに関する研究でも取り上げられています。同研究では、性的惹かれは恋愛感情や性的欲望、性行動とは独立して考えられる要素として整理されています。
恋愛感情があっても性的な関係を望むとは限らない具体的には、次のような感覚が考えられます。
- 好きな人とデートをしたい。
- 手をつないだり、抱きしめたりすることに喜びを感じる。
- 相手と特別な関係を築きたい。
- 恋人として一緒に過ごす将来を想像する。
- しかし、相手に性的な魅力を感じたり、性的な関係を求めたりする感覚はない。
ただし、スキンシップに対する好みや性的な関係への考え方には個人差があります。
キスやハグを好む人もいれば、苦手な人もいます。恋愛関係を望んでいても、性的な接触を望むとは限りません。
つまり、恋愛感情があることと、性的な欲求があることを同じものとして扱わないことが理解の出発点になります。
【違いを比較】アセクシュアル・アロマンティック・ノンセクシュアルは何が違う?

ロマンティックアセクシャルを調べる際に混乱しやすいのが、アセクシュアルやアロマンティックとの関係です。
これらは似た言葉ですが、注目している感情の種類が異なります。
アセクシュアルとの違いアセクシュアル(Asexual)は、他者に性的に惹かれない、またはその程度が低い性的指向を指します。
一方、恋愛感情があるかどうかは、アセクシュアルという言葉だけでは決まりません。
アセクシュアルの人にも、恋愛感情を抱く人と、恋愛感情をほとんど抱かない人がいます。
したがって、ロマンティックアセクシャルはアセクシュアルと対立する概念ではありません。アセクシュアルの中でも、恋愛的な惹かれを経験する人を表すカテゴリーです。
アロマンティック・アセクシュアルとの違いアロマンティック(Aromantic)は、他者に恋愛的に惹かれない、またはその程度が低い恋愛的指向です。
アロマンティック・アセクシュアル(AroAce)は、恋愛的な惹かれと性的な惹かれの両方がない、または非常に少ないあり方を指します。
両者の違いは、恋愛感情の有無にあります。
- ロマンティック・アセクシュアル:恋愛的に惹かれることがあるが、性的には惹かれない。
- アロマンティック・アセクシュアル:恋愛的にも性的にも惹かれない、またはその程度が低い。
ただし、恋愛的な惹かれの強さや経験頻度には個人差があります。
関連する用語を一覧で比較| 用語 | 恋愛的な惹かれ | 性的な惹かれ | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| ロマンティック・アセクシュアル | ある | ない・非常に少ない | 恋愛感情を抱くアセクシュアル |
| アロマンティック・アセクシュアル | ない・非常に少ない | ない・非常に少ない | 恋愛的にも性的にも惹かれない |
| アセクシュアル | 個人差がある | ない・非常に少ない | 性的な惹かれがないあり方 |
| アロマンティック | 個人差がある | 個人差がある | 恋愛的な惹かれがないあり方 |
| アロマンティック・セクシュアル | ない・非常に少ない | ある | 性的には惹かれるが恋愛的には惹かれない |
| デミセクシュアル | 個人差がある | 情緒的なつながりの形成後に生じることがある | 特定の条件下で性的に惹かれる |
この比較からも分かるように、恋愛感情と性的な惹かれは、必ずしも一つの方向にそろうわけではありません。
ノンセクシュアルの意味にも注意ノンセクシュアル(Nonsexual)は、日本ではロマンティック・アセクシュアルに近い意味で使われることがある言葉です。
一般的な日本語の説明では、恋愛感情を抱く一方で、他者に性的な惹かれを感じない人を表す場合があります。
ただし、団体やコミュニティによっては「性的欲求を持たない」という意味を重視するなど、定義に違いがあります。
国立社会保障・人口問題研究所の研究でも、日本では英語圏と異なる用語の使い方が存在し、アセクシュアルとノンセクシュアルの意味が必ずしも統一されていないことが指摘されています。
そのため、ノンセクシュアルという言葉を見かけた場合は、どのような定義で使用されているかを確認することが大切です。
【恋愛的指向の分類】ヘテロロマンティック・アセクシュアルやバイロマンティック・アセクシュアルとは?
ロマンティックアセクシャルをさらに詳しく理解するには、性的指向と恋愛的指向を分けて考える必要があります。
性的指向は、主に誰に性的に惹かれるかという方向性を示します。
一方、恋愛的指向は、誰に恋愛感情を抱くかという方向性を示します。
例えば、異性に恋愛感情を抱く人が、必ずしも異性に性的な魅力を感じるとは限りません。
この2つを分けて捉える考え方が、スプリット・アトラクション・モデル(Split Attraction Model)です。
スプリット・アトラクション・モデルとは?スプリット・アトラクション・モデルは、恋愛的な惹かれと性的な惹かれを別々の軸で理解する考え方です。
特にアセクシュアルやアロマンティックのコミュニティで活用されてきました。
例えば、恋愛感情を抱く相手の性別と、性的に惹かれる相手の性別が異なる場合、それぞれを別の言葉で表現できます。
このモデルによって、従来の「好きな相手には性的にも惹かれるはず」という前提だけでは説明できない、多様なセクシュアリティを理解しやすくなります。
代表的な恋愛的指向の分類ロマンティックアセクシャルの中にも、恋愛感情を抱く相手の性別によって異なる呼び方があります。
ヘテロロマンティック・アセクシュアル
自分とは異なる性別の人に恋愛感情を抱く一方、他者に性的に惹かれない人を指します。
例えば、異性に恋愛感情を抱き、恋人として付き合いたいと思うものの、その人に性的な魅力を感じないケースです。
バイロマンティック・アセクシュアル
複数の性別の人に恋愛感情を抱く一方、他者に性的に惹かれない人を指します。
恋愛対象の性別と性的な惹かれの有無は、別々に考えられます。
ホモロマンティック・アセクシュアル
自分と同じ性別の人に恋愛感情を抱く一方、性的には他者に惹かれない人を指します。
このほか、恋愛的に惹かれる相手の性別を限定しないパンロマンティックなどの表現もあります。
これらは、恋愛的指向を示す言葉とアセクシュアルという性的指向を組み合わせたものです。
アセクシュアル・スペクトラムとの関係アセクシュアル・スペクトラム(Ace Spectrum)は、性的な惹かれがない人だけでなく、限定的な条件や頻度で性的に惹かれる人なども含めて捉える包括的な概念です。
代表的な関連用語には次のものがあります。
- グレイセクシュアル: 性的に惹かれる経験が非常に少ない、または限定的な人。
- デミセクシュアル: 相手との情緒的なつながりが形成された場合に、性的に惹かれることがある人。
- アセクシュアル: 他者に性的に惹かれない、またはその程度が低い人。
恋愛的な指向にも同様に、グレイロマンティックやデミロマンティックなどのカテゴリーがあります。
ただし、デミセクシュアルはロマンティックアセクシャルと同じ意味ではありません。前者は情緒的なつながりを条件とした性的な惹かれが生じることを示し、後者は性的な惹かれがないことと恋愛的な惹かれがあることの組み合わせを示します。
【特徴と見分け方】自分がロマンティックアセクシャルかもしれないと感じたら
ロマンティックアセクシャルには、外見や行動だけで判断できる特徴があるわけではありません。
恋愛をしているか、交際経験があるか、性行為をしたことがあるかといった事実だけでは、その人の性的指向を判断できません。
大切なのは、自分がどのような感情を経験しているのかを振り返ることです。
代表的な感覚や経験次のような感覚がある場合、ロマンティックアセクシャルという言葉が自分の経験を説明する手がかりになる可能性があります。
1. 恋愛感情は自然に生まれる
誰かを好きになったり、恋人になりたいと思ったりすることがある。
2. 好きな相手に性的な魅力を感じない
相手を大切に思っていても、その人に性的に惹かれる感覚がない。
3. 恋愛と性行為を別のものとして考える
恋人と一緒にいたい気持ちはあるものの、性的な関係を恋愛の必須条件とは感じない。
4. 精神的な親密さを重視する
会話や信頼、安心感、一緒に過ごす時間などに強い価値を感じることがある。
5. 周囲の恋愛観と自分の感覚に違いを感じる
周囲の人が恋愛感情と性的な惹かれを自然に結びつけて話すとき、自分には同じ感覚がないと気づくことがある。
これらはあくまで考えるための例であり、すべてに当てはまる必要はありません。
ロマンティックアセクシャルの見分け方で間違えやすいポイント特に注意したいのは、以下のような経験だけで自分の指向を決めつけないことです。
- 性行為に興味がない時期がある。
- 恋人ができたことがない。
- 過去の恋愛で性的な関係を望まなかった。
- 性欲が弱い、または強い。
- 恋愛経験が少ない。
例えば、恋愛経験がない人でも、他者に恋愛的・性的に惹かれることはあります。
逆に、恋人がいたり性行為の経験があったりしても、アセクシュアルを自認する人はいます。
経験した行動と、内面で感じる惹かれは別のものです。
2024年にお茶の水女子大学の研究者が発表した質的研究では、アロマンティックまたはアセクシュアルを自認する14人への半構造化面接を通じて、当事者の語りが分析されました。恋愛的指向と性的指向を分けて考えることが、経験の理解に役立つことを示す研究の一つです。
自分の感覚に合う言葉を探すことはできますが、必ずしも今すぐ特定のカテゴリーを選ぶ必要はありません。
【性欲との違い】性的に惹かれない人にも性欲はある?
ロマンティックアセクシャルを理解するうえで、特に混同されやすいのが性欲と性的惹かれの違いです。
この2つは関係することがありますが、同じものではありません。
性欲とは何か性欲(Libido)は、性的な欲求や衝動そのものを指します。
例えば、特定の相手がいなくても性的な欲求が生じることがあります。
一方、性的惹かれ(Sexual Attraction)は、特定の他者に性的な魅力を感じることです。
つまり、性欲があることと、特定の誰かに性的に惹かれることは別々に起こり得ます。
性欲と性的惹かれの違い| 比較項目 | 性欲 | 性的惹かれ |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 性的な欲求や衝動 | 特定の他者への性的な魅力 |
| 特定の相手 | 必ずしも必要ではない | 特定の相手に向かう |
| 性欲の強さ | 強い人も弱い人もいる | 有無や頻度に個人差がある |
| アセクシュアルとの関係 | 存在する場合がある | ない、または非常に少ない |
| 性行為との関係 | 必ずしも行動に結びつかない | 必ずしも行動に結びつかない |
この違いは、アセクシュアル研究でも重要視されています。
アセクシュアルでも自慰行為や性行為をすることはあるアセクシュアルだからといって、必ず性欲がないわけではありません。
性的な惹かれを感じなくても、身体的な欲求がある人はいます。
そのため、次のようなケースも考えられます。
- 性欲はあるが、特定の人に性的な魅力を感じない。
- 自慰行為をすることがある。
- パートナーとの合意のもとで性行為をする。
- 性行為に関心がなく、行わないことを望む。
どのケースも、個人の感じ方や選択によって異なります。
アセクシュアルは禁欲や性交経験の有無を示す言葉ではなく、性的な惹かれのあり方を表す言葉です。
また、性的な欲求が少ないことだけを理由に、病気や障害と判断することも適切ではありません。本人がどのように感じているか、生活上の困りごとがあるかなどは、別の問題として考える必要があります。
【恋愛関係の実態】ロマンティックアセクシャルは恋人を作れる?結婚やパートナーシップは?
ロマンティックアセクシャルの人が恋愛関係を築くことは可能です。
性的な惹かれがないことと、誰かを好きになることは両立します。
ただし、どのような関係を望むかは人によって異なります。
恋愛関係を築く人もいるロマンティックアセクシャルの人の中には、一般的な恋愛と同じように交際を楽しむ人もいます。
例えば、次のような関係が考えられます。
- 一緒に食事や旅行を楽しむ恋人関係。
- 手をつないだり、ハグをしたりする親密な関係。
- 性的な関係を伴わないパートナーシップ。
- お互いの生活や価値観を尊重する共同生活。
- 性的な接触について話し合いながら築く関係。
恋愛に性的な関係が必須というわけではありません。
また、性行為をするかどうかは、性的指向だけで一律に決まるものではありません。本人の希望やパートナーとの合意が大切です。
パートナーとの関係で話し合いたいこと恋愛関係を築く際には、お互いの希望や境界線を理解が必要です。
特に、次のような点は早い段階から話し合えると、すれ違いを減らしやすくなります。
スキンシップの範囲
手をつなぐ、ハグをする、キスをするなど、どのような接触を心地よく感じるかを共有します。
性行為に対する考え方
性行為を望むか、望まないか、どのような条件なら受け入れられるかを確認します。
恋愛関係の将来像
結婚、同居、別居婚、子どもを持つことなど、将来についての希望を話し合います。
お互いの価値観の尊重
相手に合わせるために自分の感覚を無理に変えるのではなく、双方が安心できる関係を探します。
もちろん、恋愛関係を築くこと自体を望まない人もいます。
ロマンティックアセクシャルだから必ず恋人が欲しい、結婚したいというわけではありません。
2026年の研究から見えるパートナーシップの多様性2026年2月5日には、学術誌『Archives of Sexual Behavior』に、アセクシュアル女性の希望する関係性や理想のパートナー像を分析した研究が掲載されました。
この研究は、51,775人が参加した国際的なオンライン調査を基礎としており、その中にはアセクシュアルと回答した女性447人が含まれています。
分析では、アセクシュアル女性は異性愛女性と比較して、純粋に性的な関係への関心が低い一方、感情的な結びつきを重視する恋愛関係や、従来とは異なるコミットメントの形、独身でいる選択への関心が高い傾向を示しました。
ただし、これは女性を対象としたアセクシュアル全般の研究であり、ロマンティックアセクシャルだけを対象にした調査ではありません。すべての当事者に当てはまる結果ではない点にも注意が必要です。
この研究から読み取れるのは、性的な惹かれが少ないことと、親密な関係を望むことは矛盾しないという点です。
【2026年最新情報】日本における認知度と研究の進展
2026年現在、アセクシュアルやアロマンティックに関する研究は、単純な定義の説明から、当事者の経験やパートナーシップ、社会との関係を分析する方向にも広がっています。
特に注目したいのが、日本国内の研究と2026年の大規模調査です。
2026年の電通調査では用語認知に課題2026年5月26日、dentsu JapanのdJ DEIオフィスは「LGBTQ+調査2026」を公表しました。
調査は2026年1月19日から27日にかけて実施され、全国の20~59歳の46,658人を対象としたスクリーニング調査が行われています。
公表された結果では、LGBTQ+という総称の認知率が76.7%だった一方、Q+に含まれるアロマンティック・アセクシュアルの用語認知率は10.7%でした。
ここでいう10.7%は、アロマンティック・アセクシュアルという用語の認知に関する数値であり、当事者の人口比率ではありません。
また、ロマンティックアセクシャル単独の認知率や人口割合を示す数字でもありません。
この調査は、LGBTQ+という総称が知られるようになっても、個々のセクシュアリティについては十分に理解されていない現状を示しています。
日本人当事者の経験を分析した2026年の研究2026年には、お茶の水女子大学の此下千晶氏と石丸径一郎氏による研究も学術誌『Psychology & Sexuality』の第17巻に掲載されました。
研究タイトルは「A-spec identity development in sexually conservative Japanese culture: focusing on differences among subcategories based on the combination of romantic and sexual orientation」です。
日本のアロマンティック・アセクシュアル・スペクトラムに属する成人14人へのインタビューを通じて、アイデンティティの形成過程を分析しています。
研究では、当事者が自分のあり方を理解していく過程について、次の4段階が示されました。
1. 多数派の価値観を当たり前と認識する段階。
2. 自分の感覚や特徴に気づく段階。
3. 自分に合うアイデンティティを認識する段階。
4. 自分らしい生き方を模索する段階。
この研究は、恋愛的指向と性的指向の組み合わせによって、自己理解の過程にも違いがあることに注目しています。
14人を対象とした質的研究であるため、日本の当事者全体の傾向を統計的に代表するものではありません。しかし、ロマンティックアセクシャルを含むAスペクトラムの人々が、どのように自分の感覚を理解し、生活のあり方を考えていくのかを知るうえで重要な研究です。
2026年時点で押さえておきたい3つのポイント- ロマンティックアセクシャルは、性的な惹かれと恋愛的な惹かれを分けて考える概念の一つ。
- 国内外の研究では、性的な惹かれがない人にも多様な恋愛観やパートナーシップの希望があることが示されている。
- 日本では関連用語の認知がまだ十分ではなく、恋愛感情と性的な惹かれを区別する理解が課題となっている。
【よくある質問】ロマンティックアセクシャルに関するFAQ
Q1:ロマンティックアセクシャルでも恋愛や結婚はできますか?
恋愛や結婚をすることは可能です。ロマンティックアセクシャルは恋愛感情を抱くことがある一方、性的な惹かれがない、または非常に少ないあり方です。恋人を作る人もいれば、結婚や同居を選ぶ人、パートナーを持たない人もいます。
Q2:ロマンティックアセクシャルとノンセクシュアルは同じですか?
日本では近い意味で使われることがあります。ただし、ノンセクシュアルは団体やコミュニティによって定義が異なり、性的な欲求がないことを重視する場合もあります。必ずしも完全に同じ意味ではありません。
Q3:性欲がある場合でもロマンティックアセクシャルになれますか?
なり得ます。性欲と特定の他者に性的に惹かれることは別の要素です。性欲があっても他者に性的な魅力を感じない人はいます。性欲の強さや性行為の経験だけで性的指向が決まるわけではありません。
ロマンティックアセクシャルとは、恋愛感情を抱くことがあっても、他者に性的に惹かれない、またはその程度が低いあり方です。
アセクシュアルという性的指向の中でも、恋愛的な惹かれを経験する人を表す概念であり、アロマンティック・アセクシュアルとは恋愛的指向の面で異なります。
理解するうえで押さえておきたいのは、次の3つです。
1. 恋愛感情と性的な惹かれは別のもの。 誰かを好きになることと、その人に性的な魅力を感じることは必ずしも一致しません。
2. 性欲や性行為の経験だけでは判断できない。 性欲があるアセクシュアルもいれば、パートナーとの関係を望む人もいます。
3. 恋愛やパートナーシップの形は一人ひとり違う。 交際、結婚、同居、性的な接触の有無などに唯一の正解はありません。
自分の感覚を理解したい人にとって、スプリット・アトラクション・モデルは、恋愛的指向と性的指向を整理するための有用な考え方です。
大切なのは、周囲の恋愛観に自分を無理に合わせることではありません。誰に恋愛感情を抱くのか、誰に性的に惹かれるのか、どのような関係を心地よいと感じるのかを、それぞれ分けて考えることです。
恋愛感情があるから性的な関係も望むはず、という前提を手放すこと。それがロマンティックアセクシャルへの理解を深める重要な一歩です。
参考資料:国立社会保障・人口問題研究所『人口問題研究』、国際基督教大学ジェンダー研究センター『Gender and Sexuality』、お茶の水女子大学の研究論文、dentsu Japan「LGBTQ+調査2026」、Archives of Sexual Behavior掲載論文、PRIDE JAPAN LGBTQ用語解説。