2016年2月、キリンビールの缶入りチューハイ「氷結」が展開したプロモーション「あたらしくいこう」に、さかなクンが登場しました。
企画の中心となったのは、普段のさかなクンとは異なる姿を見せること。おなじみの白衣とハコフグ帽子から、黒いスーツとクロハコフグの帽子に着替え、サックスプレイヤー「GYO」に変身しました。
共演相手は、9人編成の東京スカパラダイスオーケストラ。さかなクンは期間限定の特別参加という形で、バスサックスを担当しました。MANTANWEBの当時の報道でも、実際に演奏するウェブムービーが公開されたことが紹介されています。
CMだけでは終わらなかったスカパラとの共演この企画が印象的だった理由は、映像作品だけで完結しなかったことです。
2016年4月14日と15日には、京都ロームシアターで開催された東京スカパラダイスオーケストラの特別追加公演にスペシャルゲストとして登場。CMで話題になった「Paradise Has No Border」を、バスサックスで演奏しました。
加えて、スカパラの楽曲「ホールインワン」にも参加。おなじみの掛け声を「ギョ~ルインワン!」に変えるなど、さかなクンらしいユーモアも披露しています。ライブレポートを掲載した音楽メディアBARKSによれば、2日間とも公演を盛り上げました。
さかなクンは自身のバスサックスについて「大きなブリちゃんを抱えてるような感じです」と表現しました。
このコメントは、巨大な楽器を魚にたとえる、さかなクンならではの一言です。約8kgという重量も紹介されており、演奏するだけでなく、楽器を構えてステージ上で動くことにも相応の身体的負担があったと考えられます。
【吹奏楽部の原点】さかなクンはなぜ楽器を始めた?トロンボーンとの関係

さかなクンの音楽人生は、中学生の頃に始まりました。
有名になったエピソードが、吹奏楽部を「水槽」がある部活だと思って見学に行ったという話です。魚好きのさかなクンらしい勘違いですが、ここから長く続く管楽器との付き合いが始まりました。
2026年にも語られた入部の理由2026年6月4日付の日刊スポーツの記事では、さかなクンがニッポン放送「サカナクション山口一郎のオールナイトニッポン」に出演し、入部当時のエピソードを改めて語ったことが報じられています。
友人に誘われて吹奏楽部を見に行ったところ、想像していた水槽とは違うことに気づいたものの、楽器が並ぶ光景を見て「楽しそう」と感じ、そのまま入部したという経緯です。
中学ではトロンボーン、高校ではバスクラリネット実際に担当した楽器にも注目です。
2017年のヤマハミュージックジャパンによるブラス・ジャンボリーの公式関連資料では、さかなクンの学生時代の楽器経験が紹介されています。
- 中学時代:最初はパーカッションを希望したものの、緊張でバチを飛ばしてしまい、トロンボーンを3年間担当。
- 高校時代:憧れていたバスクラリネットを担当。
- その後:アルトサクソフォンやコントラバスクラリネットなど、複数の管楽器にも取り組む。
この経歴から分かるのは、さかなクンが最初からサックスだけを専門にしていたわけではないということです。
トロンボーンは金管楽器、バスクラリネットは木管楽器、サックスも木管楽器に分類されます。異なる構造の楽器に親しみながら、演奏経験を広げてきたことが特徴です。
特にバスクラリネットは、低音を担当する大型の木管楽器です。後にバスサックスを演奏するようになった背景には、こうした低音楽器への経験や関心も関係していると考えられます。
【経歴・関係者一覧】さかなクンとスカパラの音楽活動を時系列で整理
ここで、さかなクンの吹奏楽経験から2026年の最新コラボレーションまでを整理します。
主な音楽活動・関連作品の年表
2017年3月8日に発売されたスカパラのアルバム『』には、「Paradise Has No Border feat.さかなクン」が収録されています。
これは、2016年のCMでの共演が一時的な話題だけではなく、音楽作品としても残ったことを示す記録です。アルバムの収録曲は東京スカパラダイスオーケストラの公式ディスコグラフィーでも確認できます。
【楽器の違い】バスサックスとバリトンサックスは何が違う?
さかなクンの演奏について調べると、バスサックスとバリトンサックスという2つの名称が登場します。どちらも大型で低音を担当するサックスですが、同じ楽器ではありません。
音域・大きさ・役割の違いサックスには複数の種類があり、一般的にはソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バスの順に低い音域になります。ヤマハの楽器解説でも、この順序でサックスの種類が紹介されています。
加えて、野中貿易のサックス解説では、バリトンサックスはE管、バスサックスはB管として区別されています。バスサックスはテナーサックスより1オクターブ低い音域を担当します。
バリトンサックス
E管
低音を支えながら、ジャズや吹奏楽でも活躍する楽器。
バスサックス
B管
バリトンよりさらに低い音域を担当する大型楽器。
音の高さで比較すると、バスサックスはバリトンサックスより完全4度低い位置にあります。低音の厚みをさらに強調したいアンサンブルなどで存在感を発揮します。
さかなクンがCMで吹いていたのはどちら?答えはバスサックスです。
2016年のMANTANWEBの記事やライブレポートでは、担当楽器が明確にバスサックスと記されています。本人もライブで8kgあると説明しており、バリトンサックスと取り違える必要はありません。
さらに興味深いのは、2025年に楽器店の中央楽器が公開した愛用楽器の展示案内です。そこでは、さかなクンの愛用楽器として、約100年前のC.G.コーン社製バスサックスが紹介されています。
つまり、CM用に用意された小道具というより、本人が大切にしてきた実際の楽器だったことも分かります。
【演奏動画と腕前】さかなクンのサックスは本当に上手い?
さかなクンのサックス演奏が話題になった理由は、意外性だけではありません。実際の演奏機会と作品への参加実績があるからです。
演奏動画で注目したい3つのポイント2016年の氷結ウェブムービーは、さかなクンの演奏姿を確認できる代表的な映像です。MANTAN TVにも当時のウェブムービーが掲載されており、演奏時間は約4分10秒です。
映像を見るときは、次のポイントに注目すると演奏の実態が分かりやすくなります。
- 低音の存在感:バスサックス特有の重厚な音が、スカパラのホーンセクションやリズムをどのように支えているか。
- リズムへの対応:ライブレポートで紹介された「ホールインワン」での裏打ちなど、バンドのリズムに合わせた演奏。
- アンサンブルへの参加:ソロ演奏だけでなく、ほかの管楽器やリズム隊と一緒に音楽を成立させている点。
さかなクンの演奏について、単純に「プロ奏者と同じレベル」と断定するのは適切ではありません。しかし、実際の活動を見れば、趣味で楽器を持っているだけの人物ではないことが分かります。
- 学生時代から複数の管楽器を経験している。
- 2016年にはスカパラのステージに立ち、バスサックスを演奏した。
- 2017年発売のアルバムにコラボレーション曲が収録された。
- 2026年にもスカパラの楽曲でサックス演奏に参加している。
特に重要なのは、2016年のライブで演奏しただけでなく、その後も録音作品への参加が続いていることです。単発のCM出演という枠を超えて、音楽活動を継続してきたことが分かります。
【2026年最新情報】さかなクンは現在もサックスを演奏している?
2026年のさかなクンの音楽活動を語るうえで、見逃せないのが東京スカパラダイスオーケストラとの再共演です。
2026年4月8日、スカパラは「グッドラック!マイフレンド feat.ムロツヨシ & さかなクン」を配信リリースしました。
この楽曲はNHK Eテレのテレビアニメ『』の主題歌です。1974年から続く絵本シリーズを原作としたアニメのために制作され、2026年4月4日から放送が始まりました。
東京スカパラダイスオーケストラの公式発表によると、今回の参加内容は次のとおりです。
- 作曲:NARGO
- 作詞:谷中敦
- 編曲:東京スカパラダイスオーケストラ
- ボーカル:ムロツヨシ、茂木欣一
- サックス:さかなクン(ソプラノサックス)
ここで注目したいのが、担当楽器の変化です。
2016年の氷結CMでは、巨大なバスサックスで低音を担当していました。一方、2026年の新曲では、サックスの中でも高い音域を受け持つソプラノサックスを演奏しています。
同じサックスでも、楽器の大きさや音域、演奏時のコントロールは異なります。低音のバスサックスと高音のソプラノサックスの両方に参加していることは、さかなクンの管楽器への関心の広さを示すエピソードです。
2026年11月現在、少なくとも公式に確認できる直近の大きな音楽活動は、この4月のスカパラとの新曲参加です。2016年の「GYO」が懐かしい過去の話題だけではなく、現在の音楽活動にもつながっている点が興味深いところです。
【プロの結論】さかなクンのサックスが人を惹きつける本当の理由
さかなクンのサックス演奏の魅力は、単に普段のキャラクターとステージ上の姿にギャップがあることだけではありません。
その背景には、長年の吹奏楽経験、複数の管楽器への関心、そして憧れていたスカパラとの共演を実現させた音楽への情熱があります。
特に注目すべきなのは、魚への興味と楽器への興味に共通する姿勢です。魚の形や特徴を細かく観察するように、楽器にもそれぞれ異なる構造や音色があることを楽しんでいるのです。
2016年のインタビュー記事「耳マン」では、さかなクンが20本以上の管楽器を所有し、吹奏楽団での演奏やゲストライブ、CD録音にも取り組んでいることが紹介されました。低音楽器に惹かれる理由についても、自分の高い声では表現できない音を出せることに魅力を感じると語っています。
このエピソードから見えてくるのは、さかなクンにとって楽器が単なる芸能活動の道具ではないということです。
演奏の実力を判断する際にも、衣装や話題性だけではなく、実際に音を出している映像、ライブでの参加実績、録音作品へのクレジットという3つの視点で見ることが大切です。
その意味で、GYOの姿は一発限りの変身企画ではありません。学生時代から積み重ねてきた音楽経験が、大きな舞台で形になった瞬間だったのです。
【さかなクンのサックス】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:さかなクンが2016年の氷結CMで吹いていた楽器は何ですか?
A1:バスサックスです。東京スカパラダイスオーケストラと共演し、「GYO」という名前で演奏しました。バリトンサックスではありません。
Q2:さかなクンは吹奏楽部で何の楽器を担当していましたか?
A2:中学時代はトロンボーン、高校時代はバスクラリネットを担当していました。その後、アルトサックスなど複数の管楽器も演奏するようになりました。
Q3:さかなクンは2026年現在もサックスを演奏していますか?
A3:はい。2026年4月8日配信の東京スカパラダイスオーケストラの楽曲「グッドラック!マイフレンド feat.ムロツヨシ & さかなクン」にソプラノサックスで参加しています。
さかなクンのサックス演奏を振り返ると、2016年のキリン「氷結」CMでのGYOとしての登場が、大きな転換点になっていたことが分かります。
しかし、その演奏の土台には、中学時代の吹奏楽部での経験や、高校時代のバスクラリネット、さまざまな管楽器に触れてきた長い時間がありました。
バスサックスとバリトンサックスの違いも明確です。CMで演奏したのは、バリトンよりさらに低い音域を担当するバスサックスでした。
そして2026年には、スカパラとの新曲でソプラノサックスを担当。低音楽器だけでなく、高音域の楽器でも音楽活動を続けています。
「魚の専門家」というイメージだけでは捉えきれない、さかなクンのもう一つの顔。GYOとしての演奏は、その音楽的な魅力を知るうえで欠かせない実績です。今後のスカパラとの共演や、新たな管楽器での挑戦にも期待が高まります。