2026年11月現在、東京都品川区の「しながわ水族館」は、2033年度(令和15年度)のリニューアルオープンを目標に、新施設の整備計画が進められています。当初は2027年度の開業を予定していましたが、建設費の高騰などを受けて事業計画が見直され、開業時期が大幅に変更されました。2026年4月には品川区が新たな事業計画を策定し、展示コンセプトや施設の整備方法も具体化しています。
一方、気になるのが現在の営業状況やイルカショーの終了時期です。実は、2026年11月時点で水族館は営業を継続しており、現施設の具体的な閉館日はまだ公表されていません。 新施設ではイルカ展示とイルカショーを終了する方針ですが、現在のショーが直ちに見られなくなるわけではありません。新しい水族館の姿、建設費、延期の理由、マクセル アクアパーク品川との違いまで、品川区の公式資料を中心に整理します。
【2026年最新】しながわ水族館のリニューアルは2033年度!現在の営業と閉館時期

まず押さえておきたいのは、リニューアルオープンの目標と、現在の水族館が閉館する時期は別の情報だということです。
品川区が2026年4月に策定した「しながわ水族館リニューアル事業計画」では、令和15年度(2033年度)までの開業を目指す方針が示されています。
これは新しい水族館の開業目標であり、現施設が2033年度まで営業すると確約されたという意味ではありません。工事に入る前には現在の施設を全面閉館する予定で、閉館時期は今後の設計段階で精査するとされています。
2026年11月現在も営業を継続しながわ水族館は2026年10月19日に開館35周年を迎えました。
運営側が公開した35周年記念情報でも、全面リニューアルを計画している一方、具体的なスケジュールは未定であり、当面は閉館せず営業を継続することが案内されています。
2026年11月4日時点の公式営業カレンダーでも通常の開館時間が掲載されており、現在も来館できます。
現在の基本的な営業情報は次のとおりです。
- 営業時間:10:00~17:00
- 最終入館:16:30
- 所在地:東京都品川区勝島3-2-1
- 最寄り駅:京浜急行・大森海岸駅から徒歩約8分
- JR大森駅から徒歩約15分
営業時間やイベントの開催状況は変更される場合があります。訪問前には公式営業カレンダーを確認してください。
現施設の閉館はいつ?現時点で、閉館日や最終営業日は正式発表されていません。
ただし、品川区の事業計画には重要な記載があります。
新しい水族館の建設工事と既存施設の改修工事を行う際には、安全面、生き物への影響、工事工程、費用などを考慮し、工事着工前に現在の水族館を全面閉館するという方針です。
したがって、今後の具体的な閉館時期を判断するには、事業者選定後の設計や工事スケジュールの公表が重要になります。2033年度という開業目標だけを見て、閉館日を逆算することはできません。
【リニューアル計画の経緯】2027年度から2033年度へ延期された理由とは?
しながわ水族館のリニューアル計画は、2026年に突然始まったものではありません。
背景には、1991年の開館から30年以上が経過したことによる施設の老朽化、展示内容と社会ニーズの変化、そして水族館を取り巻く経営環境の変化があります。
特に大きな転換点となったのが、2023~2024年度の基本設計と、その後の建設費の再検討です。
リニューアル計画の重要な出来事を時系列で整理品川区の公式資料に基づく計画の変遷
最大の直接的な理由は、建設資材や人件費などの物価高騰による工事費の大幅な上昇です。
品川区の2026年4月14日付建設委員会資料によると、2023年度から2024年度にかけて基本設計を進めたところ、近年の物価高騰により当初想定していた工事費が大きく上昇することが判明しました。
そのため、区は2025年度に次の2点を中心に再検討を進めました。
- 事業費の削減につながる効果的・効率的な整備・運営手法の選定
- 水族館の魅力向上につながる民間活力のさらなる導入
加えて、事業全体のスケジュールも見直すことになりました。
つまり、単に建設工事が遅れたという話ではありません。
当初の計画をそのまま進めるのではなく、施設整備から維持管理、運営まで含めて事業全体を組み直す判断が行われたのです。
2026年4月の新計画で何が変わった?2026年4月の事業計画では、従来の方向性を引き継ぎながら、展示内容や整備手法が具体化されました。
特に大きな変更点は、DB方式と維持管理・運営の一括発注を組み合わせる方式を採用したことです。
一方、品川の歴史や東京湾の自然を展示に取り入れるという基本理念は維持されています。
2022年の構想を全面的に白紙に戻したわけではなく、財政負担と事業の実現性を考慮しながら再構築した計画と捉えるのが適切です。
【新施設の全貌】勝島の海と一体化する環境一体型水族館とは?
新しいしながわ水族館の大きな特徴は、単独の建物として水生生物を展示するだけでなく、しながわ区民公園の自然環境と一体になった施設を目指していることです。
品川区が掲げた全体方針は、次のとおりです。
品川のルーツに触れ、多様な命の輝きを未来へつなげる、“環境一体型水族館”
この方針には、品川の歴史、東京湾の自然、生物多様性、公園の緑を結びつける狙いがあります。
建設予定地はしながわ区民公園の「勝島の海」周辺新施設の建設場所は、東京都品川区勝島にあるしながわ区民公園内です。
具体的には、公園内の人工湖「勝島の海」に隣接するエリアが計画されています。
2026年4月の事業計画では、新しい水族館を勝島の海の南側に配置し、公園の水と緑を長手方向に望めるようにする考えが示されています。
この立地を活用し、水族館の展示と公園の景観を連続させることで、来館者が建物の中だけでなく、周辺の自然環境も楽しめる空間を目指します。
新施設の規模は延床面積約5,000平方メートル品川区が示している新水族館の規模は、中規模で延床面積約5,000平方メートルです。
利用者数についても、計画上の想定が示されています。
- 初年度の年間利用者数:100万人
- 開業5年後の年間利用者数:60万人
これらは施設計画上の想定値であり、実際の来館者数を保証する数字ではありません。
参考までに、現在のしながわ水族館の本館は延床面積約4,044平方メートルです。新施設は約5,000平方メートルを目安とする計画ですが、単純な建物の大型化だけでなく、公園との連携や既存施設の改修も含めて整備する点が特徴です。
展示コンセプトは「江戸前の海から、地球と命に触れる」新施設の展示コンセプトは、「江戸前の海から、地球と命に触れる」です。
江戸前の海とは、東京湾を中心とした地域の海の文化や自然を象徴する言葉です。
品川区は、品川浦や品川宿の歴史と結びつけながら、東京湾の豊かな生物や人々の暮らしを紹介する展示を構想しています。
具体的な展示イメージとして、事業計画には次のような水槽が挙げられています。
1. 江戸前の海(仮称)
- 展示生物の例:イワシ、コハダなど
- 東京湾の生物多様性を学べる展示
- 太陽光を取り入れ、開放感のある海を演出する構想
2. 渓流水槽(仮称)
- 展示生物の例:アユ、カワムツなど
- 公園の自然風景を背景にした展示
- 清流のような水の流れを表現する構想
東京湾だけでなく、目黒川など東京都内を流れる河川にも目を向けることで、海と川のつながりを学べる構成が考えられています。
XR展示で何が変わる?新施設では、XRを活用した非日常空間や没入型の展示演出も計画されています。
XRとは、現実世界と仮想世界を組み合わせ、新しい体験を生み出す技術の総称です。
例えば、水中の環境や生き物の生態をデジタル技術で表現すれば、実際の水槽だけでは伝えきれない自然環境のつながりを理解する助けになります。
ただし、現段階で具体的なXR機器、映像コンテンツ、体験方法の詳細までは確定していません。
重要なのは、デジタル演出そのものを目的にするのではなく、生き物の観察や環境学習を補完する技術として位置づけている点です。
現在の生き物や既存施設はどうなる?新しい水族館では、アシカやアザラシ、ペンギンなどの展示は継続する方向です。
また、現在の施設をすべて解体するのではなく、一部の構造躯体や高架水槽、飼育水設備などを再利用する計画も示されています。
既存の水族館の一部は改修し、休憩所やキッズスペース、情報発信スペースなどの公共サービス機能を集約する構想です。
レストハウスや立体駐車場についても改修を検討しています。
つまり、新しい建物を建てるだけではなく、公園全体の利便性や機能を高める事業でもあるのです。
【イルカショーは終了する?】現在の開催状況と新施設の方針
リニューアル計画で特に関心を集めているのが、長年親しまれてきたイルカ展示とイルカショーの終了方針です。
結論は、現在の水族館ではイルカショーを継続しているものの、新しい水族館ではイルカ展示とイルカショーの両方を終了する方針です。
ここを混同しないことが大切です。
イルカショーがなくなる理由は?しながわ水族館は1991年の開館当初、都内初のイルカショーを実施した水族館として知られていました。
当時は大きな独自性を持つ展示でしたが、その後、首都圏にはさまざまな水族館が登場し、イルカショーだけで差別化することは難しくなりました。
品川区が2022年に公表したリニューアルの方向性では、主に次の事情が説明されています。
- イルカの飼育には大規模な水槽や専用設備が必要になる。
- 新たなイルカプールを整備するには多額の建設費がかかる。
- 飼育設備の維持管理にも継続的な費用が必要になる。
- イルカショーの独自性が以前より薄れている。
- 公立の社会教育施設として、今後どのような展示を行うべきか検討する必要がある。
また、イルカを取り巻く世界的な社会情勢も判断材料になりました。
品川区はこれらを総合的に検討し、公立水族館としてイルカ展示を継続する役割に一区切りをつける方針を示しています。
現在のイルカショーはいつまで見られる?2026年11月現在、公式サイトではイルカショーが引き続きイベントとして案内されています。
したがって、リニューアル計画が公表されたからといって、現在のイルカショーがすでに終了したわけではありません。
ただし、最終開催日や最後のショーとなる日程は公表されていません。生き物の体調や天候によって、通常のショーも変更・中止される場合があります。
イルカたちはどこへ行く?品川区の2026年4月の事業計画には、リニューアル後の展示計画に該当しない生物について、他の水族館や動物園への搬出を調整する方針が記されています。
特にイルカなどについては、飼育実績があり、良好な飼育環境が整っている施設への移動を想定しています。
新施設でも展示する可能性がある生物については、工事期間中に他の園館で一時的に預かってもらう方向で調整するとしています。
つまり、すべての生き物が同じ扱いになるわけではありません。展示継続の有無や飼育環境に応じて対応が分かれる計画です。
【建設費は約147億円】物価高騰とDB方式による事業見直しを解説
新しい水族館を実現するうえで避けて通れないのが建設費です。
品川区の2026年4月の事業計画には、施設整備費の試算として約147億円という金額が掲載されています。
ただし、この金額は2023~2024年度の基本設計に基づく2024年9月時点の試算です。2026年時点での最終的な契約金額や確定事業費を意味するものではありません。
約147億円には何が含まれる?この施設整備費には、新しい水族館の建設費だけでなく、周辺施設の改修費も含まれています。
具体的には次の内容です。
- 新しい水族館の新設費
- 既存水族館の改修費
- レストランの改修費
- 駐車場の改修費
- 影響範囲にある公園外構の改修費
そのため、約147億円を新しい水族館の建物だけにかかる費用と理解するのは正確ではありません。
DB方式とは?なぜ採用されたのか2026年の新計画で採用されたのが、DB方式と維持管理・運営の一括発注を組み合わせる手法です。
DBはDesign-Buildの略で、設計と建設をまとめて民間企業に発注する方式を指します。
今回の計画では、品川区が資金を調達し、民間企業に設計・建設を一括して発注します。そのうえで、維持管理と運営についても一括発注する仕組みを組み合わせます。
この方式には、次のようなメリットが期待されています。
- 設計会社と建設会社の連携による工事費削減
- 設計段階から施工性を考慮した効率的な施設づくり
- 維持管理会社と運営会社の連携による運営品質の向上
- 複数企業から提案を受けられる競争性の確保
品川区の試算では、個別発注方式と比較した財政支出削減率は約5.5%とされています。
ただし、これは現段階の事業条件に基づく比較試算であり、実際の削減額を保証する数字ではありません。
入館料金2,000円は決定事項?新しい水族館の料金についても、誤解しやすいポイントがあります。
事業計画では、収入を試算するために大人料金を仮に2,000円と設定しています。
しかし、これは収支計算上の想定金額です。
品川区は、実際の入館料金について、リニューアルオープン時の社会情勢や他の水族館の料金設定などを踏まえて検討するとしています。
したがって、新施設の大人料金が2,000円に正式決定したわけではありません。
【プロの結論】新水族館の成否を左右する3つのポイント今回の計画を評価するうえでは、単純に建設費が安くなるかどうかだけを見るべきではありません。
特に重要なのは次の3点です。
1. 生き物の飼育環境と展示品質
イルカ展示を終了する一方、アシカやアザラシ、ペンギンなどの展示を継続する方向です。生物の飼育設備、研究機能、バックヤードの充実度が施設の質を左右します。
2. 公園との一体感が実際の体験につながるか
環境一体型水族館というコンセプトは魅力的ですが、建物と公園が隣接しているだけでは十分ではありません。屋外空間、展示動線、休憩場所、自然環境が一体となって初めて価値が生まれます。
3. 建設費と開業後の運営費のバランス
水族館は完成した後も、飼育設備や水質管理、エネルギー消費、施設修繕に費用がかかります。初期投資だけでなく、長期的な維持管理まで見据えた運営が必要です。
品川区がDB方式と運営の一括発注を選択した背景にも、建設と運営を別々に考えないという狙いがあります。
【混同注意】しながわ水族館とマクセル アクアパーク品川の違い
「品川水族館」と検索すると、もう一つの有名な施設であるマクセル アクアパーク品川が表示されることがあります。
しかし、この2施設は別々の水族館です。
リニューアルの対象になっているのは、品川区勝島にある「しながわ水族館」です。
しながわ水族館
今回のリニューアル対象
マクセル アクアパーク品川
別施設・今回の対象外
しながわ水族館
- 所在地:東京都品川区勝島3-2-1
- 立地:しながわ区民公園内
- 開館:1991年
- 特徴:東京湾や河川の生き物、トンネル水槽、海獣展示
- 今後:2033年度のリニューアルオープンを目指す
マクセル アクアパーク品川
- 所在地:東京都港区高輪4-10-30
- 立地:品川プリンスホテル内
- 品川駅高輪口から徒歩約2分
- 特徴:音・光・映像を組み合わせたエンターテインメント型水族館
- 今回のリニューアル計画とは無関係
マクセル アクアパーク品川は、2005年に都市型水族館として開業し、2015年に音・光・映像による演出を取り入れた施設へと生まれ変わりました。
リニューアル後のしながわ水族館はどちらに近くなる?新しいしながわ水族館ではXRを使った展示演出が予定されています。
そのため、マクセル アクアパーク品川のようなデジタル技術を活用する水族館をイメージする人もいる可能性があります。
ただし、両施設の基本的な方向性は異なります。
マクセル アクアパーク品川は音・光・映像を生かしたエンターテインメント性が特徴です。
一方、新しいしながわ水族館は、江戸前の海や品川の歴史、生物多様性、公園環境を中心に据えた社会教育・文化観光施設を目指しています。
XRは、その展示コンセプトを補完する技術として位置づけられています。
したがって、単にマクセル アクアパーク品川のような施設になると考えるのではなく、品川の地域性と自然環境を軸に、デジタル体験を組み合わせた新しい区立水族館と理解するのが適切です。
【しながわ水族館のリニューアル】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:しながわ水族館はいつ閉館しますか?
現時点で具体的な閉館日は発表されていません。品川区は工事着工前に現在の施設を全面閉館する方針を示しています。2026年11月現在は営業を継続しています。
Q2:しながわ水族館のリニューアルオープンはいつですか?
品川区の2026年4月の事業計画では、2033年度(令和15年度)の開業を目指しています。ただし、具体的な開業月や日にちは未定です。
Q3:イルカショーはもう終了しましたか?
いいえ。2026年11月現在、現施設ではイルカショーが引き続き案内されています。ただし、新しい水族館ではイルカ展示とイルカショーを終了する方針です。
Q4:リニューアルの建設費はいくらですか?
基本設計に基づく2024年9月時点の施設整備費は約147億円です。新施設の建設だけでなく、既存施設や公園外構などの改修費も含む試算であり、最終確定額ではありません。
Q5:新しい水族館ではどんな生き物が見られますか?
江戸前の海をテーマにしたイワシやコハダなどの魚類、渓流水槽のアユやカワムツなどが展示例として示されています。また、アシカ、アザラシ、ペンギンなどの展示を継続する方向です。
Q6:マクセル アクアパーク品川も閉館・リニューアルするのですか?
今回の計画は品川区勝島にある「しながわ水族館」が対象です。港区高輪の品川プリンスホテル内にあるマクセル アクアパーク品川とは別施設です。
2026年11月現在、しながわ水族館のリニューアル計画は、2026年4月に策定された新しい事業計画を基礎として進められています。
当初の2027年度開業という目標から2033年度へ変更された背景には、建設費の物価高騰と、それに伴う整備・運営手法の再検討がありました。
新しい水族館では、江戸前の海をテーマにした展示、公園との一体化、XRを活用した体験など、従来とは異なる施設づくりが目指されています。
一方で、イルカ展示とイルカショーの終了は大きな転換点です。長年親しまれてきた展示を見直し、地域の自然や生物多様性を学ぶ施設へと役割を変えていくことになります。
今後、特に注目したいのは次の5項目です。
1. 事業者選定: どの企業が設計・建設を担当するのか。
2. 閉館時期: 現施設の最終営業日がいつ公表されるのか。
3. 展示の具体化: 江戸前の海やXR展示がどのような形になるのか。
4. 建設費: 物価変動を踏まえた最終的な整備費がいくらになるのか。
5. 開業準備: 生き物の移動、入館料金、営業時間などがどう決まるのか。
品川水族館のリニューアルで最も重要なのは、2033年度という開業目標だけでなく、地域に根ざした水族館として何を残し、何を新しくするのかという点です。
現在の施設は引き続き営業しているため、イルカショーやトンネル水槽など、従来のしながわ水族館を楽しめる機会は残されています。今後の閉館日や最終ショーの日程については、品川区と水族館運営側からの正式発表が注目されます。
35年間親しまれてきた水族館が、次の時代にどのような姿へ変わるのか。今後の事業者選定や設計の進展が、新施設の全貌を知る重要な手がかりになりそうです。