完結編を視聴する際に混乱しやすいのが、「前編・後編」と「第88話~第94話」という2種類の表記です。実は、これは別々のストーリーではありません。
2023年にNHK総合で放送された前編・後編のスペシャル番組を、動画配信サービス向けに通常のエピソード形式へ分割したものが「完結編(各話版)」です。
前編が3話、後編が4話に分かれており、合計7話で最終章の物語を楽しめます。
完結編(各話版)全7話のタイトル
第88話~第90話
2023年3月放送の完結編(前編)に相当
第91話~第94話
2023年11月放送の完結編(後編)に相当
公式サイトによると、各話版の配信は前編に相当する第88話~第90話が2023年11月5日正午以降、後編に相当する第91話~第94話が11月19日以降に順次開始されました。
前編と後編は何が違う?| 比較項目 | 前編 | 後編 |
|---|---|---|
| 放送時期 | 2023年3月 | 2023年11月 |
| 各話版 | 88~90話 | 91~94話 |
| 主な内容 | 地鳴らしの開始と逃走 | エレンとの最終決戦 |
| 物語の焦点 | 仲間たちの決断 | エレンの真意と結末 |
| 役割 | 最終決戦への導入 | シリーズの完結 |
前編では、エレンが始祖の巨人の力を使って地鳴らしを発動し、世界を踏み潰していく絶望的な状況が描かれます。調査兵団の仲間たちは、かつての友人であるエレンを止めるべきかという究極の選択を迫られます。
一方、後編では、その決断を実行に移す仲間たちとエレンの戦いが中心になります。戦闘だけでなく、エレンとアルミンの対話、ミカサの決断、始祖ユミルの解放、そして戦いの後の世界まで描かれる点が大きな違いです。
なお、各話版にはテレビ放送版とは異なるオープニングとエンディング映像が追加されています。したがって、同じストーリーを見直す場合でも、音楽や各話の区切りを楽しめる構成になっています。
【後編のあらすじ】エレンとの最終決戦から結末までをネタバレ解説

ここからは第91話から第94話までの内容に踏み込みます。結末をまだ知らない人は、視聴後に読むことをおすすめします。
第91話「天と地の戦い」:エレンを止めるための最後の作戦後編の幕開けは、エレンが巨大な始祖の巨人となり、無数の巨人を従えて進撃する場面です。
地鳴らしによって世界各地が壊滅的な被害を受けるなか、ミカサ、アルミン、ジャン、コニー、ライナー、ピーク、リヴァイたちは、エレンを止めるために行動します。
彼らはかつて同じ目的のために戦った仲間であり、エレンの幼なじみでもあります。しかし、今は世界を救うために、エレンと戦わなければなりません。
この戦いが特別なのは、単純な正義と悪の対決ではないことです。仲間を守ろうとする者同士が、それぞれ異なる正義を背負って衝突しています。
第92話「心臓を捧げよ」:仲間たちが背負う犠牲最終決戦では、調査兵団とマーレの戦士たちが協力してエレンに立ち向かいます。
長年敵対してきた者同士が、人類の存続という共通の目的のために手を組む姿は、シリーズ全体を通じて描かれてきた対立構造の大きな転換点です。
リヴァイにとっては、ジークとの因縁に決着をつけることも重要な意味を持ちます。アルミンは超大型巨人の力を使い、ミカサはエレンのもとへたどり着くために戦い続けます。
ここでは、戦闘能力だけではなく、それぞれの人物が過去の選択と向き合う姿にも注目したいところです。
第93話「長い夢」:ミカサが下した最も苦しい決断物語の感情的な頂点となるのが、第93話「長い夢」です。
ミカサはエレンとの記憶や、別の未来を思わせる光景と向き合います。そこには、戦いも巨人の脅威もない、エレンと静かに過ごす時間が描かれています。
しかし、それは彼女が現実から目を背けるための結末ではありません。
世界を救うためには、愛するエレンを止めなければならない。ミカサはその現実を受け入れ、最終的にエレンの命を自らの手で絶ちます。
エレンへの愛情を失ったからではなく、愛しているからこそ、その行為に踏み切るという矛盾を抱えた決断です。
第94話「あの丘の木に向かって」:巨人の力が消えた世界最終話では、エレンの死によって地鳴らしが終わり、巨人の力そのものも消滅します。
ミカサの選択を見届けた始祖ユミルは、長年縛られてきた王への執着から解放されます。エルディア人が巨人化する能力も失われ、巨人の歴史に一つの終止符が打たれました。
アルミンはエレンとの会話を思い出し、彼が何を考えていたのかを知ります。ミカサはエレンの遺体を持って、彼が安らげる場所へ向かいます。
しかし、巨人が消えたからといって、世界から争いがなくなったわけではありません。
約3年後、アルミンたちは連合国側の和平使節としてパラディ島へ向かいます。一方、パラディ島では報復を恐れるイェーガー派を中心に軍備が強化されていました。
さらに物語の最後には、長い時間の経過とともに都市が発展し、やがて戦争によって荒廃する様子が描かれます。エレンが眠る丘の木は、その後も時代を超えて残り続けます。
【地鳴らしの真相】エレンの目的とミカサが選んだ結末の意味
『進撃の巨人』の最終章で最も議論を呼ぶテーマが、エレンはなぜ地鳴らしを実行したのかという問題です。
エレンの目的を単純に「仲間を守るため」と説明すると、物語の本質を見落としてしまいます。最終話で明かされる彼の本心には、複数の動機と矛盾が存在します。
エレンの目的は一つではなかったエレンの行動を理解するには、次の3つの側面を分けて考える必要があります。
1. パラディ島と仲間を守ること
エレンは、島の人々が世界から受けている敵意や迫害を理解していました。壁の外の人類がパラディ島を脅威と見なし続ける以上、仲間たちが将来も安全に暮らせる保証はありません。
彼はミカサやアルミンをはじめとする仲間たちに、できるだけ長く生きてほしいと願っていました。
2. 仲間たちを世界の英雄にすること
エレンは、仲間たちに自分を倒させることで、世界を地鳴らしから救った英雄として認められる未来も考えていました。
世界の人々を救った者として評価されれば、生き残った仲間たちが攻撃される可能性を減らせると考えた側面があります。
ただし、アルミンはその計画を無条件には受け入れません。アニメ版では、エレンが思い描く英雄という役割を仲間たちが演じるつもりはないと、明確に意思を示しています。
3. エレン自身が抱いていた破壊への欲望
最も見落としてはならないのが、エレン自身の内面です。
エレンは、単に島を守るためだけに地鳴らしを選んだのではありません。壁の外に広がる世界に対する自分の理想と現実の違いに絶望し、何も存在しない世界を見たいという欲望も抱いていました。
未来の記憶によって先の出来事を知っていたことも、彼の判断に大きく影響しています。
最終話では、エレン自身が自分の愚かさを認める描写があります。圧倒的な力を持ったことと、その力を正しく扱えることは別問題だったのです。
地鳴らしで人類の何割が犠牲になった?
最終話で明かされる被害規模約80%
地鳴らしによって命を奪われた人類の割合
犠牲になった人々 80%
生き残った人々 20%
エレンは地鳴らしによって人類の約8割を踏み潰したことをアルミンに明かします。
この数字が示すのは、島の危機を解決するために世界の大部分が犠牲になったという、取り返しのつかない現実です。
地鳴らしによって一時的にパラディ島の人々が生き残る可能性は高まったとしても、それは平和の実現とは異なります。残された人々の間には憎しみが残り、報復の危険も消えていません。
なぜミカサがエレンを殺す必要があったのかここで重要になるのが、始祖ユミルの存在です。
ユミルは、フリッツ王への愛情と服従から長い間解放されずにいました。自分を苦しめた相手への執着を断ち切れなかった彼女は、ミカサの選択を通じて一つの答えを見つけます。
ミカサはエレンを深く愛していました。しかし、その愛情を理由に世界の破壊を見過ごすことは選びませんでした。
愛する人を自ら止めるという行動が、ユミルにとっての解放につながり、巨人の力の消滅へと結びつきます。
つまり、最終決戦の本質はエレンという強大な敵を倒すことだけではありません。2000年に及ぶ巨人の歴史を終わらせるために、ミカサが自分の意志で選択することにありました。
アニメ版と原作漫画の最終回は違う?基本的な結末は共通していますが、アニメ版ではエレンとアルミンの会話を中心に、いくつかの演出や台詞が変更されています。
特に注目したいのは、エレンが人類の虐殺について語る場面です。
原作漫画と比較すると、アニメ版ではアルミンがエレンの行為に対する怒りや悲しみをより明確に表現しています。また、エレン自身も自分の愚かさを直視するような台詞が追加されています。
この変更によって、エレンの行動を単純な自己犠牲や英雄的な計画として受け止めるのではなく、本人の弱さや過ちを含めて描く構成になっています。
アニメ版の結末は、原作のテーマを引き継ぎながら、登場人物の感情と責任をより鮮明に伝える仕上がりです。
【主要キャスト・制作陣】MAPPAの映像表現とLinked Horizonの音楽
完結編後編の制作を担ったのは、アニメーション制作会社のMAPPAです。
第4期から制作体制が変更され、最終章では林祐一郎監督を中心に、迫力ある巨人の描写や立体的な戦闘シーンが構築されました。
特に地鳴らしの巨人が大地を進む場面では、巨大な存在がもたらす圧迫感と、人間の小ささが対比されています。単なる戦闘アニメーションではなく、世界そのものが崩壊していく恐怖を映像で表現した点が特徴です。
主要キャラクターと声優の関係一覧最終章を支える主要人物と、担当声優、物語における役割を整理しました。
キャスト・スタッフ情報はThe Final Seasonの公式発表に基づいています。
MAPPAが担当した最終章のスタッフ
アニメーション制作
The Final Season Part 2および完結編を制作したアニメーションスタジオ。
林祐一郎
監督
最終章の演出と映像表現を統括。
澤野弘之
音楽
シリーズの壮大な音楽世界を支える作曲家。
KOHTA YAMAMOTO
音楽
最終章の緊迫感を支える音楽を担当。
監督の林祐一郎、シリーズ構成の瀬古浩司、キャラクターデザインの岸友洋など、各分野のスタッフが参加しています。音楽は澤野弘之とKOHTA YAMAMOTOが担当しました。
Linked Horizon「最後の巨人」が各話版のOPに採用最後の巨人
2023年11月6日配信開始
Linked Horizonは、過去の『進撃の巨人』シリーズでも主題歌を担当してきた音楽プロジェクトです。
完結編の各話版では、オープニングテーマに「最後の巨人」が採用されました。エンディングテーマにはヒグチアイの「いってらっしゃい」が起用されています。
なお、この2曲は各話版に追加されたOP・ED映像に使用される楽曲です。テレビ放送時のスペシャル番組と各話版を区別するうえでも押さえておきたいポイントです。
【2026年最新】Netflix・U-NEXTの配信状況と劇場版THE LAST ATTACK
2026年11月現在、完結編後編を視聴する方法としては、動画配信サービスの利用と、劇場版による再構成作品の視聴が挙げられます。
Netflixで完結編後編は見られる?
2023年の公式配信対象サービス
Netflixは、2023年11月の公式配信発表において、完結編(後編)および各話版の配信対象に含まれていました。
ただし、2023年当時の配信決定と2026年現在の日本向けカタログは別の情報です。配信作品は契約や地域によって変わるため、過去の公式告知だけで現在の全話視聴を保証することはできません。
Netflixで視聴する場合は、アプリ内で「進撃の巨人」を検索し、The Final Seasonの最終エピソードまで表示されるか確認してください。
U-NEXTでは完結編の見放題配信を確認U-NEXTでは、2026年10月時点の公式作品ページに『進撃の巨人 The Final Season 完結編 放送用編集版』が掲載され、見放題作品として案内されています。
作品ページには前編61分、後編85分という収録情報も掲載されています。テレビ放送時のスペシャル版をそのままの構成で楽しみたい人には、分かりやすい選択肢です。
また、U-NEXTでは劇場版『THE LAST ATTACK』も見放題作品として掲載されています。テレビ版と劇場版を比較したい人にも便利です。
劇場版『THE LAST ATTACK』はテレビ版と何が違う?『進撃の巨人 完結編 THE LAST ATTACK』は、2023年に放送された完結編の前編・後編を再構築した劇場版です。
2024年11月8日(金)に公開され、林祐一郎監督の指揮による本編カットのブラッシュアップや、5.1chサラウンド音響を採用した長編映画として制作されました。
公式作品紹介では上映時間144分の映画として紹介されています。テレビ版をそのまま連続再生するのとは異なり、劇場での鑑賞を前提とした映像と音響の再構成が特徴です。
2026年の新情報:THE LAST ATTACKが2027年にSCREEN X・4DX上映へ2026年に入ってからも、『進撃の巨人』の劇場展開には新たな動きがあります。
2026年9月9日の公式発表では、劇場版『THE LAST ATTACK』を2027年にSCREEN X・4DX・ULTRA 4DXで上映することが明らかになりました。
SCREEN Xは左右の壁面にも映像を投影する3面マルチプロジェクション方式です。通常のスクリーンとは異なる視覚体験が期待されます。
特に地鳴らしの巨人が大地を進む場面や、立体機動装置を使った戦闘シーンは、劇場ならではの没入感と相性のよい映像表現です。
これは2026年11月現在の公式発表に基づく2027年の上映予定であり、具体的な公開日や上映劇場については今後の続報が待たれます。
【プロの結論】2026年に進撃の巨人完結編後編を見るなら押さえたい3つのポイント
『進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)』は、単に主人公が最後の敵と戦って終わるアニメではありません。
約10年にわたって積み重ねてきた自由、差別、復讐、愛情、戦争、そして人間の選択というテーマを、一つの結末に集約した作品です。
1. エレンを単純な英雄にも悪役にも分類しないエレンは仲間を守りたいと願う一方で、世界を破壊する選択をしました。
彼の行動には自己犠牲的な側面もあれば、自分自身の欲望や未熟さに由来する側面もあります。どちらか一方だけを強調すると、最終話で明かされる複雑な真相を十分に理解できません。
2. ミカサとアルミンの視点から最終話を見直すエレンの物語として視聴するだけでなく、ミカサがなぜ最後の決断をしたのか、アルミンがエレンの行為をどのように受け止めたのかにも注目してください。
2人の選択を通じて、作品が描こうとした「愛すること」と「過ちを許容しないこと」の両立が見えてきます。
3. 視聴目的に合わせて作品形式を選ぶ| 視聴したい内容 | おすすめの形式 |
|---|---|
| 一気に最終決戦を楽しみたい | 完結編(後編) |
| 物語を細かく振り返りたい | 各話版88~94話 |
| 前後編を連続した映画として楽しみたい | THE LAST ATTACK |
| 音楽や各話のOP・EDも楽しみたい | 各話版 |
初めて見る人は第88話から第94話まで順番に視聴するのがおすすめです。すでにテレビスペシャルを見た人なら、劇場版で映像や音響の違いを楽しむ方法もあります。
そして何より、完結編の結末を理解するためには、エレンだけでなく、ミカサ、アルミン、リヴァイ、ライナーたちがどのような選択をしてきたのかを振り返ることが大切です。
【進撃の巨人完結編後編】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:進撃の巨人完結編後編の放送日はいつですか?
A1:2023年11月4日(土)24時からNHK総合で放送されました。暦上では11月5日午前0時に当たります。
Q2:完結編後編は全部で何話ありますか?
A2:配信用の各話版では全4話です。第91話「天と地の戦い」、第92話「心臓を捧げよ」、第93話「長い夢」、第94話「あの丘の木に向かって」で構成されています。前編の3話と合わせると全7話です。
Q3:エレンは最後に死亡しますか?
A3:はい。ミカサがエレンの命を絶ちます。その選択によって地鳴らしが終わり、始祖ユミルが解放され、巨人の力も消滅します。
Q4:エレンが地鳴らしをした本当の目的は何ですか?
A4:仲間やパラディ島の人々を守ること、仲間たちを世界の英雄にすること、そしてエレン自身が抱いていた破壊への欲望など、複数の動機が重なっています。単なる自己犠牲では説明できない複雑な選択です。
Q5:NetflixとU-NEXTのどちらで視聴できますか?
A5:2023年の公式配信開始時には両サービスが対象でした。2026年10月時点ではU-NEXTの公式作品ページで放送用編集版の見放題掲載を確認できます。Netflixは地域や時期によるカタログ変更があるため、最終話までの収録状況をアプリ内で確認してください。
Q6:劇場版THE LAST ATTACKは完結編後編と同じ内容ですか?
A6:基本となる物語は同じです。ただし、前編・後編を再構築し、本編カットのブラッシュアップや5.1chサラウンド音響を採用した劇場作品になっています。2027年にはSCREEN X・4DX・ULTRA 4DXでの上映も予定されています。
『進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)』は、2023年11月4日24時からNHK総合で放送されたTVアニメシリーズの最終章です。
各話版は第91話から第94話までの全4話で、前編の第88話から第90話までを含めると全7話になります。
物語の中心は、エレンの地鳴らしを止めるための最終決戦です。ミカサの決断によって巨人の力は消滅しますが、その後の世界にも対立や争いの可能性が残されます。
2026年現在、U-NEXTでは放送用編集版の見放題掲載が確認でき、劇場版『THE LAST ATTACK』も映像作品として楽しめます。さらに2027年にはSCREEN X・4DXなどでの上映も予定されています。
エレンの目的、ミカサの愛情、アルミンの決断、そして争いが繰り返される世界。最終話まで見届けることで、『進撃の巨人』が10年間にわたって問い続けてきた自由と人間の選択というテーマが、より深く心に残るはずです。