2026年11月現在、スエズ運河の通行料は、船舶の種類や大きさ、積載状態、スエズ運河独自の船舶トン数であるSCNT(スエズ運河トン数)などを基準に決まります。すべての船が同じ金額を支払うわけではなく、コンテナ船や原油タンカーには通常の通行料に加えて特別な追加課徴金も設定されています。
料金の基準となるのは、国際通貨基金(IMF)が定める特別引出権(SDR)です。2026年7月15日には複数の船種で追加課徴金が改定され、満載船とバラスト船の負担にも違いが生じています。加えて、割引制度や通行料の精算に関する規則も更新されています。
この記事では、スエズ運河庁(SCA)の2026年公式資料、航行規則、関連する海運業界の発表を基に、料金の仕組みから米ドル・日本円への換算、実際の確認方法まで詳しく解説します。
【まず結論】スエズ運河通行料はいくら?2026年の料金体系を解説

スエズ運河通行料について最初に理解しておきたいのは、船舶1隻あたりの固定料金が存在するわけではないという点です。
同じ船種であっても、船舶の大きさや積載状態、貨物の種類、適用される割引によって支払額が変わります。
例えば、原油タンカーとコンテナ船では料金表の区分が異なります。加えて、満載状態で航行する船と、貨物を積んでいないバラスト状態の船でも、適用される料金が異なる場合があります。
スエズ運河庁(SCA)が料金を決める仕組みスエズ運河の管理・運営を担うのが、エジプトのスエズ運河庁(Suez Canal Authority、SCA)です。
SCAは運河の維持管理や航行管理を行うだけでなく、船舶の通行料を設定し、航行規則や料金改定に関する通達を発行しています。
料金政策について、SCAは次のような要素を考慮すると説明しています。
- 船舶が航行によって得られる収益力
- スエズ運河を利用する場合と代替航路を利用する場合の費用
- 船舶の種類と大きさ
- 積載状態と貨物の種類
- 国際的な海運市場や経済状況
- 運河を利用することで船舶が得られる時間・費用の節約
つまり、単純に船の大きさだけで料金を決めているのではありません。
スエズ運河を通過することで船会社が得られる経済的なメリットも、料金政策の考え方に含まれています。
2026年の料金を見るときの注意点2026年の料金を調べる場合、通常通行料と追加課徴金を区別が必要です。
通常通行料は、SCAの料金表に基づいて船種やSCNTなどから計算されます。
一方、追加課徴金は特定の船種に対して別途適用されるものです。
そのため、過去の料金表に記載された基本料金だけを見ても、2026年の実際の支払額にはなりません。
2026年11月時点では、通常通行料に加え、同年7月15日から適用された追加課徴金を確認する必要があります。
【計算方法を解説】SCNTと特別引出権(SDR)が料金を左右する
スエズ運河通航料の計算を理解するうえで欠かせないのが、SCNTとSDRという2つの概念です。
一般的な船舶の重量や総トン数だけでは、正確な通行料を算出できません。
SCNTとは何か?一般的な総トン数との違いSCNTは、Suez Canal Net Tonnageの略称で、日本語ではスエズ運河純トン数、またはスエズ運河トン数と呼ばれます。
これはスエズ運河の通行料を算定するために使われる独自の船舶トン数です。
その基礎となるのは、1873年にコンスタンティノープルで開催された国際委員会が定めた測定方式です。
重要なのは、SCNTが単純な貨物重量ではないことです。
船舶の構造や内部空間などを基に算定され、専用のスエズ運河トン数証書に記録されます。
一般的な船舶の指標とは次のような違いがあります。
| 指標 | 正式名称 | 主な意味 |
|---|---|---|
| SCNT | Suez Canal Net Tonnage | スエズ運河通行料の主要な算定基準 |
| SCGT | Suez Canal Gross Tonnage | スエズ運河基準の総トン数 |
| DWT | Deadweight Tonnage | 貨物・燃料・乗員などを積載できる重量 |
| GT | Gross Tonnage | 船舶の内部容積を基にした総トン数指標 |
特にSCNTとDWTを混同しないことが大切です。
例えば、DWTが同じ船舶でも、船体構造や内部空間が異なればSCNTは異なる可能性があります。
SCAの航行規則第92条では、通行料と追加料金の算定に使用するトン数について、専用の測定方式に基づく純トン数を定めています。
特別引出権(SDR)とは?SDRはSpecial Drawing Rightsの略称で、IMFが創設した国際準備資産です。
米ドルや日本円のような通常の通貨とは異なり、複数の主要通貨を組み合わせて価値を算定します。
現在のSDRの通貨バスケットは、次の5通貨で構成されています。
- 米ドル
- ユーロ
- 日本円
- 英ポンド
- 中国人民元
IMFはSDRの価値を原則として毎日算定しています。
スエズ運河では、このSDRを料金計算の基準として採用しています。
SCAの航行規則第105条では、SDRで算定された通行料を、IMFが公表する最新の為替評価に従って指定通貨に換算して支払う仕組みを定めています。
スエズ運河通行料の基本的な計算方法料金計算の流れは、次のように整理できます。
1. 船舶の種類を特定する。
2. SCNTと積載状態を確認する。
3. SCAの料金表から該当する通常通行料を算出する。
4. 対象船種に適用される追加課徴金を加える。
5. 利用条件に応じた割引・還付を反映する。
6. SDRを米ドルや日本円などの支払通貨に換算する。
基本的な考え方を式にすると、次のようになります。
\[
\text{支払額}
=
(\text{通常通行料}+\text{追加課徴金})
\times
\text{通貨換算率}
-
\text{適用割引額}
\]
ただし、コンテナ船のように既存の追加料金を含めた金額を基準に、さらに追加課徴金が設定される船種もあります。
したがって、すべての船に同じ計算式を機械的に適用することはできません。
公式計算機で必要になる情報SCAが公開しているVessels Tolls Calculatorでは、次のような情報を入力して概算通行料を確認できます。
- 船舶の種類
- 満載・バラストなどの状態
- DWT
- SCNT
- SCGT
- 喫水
- 船幅
- 航行方向
- 支払通貨
- SDR換算率
船種によっては、貨物量や甲板上のコンテナ段数など、追加の情報も求められます。
公式計算機の結果は概算であり、最終的な請求額とは異なる可能性があります。
【2026年最新料金表】船種別の追加課徴金を比較
2026年のスエズ運河通行料を考えるうえで、特に注目されるのが7月15日に適用された追加課徴金の改定です。
SCAは2026年6月7日付で複数の航行通達を発行し、船種ごとの追加課徴金を変更しました。
これらの課徴金は通常通行料とは別の仕組みであり、海運市場の状況に応じて変更・廃止される可能性があります。
主要な船種別追加課徴金2026年の改定内容を整理すると、次のようになります。
| 船種 | 積載状態・航行方向 | 追加課徴金 |
|---|---|---|
| 原油タンカー | 満載 | 37% |
| 原油タンカー | バラスト | 27% |
| 石油製品タンカー | 満載・バラスト | 37%・27% |
| コンテナ船 | 満載・バラスト | 12% |
| LPG船 | 満載・バラスト | 32% |
| LNG船 | 満載・バラスト | 19% |
| 化学製品・その他液体バルク船 | 満載・バラスト | 32% |
| 乾貨物船 | 満載・バラスト | 22% |
| 一般貨物船・重量物運搬船・Ro-Ro船など | 満載・バラスト | 26% |
| 自動車運搬船 | 北航 | 26% |
| 自動車運搬船 | 南航 | 12% |
出典:SCAの2026年航行通達および海運業界の通達集計。各追加課徴金の適用条件は船種別の通達に従います。
ここで注意したいのは、上記の数字が通常通行料そのものではないことです。
例えば原油タンカーの37%は、通常通行料に対する追加課徴金の割合です。通行料全体が37%になるという意味ではありません。
また、コンテナ船の12%は、通常通行料に加え、甲板上のコンテナ段数に応じた追加料金を含む通行料全体を基準に算定されます。
原油タンカーは満載37%、バラスト27%に変更原油タンカーについては、SCAのPeriodical No.16/2026が重要です。
2026年6月7日に発行されたこの通達では、従来の追加課徴金が次のように変更されました。
| 積載状態 | 改定前 | 2026年7月15日以降 |
|---|---|---|
| 満載船 | 25% | 37% |
| バラスト船 | 15% | 27% |
いずれも通常通行料に対する割合であり、南北両方向の航行が対象です。
満載船は12ポイント、バラスト船も12ポイントの引き上げとなっています。
この追加課徴金は一時的な措置であり、海運業界の市場環境に応じて変更または取り消される可能性があるとされています。
コンテナ船には12%の追加課徴金コンテナ船については、SCA Circular No.2/2026が適用されます。
対象は満載・バラスト双方のコンテナ船で、北航・南航の両方向です。
追加課徴金は通行料全体の12%です。
ここでいう通行料全体には、通常通行料だけでなく、甲板上に積まれたコンテナの段数に応じた追加料金も含まれます。
このため、コンテナ船の場合は通常通行料に単純に12%を加えるだけで終わらないケースがあります。
甲板上の積載状況まで確認しなければ、実際の負担を正確に把握できません。
【満載船・バラスト船を比較】積載状態で通行料はどう変わる?
スエズ運河の料金体系で見落とされやすいのが、満載船とバラスト船の違いです。
満載船とは貨物を積んで航行する船舶、バラスト船とは貨物を積最初に、船の安定性を保つためのバラスト水などを利用して航行する船舶を指します。
なぜ積載状態で料金が変わるのかSCAの料金制度では、船舶の収益力や積載状態を料金政策の判断材料にしています。
一般的に、貨物を積んでいる船舶と空荷に近い状態で航行する船舶では、航海による収益構造が異なります。
そのため、料金表にも満載・バラスト別の区分が設けられています。
ただし、すべての船種で満載船の料金が一律に高いわけではありません。
最終的には、それぞれの船種に適用される料金表と航行時の状態によって決まります。
船種によってはバラスト時の料金区分にも特別なルールがあるSCAの公式料金表には、次のような取り扱いが記載されています。
- バラスト状態の石油製品タンカーは、原油タンカーのバラスト料金を適用する。
- バラスト状態のオイル・ケミカルタンカーも、原油タンカーのバラスト料金を適用する。
- 満載状態のOBO船(鉱石・ばら積み・石油兼用船)は、積載貨物の種類に応じて料金を決める。
- 複数種類の貨物を積んでいるOBO船は、原則として最も高い料金区分を適用する。
- バラスト状態のOBO船は、乾貨物船のバラスト料金を適用する。
ここから分かるのは、船の名称だけでは通行料を判断できないということです。
貨物の種類と航行時の実際の状態が、料金計算に深く関係しています。
コンテナ船は甲板上の積載段数にも注意コンテナ船では、船倉内のコンテナだけでなく、甲板上に積まれたコンテナも料金計算に関係します。
特に、甲板上のコンテナ段数に応じた追加料金が存在するため、コンテナの積載状況を正確に把握する必要があります。
さらに2026年7月15日からは、従来の甲板上コンテナに関する追加料金を含む通行料全体に12%の追加課徴金が適用されています。
船のSCNTだけを確認しても、コンテナ船の総額が分からない理由はここにあります。
二重底タンクの燃料も計算に影響するもう一つ注目したいのが、二重底タンクの取り扱いです。
SCAの航行規則第92条では、航行中に二重底タンクを燃料用に使用する場合の取り扱いが定められています。
具体的には、二重底タンクの燃料使用量が6インチを超える場合、そのタンクの容積が通行料算定上のトン数に一時的に加算される規定があります。
タンクの状態を船長や機関長が確認・申告できない場合にも、タンクの容積が加算される可能性があります。
燃料タンクの使用状態まで料金に関係することは、一般の人にはあまり知られていないポイントです。
【通行料改定の経緯】2023年から2026年まで何が変わった?
スエズ運河の料金は、国際的な海運市場や運営コストなどを踏まえて見直されてきました。
特に2023年以降は、通常通行料の引き上げと、船種別の追加課徴金の変更を区別して理解する必要があります。
2023年:通常通行料の引き上げ2022年9月、SCAは2023年からの通行料改定を発表しました。
基本的には多くの船種で15%、乾貨物船とクルーズ船では10%の引き上げが設定されました。
背景には、世界的なインフレや燃料価格、船舶の運航・維持管理費用などの上昇がありました。
2024年:船種別に5%・15%の改定2023年10月16日には、SCA Circular No.7/2023が発行されました。
2024年1月15日から、対象船種に応じて通常通行料を5%または15%引き上げる内容です。
具体的には、原油タンカー、石油製品タンカー、LPG船、LNG船、化学タンカー、コンテナ船などが15%の引き上げ対象となりました。
一方、乾貨物船、一般貨物船、Ro-Ro船などは5%の引き上げ対象でした。
ただし、北西ヨーロッパの港から直接極東の港へ向かうコンテナ船については、別途定められた条件に基づく例外措置も設けられています。
2026年:一時的な追加課徴金の引き上げ2026年6月7日、SCAは複数の船種に関する航行通達を発行しました。
これにより、原油タンカーやコンテナ船などの追加課徴金が変更され、7月15日から適用されています。
今回の特徴は、通常通行料そのものの引き上げと、特定船種に対する一時的な追加課徴金が別々に管理されていることです。
過去の料金表に記載された通常料金だけを見て2026年の費用を判断すると、実際の請求額との間に差が生じます。
【割引制度と実際の確認方法】スエズ運河通行料を抑えるには?
スエズ運河庁は、単純に通行料を引き上げるだけでなく、運河を利用する船舶を増やすための割引制度も設けています。
これは、喜望峰経由などの代替航路との競争を意識した料金政策です。
SCAが設けている主な割引制度公式サイトでは、次のような柔軟な料金政策が紹介されています。
| 制度 | 内容 | 主な確認事項 |
|---|---|---|
| Long Haul Rebate System | 長距離航路を対象とした割引制度 | 出発地・目的地・航海条件 |
| Tolls Permanent Reductions | 特定条件に対する恒常的な料金引き下げ | 対象船種・適用条件 |
| Cargo Incentive Rebate Policy | LNG貨物などを対象とした優遇制度 | 貨物の種類・数量 |
| SUMED Pipelineとの協力制度 | パイプライン輸送との組み合わせを考慮した制度 | 対象となる輸送条件 |
| Time Saving Service | 時間短縮サービスに関連する優遇施策 | サービスの適用条件 |
これらの制度は、すべての船舶に自動的に適用されるものではありません。
船種、貨物、航海経路、出発地と目的地などの条件を満たす必要があります。
長距離航路割引は事前申請が基本Long Haul Rebate Systemは、特に注目したい制度です。
SCAが公開している利用条件によると、原則として船舶が出発港を出航する少なくとも48時間前までに申請する必要があります。
承認された割引の有効期間は、SCAが最初に回答した日から70日間です。
また、重要なのは、割引が承認されても通行時点で通常通行料を全額支払う仕組みになっていることです。
必要書類を提出し、SCAの審査を経た後に割引相当額が還付されます。
必要書類には次のようなものがあります。
- 出発港の証明書
- 到着港の証明書
- 船主による還付請求書
- 中間寄港が非商業目的だった場合の証明書
原則として、通過日の翌日から1暦年以内に必要書類を提出する必要があります。
書類の提出期限を守らなかった場合や、商業目的の中間寄港など条件に違反した場合には、承認済みの割引が取り消される可能性があります。
2026年9月にはSCNTによる過去料金の精算規則も改定2026年9月28日付のPeriodical No.29/2026では、船舶の必要書類が不足していた場合の通行料精算に関する規則が改定されました。
必要書類を遅くとも3回目の通航までに提出した場合、一定の条件の下で過去の通航分についてもSCNTを基準に精算できる仕組みです。
対象となる過去の通航は、初回通航の翌日から6か月以内であることが条件となっています。
これは料金表の基本単価を変更する改定ではありません。
しかし、SCNTを正確に確認できる書類の提出が、実際の通行料精算に影響するという点で重要な変更です。
実際の通行料を調べるための手順実務上は、次の順序で確認すると分かりやすくなります。
1. SCA公式サイトのTolls Tableで船種別の料金区分を確認する。
2. 船舶のSCNT証書を確認する。
3. 満載・バラストの状態を確認する。
4. 船種別の最新追加課徴金を確認する。
5. 割引制度の対象となるか確認する。
6. Vessels Tolls Calculatorで概算金額を算出する。
特に、船舶が実際に通航する日付を基準に適用通達を確認することが大切です。
古い資料を利用すると、2026年7月15日以降の追加課徴金が反映されていない可能性があります。
【米ドル・日本円換算】2026年のSDRはいくら?
日本の読者にとって気になるのが、SDRで表示される通行料を米ドルや日本円に換算すると、いくらになるのかという点です。
2026年11月4日に公表されたIMFの通貨評価資料では、直近の2026年11月2日の数値として、次の換算値が確認できます。
2026年11月2日基準の参考換算
1 SDRUS$1.356
1 SDR約214.0円
参考:1米ドル=約157.8円。IMF公表値を基にした概算。
例えば、料金が100SDRだった場合の換算額は次のようになります。
| SDR建ての金額 | 米ドル換算 | 日本円換算 |
|---|---|---|
| 100 SDR | 約135.6ドル | 約21,400円 |
| 1,000 SDR | 約1,356ドル | 約21万4,000円 |
| 10,000 SDR | 約13,561ドル | 約214万円 |
| 100,000 SDR | 約135,608ドル | 約2,140万円 |
これは通貨換算の例であり、実際のスエズ運河通行料を示すものではありません。
実際の請求では、通航時点で適用される料金とIMFの最新換算率を確認する必要があります。
また、SCAが受け付けている支払通貨には、米ドル、日本円、ユーロ、英ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、デンマーククローネ、ノルウェークローネ、スイスフラン、中国人民元があります。
そのため、日本円での支払いを選択することも制度上可能です。
【スエズ運河通行料】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:スエズ運河通行料は船1隻あたりいくらですか?
A1:一律の金額はありません。船種、SCNT、満載・バラストの状態、追加課徴金、割引の有無によって変わります。SCAの公式計算機を利用すると概算額を確認できます。
Q2:SCNTとDWTは同じ意味ですか?
A2:違います。SCNTはスエズ運河独自の純トン数で、DWTは船舶の載貨重量です。通行料の主要な算定基準となるのはSCNTです。
Q3:2026年の原油タンカーの追加課徴金は何%ですか?
A3:2026年7月15日以降、満載の原油タンカーは通常通行料の37%、バラスト状態では27%です。いずれも一時的な追加課徴金です。
Q4:コンテナ船にも追加料金はありますか?
A4:あります。2026年7月15日から満載・バラスト双方のコンテナ船に12%の追加課徴金が適用されています。甲板上のコンテナ段数に応じた既存の追加料金も計算に含まれます。
Q5:スエズ運河通行料は日本円で支払えますか?
A5:支払えます。SCAは日本円を受け付ける通貨の一つとして認めています。SDRを基準に最新の換算率を適用します。
Q6:スエズ運河の通行料には割引制度がありますか?
A6:あります。長距離航路割引やLNG貨物の優遇制度などが用意されています。ただし、船種や航路、事前申請、必要書類などの条件があります。
Q7:2026年の最新料金表はどこで確認できますか?
A7:スエズ運河庁の公式サイトにあるTolls TableとVessels Tolls Calculatorで確認できます。追加課徴金については、最新のNavigation Circularsも併せて確認する必要があります。
2026年のスエズ運河通行料は、単純な船舶の大きさや貨物重量だけで決まるものではありません。
料金の中心となるのは、船種別の通常通行料、SCNT、満載・バラストの状態、SDRによる通貨換算です。
特に2026年7月15日から適用された追加課徴金の改定は重要です。原油タンカーでは満載37%・バラスト27%、コンテナ船では12%という新しい負担が設定されています。
また、長距離航路割引や貨物インセンティブなど、条件を満たす船舶が利用できる優遇制度も存在します。
実際の費用を正確に把握するためには、次の3点を押さえることが重要です。
- 料金の基準を確認する: 船種とSCNTから通常通行料を算出する。
- 最新通達を確認する: 追加課徴金や積載状態による違いを反映する。
- 割引と為替を確認する: 適用可能な還付制度と通航時点のSDR換算率を確認する。
スエズ運河は、アジアと欧州を結ぶ海上物流の重要なルートです。その通行料は船会社の運航コストだけでなく、国際物流や商品価格にも影響を及ぼします。
2026年以降も、海運市場の変化に応じてSCAが料金や割引制度を見直す可能性があります。過去の料金表だけに頼らず、通航日ごとの公式通達を確認することが、正確な費用把握につながります。
主な参照資料:スエズ運河庁(SCA)航行規則、Tolls Table、Vessels Tolls Calculator、Navigation Circulars(2023年・2026年発行)、国際通貨基金(IMF)SDR評価資料。