2026年11月現在、北海道江別市で発生した「江別大学生集団暴行死事件」で、長谷知哉さん(当時20歳)の交際相手だった八木原亜麻被告は、強盗致死罪、詐欺罪、詐欺未遂罪に問われています。2024年10月25日から26日にかけて起きた事件では、長谷さんが複数人から暴行を受けて死亡し、現金やクレジットカードなども奪われました。
事件の発端とされるのは、長谷さんと八木原被告の交際をめぐるトラブルです。友人の川村葉音被告や少年らを含む6人が共謀したとされ、すでにほかの5人については裁判員裁判が進み、懲役30年や無期懲役などの判決も出ています。一方、八木原被告本人の裁判は、2026年11月4日時点でも初公判の日程が公表されていません。
【八木原亜麻被告は何の罪に問われている?3つの起訴内容を解説】

八木原亜麻被告に対する起訴内容で、特に重要なのが強盗致死罪です。
2024年12月6日、札幌地方検察庁は、八木原被告と川村葉音被告を強盗致死などの罪で起訴しました。当初の傷害致死などの容疑から、金品を奪う目的での暴行と死亡結果を含む、より重大な罪名での起訴に変わっています。
1. 強盗致死罪強盗致死罪は、強盗行為に関連して被害者を死亡させた場合に問われる重大な犯罪です。
今回の事件では、長谷さんに暴行を加えながら現金や財布、クレジットカード、キャッシュカードなどを要求し、奪ったとされています。
検察側は、八木原被告を含む6人が共謀し、一連の暴行と金品の強奪に関与したと判断しました。
ここで重要なのは、八木原被告が直接殴ったかどうかだけで、強盗致死罪の成立が決まるわけではないという点です。共謀の有無や各人の役割も刑事責任を判断するうえで問題になります。
2. 詐欺罪詐欺罪については、長谷さんから奪ったクレジットカードを使用した行為が問題になっています。
2024年10月25日午後11時49分ごろ、八木原被告と川村被告はコンビニエンスストアで長谷さん名義のクレジットカードを使用し、たばこ32箱と八木原被告の弁当を購入したと報じられています。
他人名義のカードを不正に使用して商品を購入する行為が、詐欺罪の対象として起訴されています。
3. 詐欺未遂罪同じコンビニで、さらにたばこ10箱を購入しようとしたものの、クレジットカードが使用停止になり、決済できなかったとされています。
実際に商品を取得できなかったこの行為について、詐欺未遂罪が問われています。
詐欺罪と詐欺未遂罪は、商品を取得できたかどうかという点で区別されます。
八木原被告と川村被告の罪名の違いここは検索時に混同されやすい部分です。
| 罪名 | 八木原亜麻被告 | 川村葉音被告 |
|---|---|---|
| 強盗致死 | 起訴対象 | 起訴対象 |
| 詐欺 | 起訴対象 | 起訴対象 |
| 詐欺未遂 | 起訴対象 | 起訴対象 |
| 窃盗 | 報道上、本人の起訴内容として確認されていない | 起訴対象 |
川村被告には、長谷さんのキャッシュカードを使ってATMから現金12万7000円を引き出した窃盗の罪も問われています。
一方、八木原被告はATMから現金を引き出した5人には含まれていないと報じられています。八木原被告と川村被告の起訴内容を、すべて同一視しないことが大切です。
【事件発生の経緯】長谷知哉さんとの交際トラブルから何が起きた?
事件の背景として、検察側は長谷さんと八木原被告の交際関係をめぐるトラブルを挙げています。
2026年5月25日に始まった川村被告らの裁判員裁判では、検察側の冒頭陳述で事件前の経緯が説明されました。
2024年9月から始まった交際報道によると、長谷さんと八木原被告は2024年9月23日ごろに交際を始めました。
しかし、長谷さんは卒業後に東京へ行く予定があり、遠距離恋愛は難しいとして、交際を1年程度で終える意向を伝えたとされています。
10月24日には、八木原被告が友人の川村被告に交際関係について相談しました。
長谷さんから八木原被告に送られた「1か月ありがとう」というメッセージも、裁判で示された事件前の経緯の一つです。
事件当日から翌朝までの時系列| 日時 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年9月23日ごろ | 長谷さんと八木原被告が交際開始 |
| 10月23日ごろまで | 長谷さんが将来の進路と交際継続について伝える |
| 10月24日 | 八木原被告が川村被告に交際について相談 |
| 10月25日午後11時21分ごろ | 江別市内の公園で長谷さんへの暴行が始まる |
| 同日午後11時27分ごろ | 現金やカードなどの要求が始まる |
| 同日午後11時49分ごろ | 八木原被告と川村被告が長谷さんのカードでコンビニの商品を購入 |
| 10月26日午前0時9分ごろ | 2人が戻った後、長谷さんへの暴行が再開 |
| 同日午前2時ごろ | 八木原被告が帰宅。ほかの5人はATMで現金を引き出す |
| 同日午前6時10分 | 公園で長谷さんが発見され、搬送先の病院で死亡が確認される |
| 同日午後4時40分 | 八木原被告が警察に連絡し、出頭 |
この時系列は、札幌地裁での裁判で検察側が示した経緯や報道された証拠に基づくものです。
約2時間に及んだ暴行と死亡の経緯長谷さんは事件当日、江別市内の公園で複数人から暴行を受けました。
報道された法廷資料によると、暴行は約2時間に及び、金品を要求する行為と並行して続けられました。
長谷さんには外傷性くも膜下出血や硬膜下出血、腰椎の骨折などが確認され、腎臓の損傷などによって血液の20~30%を失ったとされています。
死因は外傷性ショックでした。
また、事件後には長谷さんの衣服やスマートフォンなどが処分され、キャッシュカードから現金12万7000円が引き出されたと報じられています。
八木原被告は事件当日の午前2時ごろに帰宅しており、その後のATMでの現金引き出しについては、ほかの5人の行為として報じられています。
【関係者と共謀の構図】八木原亜麻・川村葉音・ほかの被告の関係
この事件では、6人それぞれの関与の程度が重要な争点になっています。
特に、長谷さんの交際相手だった八木原被告と、友人の川村被告、暴行を主導したと認定された川口侑斗被告の関係は、事件の全体像を理解するうえで欠かせません。
事件の主な関係者一覧| 人物 | 長谷さんとの関係 | 2026年11月時点の状況 |
|---|---|---|
| 八木原亜麻被告 | 交際相手 | 初公判日程未公表 |
| 川村葉音被告 | 八木原被告の友人 | 懲役30年。一審判決に双方控訴 |
| 川口侑斗被告 | 面識のない共犯者 | 無期懲役。一審判決に本人が控訴 |
| 滝沢海裕被告 | 面識のない共犯者 | 懲役20年。判決確定 |
| 当時17歳の少年 | 共犯者 | 懲役30年。判決確定 |
| 当時16歳の少年 | 共犯者 | 懲役9年以上13年以下。判決確定 |
※年齢は犯行時と公判時の報道を区別して扱っています。判決・控訴状況は各被告の一審手続に関するものです。
川村葉音被告はどのような役割だったのか川村被告は八木原被告の友人で、事件前に交際トラブルについて相談を受けていた人物です。
検察側は、川村被告が事件のきっかけを作り、長谷さんへの暴行や金品要求に関与したと主張しました。
2026年6月25日、札幌地裁は川村被告に懲役30年を言い渡しています。
裁判所は、川村被告が事件の端緒を作り、共犯者の暴行をエスカレートさせる行動を取ったと評価しました。
川口侑斗被告は主犯格と認定された川口被告は、事件当時18歳だった特定少年です。
2026年8月7日、札幌地裁は川口被告に無期懲役を言い渡しました。
裁判所は、川口被告が共犯者を主導し、犯行をエスカレートさせたと評価しています。
一方、川村被告については懲役30年という判決であり、同じ事件に関与した被告でも役割によって判断が異なりました。
【共謀と刑事責任】八木原被告は直接暴行していなくても罪に問われる?
八木原被告の裁判で特に注目されるのが、共謀の有無と具体的な関与の程度です。
2024年12月のHBC北海道放送の報道によると、八木原被告は捜査段階で、自分は直接暴行には加担しておらず、笑うなどしてあおったという趣旨の説明をしていたとされています。
しかし、検察側は、直接暴行を加えた少年らと共謀が成立すると判断し、強盗致死罪などで起訴しました。
共謀共同正犯とは何か刑事事件では、実際に手を下した人物だけが責任を問われるとは限りません。
複数人が犯罪を実行する意思を共有し、それぞれの役割を担って犯罪を実現した場合、共謀共同正犯として責任を問われる可能性があります。
ただし、単に現場にいたことや、ほかの人物と知り合いだったことだけで、直ちに共謀が成立するわけではありません。
重要になるのは、次のような事情です。
- 犯行について事前または現場で意思を共有していたか
- 金品を奪う行為を認識し、協力していたか
- 暴行の継続や犯行の実行にどのような役割を果たしたか
- 犯行によって利益を得たか
- 犯行後にどのような行動を取ったか
八木原被告の場合、事件前の交際トラブル、川村被告への相談、現場での行動、奪ったカードの使用などが、今後の裁判で重要な検討対象になると考えられます。
直接暴行への参加とカード使用は別々に考える必要があるここで注意したいのは、直接暴行への参加と、カードを使った詐欺行為は別の犯罪事実だということです。
八木原被告については、コンビニで長谷さんのクレジットカードを使用した行為が報道されています。
一方、暴行への関与や強盗致死罪については、検察側の主張と被告本人の説明を区別する必要があります。
八木原被告本人の公判では、共謀の成立、各行為への認識、事件全体に対する責任の程度が要点になるでしょう。
【2026年最新】八木原亜麻被告の現在と公判日程は?
2026年11月4日現在、事件の共犯者5人については、それぞれ裁判員裁判で判決が出ています。
しかし、八木原被告本人の裁判は別に進められており、初公判日程は公表されていません。
2026年6月25日:川村被告ら3人に判決札幌地裁は次の判決を言い渡しました。
- 川村葉音被告:懲役30年
- 滝沢海裕被告:懲役20年
- 当時16歳の少年:懲役9年以上13年以下の不定期刑
7月10日までに滝沢被告と当時16歳の少年は控訴せず、判決が確定しました。
川村被告については、7月9日付で本人と検察側の双方が控訴しています。
2026年8月7日:残る2人にも判決札幌地裁は、川口侑斗被告に無期懲役、当時17歳の少年に懲役30年を言い渡しました。
川口被告は8月10日付で控訴しました。
一方、当時17歳だった少年は控訴せず、8月24日までに懲役30年の判決が確定しました。
八木原被告の初公判はいつ?ここが2026年11月現在、最も注目されるポイントです。
2026年8月21日のABEMA TIMESの報道では、八木原被告の裁判はまだ始まっていないとされています。
また、札幌地方裁判所が公表した2026年10月15日現在の裁判員裁判開廷期日情報にも、本事件の公判予定は掲載されていません。
ただし、裁判所は事件の内容などを踏まえて、開廷期日情報を掲載していない事件もあると説明しています。そのため、一覧への掲載がないことだけで、今後の公判日程まで断定することはできません。
現段階で、八木原被告の初公判日や判決日を具体的に示すことはできません。
【よくある質問】八木原亜麻被告の罪と現在に関するFAQ
Q1:八木原亜麻被告は何の罪で起訴された?
強盗致死罪、詐欺罪、詐欺未遂罪の3つです。長谷知哉さんへの暴行と金品の強奪、奪ったクレジットカードの不正使用などが起訴内容に含まれています。
Q2:八木原亜麻被告は長谷知哉さんを直接殴った?
捜査段階で、八木原被告は直接暴行に加担していないという趣旨の説明をしたと報じられています。一方、検察側は共謀が成立すると判断して起訴しています。本人の刑事責任については、本人の公判での判断が必要です。
Q3:八木原亜麻被告と川村葉音被告の関係は?
2人は友人関係にありました。八木原被告は事件前、長谷さんとの交際トラブルについて川村被告に相談していたと報じられています。
Q4:八木原亜麻被告の判決はいつ?
2026年11月4日現在、初公判日程が公表されていないため、判決日も未定です。
Q5:ほかの被告はどのような判決を受けた?
川村被告は懲役30年、滝沢被告は懲役20年、当時16歳の少年は懲役9年以上13年以下、川口被告は無期懲役、当時17歳の少年は懲役30年です。川村被告と川口被告は控訴しています。
Q6:八木原被告にも無期懲役や懲役30年の可能性がある?
ほかの被告の判決だけから、八木原被告の刑を予測することはできません。実際の関与、共謀の成立、各犯罪への認識、犯行における役割などを踏まえ、本人の裁判で判断されます。
八木原亜麻被告が問われているのは、強盗致死罪、詐欺罪、詐欺未遂罪です。
事件の発端には長谷知哉さんとの交際トラブルがあり、2024年10月25日夜から26日朝にかけて、集団暴行と金品の強奪、カードの不正使用が発生しました。
2026年には共犯者5人の一審判決が出そろい、3人の刑が確定しました。一方、川村被告と川口被告は控訴しており、八木原被告本人の裁判はこれからです。
今後、注目すべき点は次の3つです。
1. 共謀の成立: 直接暴行への参加の有無だけでなく、強盗致死に至る犯行をどこまで認識し、協力していたか。
2. 犯行への関与の程度: 交際トラブルをめぐる事件の発端、カード使用、現場での行動などがどのように評価されるか。
3. 公判と量刑: 初公判での認否、検察側と弁護側の主張、証拠調べを経て、どのような司法判断が示されるか。
何より、この事件で命を奪われたのは、当時20歳だった長谷知哉さんです。共犯者それぞれの判決や刑事責任を検証することは、事件の全容を明らかにするうえで欠かせません。
八木原被告の公判が始まれば、交際トラブルから事件に至った経緯と、本人が担ったとされる役割について、さらに具体的な事実が明らかになる可能性があります。被告ごとの判決を混同せず、長谷さんの命が失われた事件の責任がどのように判断されるか、引き続き注視する必要があります。