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抗がん剤を勧める医師の本音とは?治療効果・副作用・中止判断を2026年最新情報で徹底解説

八代 美咲 八代 美咲 • 更新: • 公開: • 読了約 28 分
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「医師は本当は抗がん剤を勧めたくないのでは?」「抗がん剤にはどれほど効果があるのか」「副作用を知っていても、なぜ治療を勧めるのか」。がんと診断され、抗がん剤治療を提案された患者や家族にとって、主治医の説明だけでは解消できない疑問は少なくありません。

抗がん剤を勧める医師の判断には、がんの種類、進行度、再発リスク、薬剤による治療効果、患者の体力や生活の希望など、複数の医学的な事情が関係しています。2026年11月現在、国立がん研究センターの「がん情報サービス」や厚生労働省の公的情報をもとに、抗がん剤治療の本当の効果、副作用、免疫療法との違い、治療を続けるか見直すかの判断基準を整理します。

【1】抗がん剤を勧める医師の本音とは?治療を提案する本当の理由

抗がん剤医者本音

「抗がん剤は体に負担がかかると分かっているのに、なぜ医師は治療を勧めるのか」。この疑問を理解するには、医師が抗がん剤を提案する際に何を判断しているのかを知る必要があります。

まず押さえておきたいのは、医師が抗がん剤を勧めることと、抗がん剤なら必ずがんが治ると考えていることは同じではないという点です。

医師が重視するのは治療によって得られる利益

がんの薬物療法を提案する際、医師が検討するのは、治療によって期待できる利益と、患者が受ける身体的・精神的な負担のバランスです。

例えば、手術でがんを取り除いた後でも、目に見えないがん細胞が体内に残っている可能性があります。このような場合、再発リスクを下げる目的で術後補助化学療法が検討されます。

一方、遠隔転移がある進行がんでは、手術だけで病気を取り除くことが難しい場合があります。その場合、抗がん剤などの薬物療法によってがんの進行を抑え、症状を軽減したり、生存期間の延長を目指したりします。

つまり、同じ抗がん剤でも、患者の病状によって治療の目的は異なります。国立がん研究センターのがん情報サービスでも、薬物療法はがんの種類や進行度、性質に応じて選択されると説明されています。

医師が治療を提案するときに考える5つのポイント

抗がん剤を勧める背景には、主に次のような医学的判断があります。

  • 根治の可能性:抗がん剤によってがんを縮小・消失させ、治癒を目指せる可能性があるか。
  • 再発予防:手術後の再発リスクを減らすことで、長期的な予後を改善できるか。
  • 進行の抑制:転移や再発がある場合、病気の進行を遅らせられるか。
  • 身体への適応:年齢だけでなく、心臓・肝臓・腎臓の機能や全身状態が治療に耐えられるか。
  • 本人の希望:延命、日常生活の維持、仕事や家族との時間など、何を優先したいか。

特に重要なのが、患者本人の希望です。医学的に治療が可能であっても、本人がどのような生活を送りたいのかによって、治療の選択や強度は変わります。

医師は副作用を承知で勧めているのか

抗がん剤には副作用があります。医師もそのリスクを把握したうえで治療を提案します。

ただし、副作用があるからといって治療の価値がないわけではありません。副作用の危険性と、治療によって期待できる効果を比較し、治療を受けるメリットが上回ると判断した場合に提案されます。

一方、期待できる効果が小さく、身体への負担が大きいと予測される場合には、薬剤の変更、投与量の調整、治療の延期、中止などが検討されることもあります。

医師の本音を知りたいなら、「抗がん剤を勧める理由」だけでなく、「この治療を受けなかった場合に何が起こると予想されるのか」まで尋ねることが大切です。

【2】抗がん剤治療の本当の効果は?がんの種類・進行度による違い

抗がん剤治療について、最も誤解が生じやすいのが治療効果です。

「抗がん剤を使えばがんが小さくなる」「抗がん剤は延命にしかならない」といった説明は、どちらもすべての患者に当てはまるものではありません。

薬の効果は、がんの種類、病期、遺伝子やタンパク質などの特徴、薬剤への感受性によって大きく変わります。

がんを治すことを目指す抗がん剤治療

抗がん剤が治癒を目指す治療の中心となるがんもあります。

代表例として、急性白血病、悪性リンパ腫、胚細胞腫瘍などが挙げられます。これらの一部では、薬物療法によって高い治療効果が期待でき、治療の中心的な役割を担います。

また、手術前に薬物療法を行って腫瘍を小さくし、手術で取り除きやすくする方法もあります。これは術前薬物療法と呼ばれます。

手術後に抗がん剤を使う理由

手術でがんを取り除いたにもかかわらず、抗がん剤治療を勧められるケースがあります。

患者からすれば「がんを取ったのに、なぜさらに治療が必要なのか」と疑問に感じるところです。

その理由は、画像検査や手術で確認できない微小ながん細胞が残っている可能性があるためです。

術後補助化学療法は、再発や転移のリスクを減らす目的で行われます。ただし、すべての患者に必要なわけではなく、がんの種類、進行度、再発リスク、全身状態などによって判断されます。

進行がん・再発がんでは何を目指すのか

進行がんや再発がんでは、治療の目的が変わることがあります。

例えば、手術で完全に取り除くことが難しい進行・再発胃がんでは、薬物療法によってがんの進行を抑えたり、がんによる症状を和らげたりすることが治療の目的になります。

この場合、がんが完全に消失することだけが治療の成功ではありません。腫瘍の増大を抑え、食事や日常生活を維持し、本人が望む時間を過ごせることも重要な成果です。

国立がん研究センターの胃がん治療情報でも、手術による根治が難しい進行・再発胃がんに対する薬物療法について、進行抑制や症状緩和の役割が説明されています。

治療効果はどのように判断するのか

医師は、抗がん剤を投与した後、画像検査や血液検査などを通じて効果を評価します。

固形がんの場合は、CTなどで腫瘍の大きさや病変の変化を確認します。血液のがんでは、腫瘍細胞の数や血液細胞の状態などが判断材料になります。

治療効果の代表的な分類は次の4つです。

  • 完全奏効(CR):検査上、がんの兆候が確認できなくなった状態。ただし、必ずしも治癒を意味しない。
  • 部分奏効(PR):腫瘍が縮小するなど、病状が改善した状態。
  • 安定(SD):明らかな縮小も進行も認められない状態。
  • 進行(PD):腫瘍が大きくなるなど、病状が進行した状態。

ここで知っておきたいのが、腫瘍が小さくならなくても、治療が無意味とは限らないことです。進行を抑えられている安定状態も、治療目標によっては重要な成果になります。

なお、腫瘍マーカーの数値だけで治療効果やがんの進行を判断することはできません。画像検査やその他の検査結果と合わせて総合的に評価します。

【3】抗がん剤の副作用とリスクは?医師が注意する身体への影響

抗がん剤治療を検討するとき、患者や家族が不安を感じるのが副作用です。

抗がん剤には、がん細胞を攻撃する一方で、正常な細胞にも影響する薬があります。特に細胞分裂が活発な毛根、消化管の粘膜、骨髄などは影響を受けやすく、さまざまな症状が現れることがあります。

主な副作用と発生する仕組み

副作用の種類や程度は、使用する薬剤、投与量、治療期間、患者の体調などによって異なります。

  • 吐き気・嘔吐:消化管や脳の嘔吐に関係する仕組みへの影響などで起こる。
  • 脱毛:毛根の細胞が薬剤の影響を受けることで起こる。
  • 骨髄抑制:白血球や赤血球、血小板などが減少する。
  • 口内炎:口の中の粘膜がダメージを受けることで起こる。
  • 下痢・便秘:消化管の粘膜や腸の働きへの影響で起こる。
  • 末梢神経障害:手足のしびれ、感覚の鈍さ、痛みなどが現れる。
  • 肝機能・腎機能障害:薬剤によって肝臓や腎臓に負担がかかることがある。

国立がん研究センターのがん情報サービスによると、細胞障害性抗がん薬では、投与後の時期によって副作用が現れる傾向があります。例えば、吐き気や食欲低下、だるさなどは治療後1~2週目ごろに見られることがあり、脱毛や手足のしびれなども薬剤によって生じます。

特に注意したい骨髄抑制と感染症

副作用の中でも、医師が慎重に管理するものの一つが骨髄抑制です。

白血球の一種である好中球が減少すると、感染症にかかりやすくなります。普段なら問題にならない細菌などによって、重い感染症を引き起こす可能性もあります。

国立がん研究センターは、白血球が減少している、または減少が予測される状況で、37.5度以上の発熱、悪寒、咳、のどの痛みなどが現れた場合、治療を受けている医療機関に速やかに連絡するよう案内しています。

発熱や強い倦怠感を「抗がん剤の副作用だから仕方ない」と自己判断して放置するのは危険です。治療開始時に、緊急連絡先と受診の目安を確認しておきましょう。

副作用は我慢するしかないのか

抗がん剤治療では、副作用を軽減するための支持療法も行われます。

吐き気止めの使用、感染症予防、栄養管理、口腔ケア、痛みへの対処など、薬物療法と並行してさまざまな対策が取られます。

また、副作用が強い場合には、薬剤の変更、投与量の減量、投与間隔の調整、治療の一時休止などが検討されます。

大切なのは、つらい症状を我慢して治療を続けることではありません。どの症状がいつから現れ、日常生活にどの程度影響しているのかを医師や看護師、薬剤師に伝えることです。

【4】抗がん剤と免疫療法はどちらがよい?標準治療の仕組みと違い

抗がん剤を勧められた患者の中には、「免疫療法の方が副作用が少なく、効果も高いのではないか」と考える人もいます。

しかし、抗がん剤と免疫療法は、単純に優劣を比較できる治療ではありません。がんの種類や性質、使用できる薬剤、治療目的によって適切な選択肢が異なります。

抗がん剤治療には複数の種類がある

一般に抗がん剤と呼ばれる治療は、厳密にはさまざまな薬物療法を含む言葉として使われています。

国立がん研究センターでは、がんの薬物療法に使われる薬を、作用の仕組みによって大きく分類しています。

  • 細胞障害性抗がん薬:細胞の増殖に関係する仕組みを妨げ、がん細胞を攻撃する。
  • 分子標的薬:がんの発生や増殖に関係する特定の分子を標的にする。
  • ホルモン療法薬:ホルモンの分泌や働きを抑え、がんの増殖を抑制する。
  • 免疫チェックポイント阻害薬:免疫細胞にかかっているブレーキを解除し、がんへの攻撃を促す。

つまり、免疫チェックポイント阻害薬も薬物療法の一つです。従来型の抗がん剤と免疫療法は、完全に別々の治療というわけではありません。

抗がん剤治療と免疫療法の違い

それぞれの特徴を整理すると、次のようになります。

比較項目 細胞障害性抗がん薬 免疫チェックポイント阻害薬
主な仕組み がん細胞の増殖を妨げる 免疫細胞の働きを利用する
主な対象 薬剤ごとに適応となるがんが異なる 薬剤ごとに適応となるがんが異なる
主な副作用 吐き気、脱毛、骨髄抑制など 免疫反応による臓器障害など
効果の特徴 腫瘍縮小や進行抑制など 効果が期待できる患者・がん種が限られる
治療方法 点滴や内服など 主に点滴など
併用の可能性 他の薬物療法と組み合わせる場合がある 細胞障害性抗がん薬などと併用する場合がある

免疫チェックポイント阻害薬は、従来型の抗がん剤とは異なる副作用が起こります。免疫が過剰に働くことで、肺、肝臓、腸、甲状腺などに炎症や障害が生じる可能性があります。

従来型の抗がん剤に比べて、吐き気や脱毛などの副作用が少ない場合もありますが、免疫療法なら副作用が軽い、あるいは安全という意味ではありません。副作用が治療終了後に現れることもあります。

免疫療法なら誰でも受けられるわけではない

ここは特に誤解されやすい部分です。

免疫療法には科学的根拠が確認された治療と、まだ十分な効果や安全性が確認されていない治療があります。

免疫チェックポイント阻害薬は、一定のがん種や条件で有効性が確認され、保険診療で使用できるものがあります。しかし、すべてのがんに有効なわけではありません。

また、自由診療で提供される一部のがんワクチン療法や樹状細胞ワクチン療法などは、国立がん研究センターが示す分類では、効果が科学的に証明されていない免疫療法に該当するものがあります。

高額な治療費を支払えば、標準治療より高い効果が得られるという保証はありません。治療を選ぶ前に、有効性、安全性、費用、標準治療との関係を確認する必要があります。

標準治療は古い治療という意味ではない

もう一つ、知っておきたいのが標準治療の意味です。

標準治療とは、科学的根拠に基づき、現時点で最も推奨される治療法を指します。

最先端の治療や新しい薬が、必ずしも標準治療より優れているわけではありません。新しい治療法は臨床試験などで有効性と安全性を検証し、従来の治療より優れていることが確認されて初めて、新たな標準治療として推奨されます。

したがって、医師が標準治療を勧めることは、古い方法に固執しているという意味ではありません。科学的に確認された利益を患者に提供するという判断に基づいています。

【5】抗がん剤治療を続けるべきか、中止すべきか?医師の判断基準

抗がん剤治療を受けている患者にとって、最も難しい判断の一つが治療の継続や中止です。

副作用がつらい場合、効果が実感できない場合、治療を続ける意味が分からなくなった場合など、迷いが生じる理由はさまざまです。

医師は、単に治療を続けるかどうかだけでなく、現在の治療が本人にとってどれほどの利益をもたらしているかを評価します。

治療を続けるか判断する5つの基準

主な判断材料は次のとおりです。

1.がんの状態に改善や進行抑制が見られるか

CTなどの画像検査、血液検査、身体症状などから治療効果を評価します。腫瘍が縮小している場合だけでなく、進行が抑えられている場合も継続を検討する理由になります。

2.副作用が許容できる範囲か

強い吐き気、食欲不振、手足のしびれ、感染症などが生活に与える影響を確認します。症状が強い場合には、支持療法や投与量の調整などが検討されます。

3.身体機能や臓器の状態が保たれているか

体力、食事摂取量、活動状況、血液検査、肝臓や腎臓の機能などを確認します。治療を継続することで健康状態が著しく悪化する可能性があれば、治療方針の見直しが必要になります。

4.他に有効な治療選択肢があるか

現在の薬剤で十分な効果が得られない場合には、別の薬剤、併用療法、臨床試験などが選択肢になることがあります。

5.患者本人が何を望んでいるか

治療期間、通院の負担、家族との時間、仕事、生活の質なども重要な判断材料です。医学的な効果だけでなく、患者本人が大切にしていることを踏まえて方針を決めます。

治療の中止は失敗を意味しない

抗がん剤治療を中止すると聞くと、治療を諦めることや、医師から見放されることを想像する人もいます。

しかし、治療の中止や変更には医学的な理由があります。

例えば、次のような選択肢が考えられます。

  • 薬の投与量を減らす。
  • 副作用が回復するまで治療を延期する。
  • 副作用の少ない別の薬剤に切り替える。
  • 現在の治療を終了し、別の治療法を検討する。
  • 抗がん剤治療を終了し、症状緩和や生活の質を重視する。

特に進行がんでは、抗がん剤による利益が小さくなり、身体への負担が大きくなった場合、治療を終了して緩和ケアを中心にする選択肢もあります。

緩和ケアは、抗がん剤治療をやめてから始めるものではありません。国立がん研究センターのがん情報サービスでは、がんと診断されたときから、がん治療と並行して受けられるものと説明されています。

自己判断で治療を中断してはいけない理由

副作用がつらいからといって、医師への相談なしに薬を中止したり、通院をやめたりすることは避けてください。

薬剤によっては、投与スケジュールや休薬期間が治療効果と安全性に関係しています。自己判断で変更すると、病状の悪化や副作用管理の遅れにつながる可能性があります。

治療を続けることが難しいと感じたら、「治療をやめたい」と伝えても構いません。そのうえで、減量、休薬、薬剤変更、中止後のケアなどについて主治医と相談してください。

【6】セカンドオピニオン・治療費・がん相談支援センターを活用する方法

主治医から抗がん剤を勧められても、説明に納得できないことはあります。

「本当にこの治療しかないのか」「別の医師なら違う判断をするのではないか」「治療費を払い続けられるのか」。こうした疑問を抱えたまま治療を始める必要はありません。

セカンドオピニオンは主治医への不信感を意味しない

セカンドオピニオンとは、現在診療を受けている主治医とは別の医師に、診断や治療方針について意見を求めることです。

重要なのは、セカンドオピニオンを受けることと、転院することは同じではないという点です。

別の専門医の説明を聞いた結果、現在の治療方針に納得できることもあれば、別の選択肢が見つかることもあります。

国立がん研究センターのがん情報サービスでも、セカンドオピニオンは現在の担当医のもとで治療を受けることを前提に、理解を深めるために利用するものと説明されています。

主治医に確認したい質問リスト

抗がん剤治療を受ける前に、次の質問を整理しておくと、治療のメリットとデメリットを比較しやすくなります。

治療の目的について

  • 今回の抗がん剤治療は、根治、再発予防、延命、症状緩和のどれが目的ですか。
  • 私のがんの種類と進行度では、どの程度の効果が期待できますか。
  • 治療を受けない場合、どのような経過が予想されますか。

副作用について

  • 特に注意すべき副作用は何ですか。
  • 副作用が出た場合、どのような対処ができますか。
  • どのような症状が出たら、すぐに病院へ連絡すべきですか。

治療の選択について

  • ほかの薬剤や治療方法はありますか。
  • 免疫療法や臨床試験の対象になる可能性はありますか。
  • 治療効果がなかった場合、次の選択肢は何ですか。
  • 治療を休止・中止する場合、どのような判断基準になりますか。

費用と生活について

  • 月々の治療費はどのくらいですか。
  • 高額療養費制度を利用できますか。
  • 仕事や家事を続けながら治療できますか。

これらはすべて一度に質問する必要はありません。診察前にメモを作り、重要な項目から確認していく方法が現実的です。国立がん研究センターも、患者が疑問や希望を整理して医療者と話し合うことを勧めています。

2026年の抗がん剤治療費と高額療養費制度

抗がん剤治療は、使用する薬剤や治療期間によって医療費が変わります。

特に新しい分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などは、薬剤費が高額になることがあります。ただし、公的医療保険の対象となる治療であれば、自己負担を軽減する制度を利用できます。

代表的なのが高額療養費制度です。医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が、年齢や所得に応じた自己負担限度額を超えた場合、超過分が支給されます。

2026年11月時点で、厚生労働省が公表している制度の見直しでは、2026年8月から月額負担上限額の見直しと年間上限の導入が実施されています。

例えば、70歳未満で年収約370万~510万円の人の場合、2026年8月からの制度では、医療費が100万円の月の自己負担額は約9万3,000円まで抑えられる例が示されています。

また、直近12か月のうち高額療養費に該当した月が3か月以上ある場合、4か月目から自己負担限度額が軽減される「多数回該当」もあります。2026年8月からは、年間上限も新設されました。

ただし、実際の自己負担額は所得区分、年齢、加入する医療保険、治療内容などによって異なります。食事代や差額ベッド代など、制度の対象外となる費用にも注意が必要です。

2027年8月には、所得区分の細分化など、さらなる制度変更も予定されています。長期治療を予定している場合は、最新の制度内容を確認してください。

がん相談支援センターは誰でも利用できる

治療方針や費用について悩んでいる場合は、がん相談支援センターも有力な相談先です。

がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている相談窓口です。

国立がん研究センターのがん情報サービスによると、看護師やソーシャルワーカーなどの専門相談員が、治療、副作用、セカンドオピニオン、医療費、仕事、生活上の悩みなどについて相談に応じています。

その病院に通院していない人や、患者本人以外の家族も相談できます。無料・匿名で利用できる窓口として案内されており、主治医には話しにくい悩みを整理する際にも役立ちます。

2026年に確認したい公的情報源

抗がん剤治療について調べる場合は、個人の体験談や広告だけでなく、公的機関が提供する情報を確認することが大切です。

  • 国立がん研究センター「がん情報サービス」:がんの種類別の治療法、薬物療法、副作用、免疫療法、セカンドオピニオンなどを確認できる。
  • 厚生労働省:高額療養費制度や医療保険、医療制度の最新情報を確認できる。
  • がん相談支援センター:治療方針や医療費、生活上の問題について専門相談員に相談できる。
  • がん診療連携拠点病院:専門的ながん医療やセカンドオピニオンの相談先を探す際に役立つ。

【7】抗がん剤を勧める医師の本音に関するよくある質問(FAQ)

Q1:医師自身は抗がん剤を使いたくないと思っているのでしょうか?

A1:医師が一律に抗がん剤を避けているという根拠はありません。医師は治療効果、副作用、患者の全身状態、本人の希望などを考慮して治療を提案します。抗がん剤を勧める場合も、必ず治ると考えているとは限らず、再発予防や進行抑制、延命などを目的としていることがあります。

Q2:抗がん剤は本当にがんを治す効果がありますか?

A2:あります。ただし、効果はがんの種類や進行度によって異なります。急性白血病や悪性リンパ腫など、薬物療法が治癒を目指す治療の中心となるがんもあります。一方、進行・再発がんでは、進行抑制や症状緩和、延命が主な目的になることもあります。

Q3:抗がん剤の副作用が強い場合は中止できますか?

A3:副作用の程度や治療効果によって、休薬、減量、薬剤変更、中止などを検討できます。ただし、自己判断で中断せず、主治医に症状を伝えてください。副作用を軽減する治療や、別の治療方法が選択できる場合もあります。

Q4:免疫療法の方が抗がん剤より優れているのでしょうか?

A4:一概にはいえません。免疫チェックポイント阻害薬などは、特定のがん種や条件で効果が確認されていますが、すべての患者に有効ではありません。また、免疫療法にも重い副作用が起こる可能性があります。がんの種類や性質に合った標準治療を確認することが大切です。

Q5:抗がん剤治療を受ける前にセカンドオピニオンを受けてもよいですか?

A5:問題ありません。別の専門医の意見を聞くことで、治療方針への理解を深められます。セカンドオピニオンは主治医との関係を断つことや、必ず転院することを意味しません。検査結果や診療情報を準備し、主治医に相談するとスムーズです。

Q6:抗がん剤治療の費用が高額になった場合、どうすればよいですか?

A6:公的医療保険の対象となる治療であれば、高額療養費制度を利用できる可能性があります。2026年8月から制度の見直しが実施されているため、現在の所得区分や年間上限、多数回該当などを確認してください。病院の医療ソーシャルワーカーやがん相談支援センターにも相談できます。

抗がん剤を勧める医師の本音を理解するうえで大切なのは、医師が治療の利益とリスクを比較しながら判断しているという点です。

抗がん剤には、がんを治すことを目指せるケースもあれば、再発予防、進行抑制、延命、症状緩和を目的とするケースもあります。すべてのがんに同じ効果が期待できるわけではなく、副作用や身体への負担も無視できません。

2026年現在、がん治療では従来の細胞障害性抗がん薬だけでなく、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など、さまざまな薬物療法が活用されています。しかし、新しい治療であれば必ず優れているわけではなく、科学的根拠に基づいた標準治療を理解することが基本です。

治療を受けるか迷ったときは、次の3点を確認してください。

  • 期待できる効果:自分のがんの種類や進行度では、治療によって何を目指せるのか。
  • 治療による負担:副作用、通院、費用、日常生活への影響はどの程度なのか。
  • 他の選択肢:薬剤変更、免疫療法、セカンドオピニオン、緩和ケアなどを検討できるのか。

医師の提案をそのまま受け入れることだけが正解ではありません。一方、インターネット上の体験談や、抗がん剤を否定する情報だけで治療を判断することにもリスクがあります。

自分の病状に対して期待できる効果とリスクを具体的に説明してもらい、納得できるまで相談すること。そして必要であれば別の専門医の意見や公的な相談窓口を活用することが、後悔の少ない治療選択につながります。

抗がん剤治療の目的は、薬を使い続けることそのものではありません。患者本人にとって意味のある治療を選び、その人らしい生活を守ることも、がん医療の大切な役割です。

主な公的情報源(2026年11月時点)

- 国立がん研究センター「がん情報サービス」:薬物療法・副作用・免疫療法・標準治療・セカンドオピニオン
- 厚生労働省:高額療養費制度を利用される皆さまへ(2026年7月31日更新)
- 国立がん研究センター:がん相談支援センターの案内
- 国立がん研究センター「がんになったら手にとるガイド」

※この記事は公的な医療情報に基づく一般的な解説です。個々の患者に対する治療の適否や中止の判断は、病状や検査結果を把握している担当医と相談してください。

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八代 美咲
デジタルマーケター 八代 美咲
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