2026年11月4日現在、札幌市南区の民間動物園「ノースサファリサッポロ」は、2025年9月30日の閉園から約1年が経過した今も、完全な撤去と動物たちの移送が終わっていない。大きな転機となったのは、2026年10月31日に迎えた札幌市の違法建築物除却命令の履行期限だ。
11月2日に札幌市が実施した立ち入り検査では、園内に無許可建築物22棟と動物約220頭が残っていることが確認された。運営会社のサクセス観光は動物の安全と福祉を優先しながら撤去を進めるとしているが、市は刑事告発や行政代執行も検討している。動物の飼育を引き継いだ北海道アニマルワールドも新施設の候補地を探しており、移転完了の見通しは立っていない。
【閉園理由】ノースサファリサッポロはなぜ20年間営業した後に閉園したのか
ノースサファリサッポロが閉園に追い込まれた直接的な理由は、札幌市南区の敷地における長年の無許可開発問題だった。
施設が建設された場所は、都市計画法に基づく市街化調整区域に指定されている土地である。
市街化調整区域とは、無秩序な市街地の拡大を抑制し、計画的な土地利用を進めるために設けられた区域だ。原則として開発行為や建築が制限され、一定の建築物を建てるには都市計画法上の許可など、必要な手続きを踏まなければならない。
ところが、ノースサファリサッポロでは、動物の飼育施設や宿泊施設などが札幌市の必要な許可を得ないまま建設されていた。
札幌市の2025年2月の市長記者会見によると、市が最初に問題を把握したのは2004年。開園前から建築物の除却や是正を求める行政指導が行われていた。
その後も問題は解消されず、建物や施設の規模が拡大していった。2026年3月の札幌市側の説明では、2004年10月以降、行政指導は合計21回に及んでいた。
つまり、2025年に突然発覚した新しい問題ではない。開園前から把握されていた法令上の問題が、長期間にわたって解決されないまま営業が続いていたのである。
なぜ違法状態のまま営業できたのかここで多くの人が疑問に感じるのが、必要な許可を得ていなかった施設が、なぜ約20年間も営業を続けられたのかという点だ。
背景には、土地開発や建築に関する許可と、動物園・飲食店・宿泊施設などの営業に関する手続きが、それぞれ異なる制度で管理されているという事情がある。
2025年2月の北海道放送の取材で、当時の運営会社社長は、周辺にも建造物があったことから認識が甘くなっていたと説明した。また、保健所から営業に関する許可を受けていたことも、問題ないと考える一因になったという趣旨の説明をしている。
しかし、保健所による営業関係の許可や届出の受理は、都市計画法に基づく開発許可や建築関係の手続きを代替するものではない。
この点が、今回の問題を理解するうえで重要だ。動物園として営業できることと、その土地に必要な建物を適法に建設できることは別問題なのである。
札幌市も2025年2月の市長記者会見で、これまで除却勧告などの行政指導を繰り返してきたことを説明し、長年状況が改善されなかったことへの遺憾の意を示した。
2025年9月30日、20年間の営業に幕2025年2月に問題が大きく報道されると、ノースサファリサッポロをめぐる状況は大きく変化した。
運営会社の有限会社サクセス観光は閉園を決定し、当時の代表取締役だった星野和生氏の辞任と、園長だった目黒清志氏への代表交代も発表した。
2025年9月29日に公開された閉園の挨拶では、建物に関する法令違反について謝罪するとともに、動物たちの受け入れ先を調整していることが説明された。
「建物に関する法令違反により長年支えてくださったお客様やファンの皆様のご期待を損なう結果になってしまったこと、深くお詫び申し上げます。」
これは閉園前日に公表された公式発表の一節だ。運営側自身が、閉園の背景に建物の法令違反があったことを認めている。
そして、2025年9月30日、ノースサファリサッポロは約20年間の営業を終了した。ただし、閉園は動物たちの移送や建物の撤去がすべて完了したことを意味してはいなかった。
【閉園の経緯】2004年から2026年11月までの重要な出来事を時系列で整理
ノースサファリサッポロの問題は、閉園だけを見ても全体像を理解できない。行政指導、閉園、刑事手続き、除却命令、動物の引き継ぎという複数の動きが並行して進んできた。
ここでは、札幌市の公表資料、運営会社の公式発表、北海道内の報道をもとに主要な転換点を整理する。
| 時期 | 主な出来事 | 意味・その後への影響 |
|---|---|---|
| 2004年10月 | 札幌市が無許可建築を把握 | 開園前から是正指導が始まる |
| 2005年7月 | ノースサファリサッポロ開園 | 約150種類の動物を扱う民間動物園として営業開始 |
| 2025年2月 | 無許可開発問題が大きく報道される | 札幌市が撤去命令を検討。運営会社も謝罪と撤去の意向を表明 |
| 2025年9月30日 | 正式閉園 | 20年間の営業が終了。動物の移送と建物撤去は継続 |
| 2026年1月 | 北海道アニマルワールド設立 | 動物の飼育継承や新施設計画の受け皿となる |
| 2026年3月23日 | 札幌市が除却命令を発出 | 無許可建築物37棟を10月末までに撤去するよう命令 |
| 2026年4月20日 | サクセス観光と前社長を略式起訴 | 都市計画法違反などの刑事手続きが進展 |
| 2026年6月 | 運営会社が行政不服審査請求 | 除却命令の取り消しと期限延長を求める |
| 2026年10月2日 | 札幌市開発審査会が請求を棄却 | 除却命令の取り消しは認められず |
| 2026年10月31日 | 建築物の撤去期限 | 全棟撤去は完了せず |
| 2026年11月2日 | 札幌市が現地立ち入り検査 | 建築物22棟、動物約220頭の残存を確認 |
特に重要なのは、2026年3月23日の除却命令だ。
札幌市が公表している監督処分資料にも、有限会社サクセス観光を対象とした建築物37棟の除却命令が記録されている。
それまでの行政指導と異なり、都市計画法に基づく正式な監督処分へ移行したことで、撤去に応じない場合の法的責任も明確になった。
一方、サクセス観光側は、動物の受け入れ先や移動の安全性を確保するためには時間が必要だとして、2027年11月末までの期限延長を求めた。
しかし、2026年10月2日、札幌市開発審査会は行政不服審査請求を棄却。20年以上に及ぶ指導に従わなかった経緯などを踏まえ、除却命令には合理性があるとの判断が示された。
この裁決によって、10月31日の期限は変更されなかった。
【2026年最新】動物約220頭は現在どうしている?北海道アニマルワールドの役割
閉園時には300頭以上、2026年10月末には約220頭閉園問題で最も心配されているのが、ライオンやトラをはじめとする動物たちの現在だ。
2025年9月の閉園直前、札幌市が把握していた動物の数は300頭以上だった。閉園後も、すべての動物が一斉に移送されたわけではなく、受け入れ先の調整と飼育環境の維持が続けられてきた。
2026年3月末には219頭、同年10月末には約220頭が旧園内に残っていることが報じられている。
この数字から分かるのは、閉園後も相当数の動物が旧施設で暮らしているということだ。個々の動物の移送先や移動時期については、協力施設との調整もあり、すべてが公表されているわけではない。
北海道アニマルワールドとはどんな会社なのか動物の飼育を引き継いでいるのが、北海道アニマルワールドだ。
STV札幌テレビの2026年11月2日の現地取材によると、同社は東京の投資会社ビーチキャピタルによって2026年1月に設立された。
同社はサクセス観光から建物を借り、動物の飼育業務を受託する形で管理を担っている。2026年6月には、ノースサファリの飼育員など約20人を受け入れた。
重要なのは、北海道アニマルワールドが単に動物を別の場所へ運ぶための仲介役ではなく、旧施設での飼育そのものを引き継いでいる点だ。
同社のスタッフは、動物ごとの健康状態を日々確認しながら飼育を続けているという。
ライオンや南米の動物たちはどう過ごしているのか11月2日のSTVの取材では、北海道アニマルワールドの飼育担当者が、旧園内で飼育されているアフリカライオンについて説明している。
取材時点でライオンは5頭。飼育担当者は、個体ごとの体調変化を確認しながら世話をしており、動物たちは落ち着いて過ごしていると説明した。
また、旧ジャングルゾーンでは、アメリカバクやリスザルなど南米に生息する動物も飼育されている。
熱帯地域の動物が暮らす部屋では、室温を20℃以上に維持しているという。北海道の冬を考えると、移送先を決める際にも、こうした飼育環境を維持できるかが大きな課題になる。
ただし、テレビ取材で紹介された飼育状況は、現場の一部を確認したものだ。約220頭すべての健康状態や長期的な飼育環境について、個別に確認できたことを意味するわけではない。
動物の最終的な移送先はまだ決まっていない北海道アニマルワールドは、動物たちの新しい居場所となる施設の建設を計画している。
2026年10月30日の北海道放送の報道では、新施設は動物が野生に近い環境で暮らせるような獣舎などを整備する構想で、札幌近郊の3か所が候補地として検討されていた。
敷地規模については、2万坪以上を想定するという同社関係者の説明がある一方、別の報道では約3万坪程度の構想も伝えられている。いずれも確定した施設仕様ではない。
用地交渉などに時間がかかっており、2026年11月初旬の時点で、新施設の所在地や完成時期は確定していない。
また、ビーチキャピタルが当初検討していた旧ノースサファリの事業そのものを引き継ぎ、隣接地に新動物園を開設する計画は、札幌市が既存建築物の先行撤去を求めたことなどから、2026年3月に白紙となった。
これは北海道アニマルワールドによる動物の飼育継承まで中止になったという意味ではない。旧施設での飼育業務と、新たな動物園の開設計画は分けて考える必要がある。
【違法建築問題の現在】2026年11月2日に残った22棟と札幌市の対応
撤去期限は2026年10月31日、しかし全棟撤去には至らず札幌市は2026年3月23日、サクセス観光に対して無許可建築物37棟の除却を命じた。期限は同年10月31日だった。
しかし、期限を迎えても撤去は完了しなかった。
11月2日午前10時ごろ、札幌市の職員7人が旧ノースサファリの敷地に立ち入り、建物の撤去状況を確認した。
その結果、獣舎など22棟の建築物が残っていることが判明した。
10月9日の調査では25棟だったため、10月中にも撤去作業は進んでいた。しかし、除却命令の対象となった37棟すべての撤去には至らなかった。
市が確認した動物の数も約220頭。建物と動物の双方が残っている状況が改めて明らかになった。
なぜ撤去が進まないのかサクセス観光側は、撤去が完了しなかった理由として、園内に残る多数の動物の安全と飼育環境の確保を挙げている。
実際、残存する建築物の多くは獣舎などであり、飼育に必要な設備や餌の保管場所として使用されていると説明されている。
2026年10月30日の北海道放送の取材に対して、運営会社代表は、動物を優先して新しい環境を整え、移設することが目標だと説明した。また、動物の飼育に関係する建物については、直ちに撤去することが難しいとの認識を示した。
11月2日には、サクセス観光も改めてコメントを発表し、違法状態が継続していることを謝罪した。そのうえで、動物の安全と福祉に配慮しながら、可能な限り速やかに撤去を進める方針を示している。
札幌市は履行催告や行政代執行を検討一方、札幌市側の姿勢は厳しい。
市の開発指導課は、20年以上にわたって是正を求めてきた問題であり、事業者の責任で撤去を進める必要があるとの立場を示している。
11月2日の検査後、市は11月中にも改めて撤去を求める書面を出す方針を示した。報道では、除却命令の履行を促す催告を行う見通しも伝えられている。
加えて、今後の選択肢として挙げられているのが次の2つだ。
- 刑事告発:法令違反や命令違反について、刑事責任を問うための手続き。
- 行政代執行:法律上の要件と手続きを満たしたうえで、義務者が履行しない行政上の義務を行政機関が代わって実施する制度。
ただし、2026年11月4日時点で、行政代執行が正式に決定されたわけではない。市が検討対象として挙げている段階であり、実施時期も確定していない。
また、動物が残っていることは撤去作業を難しくする要因だが、それによって除却命令そのものが自動的に無効になるわけではない。
今後の焦点は、動物の安全を確保した移送計画と、行政が求める建築物の除却をどのように両立させるかにある。
【運営会社の責任】サクセス観光の略式起訴と刑事手続きの現状
ノースサファリサッポロをめぐる問題は、行政上の建築物撤去だけでは終わらない。2026年4月には、運営会社と前社長に対する刑事手続きも進展した。
2026年4月20日付でサクセス観光と前社長を略式起訴札幌区検は2026年4月20日付で、運営会社のサクセス観光と前社長の星野和生氏を略式起訴した。
起訴されたのは、北海道警が書類送検した6つの容疑のうち3つだ。
- 都市計画法違反:市街化調整区域に必要な許可を得ず建築物を建設したこと。
- 建築基準法違反:2023年11月ごろから2024年4月ごろまでに、必要な確認申請を行わず獣舎兼宿泊施設として使う鉄骨平屋2棟を新築したこと。
- 札幌市普通河川管理条例違反:2006年8月ごろから2025年3月ごろまで、近隣の河川から無許可で水を引き、占用していたこと。
一方、国土利用計画法違反、浄化槽法違反、動物愛護管理法違反などの容疑については不起訴処分となった。建築物に関する別の容疑も不起訴となっている。
ここで注意したいのは、略式起訴と有罪判決の確定は同じではないという点だ。起訴された事実と、不起訴となった容疑を混同してはならない。
また、動物愛護管理法違反の容疑が不起訴になったことは、すべての動物福祉上の問題が肯定的に評価されたことを意味するものでもない。刑事手続き上の判断と、動物の飼育環境を継続的に検証する問題は別に考える必要がある。
除却命令をめぐる運営会社と札幌市の対立2026年2月27日、サクセス観光は札幌市に弁明書を提出した。
同社は都市計画法違反について事実であり正当化できないと認める一方、建物の撤去を進めている状況で強制的な処分を行うことは不適法だとの主張を示した。
加えて、動物の移送や新施設の準備には時間が必要として、除却期限を2027年11月末まで延長するよう求めた。
しかし、札幌市開発審査会は2026年10月2日に審査請求を棄却。20年以上に及ぶ行政指導の経緯を踏まえ、除却命令の合理性を認めた。
運営会社側は動物福祉の観点から期限の延長が必要だと主張しているが、札幌市は事業者自身の責任で動物を移送し、建築物を撤去するよう求めている。
この対立は、単なる工事の遅れではない。長年の法令違反をどのように是正するかという行政上の責任と、飼育動物の生命や生活環境を守る責任が同時に問われている問題だ。
【閉園後の評判と実態】人気動物園の功績と残された課題をどう見るべきか
「日本一危険な動物園」と呼ばれた独自の体験型施設ノースサファリサッポロは、一般的な動物園とは異なる距離感で動物と接する体験型施設として知られていた。
約150種類の動物を飼育し、ライオンやトラなどの大型動物を含め、来園者が動物を間近で観察できる体験を提供していた。
メディアでは「日本一危険な動物園」と紹介されることもあり、動物との距離の近さが大きな特徴だった。
閉園当日の2025年9月30日には、最後の営業を楽しむために訪れた来園者の姿も報道された。長年通ってきた家族が動物との思い出を語るなど、地域や観光客に親しまれていた一面もあった。
こうした来園者の思い出まで否定する必要はない。20年間にわたって動物と接する機会を提供してきた施設として、愛着を持つ人がいたことは事実だ。
人気や集客力と法令順守は別の評価軸一方、施設に人気があったことと、運営が適法だったことは別の問題である。
観光施設として多くの人を集め、メディアに取り上げられていたとしても、土地利用や建築に関する法令を守る義務はなくならない。
特に今回の問題で見逃せないのは、2004年から札幌市が是正指導を行っていたという経緯だ。単発の申請ミスではなく、長期間にわたって解決されなかった問題だった。
そのため、閉園後の評価を考える際には、少なくとも次の3つの視点を分ける必要がある。
- 観光施設としての評価:動物との距離が近い独自の体験を提供し、多くの来園者に思い出を残した。
- 事業運営としての評価:市街化調整区域における無許可建築と長期にわたる行政指導への対応が問題になった。
- 動物福祉としての評価:閉園後も約220頭が残っており、健康管理、飼育環境、新しい受け入れ先の確保が課題となっている。
この3つを混同すると、動物園の魅力だけで法令違反を軽視したり、反対に法令違反の問題だけで現在の動物たちの飼育状況まで断定したりすることになる。
閉園したからといって動物たちの問題が解決したわけではない2026年11月2日のSTVの取材では、北海道アニマルワールドの飼育担当者が、動物たちは落ち着いて過ごしており、個体ごとに体調の変化を確認していると説明した。
一方で、旧園内には獣舎など22棟が残り、動物約220頭も引き続き飼育されている。
現在の飼育体制が維持されていることと、動物たちが長期的に暮らせる安定した新施設が完成することは、同じではない。
本当の意味で問題が解決したと判断するには、動物の健康状態、移送計画、受け入れ施設の環境、建物の撤去状況をそれぞれ確認する必要がある。
閉園後の評判やSNS上の反応についても、個別の投稿を全体の世論とみなすのは適切ではない。施設への愛着、法令違反への批判、動物の行く末を心配する声は、それぞれ異なる論点として捉えるべきだ。
【プロの結論】ノースサファリサッポロ問題から見える3つの要点
今回の問題を整理すると、単に違法建築物が撤去されていないという話にとどまらない。観光施設の事業責任、行政による長期的な監督、飼育動物の福祉という3つの課題が重なっている。
1. 長期間の行政指導は問題解決の代わりにならない札幌市は2004年から是正指導を続けてきた。2026年3月までの行政指導は21回に及ぶ。
それでも違法状態が解消されず、最終的には除却命令という強制力のある措置に移行した。
この経緯が示すのは、行政指導を繰り返すだけでは、事業者が実際に是正するとは限らないという現実だ。
特に観光施設のように、営業規模や施設数が拡大する事業では、初期段階での法令確認と是正状況の継続的な検証が欠かせない。
2. 動物の移送は頭数だけで判断できない約220頭の動物を移送するには、動物種や個体の健康状態、飼育環境、気候への適応、輸送方法など、さまざまな条件を考慮する必要がある。
ライオンとリスザルでは必要な設備が異なり、北海道の冬を越すための温度管理も必要になる。
したがって、移送の完了を急ぐだけでは動物に負担を与える可能性がある一方、移送先が決まらないことを理由に旧施設での飼育が長期化することも望ましい解決とはいえない。
重要なのは、動物ごとの移送計画と、新しい飼育環境の整備を並行して進めることだ。
3. 本当の解決は建物撤去と動物の安住先確保の両方にある2026年11月4日時点では、除却命令の期限は過ぎており、22棟の建築物と約220頭の動物が旧園内に残っている。
今後、札幌市が履行催告を行い、必要に応じて刑事告発や行政代執行を検討する一方、北海道アニマルワールドは新しい施設の用地を探すことになる。
どちらか一方だけが進んでも、問題の完全な解決にはならない。建物の撤去によって動物の飼育環境が失われることも避けなければならず、動物の移送を理由に違法状態を無期限に残すことも認められない。
この両立こそが、今後の行政と運営関係者に求められる最大の課題だ。
【よくある質問】ノースサファリサッポロに関するFAQ
Q1:ノースサファリサッポロはいつ閉園しましたか?
A1:2025年9月30日に閉園しました。2005年の開園から約20年間営業しましたが、市街化調整区域における無許可建築などの法令上の問題を受け、運営会社が閉園を決定しました。
Q2:2026年現在、ノースサファリには動物が何頭残っていますか?
A2:2026年10月末時点で約220頭です。11月2日の札幌市の立ち入り検査でも、哺乳類や鳥類、爬虫類など約220頭が旧園内に残っていることが確認されました。
Q3:動物たちはどこに移送されるのですか?
A3:北海道アニマルワールドが飼育を引き継ぎ、新しい施設の建設を計画しています。札幌近郊などの候補地が検討されていますが、2026年11月初旬時点では所在地や完成時期、個々の動物の最終的な移送先は確定していません。
Q4:違法建築物の撤去期限はいつでしたか?
A4:札幌市が定めた期限は2026年10月31日です。しかし、11月2日の立ち入り検査では22棟が残っていました。
Q5:札幌市は行政代執行を実施するのですか?
A5:2026年11月4日時点では実施は決定していません。札幌市は刑事告発や行政代執行を検討しており、まずは撤去を求める書面による対応を進める方針です。
Q6:運営会社サクセス観光は逮捕・起訴されたのですか?
A6:2026年4月20日付で、サクセス観光と前社長が都市計画法違反、建築基準法違反、札幌市普通河川管理条例違反に関する罪で略式起訴されました。書類送検された6つの容疑すべてが起訴されたわけではなく、3つの容疑については不起訴処分となっています。
Q7:ノースサファリサッポロは再開する可能性がありますか?
A7:旧施設の営業再開について具体的な決定は確認されていません。当初検討されていた旧施設を引き継ぐ計画も白紙になっており、現在の中心課題は動物の飼育継承、新施設の用地確保、旧園内の建築物撤去です。
ノースサファリサッポロが閉園した最大の理由は、市街化調整区域における無許可建築問題だった。2004年から札幌市の行政指導が続き、2025年9月30日に約20年間の営業を終了した。
しかし、閉園から約1年が経過した2026年11月4日現在も、問題は解決していない。
- 2026年10月31日の撤去期限を過ぎても違法建築物22棟が残存。
- 旧園内には動物約220頭が残り、北海道アニマルワールドが飼育を担当。
- 新施設の建設候補地はあるものの、用地交渉が続いている。
- 札幌市は履行催告や刑事告発、行政代執行を含めた対応を検討。
- サクセス観光と前社長は2026年4月に略式起訴されている。
今後の最大の注目点は、北海道アニマルワールドが動物たちの安定した受け入れ先を確保できるか、そしてサクセス観光が札幌市の除却命令にどう対応するかだ。
動物たちの安全と福祉を守ること、そして長年続いてきた違法状態を解消すること。この2つを同時に実現できるかどうかが、ノースサファリサッポロ問題の最終的な評価を左右する。
閉園は終着点ではない。約220頭の動物たちが安心して暮らせる環境を得て、旧施設の撤去が完了したとき、ようやくこの問題は大きな区切りを迎えることになる。
2026年11月以降は、札幌市の履行催告への対応、行政代執行の判断、北海道アニマルワールドの新施設計画が重要な続報となる。
主な情報源: 札幌市公式発表・市長記者会見、ノースサファリサッポロ公式発表、北海道放送(HBC)、北海道文化放送(UHB)、札幌テレビ(STV)、HTB北海道ニュース、共同通信、毎日新聞。