2026年1月2日・3日に開催された第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で、青山学院大学が10時間37分34秒の大会新記録を樹立し、3年連続9回目の総合優勝を達成した。往路・復路でも大会新記録を更新。大会史上初となる2度目の3連覇という歴史的な快挙を成し遂げた。
優勝の最大の立役者となったのは、5区で1時間7分16秒の区間新記録を打ち立てた黒田朝日だ。さらに8区の塩出翔太も区間新記録で区間賞を獲得。4区の平松享祐や9区の佐藤有一らも存在感を示し、原晋監督が築き上げたチーム力を証明した。2026年11月現在、青学は2027年の第103回大会へのシード権も確保している。
【2026年最新結果】青山学院大学が第102回箱根駅伝で総合・往路・復路を完全制覇
第102回箱根駅伝は、青山学院大学の強さを改めて印象づける大会となった。
2026年1月2日の往路では、東京・大手町から神奈川県箱根町の芦ノ湖まで107.5kmを走破。翌3日の復路では109.6kmを走り、合計217.1kmで競われた。
青学は往路で5時間18分08秒、復路で5時間19分26秒を記録。総合タイムは10時間37分34秒となり、従来の大会記録を更新した。
第102回箱根駅伝の青学・総合成績- 総合順位:1位
- 総合記録:10時間37分34秒(大会新)
- 往路順位:1位
- 往路記録:5時間18分08秒(大会新)
- 復路順位:1位
- 復路記録:5時間19分26秒(大会新)
- 優勝回数:3年連続9回目
2位の國學院大學は10時間40分07秒。青学との差は2分33秒だった。3位は順天堂大学で10時間43分55秒、6位には駒澤大学が10時間44分50秒で入った。
特筆すべきは、青学が単に総合優勝しただけではない点だ。往路と復路の双方で大会新記録を更新し、両日を通じて高い水準の走りを維持した。
1区16位から始まった大逆転劇実は、青学のスタートは決して順調ではなかった。
1区の小河原陽琉は区間16位。序盤から首位争いに加わる展開ではなく、3区から4区へたすきを渡す時点でも、先頭の中央大学とは3分以上の差があった。
しかし、4区の平松享祐が区間3位の好走を見せ、チームを5位まで押し上げる。続く5区で待っていたのが、主将の黒田朝日だった。
黒田は5位でたすきを受け取ると、山上りで驚異的な追い上げを披露。早稲田大学、中央大学を次々とかわし、残り約1.6kmの地点で首位に浮上した。
最終的には1時間7分16秒の区間新記録で芦ノ湖に到着。青学に3年連続8回目の往路優勝をもたらした。
この逆転劇は、黒田一人の力だけで説明できるものではない。4区までの走者が先頭との差を一定範囲にとどめ、5区のエースが最大限の力を発揮できる状況をつくったことが勝利につながった。
【全10区間の選手と記録】黒田朝日・塩出翔太ら出場メンバー一覧
第102回大会で青山学院大学の総合優勝を支えたのは、以下の10選手だ。大会公式記録と青山学院大学の優勝報告資料に基づき、実際に走った選手、区間タイム、区間順位を整理した。
青山学院大学の2026年箱根駅伝・区間別成績| 区間 | 選手名 | 記録 | 区間順位 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 1区 | 小河原陽琉 | 1時間1分47秒 | 16位 | 序盤の苦しい展開を担当 |
| 2区 | 飯田翔大 | 1時間6分29秒 | 10位 | エース区間で粘りの走り |
| 3区 | 宇田川瞬矢 | 1時間1分51秒 | 7位 | 上位進出への足場をつくる |
| 4区 | 平松享祐 | 1時間0分45秒 | 3位 | 黒田につなぐ重要な好走 |
| 5区 | 黒田朝日 | 1時間7分16秒 | 1位 | 区間新記録・大会MVP |
| 6区 | 石川浩輝 | 57分15秒 | 3位 | 山下りで安定した走り |
| 7区 | 佐藤愛斗 | 1時間2分49秒 | 3位 | 復路の上位争いを維持 |
| 8区 | 塩出翔太 | 1時間3分45秒 | 1位 | 区間新記録・区間賞 |
| 9区 | 佐藤有一 | 1時間7分38秒 | 1位 | 区間賞を獲得 |
| 10区 | 折田壮太 | 1時間7分59秒 | 2位 | 大会新記録で総合優勝を決定 |
この一覧から分かるのは、青学が全区間で区間賞を獲得したわけではないということだ。序盤には区間16位、10位という結果もあった。それでも4区以降に順位を上げ、復路では全5区間で区間3位以内という安定感を発揮した。
黒田朝日が5区で見せた圧倒的な走力2026年大会で最も大きな注目を集めた選手が、4年生の黒田朝日だ。
黒田は1時間7分16秒という5区の区間新記録を樹立した。前年の第101回大会で青学の若林宏樹が記録した1時間9分11秒を1分55秒も上回る記録である。
特に注目されたのは、5位でたすきを受けた状況から首位まで押し上げたレース運びだ。単純に一定のペースを維持するだけではなく、前を走る選手との距離を冷静に詰め、最後まで攻め続けた。
青山学院大学の優勝報告会では、黒田が第102回大会の最優秀選手賞に加えて金栗四三杯も受賞したことが紹介された。
原晋監督も、黒田の5区起用が優勝への大きな決断だったと振り返っている。従来の2区ではなく山上りの5区に配置した采配は、結果的に歴史的な成功となった。
塩出翔太が8区で達成した区間新記録黒田と並んで評価したいのが、8区を担当した4年生の塩出翔太だ。
塩出は1時間3分45秒で区間賞を獲得し、8区の区間新記録を更新した。しかも、3年連続で同じ8区を担当してきた経験を持つ選手である。
過去2大会でも8区の区間賞を獲得しており、2026年はさらに記録を伸ばす結果となった。コースへの理解、ペース配分、レース経験が結実した走りだった。
さらに9区の佐藤有一も区間賞を獲得。10区の折田壮太は区間2位で走り切り、最後まで首位を守った。
黒田の逆転だけでなく、塩出、佐藤、折田らが後半を支えたことが、3連覇を決定づけたのである。
【歴代成績を徹底比較】青山学院大学の箱根駅伝優勝回数は通算9回
青山学院大学の箱根駅伝における総合優勝は、2026年の第102回大会で通算9回となった。
初優勝は2015年の第91回大会。それまで箱根駅伝の強豪校として長い歴史を持つ大学に対し、青学は原晋監督のもとで新しい時代を切り開いた。
青学の歴代総合優勝年度- 2015年・第91回:初の総合優勝
- 2016年・第92回:2年連続優勝
- 2017年・第93回:3連覇達成
- 2018年・第94回:総合優勝
- 2020年・第96回:総合優勝
- 2022年・第98回:総合優勝
- 2024年・第100回:総合優勝
- 2025年・第101回:総合優勝
- 2026年・第102回:総合優勝
特に注目すべきなのが、2015~2017年と2024~2026年の2度の3連覇だ。箱根駅伝の長い歴史において、同じ大学が2度の3連覇を達成したことは前例がなかった。
2023年の第99回大会では総合3位となったものの、その翌年から再び優勝を重ねている。長期的なチームづくりが結果に表れている。
歴代の優勝回数ランキングで青学は何位?東京箱根間往復大学駅伝競走の公式記録によると、2026年大会終了時点の青山学院大学は、歴代総合優勝回数で6位に位置する。
- 1位:中央大学・14回
- 2位:早稲田大学・13回
- 3位:日本大学・12回
- 4位:順天堂大学・11回
- 5位:日本体育大学・10回
- 6位:青山学院大学・9回
- 7位:駒澤大学・8回
青学は2015年の初優勝から約11年間で9回の総合優勝を積み上げてきた。これは、伝統校が長い年月をかけて築いた優勝実績に、比較的短期間で迫っていることを意味する。
國學院大學・駒澤大学とのライバル比較2026年大会で青学を追ったライバルとして、特に注目したいのが國學院大學と駒澤大学だ。
國學院大學は総合2位の10時間40分07秒。青学との差は2分33秒だった。序盤から上位争いを展開し、優勝を狙える実力を示した。
一方、駒澤大学は総合6位で10時間44分50秒。青学とは7分16秒の差がついた。
歴代優勝回数では、青学が9回、駒澤大学が8回。青学が一歩リードしている。一方、國學院大學は2026年に2位へ躍進しており、今後の優勝争いにおける有力なライバルだ。
2027年大会では、青学が過去の実績だけで優勝候補に挙げられるのではなく、國學院や駒澤を含む各校との戦力比較を通じて評価されることになる。
【原晋監督の強さの理由】青学を常勝軍団に変えたチーム戦略
青山学院大学の強さを理解するうえで欠かせない人物が、2004年から陸上競技部を率いる原晋監督だ。
原監督は、選手個人の走力を伸ばすだけではなく、チーム全体の競争力を高めるマネジメントを重視してきた。2026年2月に公開されたセイコーのインタビューでも、第102回大会の優勝を支えた考え方が詳しく語られている。
理由1:10人だけではなく16人全員を戦力にする箱根駅伝に出場するのは10人だが、エントリーできる選手は16人。青学のチームづくりで重要なのは、この16人全員の実力を高めることだ。
原監督は、登録メンバーの11番手や12番手が10番手と大きく実力差のあるチームでは優勝は難しいという考えを示している。
実際、第102回大会では、当初の区間エントリーから当日変更が行われた。4区の平松も、体調不良による変更を受けて出走した選手だったが、区間3位の走りでチームを支えた。
こうした選手層の厚さは、故障や体調不良など予想外の事態が起きても戦力を維持できるという大きな利点を生む。
理由2:データに基づいたコンディション管理原監督の指導法のもう一つの特徴が、選手の能力を客観的な数値で把握することだ。
セイコーのインタビューによれば、青学では走行タイムだけでなく、心拍数や赤血球関連などの生理学的データも参考にしている。
選手が勝ちたいという気持ちから過度な練習を行い、故障につながることを防ぐためだ。
目標を掲げることと、無理な負荷をかけることは同じではない。選手それぞれの能力を正しく把握し、本番で実力を発揮できる確率を高めることが、安定した結果につながっている。
理由3:一人のエースに依存しない組織文化第102回大会の青学は、黒田朝日の活躍が際立った。しかし、原監督は黒田だけに頼るチームづくりを目指していたわけではない。
出雲駅伝7位、全日本大学駅伝3位という結果を受け、チーム全体の意識を変えていったことも、セイコーのインタビューで明かされている。
各選手が自分自身をチームの主役と捉え、区間ごとに責任を持って走る。その意識が、4区の平松や8区の塩出、9区の佐藤といった選手の好走につながった。
また、復路の5区間すべてで区間3位以内という結果は、特定の選手だけに依存しない組織力を示している。
青学の強さは、山上りのエースを配置する戦術と、それを支える選手層の厚さを組み合わせている点にある。
【2027年箱根駅伝の展望】青山学院大学は第103回大会のシード校
2026年11月現在、青山学院大学は2027年1月2日・3日に開催される第103回箱根駅伝への出場権を確保している。
第102回大会で総合10位以内に入った大学には、次回大会のシード権が与えられる。青学は総合優勝を果たしているため、予選会を経ずに本戦へ進める。
第103回大会のシード校10大学2026年大会の総合順位に基づくシード校は以下の10大学だ。
- 青山学院大学
- 國學院大學
- 順天堂大学
- 早稲田大学
- 中央大学
- 駒澤大学
- 城西大学
- 創価大学
- 帝京大学
- 日本大学
2026年10月17日に行われた予選会によって、残る10校も決定した。これにより、第103回大会の本戦出場20大学が出そろっている。
2027年大会で注目したい青学の3つの課題1つ目は、5区の再構築だ。
2026年の5区で圧倒的な記録を残した黒田朝日は4年生。2027年大会では卒業に伴い出場しないため、山上りを誰が担当するのかが大きな焦点になる。
黒田の1時間7分16秒は非常に高い水準の記録であり、同じ走りを再現することは簡単ではない。後継者の育成と区間配置がチームの課題になる。
2つ目は、8区の後継者だ。
塩出翔太も2026年大会を走った4年生。3年連続で8区を担当し、最後の大会で区間新記録を達成した。2027年に向けて、後半の重要区間を誰が担うのかに注目したい。
3つ目は、若手選手の成長だ。
2026年大会では、1年生の石川浩輝が6区で区間3位を獲得した。2年生の佐藤愛斗や折田壮太も上位の成績を残している。
こうした下級生が経験を積み、次のシーズンでどこまで成長するかが、4連覇を実現するための要点となる。
青学にとって2027年大会は、黒田や塩出らの卒業による戦力の変化を乗り越え、新しいチームの完成度を示す大会となる。
【知っておきたい事実】青学の箱根駅伝に関する3つの誤解
青山学院大学の箱根駅伝を調べる際には、優勝回数、区間賞、個人記録を区別して理解することが大切だ。
誤解1:青学は箱根駅伝の歴代最多優勝校?青学は2026年大会終了時点で通算9回の総合優勝を達成しているが、歴代最多ではない。
最多は中央大学の14回。早稲田大学が13回、日本大学が12回と続く。青学は6位で、駒澤大学の8回を上回っている。
ただし、2015年以降の短期間で9回の優勝を達成したことは、近年の箱根駅伝における存在感の大きさを示している。
誤解2:2026年は全10区間で区間賞を獲得した?2026年の青学は総合優勝、往路優勝、復路優勝を達成したが、全10区間で区間賞を獲得したわけではない。
区間賞を獲得したのは5区の黒田朝日、8区の塩出翔太、9区の佐藤有一の3人だ。
1区では区間16位、2区では区間10位という結果だった。序盤の出遅れを後半の選手たちが取り戻したことこそ、2026年大会の特徴だった。
誤解3:大会新記録と区間新記録は同じ?大会新記録は、往路・復路・総合など大会全体の記録を更新した場合に使われる。一方、区間新記録は、特定の区間で過去の区間記録を更新した場合に使われる。
2026年の青学では、総合10時間37分34秒、往路5時間18分08秒、復路5時間19分26秒が大会新記録となった。
個人記録では、黒田朝日の5区1時間7分16秒と塩出翔太の8区1時間3分45秒が区間新記録に該当する。
この違いを理解すると、チーム全体の勝利と個人の記録的な活躍を、より正確に評価できる。
【青山学院大学の箱根駅伝】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:青山学院大学は2026年の箱根駅伝で何位でしたか?
A1:第102回大会で総合1位でした。10時間37分34秒の大会新記録を樹立し、3年連続9回目の総合優勝を達成しました。往路・復路もそれぞれ大会新記録で優勝しています。
Q2:2026年の箱根駅伝で黒田朝日は何区を走りましたか?
A2:5区を担当しました。1時間7分16秒の区間新記録で区間賞を獲得し、5位で受けたたすきをトップで芦ノ湖につなぎました。大会MVPと金栗四三杯も受賞しています。
Q3:塩出翔太は2026年の箱根駅伝でどのような成績を残しましたか?
A3:8区を担当し、1時間3分45秒の区間新記録で区間賞を獲得しました。3年連続で8区を走り、最後の出場となった2026年大会で大きな結果を残しました。
Q4:青山学院大学の箱根駅伝の総合優勝回数は何回ですか?
A4:2026年の第102回大会終了時点で通算9回です。2015年、2016年、2017年、2018年、2020年、2022年、2024年、2025年、2026年に優勝しています。
Q5:青山学院大学は2027年の箱根駅伝に出場できますか?
A5:出場できます。2026年の第102回大会で総合優勝したため、第103回大会のシード権を獲得しています。2027年1月2日・3日の本戦に出場予定です。
Q6:青山学院大学の強さの理由は何ですか?
A6:原晋監督による選手層の強化、データを活用したコンディション管理、区間配置の戦略、チーム全体で競争力を高める組織文化などが挙げられます。エース一人に依存しない選手育成が大きな特徴です。
青山学院大学は2026年の第102回箱根駅伝で、総合・往路・復路のすべてを制し、10時間37分34秒という大会新記録を樹立した。3年連続9回目の総合優勝に加え、大会史上初となる2度目の3連覇を達成したことは、大学駅伝の歴史に残る大きな出来事だ。
黒田朝日の5区区間新記録、塩出翔太の8区区間新記録、佐藤有一の9区区間賞は、2026年大会を象徴する個人の活躍だった。しかし、その背景には4区の平松享祐をはじめとする選手たちの貢献と、原晋監督が長年築いてきたチーム戦略があった。
歴代優勝回数は9回となり、駒澤大学を上回る6位に位置する青学。2027年は黒田や塩出ら4年生の卒業によってチーム編成が大きく変わる一方、石川浩輝や折田壮太など若い選手の成長が期待される。
第103回箱根駅伝で最大の焦点となるのは、黒田朝日の後継者を中心とした新しい区間配置と、原晋監督がどのようにチームを再構築するかだ。
4連覇が実現すれば、青山学院大学はさらに新しい歴史を刻むことになる。2026年の圧倒的な記録を超えられるのか。2027年の箱根路でも、青学の戦いから目が離せない。
主な事実確認資料: 箱根駅伝公式記録、青山学院大学公式発表、原晋監督のインタビュー、月刊陸上競技の第103回大会出場校報道。