今回の2件は、同じゴルフカート事故でも発生状況が大きく異なる。長崎県諫早市では運転操作による衝突、高知県では乗車中の転落が死亡につながった。
2025年9月24日:小長井カントリー倶楽部で83歳男性が死亡2025年9月24日、長崎県諫早市小長井町の小長井カントリー倶楽部で、乗用ゴルフカートによる死亡事故が発生した。
長崎文化放送(NCC)の報道によると、事故が起きたのは同日午後1時5分ごろ。カートを運転していたのは、同じ組でプレーしていた85歳の男性だった。
被害者は諫早市泉町に住む無職の上野次男さん(83)。運転者は先に上野さんを降ろし、その後、自分のボールがある場所へ移動しようとして左折した。その際、カートが上野さんに衝突したという。
午後1時半ごろには、ゴルフ場関係者から「男性がゴルフカートの下敷きになっている」と119番通報があった。
運転者は警察に対し、次のように説明したと報じられている。
「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」
この説明から注目されるのは、単に走行中の速度を誤ったという話ではなく、停止や方向転換を伴う操作の場面で事故が起きている点だ。
特に、同乗者を降ろした直後は、乗員の位置と車両の進行方向が変わる。運転者が自分のボールに意識を向ければ、降車した人の位置を見失う可能性もある。
ただし、事故の詳細な機械的原因や警察の最終的な捜査結果まで、この初報だけで断定することはできない。報道された運転者の説明と、事故原因の最終認定は区別する必要がある。
出典:長崎文化放送、2025年9月24日報道。
2026年7月25日:高知ゴルフ倶楽部で走行中のカートから転落次に発生したのが、2026年7月の高知県の事故だ。
事故現場は高知市重倉にある高知ゴルフ倶楽部。2026年7月25日午後0時30分ごろ、知人3人とゴルフをしていた高知市在住の70代男性が、走行中のカートから転落したと消防に通報があった。
報道によると、男性はカートの左後部座席に乗っていた。知人が運転するカートでカート道を移動していたところ、車両から転落し、頭などを強く打った。
男性は高知市内の病院へ搬送されたものの、7月26日午前5時9分に死亡が確認された。
事故発生から死亡確認までは約16時間半だった。
当時の報道では、警察が同乗者らから状況を聞き、事故原因の調査と司法解剖による死因の特定を進めるとしていた。
ここで重要なのは、転落の原因が報道時点で特定されていなかったことだ。
急旋回や段差、路面の状態、乗車姿勢、車両の不具合など、転落に関係し得る要素は複数ある。しかし、いずれかが実際の原因だったと決めつけることはできない。
出典:RKC NEWS NNN、2026年7月26日報道。
2件の事故を比較すると見えてくる違い| 比較項目 | 長崎県の事故 | 高知県の事故 |
|---|---|---|
| 発生日 | 2025年9月24日 | 2026年7月25日 |
| 発生場所 | 小長井カントリー倶楽部 | 高知ゴルフ倶楽部 |
| 被害者 | 83歳男性 | 70代男性 |
| 発生状況 | カートが同伴者に衝突 | 走行中のカートから転落 |
| 乗車・位置関係 | 降車後の同伴者に衝突 | 左後部座席に乗車 |
| 運転者 | 85歳の知人男性 | 同伴していた知人 |
| 死亡確認 | 報道で死亡事故として公表 | 7月26日午前5時9分 |
| 原因に関する情報 | 運転者はペダルの踏み間違いを説明 | 警察が詳しい原因を調査 |
2件を並べると、ゴルフカートの危険は運転者だけに及ぶものではないことが分かる。
長崎の事故は、カートを降りた後の人にも危険が及ぶことを示した。一方、高知の事故は、運転操作をしていない同乗者も転落によって重大な被害を受ける可能性を示している。
つまり、安全対策は運転者への注意喚起だけでは不十分だ。カートの周囲にいる人と、車内にいる人の双方を守る仕組みが必要になる。
【ゴルフカート死亡事故の原因】踏み間違い・脇見・転落の危険性

ゴルフカート事故の原因を考える際、まず区別したいのが「運転操作による事故」と「乗車中の転落事故」だ。
1.ブレーキとアクセルの踏み間違い長崎県の事故で運転者が説明したのが、ブレーキとアクセルの踏み間違いだった。
一般的な乗用カートでは、アクセル操作によって車両が発進・加速し、ブレーキ操作によって減速・停止する。
ところが、停止するつもりでアクセルを踏めば、車両は意図しない方向へ進む。
特に危険なのは、次のような場面だ。
- 同伴者を降ろした直後に発進する場面
- 狭いカート道で方向転換する場面
- 人の近くで車両を移動させる場面
- 自分のボールの位置を確認しながら運転する場面
- 前進・後退を切り替える場面
ゴルフ場では、ボールの位置、同伴者の動き、クラブの積み下ろしなど、運転以外にも注意を向ける機会が多い。
自動車と比べて操作が簡単だからといって、運転への集中を緩めてよいわけではない。
2.脇見運転と注意力の分散カートの運転中に、ボールや同伴者の位置を確認しようとして視線を外すことも危険につながる。
特にセルフプレーでは、運転者が運転とプレー進行の管理を同時に行う場面がある。
例えば、前方の同伴者が歩いているのに、後方のプレーヤーがボールを探していることもある。
この状態でカートを発進させると、車両の前後や側面にいる人を見落とす可能性がある。
長崎の事故で報道された「先に降ろした人をはねた」という経緯は、降車後の安全確認も運転操作の一部であることを示している。
3.走行中の転落と乗車姿勢の問題高知の事故で注目されるのは、カートが走行している間の乗員の安全だ。
乗用カートは、一般的な自動車と同じような密閉された車体ではない。車種によって構造は異なるものの、開放された乗車スペースや側面の開口部があるタイプも多い。
そのため、カーブや段差、急な減速などによって乗員の姿勢が崩れれば、車外へ身体が投げ出される危険がある。
特に後部座席では、乗車位置によって手すりの持ちやすさや身体の安定性が変わることも考えられる。
ただし、高知の事故で実際にどのような姿勢だったのか、カートがどのような動きをしたのかは、初報からは分からない。
4.カート道の勾配やカーブ、路面環境ゴルフ場のカート道は、平坦な舗装道路だけではない。
コースの地形によっては、坂道、曲がり角、起伏のある区間などが存在する。
こうした場所では、速度が適切でも乗員に横方向や前後方向の力が加わる。
加えて、雨天時には路面が滑りやすくなり、ブレーキ操作や車両の安定性にも影響する可能性がある。
実際、過去のゴルフカート事故に関する大阪地方裁判所の裁判例では、カート道と歩行者用通路が交差する場所で、豪雨や雷鳴によってカートの接近を把握しにくい状況が問題になった。
この裁判では、ゴルフ場の設備に事故防止上の欠陥があったとして、民法717条に基づく賠償責任が認められている。
事故を防ぐには、運転者の注意力だけでなく、道路の構造や周囲の視認性も検討しなければならない。
【自走式と自動走行式の違い】ゴルフカートの仕組みと事故リスク
ゴルフカートには複数の運行方式がある。
事故を理解するためには、カートの見た目だけでなく、誰が操作するのか、どのように走行するのかを理解する必要がある。
自走式カート:運転者の操作が必要自走式は、運転者がハンドルやアクセル、ブレーキを操作して走行するタイプを指す。
一般的な4人乗り乗用カートが代表例だ。
運転者が自由に進路を選べるため、コース内の移動に柔軟性がある。一方で、操作を誤れば人や障害物に衝突する危険がある。
主なリスクは次のとおり。
- アクセルとブレーキの踏み間違い
- ハンドル操作のミス
- カーブでの速度超過
- 同乗者や歩行者の見落とし
- 下り坂での減速不足
長崎県の事故は、こうした運転操作に関係する危険を考える事例となった。
電磁誘導式カート:自動走行でも安全確認は必要電磁誘導式は、コース内に設けられた誘導線などに沿ってカートが走行する方式だ。
運転者が常時ハンドルを操作しなくても移動できるため、利便性が高い。
しかし、自動走行だからといって人身事故の可能性がなくなるわけではない。
ゴルフ関連メディア「ゴルフのニュース」では、電磁誘導式カートの事故について、カート前方のセンサーが人を検知しないタイプもあり、歩行者との接触に注意が必要だと紹介している。
つまり、障害物検知機能があるという説明だけで、人を含むすべての危険を自動回避できると考えるのは誤りだ。
リモコン式カート:遠隔操作にも特有の注意点リモコン式では、運転者が車両の近くにいなくても発進・停止を操作できる場合がある。
便利な反面、カートの進行方向に人がいないか、交差する歩行者用通路に危険がないかを確認しなければならない。
過去の大阪地方裁判所の事例では、リモコンで操作する電動カートが歩行者用通路と交差する場所を通過する構造が争点になった。
当時のゴルフ場では、通路とレールの交差地点に十分な警告設備がなく、事故後に注意看板が設置されたことなどが認定されている。
方式別に見る危険性の違い| カートの方式 | 主な操作方法 | 注意すべき危険 |
|---|---|---|
| 自走式 | 運転者がハンドル・ペダルを操作 | 踏み間違い、衝突、速度超過 |
| 電磁誘導式 | 誘導線などに沿って自動走行 | 歩行者との接触、交差地点での衝突 |
| リモコン式 | 遠隔操作で発進・停止 | 周囲の安全確認不足、無人走行中の接触 |
重要なのは、どの方式が絶対に安全という単純な比較はできないことだ。
運行方式に合わせて、必要な安全設備や利用者の注意事項を設定する必要がある。
【誰が責任を負うのか】運転者・ゴルフ場管理者と損害賠償の判例
ゴルフカートによる死亡事故が発生した場合、責任の所在は一つに限られない。
事故の状況や車両の状態、ゴルフ場の管理状況によって、運転者と施設管理者の責任が検討される。
運転者の責任:民法709条の不法行為ゴルフカートの運転者が必要な注意を怠り、他人に損害を与えた場合、民法709条に基づく不法行為責任が問題となる。
例えば、次のような行為が該当する可能性がある。
- 周囲を確認せずに発進する
- 同乗者が着席する前に走行する
- カーブや坂道で必要な減速をしない
- 同伴者が近くにいるのに車両を動かす
- 操作に不安がある状態で運転を続ける
長崎県の事故では、運転者がペダルの踏み間違いを説明したと報じられている。
ただし、事故が起きたという事実だけで、刑事責任や民事責任の内容が確定するわけではない。過失の有無、事故との因果関係、具体的な損害などを踏まえて判断される。
ゴルフ場管理者の責任:安全配慮と施設管理ゴルフ場の管理者にも、安全な施設を提供し、利用者の危険を防止するための措置が求められる。
特に検討対象となるのが、民法717条の土地工作物責任だ。
例えば、以下のような状況が問題になる。
- カート道に危険な急勾配がある
- 見通しの悪いカーブに警告表示がない
- 歩行者用通路とカート走行路の交差部分が危険
- 転落の危険がある場所に必要な防護設備がない
- 車両の整備や安全装置の管理が不十分
また、ゴルフ場と利用者の契約関係に基づく安全配慮義務や債務不履行責任が検討される場合もある。
従業員が業務としてカートを運転していた場合には、使用者責任を定める民法715条が問題となる可能性もある。
一方、利用者同士の事故であれば、従業員による事故と同じように使用者責任が自動的に成立するわけではない。
過去の判例から見るゴルフ場の賠償責任ゴルフカート事故の責任を考えるうえで参考になるのが、大阪地方裁判所と名古屋地方裁判所の過去の裁判例だ。
大阪地方裁判所の事例
電動カートのレールと歩行者用通路が交差する地点で、プレーヤーがカートと接触して負傷した事案だ。
裁判所は、豪雨や雷雨などでカートの接近を認識しにくくなることは予測できたとして、注意看板や利用規約だけでは事故防止策として十分ではないと判断した。
結果として、ゴルフ場側に民法717条1項に基づく賠償責任を認めた。一方、被害者にも安全確認を怠った過失があるとして、2割の過失相殺を認めている。
名古屋地方裁判所の事例
こちらは1994年、ゴルフカートがカート道の縁石に乗り上げ、ガードレールに衝突して同乗者が車外に投げ出された事故だ。
裁判所は、運転者には進路前方の状況に注意し、速度に配慮する義務があったと判断した。
一方、カート道の構造やゴルフ場の安全措置に欠陥があるとは認めず、運転者に損害賠償責任を認め、ゴルフ場側への請求は棄却した。
この2つの裁判例から分かるのは、ゴルフ場で事故が起きた場合、常に施設側が責任を負うわけではないということだ。
反対に、利用規約に「事故は利用者の自己責任」と記載されていても、それだけで施設管理者の法的責任がすべて免除されるわけでもない。
事故の原因と施設の安全性を個別に検討することが必要になる。
【再発防止策】ゴルフカートの転落防止とゴルフ場の安全対策
死亡事故を防ぐには、運転者、同乗者、ゴルフ場の管理者がそれぞれの立場で対策を実行する必要がある。
利用者が実践したい5つの安全ルール1.走行中は必ず座席に座り、手すりを握る
乗車したら背中をシートにつけ、身体を安定させる。手すりやグリップが設置されている場合は、必ず握るようにする。
特にカーブや坂道では、身体が外側へ振られることを想定しておきたい。
2.カートが完全に停止してから乗り降りする
走行中の乗降は厳禁だ。
また、停止したと思っていても車両が完全に止まっていない場合があるため、車両の状態を確認してから降りる。
3.身体やクラブを車外に出さない
走行中にクラブを取り出したり、落とした荷物を拾おうとしたりする行為は避けたい。
身体や衣服、ゴルフ用品が車体の外に出ると、転落だけでなく接触事故にもつながる。
4.運転者は発進前に全員の着席を確認する
長崎の事故のように、同伴者が降車した後に車両を移動させる場合もある。
その際は、降りた人の位置を確認し、車両の前後左右に人がいないことを確かめてから発進する。
5.体調や操作に不安がある場合は運転を避ける
運転に不慣れな人や、体調不良、疲労、判断力の低下がある人は、無理に運転を担当しないことが大切だ。
施設によってはスタッフが運転する方式や、キャディ付きプレーを選べる場合もある。
ゴルフ場側に求められる6つの安全対策| 対策 | 具体的な内容 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| カート道の点検 | 急勾配・段差・路面の劣化を確認 | 転落・転倒の防止 |
| 防護設備 | 危険な斜面やカーブに適切な防護設備を設置 | コース外への転落防止 |
| 警告表示 | 交差地点や見通しの悪い場所に看板・警告灯を設置 | 歩行者との接触防止 |
| 車両整備 | ブレーキ・アクセル・タイヤ・安全装置の点検 | 車両故障や操作異常の防止 |
| 運転者教育 | 操作方法と発進前の安全確認を説明 | 操作ミスの抑制 |
| 事故情報の共有 | ヒヤリハットや接触事例を記録・分析 | 同種事故の再発防止 |
実際にゴルフ場の利用規約でも、走行中の手すりの保持、全員の着席確認、急勾配での減速などを定めている施設がある。
例えば、有馬ロイヤルゴルフクラブは発進前の安全確認と走行中の手すりの保持を案内している。また、乗用カート利用約款を公開している施設では、前向きに座ることや走行中の乗降禁止なども定めている。
安全対策は「注意してください」だけでは不十分ここで重要なのが、利用者への注意喚起と施設側の設備改善を区別することだ。
例えば、危険なカーブに看板を設置しても、車両が安全に曲がれる速度になっていなければ、事故の危険は残る。
また、手すりを握るよう案内しても、乗員が安全に身体を保持できる構造になっていなければ、転落防止策として十分とは限らない。
ゴルフ場側は、車両の速度制限、カート道の構造、転落防止設備、乗員保護の仕組みを総合的に点検する必要がある。
特に、転落の危険が高い場所では、走行ルートの変更や速度制限、利用中止などの判断も重要になる。
【プロの結論】ゴルフカート死亡事故から考える本当の安全基準
今回の2件を通じて見えてくるのは、ゴルフカートが単なる移動用の設備ではなく、人の命を預かる車両であるという事実だ。
長崎県の事故では、ブレーキとアクセルの踏み間違いが運転者から説明された。高知県の事故では、走行中のカートから同乗者が転落した。
事故の形は違っても、共通しているのは、ゴルフ場という日常的に安全だと思われやすい環境で、重大な人身事故が起きたことだ。
ゴルフ場を選ぶときに確認したいポイント利用者がゴルフ場を選ぶ際には、料金やコースの難易度だけでなく、安全面にも目を向けたい。
特に確認したいのは次の項目だ。
- カートの運行方式と操作方法が明確に案内されているか
- 乗車中の安全ルールが分かりやすく掲示されているか
- カート道の危険箇所に警告表示や防護設備があるか
- カートの故障や事故を報告できる連絡手段があるか
- 運転に不安がある人向けのサポートがあるか
また、利用者自身も、運転を担当する人を固定する必要はない。安全に操作できる人が運転し、同乗者も周囲の状況を確認するという役割分担が望ましい。
便利さよりも安全を優先するゴルフカートは、長いコースを効率よく移動できる便利な設備だ。
しかし、便利だからこそ、利用者が危険を意識しにくくなる側面もある。
特にセルフプレーでは、運転者が同伴者の安全確認まで担う場面が多い。プレーの進行を急ぐあまり、安全確認を省略してはならない。
ゴルフ場側にも、利用者の注意だけに頼らず、事故を防ぐ設備と運行管理を整える責任がある。
事故が起きてから責任の所在を争うのではなく、事故が起きない環境をつくることが最優先だ。
【ゴルフカート死亡事故】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ゴルフカートの死亡事故はなぜ起きる?
A1:主な危険要因として、ブレーキとアクセルの踏み間違い、前方不注意、速度超過、カート道からの転落、乗車中の転落などが考えられる。ただし、個々の事故原因は警察の調査や車両の検証によって判断される。
Q2:2025年の長崎県諫早市の事故は何が原因だった?
A2:2025年9月24日に小長井カントリー倶楽部で発生した事故では、85歳の運転者が、83歳の同伴男性をカートではねた。運転者は警察に対し、ブレーキとアクセルを踏み間違えたと説明したと報じられている。
Q3:2026年の高知ゴルフ倶楽部の事故では何が起きた?
A3:2026年7月25日午後0時30分ごろ、知人が運転するカートの左後部座席に乗っていた70代男性が走行中に転落した。男性は頭などを強く打ち、翌26日午前5時9分に搬送先の病院で死亡が確認された。
Q4:ゴルフカートの運転に自動車免許は必要?
A4:カートの種類やゴルフ場の利用規約によって異なる。自走式カートでは普通自動車免許を運転条件とする施設もある。利用前に各ゴルフ場の規則を確認する必要がある。
Q5:ゴルフカートからの転落を防ぐには?
A5:走行中は座席に深く座り、手すりやグリップを握ることが基本だ。身体やクラブを車外に出さず、乗り降りは完全停止を確認してから行う。急旋回や急発進を避けることも重要になる。
Q6:ゴルフカートの死亡事故でゴルフ場にも賠償責任はある?
A6:事故の状況によってはある。運転者の過失だけでなく、カート道の設計、警告設備、防護設備、車両の整備状況などが検討される。過去には民法717条に基づくゴルフ場側の賠償責任を認めた裁判例もある。
Q7:ゴルフカート事故の損害賠償は誰に請求できる?
A7:運転者の不法行為責任や、施設管理者の土地工作物責任、契約上の責任などが検討される。複数の責任が成立する可能性もあるが、事故原因や過失割合、損害との因果関係によって判断が異なる。
2025年の長崎県諫早市・小長井カントリー倶楽部の衝突死亡事故と、2026年の高知県・高知ゴルフ倶楽部の転落死亡事故は、ゴルフカートの安全性を改めて考えるきっかけとなった。
長崎の事故では運転操作の問題が表面化し、高知の事故では乗車中の転落という別の危険が示された。
この2件から得られる教訓は明確だ。
ゴルフカートの安全は、運転者の注意だけでも、同乗者の自己防衛だけでも成立しない。
運転者には確実な操作と周囲の安全確認、同乗者には正しい乗車姿勢、ゴルフ場には安全な走行環境と車両管理が求められる。
また、事故発生後の責任追及だけでなく、危険箇所の把握やヒヤリハットの共有、車両設備の改善を継続することも欠かせない。
ゴルフは本来、幅広い年代の人が楽しめるスポーツだ。その楽しみを守るためにも、ゴルフカートを単なる便利な乗り物として扱わず、重大事故につながる可能性のある車両として安全管理を徹底する必要がある。