男子決勝は、東山高校(京都)と清風高校(大阪)による近畿勢同士の対決となりました。初優勝を狙う清風に対し、東山は2020年以来の優勝を目指す一戦。結果は東山がセットカウント3対1で勝利し、6大会ぶり2度目の日本一を達成しました。
日本バレーボール協会(JVA)の公式試合レポートによると、試合は序盤から両校が連続得点を奪い合う拮抗した展開でした。東山が持ち味とする高速バレーと多彩な攻撃が、試合の流れを左右しました。
第1セット:16-19からの大逆転で東山が先取第1セットは清風がセンター攻撃などで先行。中盤も互いに譲らず、14-14の同点で競り合いました。
その後、清風が長いラリーを制して16-19とリード。しかし、ここから東山が反撃します。伊藤颯希選手のサーブをきっかけに岩田怜緯選手らが攻撃を仕掛け、東山は一気に6連続得点を奪って22-19と逆転しました。
最後は東村悠叶選手がクイックを決め、25-21で東山が第1セットを獲得。劣勢を一気に覆したこの連続得点が、試合の大きな転換点になりました。
第2セット:清風がブロックで流れを取り戻す第2セットは東山が9-7と先行したものの、清風が3連続得点で逆転。さらにブロックポイントを重ね、12-17までリードを広げました。
東山は伊藤選手をリリーフサーバーとして投入し、5連続得点で18-17と再逆転します。しかし、清風も西村海司選手や尾﨑亮太選手の攻撃で立て直し、終盤に7連続ポイントを獲得。25-19でセットを取り返しました。
清風にとっては、ブロックと連続得点によって東山の攻撃を一時的に封じ込めた重要なセットでした。
第3セット:東山が高速バレーで主導権を奪取第3セットでは、東山が岩田選手を中心とする攻撃で主導権を握ります。16-10とリードを広げ、清風の反撃を受けても優位を維持しました。
20-16からさらに攻撃を重ね、最後は駒込詠人選手がレフトからスパイクを決めて25-19。東山がセットカウント2対1とし、優勝に王手をかけました。
第4セット:岩田怜緯のバックアタックで日本一第4セットは序盤こそ6-6と互角でしたが、東山はミドルブロッカーを生かした攻撃や岩田選手のバックアタックで得点を重ねます。
14-10とリードを奪うと、小澤風雅選手のブロックや齋藤航選手のスパイクも決まり、22-14まで点差を拡大。清風も尾﨑選手を中心に最後まで粘りましたが、最後は岩田選手が強烈なバックアタックを決め、25-17で試合終了となりました。
日刊スポーツの試合後報道によると、岩田選手は決勝で両チーム最多となる27得点を記録。第1セットの逆転劇から最終セットの決勝点まで、攻撃の中心として存在感を示しました。
東山の勝因は、単にエースの得点力だけではありません。サーブで相手の攻撃を制限し、ブロックと高速コンビネーションを組み合わせ、試合の流れを自分たちに引き寄せたことが大きかったと考えられます。
【女子決勝】金蘭会高校が就実高校にストレート勝ち!7大会ぶり4度目の優勝

女子決勝は、金蘭会高校(大阪)と就実高校(岡山)の名門対決となりました。
金蘭会は2019年以来の優勝を目指し、就実は王座奪還を狙う構図。金蘭会は前年夏の全国高校総体(インターハイ)を制しており、この決勝で勝てば同大会との2冠を達成する状況でした。
試合は金蘭会が3対0で勝利。ただし、スコアだけを見ると一方的な試合に思えるものの、実際には第2セットと第3セットがジュースまでもつれ込む接戦でした。
第1セット:馬場柚希と徳元菜々美が攻撃をけん引序盤は5-5と互角の展開でしたが、金蘭会がブロックなどで3連続得点を奪い、7-5とリードします。
就実も比留間美晴選手を中心に反撃し、10-10まで追いつきました。しかし、金蘭会は馬場柚希選手や徳元菜々美選手のスパイク、丹山花椿選手のツーアタックなど、多彩な攻撃で再びリードを拡大します。
16-12と優位に立った金蘭会は、最後も馬場選手が押し込んで25-20。まずは第1セットを先取しました。
第2セット:15-20の劣勢から逆転!粘りの29-27この試合で特に注目したいのが第2セットです。
就実は序盤から粘り強いレシーブと攻撃で得点を重ね、金蘭会を15-20と追い込みました。しかし、金蘭会はここで崩れません。
徳元選手のサービスエースや中山沙也選手の強打などから連続得点を奪い、試合を振り出しに戻します。
終盤は就実が23-24と先にセットポイントを握りましたが、金蘭会は長いラリーを制して追いつきました。その後も集中力を維持し、最終的に29-27で第2セットを獲得します。
勝負どころでのレシーブ、ブロック、攻撃の連係が際立った場面でした。
第3セット:就実のセットポイントをしのいで優勝決定第3セットも簡単には決着しませんでした。
就実は石田恵選手らの攻撃で7-10とリード。金蘭会も西村里音選手らの活躍で12-12に追いつきますが、就実は再びリードを奪い、終盤には21-24とセットポイントを握りました。
あと1点でセットを取り返せる状況でしたが、金蘭会は徳元選手の連続得点で24-24に追いつきます。
最後は金蘭会がブロックでマッチポイントを奪い、28-26で勝利。セットカウント3対0で7大会ぶり4度目の春高制覇を達成しました。
日刊スポーツの報道では、金蘭会の馬場選手は試合後、チームメートへの感謝を口にしています。エースと主将を務める選手だけに依存せず、苦しい場面で周囲が得点を重ねたことが、この勝利の大きな特徴でした。
金蘭会の勝因は、劣勢からの修正力と組織的な守備力です。第2セット、第3セットともに相手にセットポイントを握られながら逆転した事実は、チーム全体の精神的な強さを示しています。
【春高バレー2026の大会結果一覧】準優勝校・3位・決勝スコアを比較
ここで、第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会の最終結果を整理します。
日本バレーボール協会の公式発表と大会結果によると、男女それぞれの優勝校、準優勝校、3位校は次のとおりです。男女の最優秀選手賞も合わせて掲載します。
決勝の得点をセットごとに並べると、男子は東山が第1・第3・第4セットを獲得。女子は金蘭会が全セットを取りました。
- 男子:東山 3-1 清風
- 第1セット:25-21
- 第2セット:19-25
- 第3セット:25-19
- 第4セット:25-17
- 女子:金蘭会 3-0 就実
- 第1セット:25-20
- 第2セット:29-27
- 第3セット:28-26
特に女子は、3セット合計の得点差がわずかにとどまる接戦でした。セットカウントだけで試合内容を判断するのではなく、終盤の逆転劇まで見ることで金蘭会の勝負強さが理解できます。
また、男子3位の駿台学園は大会3連覇中の強豪でしたが、準決勝で清風に敗退。東山と清風の決勝進出は、男子大会の勢力図にも変化を感じさせる結果となりました。
【最優秀選手賞】岩田怜緯と馬場柚希はどんな選手?受賞の理由を分析
2026年の春高決勝で注目されたのが、男女それぞれの最優秀選手賞です。男子は東山の岩田怜緯選手、女子は金蘭会の馬場柚希選手が選ばれました。
男子MVP・岩田怜緯(東山)
岩田怜緯選手
東山高校・2年/アウトサイドヒッター
身長189cm/決勝27得点
岩田選手は、東山の攻撃を支える2年生エースです。決勝では両チーム最多の27得点を記録し、第1セットの逆転劇や第4セットの最後のバックアタックなど、重要な場面で得点を重ねました。
日刊スポーツの試合後報道によると、岩田選手は前年の国民スポーツ大会決勝で鎮西に敗れた経験を持っています。その悔しさを糧に、自主練習でスパイクを磨いてきたことも紹介されました。
特筆すべきなのは、単なる得点力だけでなく、勝負どころで自ら攻撃を引き受ける姿勢です。2年生ながらチームの中心として優勝に貢献し、最優秀選手賞にふさわしい働きを見せました。
女子MVP・馬場柚希(金蘭会)
馬場柚希選手
金蘭会高校・3年/ミドルブロッカー
身長180cm/主将
馬場選手は金蘭会の主将であり、攻守の軸を担う選手です。U19日本代表にも名を連ねた実力者で、決勝では第1セットの重要な得点や、第2・第3セットの接戦で存在感を発揮しました。
興味深いのは、最優秀選手賞を受賞した馬場選手が、決勝戦だけの得点数で評価されたわけではないという点です。スポニチの報道では、決勝の馬場選手の得点は6点とされています。それでも大会を通じたチームへの貢献が評価され、MVPに選ばれました。
金蘭会は馬場選手だけで得点するチームではありません。徳元菜々美選手、中山沙也選手、丹山花椿選手らが攻撃を分担し、守備でも粘り強さを発揮しました。馬場選手のリーダーシップと周囲の選手の連係が、優勝につながったと分析できます。
なお、公式の受賞一覧には、男子の優秀選手賞として岩田選手、齋藤航選手、尾﨑亮太選手、西村海司選手、佐々木悠成選手、堀内晴翔選手が掲載されています。女子では馬場選手、德元菜々美選手、比留間美晴選手、仙波こころ選手、藤﨑愛梨選手、磯邊萌心選手が選出されました。
ベストリベロ賞は男子が東山の辻本侑央選手、女子が金蘭会の岡日和選手。勝利監督賞は男子が豊田充浩監督、女子が池条義則監督でした。
【春高決勝の歴代優勝校】東山と金蘭会の過去の実績を振り返る
2026年の結果をより深く理解するには、両校の過去の優勝実績も押さえておきたいところです。
東山高校は2020年以来の優勝東山高校は2020年の春高で初優勝を果たしています。当時は日本代表として活躍する高橋藍選手が主将を務めていた世代でした。
その後、2026年に2度目の優勝。2020年の優勝を見て東山に憧れ、入学した選手も主要メンバーに含まれていたと日刊スポーツは報じています。
今回の優勝は、単に6年ぶりにタイトルを獲得したというだけではありません。かつての強豪世代に憧れた選手たちが、自分たちの力で再び全国の頂点に立ったという意味でも印象的な大会でした。
金蘭会高校は4度目の春高制覇金蘭会は2015年、2018年、2019年に春高で優勝しています。2018年と2019年は連覇を達成しており、女子高校バレーを代表する強豪校の一つです。
2019年の優勝以降は決勝進出から遠ざかっていましたが、2026年に7大会ぶりの優勝を達成。これで通算4度目の春高制覇となりました。
また、2026年はインターハイも制しており、春高との2冠を達成。年間を通じて全国トップレベルの実力を維持したことがうかがえます。
近年の春高バレー優勝校との比較2019年から2026年までの主な優勝校を見ると、男子では駿台学園の強さが際立ち、女子では就実や金蘭会などの強豪校が優勝を争ってきたことが分かります。
- 男子
- 2020年:東山
- 2021年:東福岡
- 2022年:日本航空
- 2023年:駿台学園
- 2024年:駿台学園
- 2025年:駿台学園
- 2026年:東山
- 女子
- 2019年:金蘭会
- 2020年:東九州龍谷
- 2021年:就実
- 2022年:就実
- 2023年:古川学園
- 2024年:就実
- 2025年:共栄学園
- 2026年:金蘭会
この流れからも、2026年は男子で駿台学園の連覇が止まり、女子では金蘭会が久々に頂点へ戻るという、両カテゴリーで新しい節目を迎えた大会だったことが分かります。
なお、歴代優勝校を比較するときは、2011年の大会方式変更以前と以降を混同しないことも大切です。大会の歴史全体を比較する場合は、旧大会と現在の全日本高校選手権の区分を確認する必要があります。
【プロの結論】春高バレー2026の決勝から見えた勝敗を分ける3つのポイント
今回の男女決勝を振り返ると、優勝した2校には共通点があります。それは、エースの能力を生かしながら、チーム全体で苦しい場面を乗り越えたことです。
1. エースの得点力をチームの勝利につなげる男子の東山は岩田怜緯選手が27得点を記録しました。一方、女子の金蘭会は馬場柚希選手を中心に、徳元選手や中山選手など複数の選手が重要な得点を挙げました。
この違いは興味深いポイントです。東山はエースの爆発力を勝利に結びつけ、金蘭会はエースを中心とした複数の攻撃手による得点力で相手を上回りました。
2. セット終盤の集中力が勝敗を決めた男子第1セットでは東山が16-19から6連続得点で逆転。女子第2セットでは金蘭会が相手のセットポイントをしのぎ、29-27で勝ち切りました。
女子第3セットも21-24から追いついて28-26で決着しています。
高校バレーでは、技術や身体能力だけでなく、試合終盤の判断力や連係、精神的な安定感が勝敗に直結します。2026年の決勝は、その重要性を具体的なスコアで示した試合でした。
3. 全国大会での経験を決勝に生かした東山は前年の国スポで準優勝を経験し、金蘭会はインターハイ優勝を経て春高に臨みました。両校とも、全国レベルの舞台で戦った経験を持っていたことが特徴です。
ただし、経験があれば必ず勝てるわけではありません。東山は清風に第2セットを奪われ、金蘭会も就実に何度もセットポイントを握られました。そこで崩れずに立て直したことこそ、優勝校として評価すべき部分です。
春高バレーを見る際には、最終スコアだけでなく、①エースの得点への関与、②ブロックとレシーブの安定性、③20点以降の得点力、という3つの観点を意識すると、試合の本質がより分かりやすくなります。
2026年大会は、男子の東山と女子の金蘭会が、それぞれ異なる強みを生かして頂点に立った大会でした。
【春高決勝2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:春高バレー2026の男子決勝はどこが優勝しましたか?
A1:京都代表の東山高校です。大阪代表の清風高校をセットカウント3対1(25-21、19-25、25-19、25-17)で破り、6大会ぶり2度目の優勝を果たしました。
Q2:春高バレー2026の女子決勝はどこが優勝しましたか?
A2:大阪代表の金蘭会高校です。岡山代表の就実高校に3対0(25-20、29-27、28-26)で勝利し、7大会ぶり4度目の優勝を達成しました。
Q3:2026年春高バレーの準優勝校はどこですか?
A3:男子は大阪代表の清風高校、女子は岡山代表の就実高校です。男女ともに強豪校同士の決勝となりました。
Q4:2026年の春高バレー最優秀選手賞は誰が受賞しましたか?
A4:男子は東山高校の岩田怜緯選手、女子は金蘭会高校の馬場柚希選手です。岩田選手は2年生のアウトサイドヒッター、馬場選手は3年生のミドルブロッカーで、主将としてもチームを支えました。
Q5:東山高校と金蘭会高校は何年ぶりの優勝ですか?
A5:東山高校は2020年以来6年ぶり、金蘭会高校は2019年以来7年ぶりの優勝です。通算優勝回数は東山が2回、金蘭会が4回となりました。
Q6:金蘭会高校はインターハイとの2冠を達成しましたか?
A6:はい。2025年夏の全国高校総体(インターハイ)と2026年1月の春高バレーを制し、2冠を達成しました。
第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会は、2026年1月11日に東京体育館で男女決勝が行われ、男子は東山高校、女子は金蘭会高校が優勝しました。
男子は東山が清風を3対1で下し、6大会ぶり2度目の優勝。岩田怜緯選手が27得点を挙げ、男子最優秀選手賞も獲得しました。
女子は金蘭会が就実を3対0で破り、7大会ぶり4度目の優勝。主将の馬場柚希選手が最優秀選手賞に選ばれ、インターハイとの2冠も達成しています。
両決勝に共通していたのは、相手にリードを許しても最後まで諦めず、チーム全体で勝負を決めたことです。2026年の春高決勝は、個人の技術とチームの組織力、そして大舞台での精神力がそろってこそ全国制覇に届くことを示しました。
次回大会では、王者となった東山と金蘭会がどのようなチームを作り上げるのか、そして清風や就実をはじめとする強豪校がどのように巻き返すのかにも注目が集まります。