2026年10月3日、愛知県の豊田スタジアムで行われた第20回アジア競技大会の男子サッカー決勝は、韓国が日本を1-0で下した。
決勝点を挙げたのは、韓国のオム・ジソン(厳智星)。後半16分、右サイドからのクロスを起点に生まれたチャンスを仕留め、韓国に金メダルをもたらした。
アジア・オリンピック評議会(OCA)の公式試合報告によると、決勝戦には3万人を超える観客が来場。日本は試合の多くで主導権を握ったものの、韓国のGKキム・ジュンホンを攻略できなかった。
出典:OCA公式試合報告、聯合ニュース、2026年10月3日
韓国はアジア大会史上初の4連覇今回の優勝で韓国は、2014年仁川大会から続く男子サッカーの連覇を4大会に伸ばした。
特に注目したいのは、2018年、2023年、2026年の3大会連続で決勝の相手が日本だったことだ。
| 大会 | 決勝の結果 | 優勝 |
|---|---|---|
| 2018年ジャカルタ・パレンバン | 韓国 2-1 日本 | 韓国 |
| 2023年杭州 | 韓国 2-1 日本 | 韓国 |
| 2026年愛知・名古屋 | 韓国 1-0 日本 | 韓国 |
出典:聯合ニュース、KBS WORLD、OCA
日本にとっては、2018年、2023年に続く3大会連続の決勝敗退となった。
ホーム開催で金メダルを逃した悔しさは残るが、今回の結果には代表編成の違いも関係している。そこを理解すると、単純なスコア以上の意味が見えてくる。
【重要】A代表とU-21日本代表・U-23韓国代表は何が違う?

日韓戦の勝敗を正しく理解するうえで、最初に押さえておきたいのが代表カテゴリーの違いだ。
今回のアジア大会決勝は、一般にテレビやニュースで取り上げられる日本代表と韓国代表のA代表同士の試合ではない。
日本はU-21、韓国はU-23を中心とするチームで戦った。
A代表は年齢制限のない最上位カテゴリーA代表とは、各国サッカー協会が編成する男子のフル代表を指す。
日本の場合は森保一監督が率いるSAMURAI BLUEが該当する。
基本的に年齢制限はなく、若手からベテランまで、代表選考の対象となる選手が招集される。
一方、U-21やU-23は年齢によって出場資格が定められた世代別代表だ。
| 比較項目 | A代表 | U-21代表 | U-23代表 |
|---|---|---|---|
| 年齢制限 | なし | 21歳以下 | 23歳以下 |
| 主な目的 | 国際大会・A代表強化 | 五輪世代の育成 | 五輪・世代別大会 |
| 選手構成 | 年齢を問わない | 若手中心 | 若手中心 |
| 2026年の日韓戦 | 2025年E-1が直近の対戦 | 日本がアジア大会に出場 | 韓国がアジア大会に出場 |
日本がU-21代表で大会に臨んだのは、2028年ロサンゼルス五輪を見据えた強化方針によるものだ。
日本サッカー協会(JFA)は、アジア大会を五輪世代の重要な実戦経験の場として位置づけていた。
本来、男子サッカーはU-23を基本とする大会で、24歳以上のオーバーエイジ(OA)選手を最大3人まで起用できる。
今回の日本は規定より2歳若い選手を中心に編成し、OA枠も使用しなかった。
対する韓国はU-23を基本に、OA枠を3人とも活用。報道によると、海外組も9人を招集していた。
つまり、両国は同じ決勝戦に出場していても、チーム編成の狙いが異なっていたのである。
この違いは、試合の評価にも影響する。
日本にとっては2028年五輪へ向けた選手強化、韓国にとってはアジア大会の金メダル獲得という明確な目標があった。
したがって、今回の敗戦だけでA代表の実力差を判断するのは適切ではない。
【通算対戦成績】日本と韓国は何勝何敗?数字が異なる理由も解説
日本対韓国の通算対戦成績を調べると、掲載媒体やサッカー協会によって試合数が違うことに気づく。
これは単なる集計ミスではない。両国のサッカー協会で、過去の試合を国際Aマッチとして認定する基準に違いがあるためだ。
日本サッカー協会と韓国サッカー協会の集計差2025年7月15日のE-1サッカー選手権決勝が行われる前の記録では、日韓両協会の集計は次のようになっていた。
- JFA基準:78試合、日本15勝23分40敗
- KFA基準:81試合、日本16勝23分42敗
韓国サッカー協会(KFA)の記録には、日本側が国際Aマッチとして認定していない3試合が含まれている。
その後、日本が2025年7月15日の韓国戦に勝利したため、その結果を加えると以下の数字になる。
| 集計区分 | 試合数 | 日本の勝利 | 引き分け | 日本の敗戦 |
|---|---|---|---|---|
| JFA基準 | 79 | 16 | 23 | 40 |
| KFA基準 | 82 | 17 | 23 | 42 |
出典:日刊スポーツの2025年7月15日付集計とE-1公式試合結果を基に更新
なぜ3試合の違いが生まれたのか日刊スポーツのデータ分析記事によると、両協会の集計に差が出るのは次の3試合だ。
1. 1967年8月1日のアジアカップ予選
2. 1988年12月6日のアジアカップ
3. 1998年12月7日のバンコク・アジア大会
日本はこれらの試合について、若手中心の編成だったことなどからAマッチとして扱っていない。一方、韓国は自国代表のAマッチ記録に含めている。
特に1998年のアジア大会は象徴的な事例だ。
日本はシドニー五輪を目指すU-21世代を中心に編成していたのに対し、韓国はワールドカップ経験者を含むA代表経験者を複数起用していた。
同じ国同士の試合でも、参加した選手の構成や協会の認定基準によって記録の扱いが異なるのである。
通算成績を見るときの3つの注意点- 集計する協会を確認する: JFAとKFAでは対象試合が異なる。
- PK戦の扱いを確認する: PK戦を引き分けとして記録するか、PK勝敗を別項目にするかで数字が変わる。
- 世代別代表を混ぜない: U-21やU-23の試合をA代表の成績に加えてはいけない。
今回の2026年アジア大会決勝も、U-21日本代表とU-23韓国代表の試合であり、A代表の通算成績には加えない。
これが日韓戦の歴代勝敗を調べる際に、最も注意したいポイントだ。
【直近のA代表対決】2025年E-1では日本が韓国に1-0で勝利
2026年11月4日時点で、男子A代表同士の直近の日韓戦は、2025年7月15日の東アジアE-1サッカー選手権だ。
この試合では日本が韓国に1-0で勝利している。
開催地は韓国の龍仁ミル・スタジアム。決勝点を挙げたのはジャーメイン良で、前半8分に相馬勇紀のクロスから左足でゴールを決めた。
日本はそのまま韓国の反撃を抑え、3戦全勝で大会連覇を達成した。
直近の日韓戦で見る日本と韓国の勝敗A代表同士の対戦を時系列で振り返ると、近年の流れが分かりやすい。
- 2019年12月18日: 韓国 1-0 日本。E-1選手権で韓国が勝利。
- 2021年3月25日: 日本 3-0 韓国。山根視来、鎌田大地、遠藤航が得点。
- 2022年7月27日: 日本 3-0 韓国。相馬勇紀、佐々木翔、町野修斗が得点。
- 2025年7月15日: 韓国 0-1 日本。ジャーメイン良の得点で日本が勝利。
注目すべきなのは、2021年以降、日本がA代表の日韓戦で3連勝していることだ。
ただし、2026年のアジア大会では韓国が1-0で勝利している。
この結果だけを並べると矛盾しているように見えるが、前述したとおり2025年の試合はA代表、2026年の試合は世代別代表である。
カテゴリーを区別すれば、両方の結果を正しく理解できる。
東アジアE-1サッカー選手権とは?東アジアE-1サッカー選手権は、東アジアサッカー連盟(EAFF)が主催する国際大会だ。
日本、韓国、中国などが参加し、地域の代表チームが総当たり形式で優勝を争う。
ワールドカップやアジアカップとは異なり、東アジアの国々が直接対決する機会が多い点が特徴だ。
2025年大会では日本が香港に6-1、中国に2-0、韓国に1-0で勝利。勝ち点9の3連勝で優勝した。
E-1は、海外組を含むA代表のフルメンバーが必ずしも揃うとは限らないものの、代表カテゴリーとしてはA代表の大会である。
そのため、世代別代表が出場するアジア大会とは、成績を比較する際の前提が異なる。
【歴代の日韓戦】1954年から続くライバル関係と名勝負
サッカーの日韓戦の歴史は、1954年にまでさかのぼる。
日本サッカー協会の日本サッカーミュージアムの資料によると、両国が初めて対戦したのは1954年3月7日。FIFAワールドカップ・スイス大会のアジア予選だった。
当時、アジアの出場枠はわずか1つ。日本は韓国との2試合で1分1敗となり、ワールドカップ出場権を獲得できなかった。
この対戦が、長年にわたる日韓サッカーのライバル関係の出発点となった。
1954年:ワールドカップ出場権を懸けた最初の対決最初の試合は日本が1-5で敗れた。
続く第2戦は2-2の引き分け。2試合合計3-7で韓国が上回り、本大会への切符を手にした。
当時はアジアのサッカー環境も現在とは大きく異なり、国際大会への出場そのものが各国にとって大きな目標だった。
この時代から、日韓戦は単なる親善試合ではなく、国の代表としての誇りを懸けた対決という性格を持っていた。
2011年:日本が韓国に3-0で快勝2011年8月10日、札幌ドームで行われた国際親善試合も印象深い一戦だ。
日本は韓国に3-0で勝利。香川真司、本田圭佑らを擁した日本代表が攻撃力を発揮した。
当時の日本は、アルベルト・ザッケローニ監督の下でチームの完成度を高めていた時期だった。
日韓戦の歴史において、日本が韓国に明確なスコア差をつけた代表的な試合の一つである。
2019年:韓国がE-1選手権で日本を撃破2019年12月18日のE-1選手権では、韓国が日本を1-0で下した。
前半28分、ファン・インボムがミドルシュートを決め、その1点を守り切った。
日本は勝利または引き分けで優勝できる状況だったが、韓国に敗れて準優勝となった。
この試合は、韓国が日本に対して高いプレッシングと積極的な攻撃を仕掛けた試合としても印象に残る。
2021年・2022年:日本が3-0で連勝その後、日本は2021年の国際親善試合で3-0、2022年のE-1選手権でも3-0と韓国を連破した。
2021年は山根視来、鎌田大地、遠藤航が得点。2022年は相馬勇紀、佐々木翔、町野修斗がゴールを記録した。
特に2022年の試合は、日本がE-1選手権で優勝を決めた一戦でもある。
このように、日韓戦の歴史は一方の国が一貫して勝ち続けてきたものではない。
時代や代表編成、監督の戦術、選手層によって力関係が変化してきたことが、長年にわたって注目され続ける理由の一つだ。
【今後の日程】2026年の日本代表・韓国代表は次にいつ対戦する?
2026年11月4日時点で、男子A代表の日本対韓国について、次回の対戦日時は発表されていない。
日本代表のJFA公式日程には、11月の国際親善試合としてブラジル戦とパラグアイ戦が掲載されている。
日本代表の2026年残りの主な試合| 日程(日本時間) | 対戦相手 | 会場 |
|---|---|---|
| 2026年11月14日 | ブラジル | シンガポール |
| 2026年11月17日 | パラグアイ | シンガポール |
| 2026年12月30日 | 未定 | 大阪・パナソニック スタジアム 吹田 |
11月14日のブラジル戦は日本時間19時15分、11月17日のパラグアイ戦は日本時間22時10分の予定だ。
JFAは11月4日に招集メンバーも発表している。
一方、韓国との次回対戦については、今後の国際親善試合や大会日程の発表を待つ必要がある。
次の日韓戦をチェックするときのポイント日韓戦の試合情報を追う際は、次の3点を確認したい。
1. 代表カテゴリー: A代表なのか、U-21・U-23などの世代別代表なのか。
2. 大会の位置づけ: 国際親善試合、E-1選手権、アジア大会など、どの大会なのか。
3. 出場メンバー: 海外組やOA選手を含め、どのような編成になっているのか。
同じ日本対韓国でも、代表カテゴリーや大会の目的によって試合の意味は大きく変わる。
特に2028年ロサンゼルス五輪を見据えた世代別代表の動向は、今後の日韓戦を理解するうえでも注目したいポイントだ。
【プロの結論】サッカー日韓戦は勝敗だけでなく代表カテゴリーで評価する
サッカー日韓戦の数字を正確に理解するためには、単純な勝ち負けだけでなく、試合の背景まで見る必要がある。
今回の2026年アジア大会決勝は韓国が1-0で勝利した。しかし、日本はU-21で大会に臨み、韓国はU-23にOA枠を加えた編成だった。
一方、A代表の直近対戦である2025年E-1選手権では、日本が韓国に1-0で勝っている。
この2つは、どちらも重要な日韓戦だが、同じ基準で評価すべき試合ではない。
日韓戦の情報を見極める判断基準| 知りたい情報 | 確認するべき資料 |
|---|---|
| A代表の通算勝敗 | JFA・KFAの国際Aマッチ記録 |
| 2026年アジア大会の結果 | OCA・JOC・大会公式記録 |
| 直近のA代表対決 | JFAの試合日程・公式記録 |
| 過去の名勝負 | 各協会の試合記録・大会資料 |
| 今後の日韓戦 | JFA・KFAの公式日程 |
サッカーの勝敗データを調べる人は、JFAとKFAの集計基準を比較することが大切だ。
また、2026年アジア大会の結果を知りたい人は、A代表の通算成績とは分けて確認すると、情報を取り違えにくい。
【サッカー日韓戦】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のサッカー日韓戦の最新結果は?
A1:2026年10月3日の第20回アジア競技大会男子決勝で、韓国が日本に1-0で勝利した。オム・ジソンが後半16分に決勝ゴールを決め、韓国は大会4連覇を達成した。
Q2:日本と韓国のサッカー通算対戦成績は?
A2:2025年7月15日のE-1選手権終了時点で更新すると、JFA基準では79試合、日本の16勝23分40敗。KFA基準では82試合、日本の17勝23分42敗となる。3試合の集計差は、過去の代表編成とAマッチ認定基準の違いによるものだ。
Q3:2026年アジア大会の日韓戦はA代表同士の試合?
A3:違う。日本はU-21代表、韓国はU-23代表を中心としたチームで出場した。A代表の国際Aマッチ通算成績には含まれない。
Q4:A代表同士の直近の日韓戦はいつ?
A4:2025年7月15日の東アジアE-1サッカー選手権だ。日本がジャーメイン良のゴールで韓国に1-0で勝利した。
Q5:次の日韓戦はいつ開催される?
A5:2026年11月4日時点で、男子A代表同士の次回対戦日は発表されていない。日本代表は11月にブラジル、パラグアイとの試合を予定している。
2026年のサッカー日韓戦で最も大きな話題となったのは、10月3日のアジア大会男子決勝だ。韓国が日本を1-0で破り、史上初の4大会連続金メダルを達成した。
一方、A代表同士では2025年7月のE-1選手権で日本が1-0の勝利を収めている。アジア大会の結果とA代表の通算成績を混同しないことが、日韓戦を正しく理解する第一歩だ。
1954年から続く日韓サッカーのライバル関係は、現在も世代を超えて受け継がれている。今後は2028年ロサンゼルス五輪を目指す若手世代の成長と、SAMURAI BLUEのA代表としての戦いの両方に注目したい。
勝敗だけでなく、選手構成、試合の位置づけ、集計基準まで確認すれば、サッカー日韓戦の本当の意味と両国の現在地がより鮮明に見えてくる。