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冬季オリンピックのロシア勢は2026年どう出場?AINの条件と代表不在の全貌

土森 弦 土森 弦 • 更新: • 公開: • 読了約 26 分
目次

2026年2月に開催されたミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、ロシアの国別代表チームは出場しなかった。しかし、ロシア国籍の選手が大会から完全に排除されていたわけではない。国際オリンピック委員会(IOC)が定めた個人中立選手(AIN)という特別な資格のもと、フィギュアスケートのアデリア・ペトロシアンやピョートル・グメンニク、クロスカントリースキーのサヴェリー・コロステレフら13人が競技に参加した。

大会終了後の2026年7月には、IOCがロシアオリンピック委員会(ROC)の資格停止を暫定解除するという新たな動きもあった。一方、9月には国際スキー・スノーボード連盟(FIS)が2026/27シーズンの中立参加条件を発表している。つまり、ミラノ・コルティナ大会の出場制限と、2026年秋以降の国際競技への復帰は分けて考える必要がある。13人の出場者、参加資格の審査、国旗・国歌の制限、CASの判断、歴代の制裁まで整理する。

【2026年最新】ミラノ・コルティナ冬季五輪にロシア代表は出場したのか

冬季オリンピックロシア

最初に押さえたいのは、2026年大会にロシアという国の代表団が通常の形で参加したわけではないという点だ。

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックは、2026年2月6日から22日まで開催された。ロシアの国別代表チームは編成されず、IOCが個別に資格を認めた選手だけが個人中立選手(AIN)として参加した。

IOCが2026年1月29日付で公表した公式参加者一覧によると、ロシアのパスポートを持つ選手は13人。ベラルーシのパスポートを持つ選手は7人で、AIN全体では20人だった。

ロシアの13選手は、アルペンスキー、クロスカントリースキー、フィギュアスケート、リュージュ、ショートトラック、スキーマウンテニアリング、スピードスケートの7競技に分かれて出場した。

したがって、「2026年冬季オリンピックにロシア選手はいなかった」という説明は正確ではない。正しくは、ロシア代表としての参加は認められなかったが、条件を満たした個人選手の参加は認められたということになる。

また、AINのメダルは各国の国内オリンピック委員会(NOC)の公式メダルランキングには加算されない。フィリッポフが獲得した銀メダルも、ロシアの国別メダルとして計上されたものではなく、AINのメダルとして扱われた。

【出場禁止の理由と経緯】IOCとロシアオリンピック委員会の対立を時系列で整理

ロシア選手の五輪参加制限は、一度の決定で突然始まったものではない。背景には、2022年のウクライナ侵攻、IOCによる国際競技への参加勧告、ロシアオリンピック委員会の資格停止という複数の出来事がある。

2022年2月:ウクライナ侵攻を受けてIOCが参加制限を勧告

2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、IOCはロシアとベラルーシの選手・関係者を国際競技大会に参加させないよう、各国際競技連盟や大会主催者に勧告した。

この対応では、競技の安全性や大会の公正性、オリンピック休戦の原則などが問題となった。ロシアだけでなく、侵攻を支援したベラルーシも対象に含まれた。

2023年3月:個人中立選手という参加経路を提示

その後、IOCは2023年3月28日に、ロシアとベラルーシのパスポートを持つ選手が国際大会に復帰する場合の条件を提示した。

その中心となったのがAIN制度だ。国の代表としてではなく、個人として参加し、戦争を積極的に支持していないことや軍・国家安全保障機関との契約がないことなどを条件とする仕組みである。

ただし、この勧告は各国際競技連盟が大会への参加を一律に認めることを意味しなかった。実際の出場可否や予選への参加については、各競技団体の判断も関係していた。

2023年10月:ロシアオリンピック委員会が資格停止に

IOCによるロシアオリンピック委員会の資格停止は、2023年10月12日に決定された。

直接の理由は、ROCが10月5日にウクライナの国内オリンピック委員会の管轄下にあるドネツク、ヘルソン、ルハンスク、ザポリージャの地域スポーツ組織を自らの構成員に加えたことだった。

IOCは、この行為がウクライナ国内オリンピック委員会の領域的な一体性を侵害し、オリンピック憲章に違反すると判断した。

資格停止によってROCは、通常の国内オリンピック委員会として活動する権利と、オリンピック・ムーブメントから資金を受け取る権利を失った。個々のロシア選手の参加については、IOCが別途判断する枠組みとなった。

2025年12月:CASの判断でFIS予選への参加に道が開く

2025年10月、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)は、ロシアとベラルーシの選手について、AINとしてもミラノ・コルティナ大会の予選に参加させない方針を決めた。

これに対し、ロシアスキー協会、ベラルーシスキー連盟、両国の選手らがスポーツ仲裁裁判所(CAS)に申し立てた。

2025年12月2日、CASは申し立てを一部認め、IOCのAIN参加条件を満たす選手について、FISの予選大会への参加を認める判断を示した。さらに12月11日の修正判断では、対象となるロシア選手らについて、ミラノ・コルティナ大会の予選だけでなく、FIS主催の競技大会への参加も認めるよう命じた。

これはロシア代表の復活を認めた判断ではない。あくまでも、IOCのAIN資格基準を満たした個人選手に競技参加の機会を与えるという判断だった。

2026年の主な動き
時期 関係機関・出来事 内容と影響
2022年2月 IOC ウクライナ侵攻を受け、ロシア・ベラルーシ選手の国際大会参加制限を勧告。
2023年3月 IOC 条件を満たした選手の個人中立参加という枠組みを提示。
2023年10月12日 IOC・ROC ウクライナの地域スポーツ組織をROCに加えた問題を受け、ROCの資格停止を決定。
2025年10月 FIS ロシア・ベラルーシ選手のAINとしての予選参加を認めない方針を決定。
2025年12月2日・11日 CAS・FIS IOCのAIN基準を満たす選手のFIS競技参加を認める判断。
2026年1月29日 IOC ミラノ・コルティナ大会に招待されたAINの公式一覧を公表。
2026年2月 ミラノ・コルティナ大会 ロシアの13選手がAINとして参加。フィリッポフが銀メダルを獲得。
2026年7月7日 IOC ROCの資格停止を暫定解除する決定。ロシア選手に対する従来の参加勧告も適用対象から外した。
2026年9月2日 FIS 2026/27シーズンのAIN参加条件を発表。個人競技に限定し、国の象徴を使用しない条件を維持。

この経緯から分かるのは、2026年の参加制限が単純な国籍による一律排除ではなく、国家組織への制裁と個々の選手の競技参加資格を分ける形で運用されてきたことだ。

【IOCの参加資格】個人中立選手AINになるための審査基準とは

AINは、ロシアやベラルーシの選手であれば誰でも取得できる参加資格ではない。IOCは選手一人ひとりを審査し、参加条件を満たした選手に限って大会への招待を行った。

IOCが定めた主な参加条件

ミラノ・コルティナ2026大会で適用された基準は、主に次の内容で構成されていた。

  • 個人資格での参加:ロシアまたはベラルーシのパスポートを持つ選手は、AINとして個人参加する。
  • 団体参加の禁止:両国のパスポートを持つ選手によるチームは参加対象としない。
  • 戦争への支持の禁止:戦争を積極的に支持する選手は参加できない。
  • 軍・国家安全保障機関との関係:ロシアまたはベラルーシの軍や国家安全保障機関と契約関係にある選手は参加できない。
  • アンチ・ドーピング:通常の出場選手と同様、国際競技連盟などが定めるドーピング防止規則を満たす必要がある。
  • 参加条件への同意:オリンピック憲章やオリンピック・ムーブメントの平和に関する理念を尊重する参加条件に署名する。
審査を担当するAINERPとは

審査の中心となったのは、個人中立選手資格審査パネル(AINERP)だ。

IOCの公式発表では、委員長を務めるIOC委員のニコール・ホーファーツ、IOC倫理委員会・選手代表のパウ・ガソル、国際競技連盟代表の渡辺守成による3人体制が示されていた。

AINERPは、ロシアまたはベラルーシのパスポートを持つ選手と、そのサポートスタッフについて個別に資格を審査する。参加資格が認められた選手も、自動的に出場できるわけではない。IOCからの個別招待を受け入れ、必要な参加条件に同意する必要がある。

また、資格取得後も参加原則に反する行動があれば、IOCの懲戒委員会による措置の対象となる仕組みだった。

ここで重要なのは、競技成績だけで出場が決まるわけではなく、競技資格、政治的な中立性、組織との関係、ドーピング対策が別々に確認されるという点である。

【2026年のロシア選手一覧】ペトロシアン、グメンニク、コロステレフら13人

IOCが2026年1月29日に公表した公式一覧では、ロシアのパスポートを持つ13人全員について、AINとしての参加招待を受諾したことが記載されている。

主な注目選手は、フィギュアスケートのアデリア・ペトロシアンとピョートル・グメンニク、クロスカントリースキーのサヴェリー・コロステレフだ。以下がロシア選手の競技別一覧となる。

フィギュアスケート

アデリア・ペトロシアン(Adeliia Petrosian)

女子シングルに出場したロシアのフィギュアスケーター。高難度ジャンプに取り組んできた選手として注目され、大会では214.53点を記録して6位となった。

ピョートル・グメンニク(Petr Gumennik)

男子シングルに出場。ショートプログラムとフリースケーティングを合わせて271.21点を獲得し、6位で大会を終えた。

両選手はロシアのフィギュアスケート界を代表する存在として注目されたが、五輪ではロシア代表ではなくAINとして競技した。

クロスカントリースキー

サヴェリー・コロステレフ(Savelii Korostelev)

男子クロスカントリーで複数種目に出場。男子スキーアスロンでは4位、50キロでは5位に入った。メダルには届かなかったものの、上位争いに加わった選手の一人だ。

ダリア・ネプリャエワ(Daria Nepriaeva)

女子クロスカントリーに出場した選手。IOCの公式AIN参加者一覧にも掲載されている。

アルペンスキー
  • ユリア・プレシュコワ(Yulia Pleshkova)
  • シモン・エフィモフ(Simon Efimov)
リュージュ
  • ダリア・オレシク(Daria Olesik)
  • パベル・レピロフ(Pavel Repilov)
ショートトラック
  • イワン・ポサシコフ(Ivan Posashkov)
  • アリョーナ・クリロワ(Alena Krylova)
スキーマウンテニアリング
  • ニキータ・フィリッポフ(Nikita Filippov)
スピードスケート
  • クセニア・コルジョワ(Kseniia Korzhova)
  • アナスタシア・セメノワ(Anastasiia Semenova)

以上が、ロシアのパスポートを持つ13選手だ。なお、AIN全体の20人にはベラルーシの選手7人も含まれている。ベラルーシの選手はアルペンスキー、クロスカントリー、フィギュアスケート、フリースタイルスキー、スピードスケートに出場した。

2026年大会で最も大きな成果を残したロシア出身選手

ロシア出身のAIN選手で特に大きな成果を残したのは、スキーマウンテニアリング男子スプリントに出場したニキータ・フィリッポフだ。

フィリッポフは銀メダルを獲得し、2026年大会におけるAINのメダル獲得者となった。スキーマウンテニアリングはミラノ・コルティナ大会で初めて採用された競技でもあり、その歴史的な初大会での表彰台だった。

一方、フィギュアスケートではペトロシアンとグメンニクがともに6位。コロステレフもスキーアスロンで4位と健闘した。

つまり、ロシア勢は国別メダルランキングに名前を残さなかったものの、個人競技では表彰台と上位入賞を果たしている。

【国旗・国歌・団体競技】ロシア選手は何が禁止されていたのか

2026年大会のAIN制度を理解するうえで、国旗・国歌の扱いと団体競技の制限は欠かせない。選手個人の出場が認められても、ロシアという国家を代表する形式は認められていなかった。

ロシア国旗と国歌は使用不可

AINの選手は、ロシア国旗の代わりにAIN専用の旗を使用した。メダル獲得時の表彰式でも、掲揚されたのはロシア国旗ではなくAINの旗だった。

国歌についても同様で、ロシア国歌は使用されず、歌詞のないAIN専用のアンセムが演奏された。この専用アンセムはパリ2024大会でも使用されたものだ。

競技会場でロシアの国を象徴する色や標章を代表団の公式な識別として使用することも認められていなかった。

開会式の選手団パレードにも参加できなかった

AIN選手は個人資格での参加であるため、開会式の各国選手団の入場行進には加わらなかった。

IOCは開会式の雰囲気を体験できる機会を用意する方針を示していた。その後、大会期間中に閉会式への参加が認められ、AIN選手も閉会式に加わることができた。

ロシアの団体競技は出場対象外

AIN制度では、ロシアやベラルーシのパスポートを持つ選手で構成するチームは参加対象にならない。

このため、ロシアのアイスホッケー代表チームが通常の代表として出場することは認められなかった。団体戦や国別のチーム順位を競う競技についても、AINとして参加する選手を集めた代表チームを組むことはできなかった。

ここには、個人選手の競技機会を残しながら、国家や国内オリンピック委員会を代表するチームとしての参加は認めないというIOCの考え方が表れている。

また、AINのメダルはNOCの公式メダルランキングに加算されない。銀メダルを獲得したフィリッポフの成績も、ロシアの国別ランキングを押し上げるものではなかった。

【ロシア冬季五輪の歴代成績】OAR・ROC・AINは何が違う?

ロシアの冬季オリンピックを振り返ると、国の名称や代表資格を変更しながら参加してきた歴史がある。特に2018年、2022年、2026年は、それぞれ異なる事情で通常のロシア代表とは違う形式が採用された。

2018年平昌大会:OARとして出場

2018年の平昌冬季オリンピックでは、ロシアの国家的なドーピング問題を受けてROCが資格停止となった。

IOCが承認したクリーンな選手は、個人資格で「Olympic Athlete from Russia(OAR)」として参加する道が残された。ロシアの国旗ではなくオリンピック旗を使用し、表彰式ではオリンピック賛歌が演奏された。

この処分の背景には、ソチ2014大会などに関連するロシアの組織的なドーピング規則違反と検査データ操作の問題があった。IOCのシュミット委員会による調査報告も、当時の処分の根拠となった。

2022年北京大会:ROC名義で参加

2022年の北京冬季オリンピックでは、ロシア選手はROC、すなわちロシアオリンピック委員会の名称で参加した。

こちらも国家的なドーピング問題を背景とした制裁の影響で、ロシア国旗と国歌の使用に制限が設けられていた。ただし、ROCとして選手団を編成していた点で、2026年のAIN制度とは異なる。

2026年ミラノ・コルティナ大会:AINとして個人参加

2026年大会では、2022年以降のウクライナ侵攻と、2023年のROC資格停止という別の政治的・組織的な背景が参加制限に影響した。

その結果、ロシア代表やROC代表ではなく、IOCの個別審査を通過した選手だけがAINとして出場する形式になった。

歴代大会を比較すると、次のようになる。

  • 2018年:OAR。国家的なドーピング問題に伴う制裁。
  • 2022年:ROC。ドーピング問題に伴う国名・国旗・国歌の制限。
  • 2026年:AIN。ウクライナ侵攻後の参加制限とROC資格停止を背景に、個人選手のみ参加。

なお、Olympediaのロシア連邦名義の集計では、冬季オリンピックでのメダル獲得数は計121個、うち金メダル47個とされている。これはソ連代表や1992年の統一チームとは別の歴史的区分であり、OAR、ROC、AINとして獲得したメダルをロシア連邦の通常の国別メダル数と単純に合算することはできない。

2026年7月:IOCがROCの資格停止を暫定解除

2026年の状況をさらに複雑にしているのが、冬季大会終了後のIOCの方針転換だ。

IOCは2026年7月7日の理事会で、2023年10月から続いていたROCの資格停止を暫定的に解除することを決定した。

その理由としてIOCが挙げたのは、ROCがウクライナ国内オリンピック委員会の管轄地域に属する地域スポーツ組織を構成員から外し、今後もそれらの地域で活動しないと確認したことだ。

さらにIOCは、ロシア選手とチームに対する2022年2月28日および2023年3月28日の従来の参加勧告について、今後の国際競技大会への参加に関して適用しない方針を示した。

ただし、これはロシア国旗と国歌が五輪で直ちに解禁されたという意味ではない。IOCは、今後のオリンピックで国旗、国歌、国の色やその他の識別表示を認めるかどうかについて、適切な時期に判断するとしている。

2026年秋のFISは中立条件を維持

IOCの方針変更後も、各国際競技連盟が独自に参加条件を設定する余地は残されている。

FISは2026年9月2日、2026/27シーズンのロシア・ベラルーシ選手の参加条件を発表した。選手やサポートスタッフはFISが定める中立性の宣言に署名し、条件を守る必要がある。

加えて、参加は個人競技に限定され、国旗、国歌、国を示すユニフォームなどの使用も認められない。アンチ・ドーピング要件も引き続き適用される。

FISの文書管理ページでは、2026年11月3日付のAIN承認者一覧も公表されている。IOCがROCの資格停止を暫定解除した後も、FISでは個別審査を伴う中立参加制度が運用されていることが分かる。

フィギュアスケートを統括する国際スケート連盟(ISU)も、2026年6月30日に2026/27シーズンからロシア・ベラルーシ所属の選手をAINとして競技に復帰させる方針を発表した。国旗や国歌、国家を示すユニフォームは使用できず、中立性の条件を満たす必要がある。

【プロの結論】2026年のロシア勢は「出場したが代表ではない」が正解

2026年の冬季オリンピックをめぐるロシア問題で、最も大切なのは「ロシア選手が出場したか」と「ロシア代表が出場したか」を区別することだ。

ミラノ・コルティナ大会では、ロシアのパスポートを持つ13人が実際に競技に参加した。フィリッポフは銀メダルを獲得し、ペトロシアンやグメンニクもフィギュアスケートの上位選手として競技した。

しかし、彼らはロシア代表として出場したのではない。AINという独立した参加資格で競技し、国旗・国歌・団体参加・国別メダルランキングの面でも通常の代表団とは異なる扱いを受けた。

また、2026年7月のROC資格停止の暫定解除は、冬季大会でのAIN参加条件を過去にさかのぼって変更するものではない。冬季大会はすでにAIN制度のもとで終了しており、現在の国際大会への復帰は、IOCの方針、FISやISUなどの競技連盟の判断、アンチ・ドーピング体制をそれぞれ確認する必要がある。

今後、ロシア勢の復帰状況を調べる際は、次の3点を判断基準にすると情報を整理しやすい。

  • IOCの判断:ROCの資格停止がどう扱われ、五輪での国旗・国歌の使用が認められるか。
  • 各競技連盟の判断:FISやISUが個人参加を認めるのか、団体競技への参加も認めるのか。
  • 個々の選手の資格:中立性、競技資格、ドーピング検査などの条件を満たしているか。

この3つを混同すると、「IOCが資格停止を解除したからロシア代表がすべての競技に復帰した」「AINの銀メダルはロシアの国別メダルだった」といった誤解につながる。

2026年は、ロシアの冬季オリンピック参加を考えるうえで大きな転換点となった年だ。ミラノ・コルティナ大会では個人中立選手としての参加にとどまった一方、大会終了後にはIOCの方針が変わり、競技連盟も新たな参加条件を整え始めた。ロシア選手の完全復帰が実現するかどうかは、今後の五輪に向けた重要な焦点となる。

【冬季オリンピックのロシア勢】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年の冬季オリンピックにロシア選手は出場しましたか?

A1:出場した。IOCが個別に参加資格を認めたロシアのパスポートを持つ13人が、個人中立選手(AIN)としてミラノ・コルティナ大会に参加した。ただし、ロシア代表チームとしての出場ではない。

Q2:AINとは何ですか?

A2:Individual Neutral Athletesの略称で、日本語では個人中立選手と呼ばれる。国の代表としてではなく、IOCが定める中立性や競技資格などの条件を満たした個人選手が参加する制度だ。

Q3:アデリア・ペトロシアンとピョートル・グメンニクは何位でしたか?

A3:ペトロシアンは女子シングル6位で214.53点、グメンニクは男子シングル6位で271.21点だった。いずれもロシア代表ではなくAINとして参加した。

Q4:2026年大会でロシア国旗や国歌は使用されましたか?

A4:使用されていない。AIN専用の旗と歌詞のない専用アンセムが採用され、メダル獲得時にもロシア国旗やロシア国歌は使用されなかった。

Q5:ロシアのアイスホッケー代表は出場できましたか?

A5:出場していない。AIN制度は個人選手を対象とし、ロシアやベラルーシの選手による団体チームは参加対象外だった。

Q6:ニキータ・フィリッポフはメダルを獲得しましたか?

A6:獲得した。スキーマウンテニアリング男子スプリントで銀メダルを獲得した。AINとしてのメダルであり、ロシアのNOCメダルランキングには加算されていない。

Q7:2026年7月にロシアの五輪参加禁止は解除されましたか?

A7:IOCは7月にロシアオリンピック委員会の資格停止を暫定解除し、ロシア選手に関する従来の参加勧告も適用しない方針を示した。ただし、五輪での国旗・国歌の使用は別途判断とされ、各競技連盟の参加条件やアンチ・ドーピング要件も残っている。

2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、ロシア代表団は不在だったものの、13人のロシア選手がAINとして競技に参加した。ペトロシアン、グメンニク、コロステレフらが出場し、フィリッポフは銀メダルを獲得している。

参加資格はIOCによる個別審査で決まり、戦争への積極的な支持、軍・国家安全保障機関との契約、アンチ・ドーピングなどが判断材料となった。ロシア国旗・国歌の使用や団体競技への参加は認められなかった。

そして2026年7月のROC資格停止の暫定解除、9月のFISによる中立参加条件の発表によって、ロシア選手の国際競技復帰は新しい段階に入っている。

ただし、ROCの資格停止解除とロシア代表の全面復帰は同じ意味ではない。今後の大会では、IOCの決定だけでなく、競技連盟ごとのルールや選手個人の資格審査まで確認することが、ロシア勢の動向を正しく理解する鍵となる。

主な根拠資料: IOC公式参加条件・AIN選手一覧・ROC資格停止解除発表、FIS公式発表、CAS判断、ISU公式競技結果、Olympediaの歴代記録。

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土森 弦

アニメ・漫画の制作発表を担当。制作会社と出版社の公式告知、原作者コメントを確認してから記事化します。

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