2026年の有馬記念は、第71回グランプリとして12月27日(日曜)に中山競馬場で開催予定です。舞台は芝2,500m。JRAが公表した2026年度第5回中山競馬番組(2026年9月6日変更版)には、有馬記念の本賞金が明記されています。
注目すべきなのは、2着以下の賞金も非常に高いことです。JRAでは1着本賞金を100%とした場合、2着から5着までをそれぞれ40%、25%、15%、10%に設定しています。
2026年の着順別本賞金は次のとおりです。
※6~10着は本賞金ではなく、1着本賞金を基準に算出する出走奨励金です。付加賞や特別出走奨励金は別途扱います。
5着でも5,000万円という高額賞金有馬記念の賞金規模を理解するうえで見逃せないのが、5着の賞金です。
5,000万円という金額は、一般的な競走の優勝賞金を大きく上回る水準です。さらに6着から10着にも出走奨励金が用意されています。
つまり、有馬記念は1着馬だけが大きな賞金を獲得するレースではありません。上位入着馬から掲示板外の馬まで、複数の賞金制度によって出走の価値が支えられています。
2着から5着は決められた割合で配分されるJRAの賞金制度では、2着から5着の本賞金は1着賞金に対する一定割合で算出されます。
2026年の有馬記念の場合、5億円を基準にすると次の計算になります。
- 2着:5億円×40%=2億円
- 3着:5億円×25%=1億2,500万円ではなく、1億3,000万円
- 4着:5億円×15%=7,500万円
- 5着:5億円×10%=5,000万円
なお、3着の金額については注意が必要です。一般的な本賞金の割合を単純計算した金額と、実際の重賞競走の賞金設定が異なる場合があります。有馬記念の3着はJRA競馬番組に記載された1億3,000万円が適用されます。
【6着以下も賞金がある】出走奨励金と200万円の特別出走奨励金

有馬記念では、5着以内に入らなかった馬にも賞金を受け取る仕組みがあります。
ここで押さえておきたいのが、通常の出走奨励金と、GⅠ競走に設定されている特別出走奨励金の違いです。
6着から10着には出走奨励金が交付されるJRAの賞金制度では、重賞競走および平地オープン競走の6着から10着までが出走奨励金の対象です。
交付額は1着本賞金に対する割合で決まります。
有馬記念の1着本賞金は5億円なので、2026年の金額に換算すると以下のようになります。
- 6着:4,000万円
- 7着:3,500万円
- 8着:3,000万円
- 9着:2,000万円
- 10着:1,000万円
この制度の要点は、着順に応じた一定の割合で計算されることです。
また、出走奨励金は必ず無条件で交付されるわけではありません。JRAの交付基準には不交付となるケースも定められています。
11着以下には200万円の特別出走奨励金もう一つ注目したいのが、200万円の特別出走奨励金です。
JRAの2026年度競馬番組で定められている制度では、対象となる3歳以上のGⅠ競走において、10着以内に入らなかった馬(11着以下)にも特別出走奨励金が交付されます。
有馬記念の交付額は200万円です。
ただし、対象はJRAに登録されたオープン馬などに限られ、外国馬や地方競馬所属馬は対象外です。また、失格などの不交付要件もあります。
ここで重要なのは、200万円がファン投票上位馬へのボーナスではないという点です。
ファン投票による特別出走奨励金は、別の基準によって支給されます。
【ファン投票上位馬への特典】最大2,000万円の特別出走奨励金
有馬記念ならではの制度が、ファン投票の順位に応じた特別出走奨励金です。
ファン投票で支持された馬が実際にグランプリへ出走することを後押しするため、JRAは順位に応じた金額を設定しています。
2026年のファン投票順位別の金額JRAの2026年度競馬番組に記載された交付基準は次のとおりです。
- ファン投票1~3位:2,000万円
- ファン投票4~5位:1,000万円
- ファン投票6~10位:500万円
この金額は通常の本賞金とは別枠です。
例えば、ファン投票1位の馬が有馬記念に出走し、所定の交付条件を満たせば、本賞金とは別に2,000万円の特別出走奨励金が交付されます。
ファン投票10位以内なら誰でも受け取れる?実は、ファン投票10位以内に入るだけでは十分ではありません。
JRAの交付基準では、次の条件をすべて満たす必要があります。
1. 有馬記念に実際に出走すること。
2. JRAの競走馬登録を受けていること。
3. 当該年度のGⅠ競走で3着以内に入った実績、または平地重賞競走での優勝実績があること。
4. 当該年度の有馬記念ファン投票で10位以内に入ること。
したがって、ファン投票で上位に選ばれたという事実だけでは、特別出走奨励金の交付は確定しません。
また、原則として失格などの不交付要件に該当しなければ、レースの着順にかかわらず交付対象となります。
2026年は出走馬の決定方法も変更2026年3月8日、JRAは有馬記念と宝塚記念の出走馬決定方法の見直しを発表しました。
変更の目的は、ファン投票で上位となった馬の出走機会を確保することです。
従来は第1回特別登録を行った中央馬のうち、ファン投票上位10頭が優先される仕組みでした。
2026年からは、第2回特別登録、つまり出馬投票を行った中央馬のうち、ファン投票上位10頭が優先されます。ただし、ファン投票順位が50位以内であることが条件です。
その後、選考委員会で選定された外国馬、出走馬決定賞金順という優先順位になります。
この変更によって、ファン投票上位馬が実際に出走するための仕組みが明確になりました。
【有馬記念の付加賞】特別登録料から生まれる追加賞金
本賞金以外に知っておきたいのが「付加賞」です。
付加賞は、特別競走に出走するために馬主から集められた特別登録料を原資として交付されます。
通常の本賞金とは違い、出走馬の登録状況によって金額が変わる仕組みです。
2026年の有馬記念の特別登録料2026年度第5回中山競馬番組では、有馬記念の特別登録料が次のように設定されています。
- 第1回特別登録:6万円
- 第2回特別登録:24万円
両方の登録を行う場合、1頭当たりの登録料は合計30万円です。
JRAは、こうして集めた特別登録料の総額を1着から3着までに7対2対1の割合で配分します。
つまり、付加賞の配分は次の構造です。
- 1着:総額の70%
- 2着:総額の20%
- 3着:総額の10%
仮に登録料の総額が1,000万円になった場合、1着700万円、2着200万円、3着100万円という配分になります。
※1,000万円は配分方法を説明するための計算例であり、2026年有馬記念の確定付加賞額ではありません。
付加賞は毎年同じ金額ではない付加賞は本賞金と違って固定額ではありません。
出走登録料の総額が増えれば付加賞も増え、減れば交付額も変わります。
実際、JRAが公表した2024年有馬記念の成績では、付加賞は以下の金額でした。
- 1着:340万2,000円
- 2着:97万2,000円
- 3着:48万6,000円
これは2024年の実績であり、2026年の確定金額ではありません。
付加賞を調べるときは、前年の金額をそのまま当年に当てはめないことが大切です。
【馬主・騎手・調教師】5億円は誰が受け取るのか?
有馬記念の賞金について、もう一つ誤解されやすいのが受取人の問題です。
5億円という金額は、騎手や調教師がそれぞれ受け取る金額ではありません。
基本的に本賞金の交付先は、競走馬の馬主です。
馬主は賞金を受け取り、進上金を支払うJRAによると、進上金とは、馬主が管理調教師や騎乗騎手などの厩舎関係者に支払う成功報酬的な金員です。
つまり、賞金の流れは次のようになります。
JRAから馬主へ賞金が交付され、そこから所定の進上金などが差し引かれる仕組みです。
JRAの説明では、競走終了後の翌平日を基本として、馬主指定の銀行口座に賞金等が振り込まれます。その際、厩舎関係者への進上金を差し引き、源泉徴収を行います。
騎手と調教師にも賞金に連動した収入がある騎手は基本的に個人事業主であり、一般的な会社員のような給与体系ではありません。
JRAの競馬学校に関するQ&Aでは、騎手の主な収入として騎乗手当と、騎乗馬が入賞した際の賞金の一部が説明されています。
調教師や厩舎スタッフも、競走馬の成績に応じて進上金を受け取る仕組みです。
ただし、5億円を馬主・騎手・調教師で単純に3等分するわけではありません。進上金はそれぞれの立場に応じた報酬であり、賞金の受取額と混同しないことが重要です。
【ジャパンカップと賞金比較】有馬記念の歴代賞金はどう変わった?
有馬記念の5億円という賞金を理解するには、同じく国内最高峰のGⅠであるジャパンカップとの比較が欠かせません。
2026年はジャパンカップも1着5億円2026年のジャパンカップと有馬記念は、どちらも1着本賞金5億円です。
ジャパンカップは2026年11月29日に東京競馬場で開催予定。有馬記念は12月27日に中山競馬場で開催予定です。
両競走の本賞金は同額で、2着2億円、3着1億3,000万円、4着7,500万円、5着5,000万円という配分も一致しています。
有馬記念の歴代1着賞金推移有馬記念の優勝賞金は、長期的に増額されてきました。
主な転換点を整理すると次のようになります。
- 2014年:2億円
- 2015年:2億5,000万円
- 2016年:3億円
- 2021年:3億円
- 2022年:4億円
- 2023年:5億円
- 2024~2026年:5億円
2016年には2億5,000万円から3億円へ増額されました。
さらに2022年には4億円となり、2023年からは5億円に引き上げられています。
2022年11月のJRAによる次年度の賞金改定発表では、ジャパンカップと有馬記念の1着賞金を4億円から5億円に増額することが公表されました。国際競争力を高める狙いも背景にありました。
なぜ有馬記念の賞金はここまで高いのか有馬記念は、年末に実施される国内競馬の象徴的なグランプリです。
ファン投票によって出走馬の選定に関わる仕組みがあり、競走成績だけでなく、ファンからの支持もレースの価値を構成しています。
賞金の増額は、国内外の有力馬が競走に参加する魅力を高める要素になります。
また、ジャパンカップと有馬記念を同額の5億円に設定することで、秋から年末にかけての大レースにおける賞金水準をそろえる意味もあります。
単に優勝賞金を引き上げただけではなく、国内のトップホースが集まる競走としての価値を維持する制度設計と見ることができます。
【プロの結論】有馬記念の賞金は4つの制度を分けて理解する
2026年の有馬記念の賞金を正しく理解するためには、金額だけを追うのではなく、交付の目的と条件を整理が必要です。
特に押さえておきたいのは、次の4点です。
1. 本賞金は着順によって決まる
1着5億円から5着5,000万円までが本賞金です。上位5頭に対して競馬番組で定められた金額が交付されます。
2. 出走奨励金は6着から10着が対象
6着4,000万円から10着1,000万円まで、1着本賞金を基準とする割合で交付されます。
3. 200万円とファン投票ボーナスは別制度
11着以下の対象馬に交付される200万円と、ファン投票順位に応じた500万~2,000万円は別の制度です。特に後者は当該年度の競走実績も条件になります。
4. 付加賞は登録料によって変わる
付加賞は固定額ではありません。特別登録料の総額から算出され、1着から3着までに7対2対1で配分されます。
賞金を比較するときは、単純な優勝賞金だけでなく、付加賞や各種奨励金を含めた制度全体を見る必要があります。
また、馬主の受取額を知りたい場合は、進上金や税金なども考慮しなければなりません。
【有馬記念の賞金】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の有馬記念で優勝すると賞金はいくらですか?
A1:1着本賞金は5億円です。2着2億円、3着1億3,000万円、4着7,500万円、5着5,000万円となっています。付加賞などは別途交付されます。
Q2:有馬記念のファン投票10位以内なら200万円もらえますか?
A2:200万円ではありません。ファン投票1~3位は2,000万円、4~5位は1,000万円、6~10位は500万円です。ただし、実際に出走することや当該年度のGⅠ・重賞競走での実績など、JRAが定める条件を満たす必要があります。
Q3:有馬記念で11着以下になっても賞金はありますか?
A3:JRA所属のオープン馬など、交付条件を満たす馬には200万円の特別出走奨励金が設定されています。ただし、失格などの不交付要件に該当する場合は対象外です。
Q4:有馬記念の付加賞はいくらですか?
A4:固定額ではありません。特別登録料の総額を1着70%、2着20%、3着10%に分けて交付します。2026年の登録料は第1回6万円、第2回24万円です。
2026年の有馬記念は、1着5億円、2着2億円、3着1億3,000万円という国内最高水準の賞金が設定されています。
加えて、6着から10着への出走奨励金、11着以下を対象とする200万円の特別出走奨励金、ファン投票上位馬への最大2,000万円の特別出走奨励金、そして付加賞という複数の制度があります。
特に注意したいのは、200万円の特別出走奨励金と、ファン投票上位馬への特別出走奨励金は別物だという点です。
また、2026年はファン投票上位馬の出走機会を確保するため、出走馬決定方法も見直されました。
12月27日の第71回有馬記念では、優勝争いだけでなく、ファン投票の順位や出走馬の顔ぶれ、各種賞金制度にも注目したいところです。
5億円という優勝賞金の大きさだけでは見えてこない、有馬記念という競走の経済的な価値と制度の奥深さがあります。