最初に、2つの言葉の意味を確認しましょう。
いとことは「親の兄弟姉妹の子」いとことは、自分の父親または母親の兄弟姉妹にあたる人の子どもです。
例えば、父親に兄がいて、その兄に息子や娘がいる場合、その子どもが自分のいとこになります。母方の親戚でも同じです。
漢字では、一般的に次のように書き分けます。
- 従兄:自分より年上の男性のいとこ
- 従弟:自分より年下の男性のいとこ
- 従姉:自分より年上の女性のいとこ
- 従妹:自分より年下の女性のいとこ
日常会話では、性別や年齢にかかわらず「いとこ」と呼べば問題ありません。
はとことは「親のいとこの子」はとこは、自分の父親や母親のいとこの子どもです。
別の表現では、祖父母の兄弟姉妹の孫にあたります。
例えば、祖父に兄がいて、その兄の孫が自分と同じ世代にいる場合、その人は自分のはとこです。
はとこは漢字で「再従兄弟」「再従姉妹」と表記されます。また、「またいとこ」と呼ぶこともあります。
国立国会図書館のレファレンス協同データベースでも、『広辞苑』第6版を参考資料として、はとことまたいとこが同じ関係を表すことが紹介されています。
はとことまたいとこに違いはある?基本的に、両者に血縁関係上の違いはありません。
| 呼び方 | 意味 |
|---|---|
| はとこ | 祖父母の兄弟姉妹の孫 |
| またいとこ | はとこと同じ関係 |
| 再従兄弟・再従姉妹 | はとこの漢字表記 |
| ふたいとこ | はとこの別称として使われる表現 |
つまり、はとことまたいとこは別々の親戚ではなく、同じ続柄に対する呼び方の違いです。
なお、「いとこはとこ」という一つの正式な続柄があるわけではありません。「いとこ」と「はとこ」という2つの関係を比較するときは、それぞれの親のつながりを確認するのが確実です。
【家系図で解説】いとことはとこの関係図・続柄一覧

言葉だけでは分かりにくい親戚関係も、家系図にすると理解しやすくなります。
はとこの家系図を簡単に整理次のような家族関係を想像してください。
共通の祖先:曾祖父母
- 家系A
- 祖父母
- 自分の親
- 自分
- 家系B
- 祖父母の兄弟姉妹
- その子ども(自分の親のいとこ)
- その子ども(自分のはとこ)
この2つの家系は、曾祖父母を共通の祖先としてつながっています。
一方、いとこの場合は、祖父母を共通の祖先としています。
いとことはとこの関係を図解
いとこの場合
共通の祖先:祖父母
祖父母
親・おじおば
2世代上がり、2世代下がる=4親等
はとこの場合
共通の祖先:曾祖父母
曾祖父母
2つの家系に分かれる
祖父母
親
祖父母の兄弟姉妹
親のいとこ
3世代上がり、3世代下がる=6親等
このように、共通の祖先がどの世代にいるかを確認すれば、いとことはとこを簡単に区別できます。
いとこ・はとこ・親のいとこ・いとこの子の比較表特に混同しやすい4つの関係を整理しました。
ここで注目したいのは、親のいとこと、いとこの子は、どちらも5親等という点です。
ただし、両者は世代が異なります。
- 親のいとこ:自分より上の世代
- いとこの子:自分より下の世代
- はとこ:基本的に自分と同じ世代
親等の数字だけでは続柄を完全に判断できません。世代の上下関係も確認することが大切です。
【親等の数え方】いとこは4親等・はとこは6親等になる理由
親戚関係を法律上整理するときに使われるのが「親等」です。
親等とは、自分と相手との血縁上の距離を世代数で表したものです。
民法第726条で定められた親等の計算方法民法第726条では、親等は親族間の世代数を数えて決めると定められています。
傍系血族の場合は、本人から共通の祖先までさかのぼり、そこから相手まで下りた世代数を合計します。
例えば、兄弟姉妹なら次のようになります。
- 自分から親まで:1世代
- 親から兄弟姉妹まで:1世代
- 合計:2親等
この計算方法を使うと、いとこは4親等、はとこは6親等になります。
いとこが4親等になる計算いとこと自分の共通の祖先は祖父母です。
1. 自分から親まで:1親等
2. 親から祖父母まで:1親等
3. 祖父母からおじ・おばまで:1親等
4. おじ・おばからいとこまで:1親等
合計は2+2で、4親等です。
はとこが6親等になる計算はとこと自分の共通の祖先は曾祖父母です。
1. 自分から親まで:1親等
2. 親から祖父母まで:1親等
3. 祖父母から曾祖父母まで:1親等
4. 曾祖父母から相手側の祖父母まで:1親等
5. 相手側の祖父母から親のいとこまで:1親等
6. 親のいとこからはとこまで:1親等
合計は3+3で、6親等になります。
いとこよりもはとこのほうが遠い血縁関係になるのは、共通の祖先が一世代上に移るためです。
6親等内の血族は法律上の親族に含まれる民法第725条では、法律上の親族の範囲を次のように定めています。
- 6親等内の血族
- 配偶者
- 3親等内の姻族
この規定に照らすと、いとこもはとこも法律上の親族に含まれます。
はとこは6親等なので、血族として親族に含まれる範囲の上限にあたります。
ただし、法律上の親族に含まれることと、相続権や扶養義務などが自動的に発生することは別問題です。それぞれの制度で対象となる親族の範囲を確認する必要があります。
【間違いやすい続柄】いとこの子供・親のいとこは何と呼ぶ?
いとことはとこの区別ができても、その周辺の親族になると混乱しやすくなります。
ここでは、特に間違いやすい2つの関係を整理します。
いとこの子供は「はとこ」ではないいとこの子どもは、はとことは別の続柄です。
男の子なら「従甥(いとこおい)」、女の子なら「従姪(いとこめい)」という呼び方があります。
ただし、これらは日常会話ではあまり使われないため、「いとこの子」と表現するのが最も分かりやすいでしょう。
親等は5親等です。
なぜ6親等のはとこと違うのでしょうか。
理由は、共通の祖先と世代の違いにあります。
いとこの子は、自分の祖父母を共通の祖先としており、そこから自分側は2世代、相手側は3世代下ります。
そのため、2+3で5親等になります。
親のいとこは「いとこおじ・いとこおば」親のいとこは、自分から見ると一世代上の親戚です。
一般的には「いとこおじ」「いとこおば」と呼ばれます。
例えば、母親にいとこがいる場合、その人は自分のいとこではありません。
自分から見ると、母親のいとこにあたるため、いとこおじ・いとこおばという関係になります。
こちらも5親等です。
いとことはとこの見分け方は3つのポイント親戚の続柄を判断するときは、次の3点を確認してください。
1.親の兄弟姉妹の子どもか
該当するなら、いとこです。
2.親のいとこの子どもか
該当するなら、はとこです。
3.共通の祖先は誰か
- 祖父母が共通:いとこ
- 曾祖父母が共通:はとこ
この方法なら、父方・母方のどちらの親戚でも判断できます。
家系図を作成する場合は、親の兄弟姉妹だけでなく、祖父母の兄弟姉妹まで調べると、はとこの関係も見つけやすくなります。
【結婚できる?】はとことの結婚・民法第734条と近親婚のルール
いとこやはとこについて、もう一つ気になるのが結婚できるかどうかという問題です。
日本では、近い血縁関係にある人同士の結婚について、民法で一定の制限を設けています。
民法第734条が禁止する近親婚とは民法第734条では、次の関係にある人同士の婚姻を禁止しています。
- 直系血族
- 3親等内の傍系血族
直系血族とは、親子や祖父母と孫のように、親子関係を直接たどれる血族です。
傍系血族とは、兄弟姉妹やおじ・おば、甥・姪など、共通の祖先から枝分かれした血族を指します。
例えば、次のような関係は婚姻できません。
- 親と子:1親等
- 祖父母と孫:2親等
- 兄弟姉妹:2親等
- おじ・おばと甥・姪:3親等
このように、民法第734条は直系血族と3親等以内の傍系血族を対象としています。
いとこ同士の結婚は法律上認められる?いとこは4親等の傍系血族です。
民法第734条が禁止している3親等以内には該当しないため、いとこ同士の結婚は法律上認められています。
はとこ同士の結婚も可能?はとこは6親等の傍系血族です。
こちらも3親等以内の婚姻禁止の対象には含まれません。
したがって、はとこ同士の結婚も、血縁関係だけを理由として禁止されるものではありません。
いとこの子や親のいとことの結婚は?こちらも整理しておきましょう。
- いとこ:4親等
- いとこの子:5親等
- 親のいとこ:5親等
- はとこ:6親等
いずれも3親等より遠い傍系血族なので、民法第734条の血族間の婚姻禁止には該当しません。
ただし、婚姻には年齢や重婚禁止など、ほかの法律上の要件もあります。実際の婚姻届の手続きで親族関係に疑問がある場合は、戸籍を確認したうえで市区町村の窓口や法律専門家に相談すると確実です。
【よくある質問】いとことはとこに関する疑問を解決
Q1:はとことまたいとこは別の親戚ですか?
A1:いいえ。同じ関係を指す呼び方です。どちらも祖父母の兄弟姉妹の孫で、6親等の血族にあたります。
Q2:いとこの子供は自分にとって何親等ですか?
A2:5親等です。男性なら従甥(いとこおい)、女性なら従姪(いとこめい)という呼び方もあります。はとことは異なり、自分より一世代下の関係です。
Q3:はとこ同士で結婚しても問題ありませんか?
A3:日本の民法第734条では、はとこ同士の結婚は禁止されていません。はとこは6親等の傍系血族であり、婚姻禁止の対象となる3親等以内には該当しないためです。
いとことはとこは、どちらも血縁関係のある親戚ですが、共通の祖先と親等が異なります。
- いとこ:親の兄弟姉妹の子ども・4親等
- はとこ:親のいとこの子ども・6親等
- またいとこ:はとこと同じ意味
- いとこの子:従甥・従姪・5親等
- 親のいとこ:いとこおじ・いとこおば・5親等
法律上は、民法第725条によって6親等内の血族が親族に含まれ、民法第726条によって親等の数え方が定められています。また、第734条では3親等以内の傍系血族などとの婚姻が禁止されています。
したがって、いとこやはとこは法律上の親族でありながら、血族関係だけを理由に結婚が禁止される相手ではありません。
親戚の呼び方に迷ったときは、単に親等の数字だけを見るのではなく、共通の祖先が誰なのか、相手が自分と同じ世代なのかを確認することが大切です。家系図をたどれば、複雑に感じる親戚関係も整理しやすくなります。
主な参考資料:e-Gov法令検索「民法」第725条・第726条・第734条、国立国会図書館レファレンス協同データベース、広辞苑第6版。