2026年のヴィクトリアマイルは、5月17日(日)に東京競馬場の芝1600mで行われた第21回大会。エンブロイダリー、ニシノティアモ、クイーンズウォーク、チェルヴィニアなど、実績馬と勢いのある牝馬18頭が春のマイル女王の座を争った。
レース前の追い切りでは、エンブロイダリーの美浦ウッドでの加速力、ニシノティアモの終い11.0秒、クイーンズウォークの栗東CWでの終い10.8秒など、注目すべき時計が並んだ。一方、最終追い切りを軽めにとどめた馬も多く、1週前の負荷と当週の調整をセットで評価する必要があった。
2026年11月現在、レースはすでに終了している。ここでは5月13日前後の最終追い切りと1週前追い切りを振り返り、併せ馬の内容、陣営コメント、実際のレース結果を照合する。時計の速さだけでは見抜けない各馬の仕上がりを、全18頭にわたって検証する。
【2026年の開催概要】ヴィクトリアマイルはエンブロイダリーが制覇

2026年のヴィクトリアマイルは、5月17日に東京競馬場で開催された。芝1600m、左回り、4歳以上牝馬の定量戦で、出走頭数は18頭。前年の桜花賞・秋華賞を制したエンブロイダリーが、再び大舞台で主役を演じた。
JRA公式のレース結果によると、エンブロイダリーは1分30秒9で優勝。単勝1.9倍の1番人気に支持され、2着カムニャックに1馬身1/4差をつけた。3着にはクイーンズウォークが入った。
レースの1000m通過は57秒3。エリカエクスプレスが先行し、ニシノティアモも前方で流れに乗る展開となった。エンブロイダリーは中団の好位置で脚を温存し、直線で抜け出す競馬を見せた。
JRAのレース回顧では、ルメール騎手が道中について「マイペースで息も入った」と振り返っている。さらに直線では手応えが良く、勝利を確信できるほどの反応を見せたという。
追い切り段階で評価された折り合いと反応の良さが、本番のレース運びにもつながった形だ。
【最終追い切りと1週前追い切り】時計から読み解く仕上がりの違い
最終追い切りは速さよりも余力と反応競馬の追い切りを評価するとき、最初に確認したいのは時計だけではない。
最終追い切りは、レース直前のコンディションを確認する意味合いが強い。1週前にしっかり負荷をかけている馬なら、当週は馬なりや軽めの内容でも十分に仕上がっている場合がある。
逆に、最終追い切りで速い時計を出していても、強く追わなければ動けない状態だったり、道中で力んでいたりすれば、必ずしも好評価にはならない。
今回のエンブロイダリーは、まさに1週前に負荷をかけ、最終追い切りで折り合いと反応を確認する調整だった。
1週前追い切りは負荷と成長を確認する段階1週前は、レースに向けた負荷を十分にかけられる重要なタイミングだ。美浦ウッドや栗東CWで長めから追われた馬については、全体時計とラスト1ハロンの加速を確認したい。
今回、特に目を引いたのはクイーンズウォークの栗東CWでのラスト10.8秒、ニシノティアモとドロップオブライトの11.0秒だった。
ただし、コースや走行距離が異なる時計を単純に比較するのは適切ではない。坂路の4ハロン時計とウッドの6ハロン時計では負荷のかかり方が違うため、併せ馬の相手、追走した位置、追われた強さまで確認する必要がある。
【全18頭の追い切り時計一覧】最終追い切り・1週前・レース結果を比較
以下は、2026年ヴィクトリアマイルに出走した18頭の追い切りデータと実際の着順をまとめたものだ。時計は各馬の調整過程を比較するための記録であり、コースや追い方の違いを考慮して読む必要がある。
| 馬名 | 1週前追い切り | 最終追い切り | 結果 |
|---|---|---|---|
| エンブロイダリー | 美浦W 5F65.9-終い11.1 | 美浦坂路 53.6-38.7-24.7-12.0 | 1着 |
| カムニャック | 栗東CW 7F97.4-終い11.3 | 栗東坂路 56.0-40.5-25.4-12.1 | 2着 |
| クイーンズウォーク | 栗東CW 6F82.5-67.3-51.9-36.7-10.8 | 栗東坂路 56.9-40.8-26.0-12.7 | 3着 |
| エリカエクスプレス | 栗東CW 6F80.9-65.0-50.6-36.1-11.1 | 栗東坂路 53.7-38.4-24.7-12.1 | 4着 |
| ココナッツブラウン | 栗東CW 6F82.4-66.8-51.9-37.0-11.3 | 栗東坂路 54.9-40.0-25.9-12.8 | 5着 |
| ニシノティアモ | 美浦W 6F82.3-66.2-51.2-36.6-11.0 | 美浦W 5F68.0-52.6-37.9-11.8 | 6着 |
| ラヴァンダ | 栗東CW 6F83.5-68.1-53.0-37.2-11.3 | 栗東坂路 53.3-37.8-24.3-12.0 | 7着 |
| ジョスラン | 美浦W 6F83.8-67.6-53.1-37.8-11.4 | 美浦W 6F83.4-68.3-53.6-38.7-11.6 | 8着 |
| マピュース | 美浦W 6F78.6-62.9-49.4-36.3-11.5 | 美浦W 5F67.2-52.0-37.1-11.8 | 9着 |
| カナテープ | 美浦W 5F66.4-51.5-36.6-11.3 | 美浦W 6F81.7-65.4-50.4-36.1-11.6 | 10着 |
| ボンドガール | 美浦W 4F49.4-35.9-11.5 | 美浦ポリ 5F67.2-52.6-38.6-11.5 | 11着 |
| パラディレーヌ | 栗東坂路 55.8-40.5-26.3-13.0 | 栗東坂路 57.3-39.6-25.1-12.3 | 12着 |
| アイサンサン | 栗東坂路 52.2-37.0-23.7-12.0 | 栗東坂路 53.8-38.3-24.5-12.2 | 13着 |
| ケリフレッドアスク | 栗東坂路 54.3-39.1-25.4-12.5 | 栗東坂路 53.6-38.4-24.9-12.5 | 14着 |
| ワイドラトゥール | 1週前の詳細時計は掲載なし | 栗東坂路 53.7-38.5-25.4-12.7 | 15着 |
| チェルヴィニア | 美浦W 7F93.0-終い11.6 | 美浦W 5F66.9-52.1-37.6-11.3 | 16着 |
| カピリナ | 美浦W 6F82.2-66.4-51.3-37.0-11.4 | 美浦W 6F78.9-62.8-48.9-35.6-11.3 | 17着 |
| ドロップオブライト | 栗東CW 6F83.8-67.5-52.2-36.9-11.0 | 栗東坂路 53.1-39.2-24.8-12.2 | 18着 |
この一覧から分かるのは、上位馬の多くが1週前に十分な負荷をかけ、最終追い切りでコンディションを整えていたことだ。
一方、1週前に優秀な時計を出した馬が必ず上位に入ったわけではない。ドロップオブライトやチェルヴィニアの結果は、追い切り時計だけで着順を予測する難しさを示している。
【注目7頭の追い切り評価】エンブロイダリーからチェルヴィニアまで徹底分析
エンブロイダリー:1週前の好時計と最終調整が勝利につながる今回の追い切りで中心的な存在だったのがエンブロイダリーだ。
1週前は美浦ウッドで5ハロン65.9秒、ラスト1ハロン11.1秒。ダノンクラウディアを内側から追走し、0.8秒先着する内容だった。
森一誠調教師は、前走の阪神牝馬ステークスでは逃げる形になったため、今回は馬の後ろで折り合いと終いの反応を確かめたと説明している。前半に多少力む面はあったものの、コントロールが利き、抜け出す脚も優秀だったという。
最終追い切りは美浦坂路で53.6-38.7-24.7-12.0。僚馬を追走して0.1秒遅れたが、森調教師は相手に合わせて馬なりで走らせたことを説明し、折り合いと反応を確認できたと評価した。
「先週の時点でほぼ仕上がったという判断」
結果は1着。ルメール騎手とのコンビで、道中は無理なく好位置を確保し、直線で力強く抜け出した。調教で確認した折り合いと反応の良さを、実戦でも発揮した一頭だった。
ニシノティアモ:1週前の終い11.0秒は高く評価できるニシノティアモは、1週前追い切りで美浦ウッドの6ハロン82.3秒、ラスト11.0秒を記録した。
津村明秀騎手が騎乗し、カシオペアを追走して同入。直線一杯に追われた内容で、終いの反応が目立った。
津村騎手は、角馬場で前さばきが良くなっていたことに触れ、1週前は少し息が重い感覚があったものの、いつも通りの動きだったと説明した。
最終追い切りは美浦ウッドで5ハロン68.0秒、ラスト11.8秒。すでに仕上がっているとの判断から、負荷を増やすよりも併せ馬でリズムを確認する内容だった。
結果は6着。3コーナーから4コーナーにかけて前方で運び、直線でも粘りを見せた。勝ち負けには届かなかったが、強豪相手に掲示板まであと一歩の競馬をしている。
追い切りで示した状態の良さと、実戦での先行力は確認できた。ただし、マイルGⅠの厳しい流れを最後まで押し切るには、展開面の助けも必要だった。
クイーンズウォーク:栗東CWの終い10.8秒が際立つクイーンズウォークは1週前に栗東CWで6ハロン82.5秒、ラスト10.8秒を記録した。
西村淳也騎手が騎乗し、僚馬2頭を追走。直線では内側に入り、追われてからしっかり交わして最先着した。今回の出走馬の中でも、終いの瞬発力が目を引く内容だった。
最終追い切りは栗東坂路で56.9-40.8-26.0-12.7。数字だけを見ると控えめだが、これは1週前に負荷をかけた後の調整だった。
中内田調教師も、1週前に負荷をかけているため当週は調整程度の最終確認と説明していた。
結果は3着。勝ち馬から0.5秒差の1分31秒4で、能力と状態の高さを実戦で示した。今回の追い切り評価と結果の整合性が高かった馬の一頭だ。
ドロップオブライト:終い11.0秒でも結果には結びつかずドロップオブライトは1週前の栗東CWで6ハロン83.8秒、ラスト11.0秒を記録。コーラルクラウンを追走し、クビ差先着した。
松若風馬騎手は、1週前なので強く追い切りすぎないようにしながらも、しっかり負荷をかけたと説明。福永調教師も順調な動きで、状態の良さを生かしたいと話していた。
最終追い切りは栗東坂路で53.1-39.2-24.8-12.2。陣営は前走で不利を受けながらも最後に脚を使ったことを評価していた。
しかし、本番は18着。追い切りで見せた動きと着順には大きな差が生まれた。
ここから分かるのは、調教での反応が良くても、レースで能力を発揮できるかは別問題だということ。相手関係や位置取り、当日の展開まで含めた判断が必要になる。
ボンドガール:力みを残しながらもリズムを重視ボンドガールは1週前に美浦ウッドで4ハロン49.4秒、ラスト11.5秒を記録した。
丹内祐次騎手が騎乗した調整について、手塚貴久調教師は動きに大きな変化はなく、仕上がりの中身には問題がないとの見解を示していた。
最終追い切りは美浦ポリトラックで5ハロン67.2-52.6-38.6-11.5秒。序盤は少し行きたがる面があったものの、道中ではリズムよく走れていたという。
陣営はボンドガールらしい走りができればという期待を寄せていたが、結果は11着。能力を出し切るには、道中の折り合いと位置取りが重要になることを改めて示した。
チェルヴィニア:最終追い切りの時計は良好も16着チェルヴィニアは1週前に美浦ウッドで7ハロン93.0秒、ラスト11.6秒。長めからしっかり負荷をかける調整だった。
最終追い切りはレーン騎手が騎乗し、美浦ウッドで5ハロン66.9-52.1-37.6-11.3秒。僚馬と併入し、騎手からは乗り味の良さについて前向きなコメントが出ていた。
一方、JRA-VANの調教分析では、調教量は十分ながら絶好調とまでは言い切れず、前走と同程度の状態という見方も示されていた。
結果は16着。ブリンカーを着用して臨んだものの、直線では上位争いに加われなかった。調教時計が良くても、レースでの集中力や実際の走りが伴うとは限らないことを示したケースだ。
エリカエクスプレス:落ち着きが出て4着に粘るエリカエクスプレスは1週前の栗東CWで6ハロン80.9-65.0-50.6-36.1-11.1秒。最終追い切りは栗東坂路で53.7-38.4-24.7-12.1秒だった。
杉山晴紀調教師は、折り合いがついたことで反応も良くなったと説明。武豊騎手も、以前より落ち着きが出てきた点を評価していた。
本番では先行して4着。1000m通過57秒3の流れを前で受けながら、最後まで大きく崩れなかった。追い切りで見られた折り合いの改善が、実戦でも一定の成果を見せた一頭だった。
【残る11頭の全頭診断】調教内容と実戦で見えた課題
カムニャック:軽めの最終追い切りから2着1週前は栗東CWで7ハロン97.4秒、ラスト11.3秒。最終追い切りは坂路56.0-40.5-25.4-12.1秒と軽めだった。友道康夫調教師は落ち着きのある動きを評価していた。ゲートへの不安を抱えながらも、本番では2着に入り、能力を示した。
ココナッツブラウン:ソフトな仕上げで5着1週前の栗東CWではラスト11.3秒。最終追い切りは坂路54.9-40.0-25.9-12.8秒だった。上村洋行調教師は、気性面の難しさに触れつつ、体重のコントロールがしやすくなってきたと説明。初めての関東遠征という課題を抱えながら5着に入った。
ラヴァンダ:前走の反省から負荷を調整1週前は栗東CWで83.5-68.1-53.0-37.2-11.3秒。最終は坂路53.3-37.8-24.3-12.0秒だった。岩田望来騎手と中村直也調教師は、前走では追い切りをやりすぎた可能性があるとして、今回は負荷を抑えた調整を選択。結果は7着だった。
ジョスラン:初マイルでも8着と健闘美浦ウッドで1週前に83.8-67.6-53.1-37.8-11.4秒、最終に83.4-68.3-53.6-38.7-11.6秒を記録した。戸崎圭太騎手は動きの良さを評価する一方、手前を替えづらい点にも触れていた。初めてのマイル戦で8着という結果だった。
マピュース:1週前の好時計から9着1週前の美浦ウッドでは6ハロン78.6-62.9-49.4-36.3-11.5秒と優秀な時計を記録。最終は5ハロン67.2-52.0-37.1-11.8秒でリラックスした走りを確認した。陣営は立て直しを図っていたが、本番は9着。スムーズな競馬が課題となった。
カナテープ:動きは改善も10着1週前の美浦ウッドは5ハロン66.4-51.5-36.6-11.3秒。最終は6ハロン81.7-65.4-50.4-36.1-11.6秒だった。堀宣行調教師は前走時より動けていると評価する一方、蹄や飼い葉食いへの配慮が必要だと説明していた。結果は10着だった。
パラディレーヌ:最終は軽めでも12着1週前の坂路は55.8-40.5-26.3-13.0秒、最終は57.3-39.6-25.1-12.3秒。さらに5月9日には54.9-38.9-24.5-11.9秒を記録していた。千田輝彦調教師は状態の良さを説明していたが、本番は12着。広い東京コースでの末脚を生かし切れなかった。
アイサンサン:安定した調整も13着1週前に栗東坂路で52.2-37.0-23.7-12.0秒、最終は53.8-38.3-24.5-12.2秒。橋田宜長調教師は、前走時から変わらず順調で、躍動感のある動きだったと説明していた。東京マイルの経験を持っていたが、結果は13着だった。
ケリフレッドアスク:状態を維持して14着1週前は坂路54.3-39.1-25.4-12.5秒、最終は53.6-38.4-24.9-12.5秒。田代助手は、間隔が詰まる中でも状態を維持できていると説明していた。結果は14着。最後の脚は使ったものの、上位には届かなかった。
ワイドラトゥール:最終調整は坂路で軽快に最終追い切りは栗東坂路で53.7-38.5-25.4-12.7秒。田代助手は、前走後も大きく状態を落とさず、体質が強くなってきたと説明していた。中1週での東京遠征となった本番は15着だった。
カピリナ:時計は速かったが17着最終追い切りは美浦ウッドで6ハロン78.9-62.8-48.9-35.6-11.3秒。数字だけを見ると目立つ時計だったが、田島俊明調教師は内を回ったことで時計が速くなったと説明していた。前走の敗因も明確につかめていない状況で、本番は17着。時計の数字を額面どおりに受け取る危険性が分かる例となった。
【プロの結論】追い切り評価で本当に見るべき3つの判断基準
1. 1週前と最終追い切りの役割分担を見る今回のエンブロイダリーとクイーンズウォークは、1週前に負荷をかけ、最終追い切りでは調整に重点を置くパターンだった。
エンブロイダリーは1週前に僚馬を0.8秒突き放し、クイーンズウォークは栗東CWでラスト10.8秒を記録した。その後、最終追い切りを軽めにしても本番で結果を残している。
最終追い切りが軽いから調子が悪い、という判断は避けたい。中間の調整過程まで確認することが大切だ。
2. 併せ馬では先着・遅れだけで判断しない併せ馬で先着したかどうかは、調教評価の一つの材料にすぎない。
エンブロイダリーは最終追い切りで0.1秒遅れたが、調教師は相手に合わせた馬なりの調整だったと説明していた。結果は優勝である。
反対に、ドロップオブライトは1週前の併せ馬で先着し、終い11.0秒という優秀な時計を記録しながら18着だった。
先着という結果よりも、追走した位置、相手の実力、追われた強さ、ゴール後の余力まで見る必要がある。
3. 坂路・美浦ウッド・栗東CWの時計を混同しない美浦ウッドは長めからの持続力や加速を確認しやすく、栗東CWも長い距離を使った負荷の確認に適している。坂路は短い距離での負荷や登坂時の反応を見極める材料になる。
例えば、坂路4ハロン53秒台とウッド6ハロン80秒台は、同じ基準で速さを比べられない。馬場状態やコース取り、併せ馬の有無によっても時計は変化する。
特にカピリナのように内側を回って速い時計が出たケースでは、数字の背景を理解しなければ正しい評価につながらない。
【プロの結論】調教の完成度とレース適性は分けて考える2026年のヴィクトリアマイルで、追い切り内容と実戦結果の両方から高い評価を与えられるのはエンブロイダリーだ。1週前の負荷、最終追い切りでの折り合い、そして本番での反応が一貫していた。
クイーンズウォークも1週前の終い10.8秒という優れた動きを本番の3着につなげた。カムニャックも最終追い切りを軽めにまとめながら2着に入り、調整過程全体を見る重要性を示している。
一方、ニシノティアモは1週前の終い11.0秒という好内容を見せたが6着。ドロップオブライトは同じく11.0秒を記録しながら18着だった。
この違いを生んだのは、単純な調教能力だけではない。東京芝1600mへの適性、レース中の位置取り、ペース、直線での脚の使い方など、複数の要素が重なっている。
追い切り評価は、馬券を決めるための絶対的な答えではない。馬がどのような状態でレースに臨むのかを推測するための重要な材料だ。時計、動き、併せ馬、陣営の説明を組み合わせてこそ、意味のある全頭診断になる。
【ヴィクトリアマイル追い切り】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年ヴィクトリアマイルで最も評価できた追い切りはどの馬?
A1:エンブロイダリー。1週前の美浦ウッドで5ハロン65.9秒、ラスト11.1秒を記録し、僚馬に0.8秒先着。最終追い切りでは折り合いと反応を確認し、本番でも優勝した。
Q2:ニシノティアモの1週前追い切り時計は?
A2:美浦ウッドで6ハロン82.3-66.2-51.2-36.6-11.0秒。津村明秀騎手が騎乗し、カシオペアを追走して同入した。レースでは6着だった。
Q3:クイーンズウォークの最終追い切り時計は?
A3:栗東坂路で56.9-40.8-26.0-12.7秒。1週前に栗東CWでラスト10.8秒を記録しており、最終追い切りは調整を重視した内容だった。本番は3着。
Q4:ボンドガールの追い切り評価はどうだった?
A4:1週前の美浦ウッドで4ハロン49.4-35.9-11.5秒、最終は美浦ポリトラックで5ハロン67.2-52.6-38.6-11.5秒。道中のリズムを確認する調整だったが、本番は11着だった。
Q5:チェルヴィニアの最終追い切りは良かった?
A5:最終追い切りは美浦ウッドで5ハロン66.9-52.1-37.6-11.3秒。レーン騎手も動きと乗り味を評価していたが、実戦は16着。調教時計だけで着順を予測できないことを示した。
Q6:ヴィクトリアマイルの追い切りでは何を重視すべき?
A6:1週前から最終追い切りまでの負荷の変化、ラスト1ハロンの反応、併せ馬での手応え、折り合い、コース取りを総合的に確認することが重要。最終追い切りの時計だけで判断するのは避けたい。
2026年のヴィクトリアマイルは、エンブロイダリーが1分30秒9で優勝。2着カムニャック、3着クイーンズウォークという結果になった。
追い切りではエンブロイダリーの1週前の加速力、ニシノティアモの終い11.0秒、クイーンズウォークの終い10.8秒が注目された。特にエンブロイダリーは、1週前にしっかり負荷をかけて最終追い切りで整える調整が、本番の勝利につながった。
ただし、ドロップオブライトやチェルヴィニアのように、調教内容とレース結果が一致しなかった馬もいる。追い切り評価は、時計だけでなく、馬場状態、併せ馬、陣営の意図、レース展開まで照らし合わせることが欠かせない。
今後のGⅠ予想でも、最終追い切りの数字だけに注目するのではなく、1週前からの調整過程を追い、実戦で能力を発揮できる状態かどうかを見極めたい。
主な事実確認資料: JRA公式2026年レース結果・出走馬情報、JRA-VAN「ヴィクトリアマイル2026追い切り/調教情報」、競馬の魅力「ヴィクトリアマイル2026追い切り・コメント」。