モズスーパーフレアは、圧倒的なスタートダッシュと逃げ脚を武器に、短距離競馬で活躍した米国産の競走馬です。2019年のオーシャンステークス制覇、同年のスプリンターズステークス2着、そして2020年の高松宮記念優勝によって、その名を競馬ファンに強く印象づけました。
2026年11月現在、モズスーパーフレアは現役を退き、繁殖牝馬として登録されています。2021年12月に引退して北海道浦河町の谷川牧場で繁殖入りし、2023年から2026年までの産駒も確認できます。通算成績は29戦7勝。なかでも高松宮記念の繰り上がり優勝は、JRAの公式裁決記録に残る印象的な出来事です。
【2026年最新】モズスーパーフレアの現在は?引退後の繁殖生活
モズスーパーフレアは、2021年12月15日付で競走馬登録を抹消され、繁殖牝馬として第二の馬生を歩み始めました。
引退時にJRAが発表した情報によると、今後の繋養先は北海道浦河町の谷川牧場。現役時代に培ったスピードを次世代へ伝える繁殖牝馬として、新たな役割を担うことになりました。
2026年11月時点のJBISサーチでも、同馬の登録区分は「繁殖」となっています。競走馬としての登録は終了していますが、繁殖牝馬としての血統情報と産駒情報は更新されています。
2023年から2026年までの産駒一覧JBISサーチの牝系情報では、モズスーパーフレアの産駒として、2023年から2026年までの4頭が掲載されています。
- 2023年産:モズエムブイピー(父グランプリボス)
- 2024年産:モズデキマリ(父モズアスコット)
- 2025年産:牡馬(父モズアスコット、馬名未掲載)
- 2026年産:牡馬(父モズアスコット、馬名未掲載)
注目したいのは、2024年産以降、モズアスコットが続けて配合されている点です。現役時代に短距離で実績を残したモズスーパーフレアに、芝・ダート双方で活躍したモズアスコットを組み合わせる配合が確認できます。
最初の産駒モズエムブイピーは、2026年に中央競馬で2戦して勝利を挙げられず、同年7月2日付でJRAの競走馬登録を抹消されています。一方、2024年産のモズデキマリはJRAの競走馬情報で放牧中とされています。
したがって、2026年時点では産駒が次々と競走生活に入る段階にあります。母馬自身のような短距離の逃げ馬が誕生するのか、それとも異なる距離や脚質で才能を開花させるのか、今後の成長が楽しみなところです。
モズスーパーフレアの競走成績は、29戦7勝、2着3回、3着3回です。獲得賞金は約4億429万9000円。2017年から2021年まで中央競馬と地方競馬の短距離路線で活躍しました。
JBISサーチの成績を詳しく見ると、中央競馬で27戦7勝、地方競馬で2戦0勝という内訳です。地方競馬での出走も含めた29戦が公式な通算成績となります。
主なレースとキャリアの転換点| 時期 | 出来事・レース | 着順・関係者 |
|---|---|---|
| 2017年8月 | 小倉競馬場でデビュー | 新馬戦1着 |
| 2019年3月2日 | オーシャンステークス(GⅢ) | 1着・C.ルメール騎手 |
| 2019年9月29日 | スプリンターズステークス(GⅠ) | 2着・松若風馬騎手 |
| 2020年3月29日 | 高松宮記念(GⅠ) | 繰り上がり1着・松若風馬騎手 |
| 2020年11月3日 | JBCスプリント(JpnⅠ) | 4着・ダート初挑戦後の実績 |
| 2021年11月3日 | JBCスプリント(JpnⅠ) | 3着・松若風馬騎手 |
| 2021年12月12日 | カペラステークス(GⅢ) | 4着・現役最後のレース |
| 2021年12月15日 | 競走馬登録抹消 | 引退・谷川牧場で繁殖入り |
モズスーパーフレアの競走生活で大きな転機となったのが、2019年3月2日のオーシャンステークスです。
中山競馬場の芝1200メートルで行われた同レースでは、1番人気に支持され、C.ルメール騎手とのコンビで出走。スタートから先頭に立ち、最後まで後続の追撃を振り切りました。
勝ちタイムは1分07秒1。2着ナックビーナスに1馬身4分の1差をつける内容で、重賞初制覇を達成しています。
この勝利は、単なる一度の好走ではありません。モズスーパーフレアが持つ前半のスピードと、先頭に立って自分のリズムで走る競馬の強さを示した一戦でした。
2019年スプリンターズステークスでGⅠ初の2着同年9月29日のスプリンターズステークスでは、松若風馬騎手を背に出走しました。
16頭立てのレースで3番人気。スタートから果敢に先頭を奪い、タワーオブロンドンとの激しい争いを展開しました。
結果は1分07秒2で2着。勝ったタワーオブロンドンとは半馬身差でした。
GⅠタイトルには届かなかったものの、国内トップクラスのスプリンターを相手に逃げ切り寸前まで持ち込んだ走りは高く評価されました。この実績が、翌年の高松宮記念へとつながっていきます。
【2020年高松宮記念】クリノガウディー降着の理由と繰り上がり優勝の真相
モズスーパーフレアを語るうえで欠かせないのが、2020年3月29日に開催された第50回高松宮記念です。
このレースは、1位で入線したクリノガウディーが審議の結果4着に降着となり、2位入線だったモズスーパーフレアが繰り上がりで優勝しました。
一部では「実際には2着だったのにGⅠ馬になった」という理解で語られることもあります。しかし、JRAの正式な競走成績では、モズスーパーフレアが正真正銘の1着馬として記録されています。
クリノガウディーが4着に降着した理由レースは中京競馬場の芝1200メートル、重馬場で行われました。モズスーパーフレアは松若風馬騎手を背に逃げる展開を作り、直線でも懸命に先頭を守ろうとします。
しかし、最後の直線でクリノガウディーが内側へ斜行。これによってダイアトニックとモズスーパーフレアの走行が妨害されました。
クリノガウディーは1分08秒7で最初にゴールへ到達したものの、JRAの裁決委員による審議が行われました。
JRA公式の裁決レポートでは、次の内容が認定されています。
- クリノガウディーが最後の直線で内側に斜行した。
- ダイアトニックとモズスーパーフレアの走行を妨害した。
- 妨害がなければ、両馬はクリノガウディーより先に入線していたと認められた。
- その結果、クリノガウディーは4着に降着となった。
つまり、単に接触があったから降着になったわけではありません。妨害がなければ被害を受けた馬が先着していたと認定されたことが、裁決の決め手でした。
モズスーパーフレアが繰り上がりでGⅠ初制覇審議によってクリノガウディーが4着に変更されたため、2位入線だったモズスーパーフレアが1着に繰り上がりました。
最終的な上位3頭は次のとおりです。
- 1着:モズスーパーフレア(松若風馬)
- 2着:グランアレグリア(池添謙一)
- 3着:ダイアトニック(北村友一)
この勝利によってモズスーパーフレアはGⅠ初制覇。鞍上の松若風馬騎手にとっても、JRA・GⅠ初勝利となりました。
また、管理する音無秀孝調教師にとっても、高松宮記念は2006年のオレハマッテルゼ以来となる勝利でした。
レースは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、無観客で開催されました。さらに審議は長時間に及び、結果が確定するまで競馬ファンの注目を集めました。
繰り上がりという決着ではありましたが、モズスーパーフレアが最後まで先頭争いを演じ、妨害の対象となったことも含めて、正式なGⅠ勝利として記録されています。
【血統・関係者を分析】Speightstown産駒のスピードと逃げの個性
モズスーパーフレアの強さを理解するには、血統と現役時代の競馬スタイルを合わせて見る必要があります。
父Speightstown、母Christies Treasureの血統モズスーパーフレアは2015年4月1日生まれの栗毛の牝馬です。米国で生産され、日本に輸入されて競走生活を送りました。
血統構成は以下のとおりです。
- 父:Speightstown(スペイツタウン)
- 母:Christies Treasure(クリスティーズトレジャー)
- 母の父:Belong to Me(ビロングトゥミー)
- 父の父:Gone West
- 父の母:Silken Cat
父Speightstownは米国のスピード血統を代表する種牡馬の一頭です。Gone Westを父に持ち、短距離でのスピード能力を受け継ぐ血統背景があります。
母Christies TreasureはBelong to Meを父に持つ牝馬。モズスーパーフレアは、こうした米国由来の血統を背景に、日本の短距離路線で結果を残しました。
Speightstown産駒らしさを感じさせたダート挑戦モズスーパーフレアの主戦場は芝1200メートルでしたが、現役後半にはダート競走にも挑戦しています。
2020年のJBCスプリントでは4着、2021年の同レースでは3着。2021年には金沢競馬場のダート1400メートルで、中央・地方の実力馬を相手に上位入線を果たしました。
芝の短距離で発揮してきた先行力が、ダートでも一定の競争力につながったことは興味深い点です。芝専用の逃げ馬という枠に収まらない適性を示しました。
松若風馬騎手と音無秀孝厩舎の関係モズスーパーフレアの代表的なパートナーとして知られるのが松若風馬騎手です。
特に2019年のスプリンターズステークス2着、2020年の高松宮記念優勝は、松若騎手とのコンビで残した大きな実績です。スタートから先頭を奪う馬の特徴を生かし、自分のリズムを維持する競馬が印象に残ります。
一方、2019年のオーシャンステークスではC.ルメール騎手が騎乗しており、すべての代表的な勝利を松若騎手とのコンビで挙げたわけではありません。
管理した音無秀孝調教師は、数々のGⅠ馬を送り出してきた調教師です。モズスーパーフレアについても、芝のスプリント路線を中心に使いながら、後半にはダートの大舞台にも挑戦させました。
こうした競走選択からは、馬の持ち味であるスピードを生かしつつ、適性の幅を探る厩舎の方針も読み取れます。
【プロの結論】モズスーパーフレアの本当の評価と繁殖牝馬としての期待
モズスーパーフレアを評価する際に、2020年高松宮記念の繰り上がり優勝だけを取り上げるのは適切ではありません。
その前後にも、2019年オーシャンステークス優勝、スプリンターズステークス2着、2020年北九州記念2着など、短距離重賞で安定した実績を残しています。
評価すべきは先手を取るスピードと持続力モズスーパーフレアの最大の特徴は、スタート直後から先頭を奪い、自分のペースでレースを組み立てる能力です。
短距離競走では、最初の数百メートルでの位置取りが結果を大きく左右します。後方から追い込む馬とは異なり、モズスーパーフレアは序盤に主導権を握ることで、自身の能力を最大限に発揮するタイプでした。
2019年のオーシャンステークスで見せた逃げ切りや、スプリンターズステークスでの半馬身差の2着は、その特徴をよく表しています。
また、2020年高松宮記念での勝利は、裁決による着順変更を経たものですが、競走成績上の価値が変わるわけではありません。GⅠ優勝馬として正式に記録されています。
繁殖牝馬として注目される理由繁殖牝馬としてのモズスーパーフレアには、GⅠ勝ちを含む競走実績と、スピードに優れた血統背景という強みがあります。
2023年産のモズエムブイピー、2024年産のモズデキマリに続き、2025年と2026年にもモズアスコットを父とする産駒が記録されています。
ただし、繁殖牝馬の価値は、母馬の競走実績だけで決まるものではありません。産駒がどのような体質や適性を持ち、実際の競走でどれだけ能力を発揮するかが重要です。
2026年時点では、産駒の競走実績はまだ十分に積み上がっていません。今後の産駒の成長と活躍が、モズスーパーフレアの繁殖成績を評価するうえでの大きなポイントになります。
現役時代のように自ら先頭を走る姿は見られなくなりましたが、今度は母として、そのスピードの血を次の世代へつないでいます。
【モズスーパーフレア】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:モズスーパーフレアは2026年現在どうしている?
A1:2026年11月現在、JBISサーチでは繁殖牝馬として登録されています。2023年から2026年までの産駒が掲載されており、引退後は北海道浦河町の谷川牧場で繁殖入りする予定と発表されました。
Q2:モズスーパーフレアはなぜ引退した?
A2:2021年12月15日付で競走馬登録を抹消され、繁殖牝馬になることが発表されました。最後のレースは2021年12月12日のカペラステークスで、4着でした。
Q3:モズスーパーフレアの競走成績は29戦7勝で合っている?
A3:はい。中央競馬27戦と地方競馬2戦を合わせて29戦7勝です。主な勝ち鞍は2020年高松宮記念と2019年オーシャンステークスです。
Q4:クリノガウディーはなぜ高松宮記念で降着になった?
A4:最後の直線で内側に斜行し、ダイアトニックとモズスーパーフレアの走行を妨害したためです。JRAは妨害がなければ両馬が先着していたと認定し、クリノガウディーを1位入線から4着に降着させました。
Q5:モズスーパーフレアの産駒にはどんな馬がいる?
A5:2023年産のモズエムブイピー、2024年産のモズデキマリがいます。さらに2025年産と2026年産の牡馬もJBISサーチに登録されています。父は2023年産がグランプリボス、それ以外の掲載産駒はモズアスコットです。
Q6:モズスーパーフレアの父と母は?
A6:父はSpeightstown、母はChristies Treasure、母の父はBelong to Meです。米国産のスピード血統を背景に、芝1200メートルを中心として活躍しました。
モズスーパーフレアは、29戦7勝という競走成績を残し、2020年高松宮記念と2019年オーシャンステークスを制した短距離の実力馬です。
2019年スプリンターズステークス2着で示した能力、松若風馬騎手とのコンビで手にした高松宮記念の栄冠、そして音無秀孝厩舎で積み重ねた実績は、現役時代を代表する記録です。
2021年12月の引退後は、北海道浦河町の谷川牧場で繁殖牝馬としての生活に入りました。2026年にはモズアスコットを父とする産駒も確認され、血統を次世代につなぐ役割を担っています。
今後注目したいのは、産駒が競走馬としてどのような適性を示すのかという点です。母譲りのスタートダッシュやスプリント能力を受け継ぐ馬が現れるのか。モズスーパーフレアの競走馬としての物語は一区切りを迎えましたが、繁殖牝馬としての歩みはまだ続いています。
主な情報源・記録
- JRA公式「2020年高松宮記念」および裁決レポート
- JRA公式「2019年オーシャンステークス」「2019年スプリンターズステークス」
- JBISサーチ「モズスーパーフレア」競走成績・血統情報・繁殖牝馬情報
- ラジオNIKKEI「モズスーパーフレア引退、繁殖馬へ」
- JRA公式競走馬情報「モズエムブイピー」「モズデキマリ」