国民栄誉賞の歴代受賞者は、2026年11月現在、個人28人と1団体の計29例です。1977年に第1号の王貞治さんが受賞して以来、野球、相撲、レスリング、フィギュアスケート、将棋、囲碁、音楽、映画など、さまざまな分野で歴史的な功績を残した人々が選ばれてきました。最新の受賞者は、2026年8月4日に表彰されたスピードスケートの髙木美帆さんです。
国民栄誉賞は、単純に競技の優勝回数や世界記録だけで決まる賞ではありません。受賞理由には、長年にわたる努力、文化への貢献、国民に与えた感動や希望なども含まれます。王貞治さんから羽生結弦さん、国枝慎吾さん、髙木美帆さんまでの受賞年と功績を整理し、選考基準、歴代の授与内閣、辞退者、没後受賞者についても詳しく解説します。
【2026年最新】国民栄誉賞の歴代受賞者は29例!最新は髙木美帆さん

2026年の国民栄誉賞に関する最大のニュースは、スピードスケートの髙木美帆さんへの授与です。
政府は2026年5月22日、髙木さんへの国民栄誉賞授与について検討を進めると発表しました。その後、7月28日に高市早苗首相が授与を正式決定。8月4日には総理大臣官邸で表彰式が行われました。
髙木さんの受賞理由として挙げられたのは、長年にわたるスピードスケート界での活躍と、オリンピックでの歴史的な実績です。
- オリンピック4大会に出場
- 日本女子選手最多となる通算10個の五輪メダルを獲得
- 金メダル2個を含むメダル獲得実績
- スピードスケート・ワールドカップ通算38勝
2026年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪では、500メートル、1000メートル、チームパシュートで銅メダルを獲得しました。これにより、自身が持つ日本女子選手の五輪メダル最多記録を通算10個に伸ばしています。
国民栄誉賞の授与は、2023年3月の車いすテニス選手・国枝慎吾さん以来でした。髙木さんは制度創設以来29例目の受賞者となり、個人としては28人目、団体としては1団体という内訳になっています。
また、今回の受賞はスポーツ界における長期的な功績の評価という点でも注目されます。単独の大会で優勝したことだけでなく、複数の五輪大会にわたって世界の第一線で活躍し続けたことが評価の中心にあります。
【歴代受賞者一覧】王貞治さんから髙木美帆さんまで年代順に紹介
国民栄誉賞の歴代受賞者を、受賞年、主な功績、授与した内閣総理大臣とともに整理しました。内閣府の2026年8月更新の公式受賞一覧を基礎にした全29例です。
受賞理由は、公式資料に記載された功績を中心に、読者が理解しやすいよう要約しています。
| 受賞年 | 受賞者・分野 | 主な受賞理由・功績 | 授与した首相 |
|---|---|---|---|
| 1977年 | 王貞治(野球) | プロ野球のホームラン世界新記録756本を達成。第1号。 | 福田赳夫 |
| 1978年 | 古賀政男(作曲家・没後) | 数多くの名曲を生み出した「古賀メロディー」の功績。 | 福田赳夫 |
| 1984年 | 長谷川一夫(俳優・没後) | 卓越した演技と映画・演劇界への貢献。 | 中曽根康弘 |
| 1984年 | 植村直己(冒険家) | 世界五大陸の最高峰登頂など、世界的な冒険の実績。 | 中曽根康弘 |
| 1984年 | 山下泰裕(柔道) | 柔道界での前人未到の記録達成。 | 中曽根康弘 |
| 1987年 | 衣笠祥雄(野球) | プロ野球の連続試合出場で世界新記録を達成。 | 中曽根康弘 |
| 1989年 | 美空ひばり(歌手・没後) | 歌謡曲を通じて国民に夢と希望を与えた功績。 | 宇野宗佑 |
| 1989年 | 千代の富士貢(大相撲) | 通算勝ち星の記録更新と相撲界への顕著な貢献。 | 海部俊樹 |
| 1992年 | 藤山一郎(歌手) | 歌謡曲を通じた国民への励ましと美しい日本語の普及。 | 宮澤喜一 |
| 1992年 | 長谷川町子(漫画家・没後) | 「サザエさん」を通じて戦後社会に潤いと安らぎを与えた功績。 | 宮澤喜一 |
| 1993年 | 服部良一(作曲家・没後) | 数多くの歌謡曲を生み出し、国民に希望と潤いを与えた功績。 | 宮澤喜一 |
| 1996年 | 渥美清(俳優・没後) | 映画「男はつらいよ」シリーズで人情味豊かな演技を披露。 | 橋本龍太郎 |
| 1998年 | 吉田正(作曲家・没後) | 「吉田メロディー」による音楽文化への貢献。 | 橋本龍太郎 |
| 1998年 | 黒澤明(映画監督・没後) | 世界の映画史に残る名作を数多く生み出した功績。 | 小渕恵三 |
| 2000年 | 高橋尚子(陸上) | シドニー五輪女子マラソン優勝。陸上競技で日本女子初の五輪金メダル。 | 森喜朗 |
| 2009年 | 遠藤実(作曲家・没後) | 世代を超えて愛唱される歌謡曲を数多く作曲。 | 麻生太郎 |
| 2009年 | 森光子(俳優) | 舞台「放浪記」で2000回を超える主演を務めるなど、長年の活躍。 | 麻生太郎 |
| 2009年 | 森繁久彌(俳優・没後) | 映画、演劇、放送の各分野で長年活躍し、優れた演技と歌唱を披露。 | 鳩山由紀夫 |
| 2011年 | なでしこジャパン(女子サッカー団体) | 女子ワールドカップ初優勝。東日本大震災後の日本に勇気と感動を与えた。 | 菅直人 |
| 2012年 | 吉田沙保里(レスリング) | 世界選手権と五輪を通じて13大会連続世界一を達成。 | 野田佳彦 |
| 2013年 | 大鵬幸喜(大相撲・没後) | 大相撲史上最多となる幕内優勝32回を達成。 | 安倍晋三 |
| 2013年 | 長嶋茂雄(野球) | 日本野球史に残る功績と国民的スターとしての貢献。 | 安倍晋三 |
| 2013年 | 松井秀喜(野球) | 日米両国で世界的な実績を残し、野球界に新たな足跡を刻んだ。 | 安倍晋三 |
| 2016年 | 伊調馨(レスリング) | 五輪女子個人種目で史上初の4連覇を達成。 | 安倍晋三 |
| 2018年 | 羽生善治(将棋) | 将棋界初の永世七冠を達成。 | 安倍晋三 |
| 2018年 | 井山裕太(囲碁) | 囲碁界初の2度の七冠同時制覇などを達成。 | 安倍晋三 |
| 2018年 | 羽生結弦(フィギュアスケート) | 男子シングルで66年ぶりの五輪連覇を達成。 | 安倍晋三 |
| 2023年 | 国枝慎吾(車いすテニス) | 四大大会通算50勝、生涯ゴールデンスラムなどの偉業。 | 岸田文雄 |
| 2026年 | 髙木美帆(スピードスケート) | 五輪通算10個のメダル獲得、ワールドカップ通算38勝。 | 高市早苗 |
なお、公式資料の「表彰年月日」は、故人については原則として死亡日、生存者については表彰日を記載しています。したがって、没後受賞者の記載日を授与式の日付と混同しないよう注意が必要です。
一覧から分かるように、国民栄誉賞は毎年授与される賞ではありません。1984年、2009年、2013年、2018年のように複数の受賞者が出た年もあれば、数年間にわたって新しい受賞者がいなかった時期もあります。
【受賞理由・功績を分析】スポーツだけではない歴代受賞者の共通点
国民栄誉賞の受賞者を眺めると、スポーツ選手の存在感が大きい一方、音楽、映画、漫画、冒険など幅広い分野から選ばれていることが分かります。
野球・相撲などスポーツ界の歴史を変えた人物第1号の王貞治さんは、1977年9月3日に通算756本塁打の世界新記録を達成しました。この記録を称えるために国民栄誉賞が創設され、9月5日に第1号として表彰されています。
その後も、衣笠祥雄さんの連続試合出場、千代の富士さんの相撲界での功績、高橋尚子さんのシドニー五輪金メダルなど、競技の歴史に残る実績が評価されてきました。
女子レスリングでは、吉田沙保里さんが世界大会13大会連続優勝という記録を達成。伊調馨さんは五輪女子個人種目4連覇という偉業を成し遂げています。
2026年の髙木美帆さんも、複数の五輪にわたるメダル獲得と、長年にわたる国際大会での活躍が評価された受賞者です。
羽生結弦さんと羽生善治さんは同じ2018年の受賞者2018年は、異なる分野で日本を代表する3人が受賞した年です。
将棋の羽生善治さんは、将棋界で初となる永世七冠を達成しました。長年にわたるタイトル獲得と、将棋界に残した歴史的な実績が評価されています。
囲碁の井山裕太さんは、囲碁界初の2度の七冠同時制覇などを達成。将棋と囲碁という異なる頭脳競技の第一人者が同じ日に表彰されたことも、2018年の特徴です。
一方、フィギュアスケートの羽生結弦さんは、2014年ソチ五輪と2018年平昌五輪で男子シングルを連覇しました。男子フィギュアスケートで66年ぶりの五輪連覇という快挙が受賞理由となっています。
羽生結弦さんの受賞は2018年7月2日。羽生善治さん、井山裕太さんの2018年2月13日の授与とは別の日に行われています。
国枝慎吾さんはパラスポーツ界から初の受賞2023年3月17日に表彰された国枝慎吾さんは、車いすテニス界を代表する選手です。
四大大会での通算50勝や、生涯ゴールデンスラムなど、競技史に残る実績を達成しました。加えて、パラスポーツの社会的認知度を高め、スポーツの発展に貢献したことも評価されています。
国枝さんは、国民栄誉賞を受賞した初めてのパラスポーツ選手です。競技成績だけでなく、障害者スポーツへの理解を広げたという社会的な功績も評価の対象になった点は重要です。
音楽・映画・漫画など文化分野の受賞者国民栄誉賞は、スポーツ選手だけに贈られる賞ではありません。
美空ひばりさん、藤山一郎さん、森光子さん、黒澤明さん、長谷川町子さんなど、日本の文化や芸能に大きな足跡を残した人物も受賞しています。
特に長谷川町子さんの「サザエさん」は、戦後の日本社会に潤いと安らぎを与えた作品として評価されました。渥美清さんも映画「男はつらいよ」シリーズを通じた人情味豊かな演技が受賞理由となっています。
こうした受賞例は、国民栄誉賞が一時的な人気や売り上げだけでなく、長期的に社会や文化へ与えた影響を重視する制度であることを示しています。
【選考基準と仕組み】国民栄誉賞は誰がどのように決める?
国民栄誉賞は、1977年8月30日に当時の福田赳夫内閣総理大臣によって決定された「国民栄誉賞表彰規程」に基づく総理大臣表彰です。
内閣府が公表している表彰規程には、賞の目的、表彰者、対象、方法、時期、事務の取り扱いが定められています。
受賞の基本となる3つのポイント表彰規程の第1項では、国民栄誉賞の目的を、広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与える顕著な業績をたたえることとしています。
制度の仕組みを整理すると、次のようになります。
- 表彰者:内閣総理大臣
- 表彰対象:表彰の目的に照らして、総理大臣が適当と認めた個人または団体
- 表彰方法:表彰状と盾の授与。記念品または金一封を添えることも可能
また、表彰の時期は随時とされています。毎年決まった時期に候補者を募集する仕組みではありません。
選考では民間有識者の意見を聞く国民栄誉賞表彰規程の実施要領では、総理大臣が表彰を行おうとする場合、候補者について民間有識者の意見を聞くことが定められています。
つまり、首相が完全に独断で決定する仕組みではなく、関係者や有識者の意見を参考にしたうえで最終判断を行う制度です。
2026年の髙木美帆さんの場合も、5月22日の官房長官記者会見で、スポーツ庁の協力を得て関係者の意見を聴き、最終判断する方針が説明されました。その後、7月28日に正式決定しています。
五輪金メダルや世界記録があれば必ず受賞できる?答えは、必ずしもそうではありません。
国民栄誉賞には、五輪金メダル何個以上、世界記録何回以上といった一律の数値基準は規定されていません。
実際、受賞者にはオリンピックの金メダリストだけでなく、作曲家、俳優、漫画家、映画監督、冒険家なども含まれています。
評価されるのは、記録の大きさだけではありません。競技や文化の発展に対する貢献、長期的な活動、国民に与えた感動や希望など、複数の要素が判断材料となります。
なお、国民栄誉賞は叙勲とは異なる総理大臣表彰です。受賞資格や選考方法を、一般的な勲章制度と同じものとして理解するのは正確ではありません。
【辞退者・没後受賞者】イチローさんはなぜ3回も辞退した?
国民栄誉賞には、受賞した人物だけでなく、授与を打診されながら辞退した人物もいます。特にイチローさんは、2001年、2004年、2019年の計3回、受賞を辞退したことで知られています。
国民栄誉賞の主な辞退者これまでに報道されている主な辞退の経緯は次のとおりです。
- 福本豊さん(1983年):通算939盗塁の世界記録を達成した後、中曽根内閣からの打診を固辞。
- 古関裕而さん(1989年):没後に受賞が打診されたものの、遺族が辞退。
- イチローさん(2001年):メジャーリーグ1年目に首位打者とア・リーグMVPを獲得した後、現役で発展途上であることを理由に辞退。
- イチローさん(2004年):シーズン262安打のメジャーリーグ新記録達成後も、現役中の受賞を固辞。
- イチローさん(2019年):現役引退後の打診に対しても辞退。本人の意向を政府が尊重した。
- 大谷翔平さん(2021年):投打の二刀流で活躍し、ア・リーグMVPを獲得した後の打診を「まだ早い」として辞退。
イチローさんの2019年の辞退は、特に大きな話題になりました。現役引退後であれば受賞する可能性があると考えられていましたが、本人は代理人を通じて「人生の幕を下ろした時にいただけるよう励みます」との意向を伝えています。
この対応からも、国民栄誉賞は本人の同意なしに受け取らせる賞ではないことが分かります。実績がどれほど大きくても、本人や遺族の意向によって授与が見送られるケースがあります。
没後に受賞した人物も多い国民栄誉賞には、本人が亡くなった後に授与されたケースもあります。
代表的な人物は次のとおりです。
- 古賀政男さん:作曲家。「古賀メロディー」の功績。
- 長谷川一夫さん:映画・演劇界での卓越した演技。
- 美空ひばりさん:歌謡曲を通じた国民への希望と感動。
- 長谷川町子さん:「サザエさん」を通じた社会への貢献。
- 服部良一さん:数多くの歌謡曲を生み出した功績。
- 渥美清さん:「男はつらいよ」シリーズでの演技。
- 吉田正さん:「吉田メロディー」による音楽文化への貢献。
- 黒澤明さん:世界の映画史に残る作品群。
- 遠藤実さん:世代を超えて愛される歌謡曲の作曲。
- 森繁久彌さん:映画、演劇、放送分野での長年の活躍。
- 大鵬幸喜さん:大相撲での幕内優勝32回。
また、冒険家の植村直己さんは、1984年にアラスカで行方不明となった後に顕彰されています。
没後の受賞では、本人が表彰式に出席することはできません。遺族などに表彰状や盾が伝達される形となります。
このように、国民栄誉賞は生存中の功績をたたえるだけでなく、生涯にわたって日本社会や文化に残した足跡を顕彰する役割も持っています。
【授与した歴代内閣総理大臣】福田赳夫から高市早苗までの変遷
国民栄誉賞は内閣総理大臣が授与するため、歴代の受賞者をたどると、その時々の政権の判断も見えてきます。
1977年の創設時は福田赳夫内閣でした。その後、中曽根康弘内閣、宮澤喜一内閣、橋本龍太郎内閣、安倍晋三内閣など、さまざまな政権下で受賞者が選ばれています。
主な授与内閣と受賞者の関係は以下のとおりです。
- 福田赳夫内閣:王貞治さん、古賀政男さん
- 中曽根康弘内閣:長谷川一夫さん、植村直己さん、山下泰裕さん、衣笠祥雄さん
- 宇野宗佑内閣・海部俊樹内閣:美空ひばりさん、千代の富士さん
- 宮澤喜一内閣:藤山一郎さん、長谷川町子さん、服部良一さん
- 橋本龍太郎内閣・小渕恵三内閣:渥美清さん、吉田正さん、黒澤明さん
- 森喜朗内閣:高橋尚子さん
- 麻生太郎内閣・鳩山由紀夫内閣:遠藤実さん、森光子さん、森繁久彌さん
- 菅直人内閣:なでしこジャパン
- 野田佳彦内閣:吉田沙保里さん
- 安倍晋三内閣:大鵬幸喜さん、長嶋茂雄さん、松井秀喜さん、伊調馨さん、羽生善治さん、井山裕太さん、羽生結弦さん
- 岸田文雄内閣:国枝慎吾さん
- 高市早苗内閣:髙木美帆さん
特に安倍晋三内閣では、2013年から2018年にかけて複数の受賞者が誕生しています。野球、レスリング、将棋、囲碁、フィギュアスケートと、幅広い分野から選ばれました。
2026年の髙木美帆さんへの授与は、高市早苗首相によるものです。8月4日の表彰式では、首相官邸で表彰状と盾などが贈られました。
ただし、授与した首相が同じだからといって、受賞者の功績や評価の内容が同じというわけではありません。各受賞者について、その時点での業績や社会的な影響が個別に判断されています。
【歴代受賞者ランキングの真相】分野別に見ると何が分かる?
「国民栄誉賞の歴代受賞者ランキング」を調べる人も少なくありません。しかし、国民栄誉賞には公式の順位付けや、受賞者の優劣を決めるランキングは存在しません。
スポーツと芸術、文化では功績の評価方法が異なります。ホームラン数や五輪メダル数を単純に比較して、どの受賞者が最も優れているかを決めることはできないためです。
記録・競技実績で見る代表的な受賞者あえて実績の特徴から整理すると、次のような人物が挙げられます。
- 王貞治さん:国民栄誉賞第1号。通算756本塁打の世界新記録を達成。
- 吉田沙保里さん:レスリングの世界大会13大会連続優勝。
- 伊調馨さん:五輪女子個人種目4連覇。
- 羽生結弦さん:フィギュアスケート男子シングルで五輪2連覇。
- 国枝慎吾さん:車いすテニス四大大会通算50勝と生涯ゴールデンスラム。
- 髙木美帆さん:日本女子選手最多の五輪通算10個のメダル。
歴代受賞者を比較する際は、次の3つの視点で見ると、それぞれの功績の違いが分かりやすくなります。
1. 競技や分野の歴史を変えたか
王貞治さんの本塁打記録、羽生善治さんの永世七冠、伊調馨さんの五輪4連覇など、後世の基準となるような記録を残したかどうかです。
2. 長期的に社会へ影響を与えたか
森光子さんの「放浪記」、長谷川町子さんの「サザエさん」、黒澤明さんの映画作品のように、長年にわたって国民に親しまれ、文化に影響を与えたかという視点です。
3. 社会に希望や勇気をもたらしたか
なでしこジャパンの2011年女子ワールドカップ優勝は、東日本大震災後の日本社会に大きな勇気を与えました。国枝慎吾さんの受賞も、パラスポーツへの認知を広げた点が評価されています。
この3つを踏まえると、国民栄誉賞の価値は単純な成績比較では測れません。異なる分野で、それぞれの時代に大きな希望や感動を届けたことに共通点があります。
【国民栄誉賞の歴代受賞者】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、国民栄誉賞の歴代受賞者は何人ですか?
A1:個人28人、団体1団体の計29例です。2026年8月4日に髙木美帆さんが受賞し、29例目となりました。団体としての受賞は2011年のなでしこジャパンです。
Q2:国民栄誉賞の第1号は誰ですか?
A2:プロ野球選手の王貞治さんです。1977年9月3日に通算756本塁打の世界新記録を達成し、同年9月5日に第1号として国民栄誉賞を受賞しました。
Q3:イチローさんは国民栄誉賞を何回辞退しましたか?
A3:2001年、2004年、2019年の計3回です。現役中は発展途上であることや、引退後も本人の考えを大切にしたいという意向から、いずれも受賞を辞退しています。
Q4:羽生結弦さんと羽生善治さんは同じ国民栄誉賞を受賞していますか?
A4:はい。2人とも2018年に受賞しています。羽生善治さんは将棋界初の永世七冠、羽生結弦さんはフィギュアスケート男子シングルの五輪連覇が評価されました。
Q5:国枝慎吾さんはなぜ国民栄誉賞を受賞したのですか?
A5:車いすテニスの四大大会通算50勝や生涯ゴールデンスラムなど、世界的な実績を残したためです。パラスポーツの社会的認知度を高めたことも評価され、2023年3月17日に受賞しました。
Q6:国民栄誉賞には明確な受賞条件がありますか?
A6:表彰規程には、広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与える顕著な業績があることが目的として定められています。ただし、五輪金メダルの数や世界記録などの一律の数値条件はありません。総理大臣が民間有識者の意見を聞いたうえで判断します。
国民栄誉賞は、1977年の王貞治さんを第1号として、2026年の髙木美帆さんまで、個人28人と団体1団体が受賞してきました。
歴代受賞者には、野球の王貞治さん、長嶋茂雄さん、松井秀喜さん、レスリングの吉田沙保里さん、伊調馨さん、フィギュアスケートの羽生結弦さん、車いすテニスの国枝慎吾さんなど、日本のスポーツ史を代表する人物が並びます。
一方で、美空ひばりさん、黒澤明さん、長谷川町子さん、渥美清さんなど、音楽、映画、漫画、演劇の分野で大きな足跡を残した人物も忘れてはなりません。
また、イチローさんの3度の辞退や、古関裕而さんの遺族による辞退、没後受賞者の存在からは、賞の価値が単なる受賞歴だけでは決まらないことも読み取れます。
【プロの結論】
国民栄誉賞を理解するうえで最も大切なのは、受賞者を順位で評価するのではなく、それぞれが何を成し遂げ、社会にどのような影響を残したのかを見ることです。
2026年の髙木美帆さんの受賞も、五輪メダル10個という数字だけでなく、長年にわたって世界の第一線で努力を続け、日本のスピードスケート界を牽引してきた歩みが評価されたものです。
今後も新たな受賞者が誕生する可能性はあります。歴代受賞者の功績を振り返ることは、日本のスポーツ、芸術、文化が歩んできた歴史を知ることにもつながります。
主な事実確認資料: 内閣府「国民栄誉賞表彰規程・受賞一覧」、首相官邸の2026年7月28日発表・8月4日表彰式記録、日本オリンピック委員会の髙木美帆さん受賞報道、Nippon.comの歴代受賞者・辞退者資料。