あだち充の漫画『MIX(ミックス)』は、名作『タッチ』の舞台となった明青学園を受け継ぐ青春野球漫画だ。上杉達也たちが甲子園で栄光をつかんでから26年後、かつての強豪校としての面影を失った明青学園を舞台に、立花投馬と立花走一郎の兄弟バッテリーが新たな物語を紡いでいく。
2026年11月4日現在、漫画は小学館の月刊誌「ゲッサン」で連載中。単行本の最新刊は、2026年7月10日に発売された第25巻だ。加えて、10月発売の「ゲッサン」11月号には第161話「甲子園…か」が掲載されている。物語は完結しておらず、立花家の人間関係や甲子園への道にも新たな動きが生まれている。
【作品の基本情報】あだち充『MIX』のあらすじと物語の舞台

『MIX』は、漫画家・あだち充が2012年から小学館の「ゲッサン」で連載している野球漫画だ。
物語の舞台は、かつて上杉達也と上杉和也が通った明青学園。『タッチ』では甲子園優勝を成し遂げた伝説の学校だが、『MIX』の時代には野球部のかつての勢いは失われている。
明青学園の栄光を知る世代と、その歴史を受け継ぐ新しい世代。この二つの時間軸が作品の大きな軸になっている。
主人公は、立花投馬と立花走一郎。二人は同じ日に生まれ、親同士の再婚によって兄弟になった。血のつながりはないものの、誕生日が同じという不思議な共通点を持つ。
走一郎は捕手として優れた能力を持ち、投馬は天性の投手としての才能を備えている。二人が明青学園高等部の野球部でバッテリーを組み、再び甲子園を目指すことから物語が動き出す。
野球だけではない青春と家族の物語『MIX』の魅力は、試合の勝敗だけに物語を限定していない点にある。
立花家では、血のつながらない兄弟と妹が同じ屋根の下で暮らしている。そこには家族としての親しさがある一方、思春期特有の遠慮や意識、言葉にできない感情も存在する。
加えて、明青学園野球部の監督を務める大山吾郎の娘・大山春夏や、他校の選手たちも物語に加わる。恋愛、友情、家族の事情、ライバル関係が野球の展開と並行して描かれていく。
あだち充作品らしく、登場人物が自分の気持ちをすべて言葉にするわけではない。何気ない会話や視線、少し長い沈黙に心情が表れる。試合がない場面にも読みどころがあるのは、そのためだ。
【タッチとのつながり】上杉達也は登場する?26年後の明青学園を検証
『MIX』は『タッチ』の正式な世界観を受け継ぐ作品『MIX』と『タッチ』の関係は、単に同じ作者が描いた野球漫画というだけではない。
小学館の公式作品紹介では、『MIX』について「上杉兄弟の伝説から26年」と説明されている。つまり、両作品は同じ世界の歴史を共有している。
『タッチ』は1981年から1986年まで「週刊少年サンデー」で連載された作品。上杉達也、上杉和也、浅倉南を中心に、高校野球と青春、恋愛を描いたあだち充の代表作だ。
一方、『MIX』では、その後の明青学園がどのような歴史を歩み、次の世代がどのように伝説を受け継ぐのかが描かれる。
重要なのは、達也たちを主人公にした物語の単純な続編ではないということ。中心人物はあくまで立花兄弟であり、新しい世代が自分たちの力で明青学園の未来を切り開こうとする物語になっている。
上杉達也が『MIX』に登場したのは本当?上杉達也は、実際に『MIX』の作中に登場している。
2017年3月発売の「ゲッサン」4月号に掲載されたエピソードで、立花投馬が明青学園の甲子園決勝戦の映像を見る場面が描かれた。そこに、投手としてマウンドに立つ上杉達也の姿が登場したのだ。
小学館の公式告知でも、この登場は2012年の連載開始以来初めてのこととして紹介されている。該当エピソードは単行本第11巻に収録された。
この場面には、もう一つ重要な意味がある。
『タッチ』の最終盤では、明青学園が甲子園で優勝したことは示されていたものの、達也が決勝戦で投げる具体的な姿は描かれていなかった。『MIX』は、その空白を映像という形で補完したのである。
ただし、これは現在の物語に達也が主要人物として登場しているという意味ではない。あくまで過去の映像を通した登場だ。
『タッチ』から受け継がれた人物・場所・記憶作品のつながりは達也だけではない。
例えば、勢南高校の監督・西村勇は、『タッチ』では達也のライバルだった人物。『MIX』では次の世代を指導する立場になっている。
また、明青学園という学校そのものが過去の物語を思い起こさせる存在だ。かつての甲子園優勝という実績は、現在の野球部にとって誇りであると同時に、乗り越えるべき歴史でもある。
こうした演出によって、過去作を読んだ人には懐かしさが生まれ、初めて『MIX』を読む人には独立した青春物語としての面白さが残されている。
【登場人物・相関図】立花投馬、走一郎、音美、春夏の関係を整理
『MIX』を理解するうえで欠かせないのが、立花家を中心とした人物関係だ。
特に投馬と走一郎は、同じ誕生日でありながら血のつながらない兄弟という設定が物語の中心にある。加えて、音美と春夏の存在が恋愛や家族のドラマに広がりを与えている。
主要人物の関係一覧| 人物 | 家族・人物関係 | 役割・特徴 | アニメ声優 |
|---|---|---|---|
| 立花投馬 | 英介の実子。走一郎と音美の義理の兄弟 | 右投げ右打ちの投手。主人公 | 梶裕貴 |
| 立花走一郎 | 真弓の実子。投馬の義兄 | 投馬と同じ誕生日で10分早く生まれた捕手 | 内田雄馬 |
| 立花音美 | 走一郎の実妹。投馬の義理の妹 | 明青で人気者。吹奏楽部でフルートを担当 | 内田真礼 |
| 大山春夏 | 野球部監督・大山吾郎の娘 | 新体操選手。投馬たちの関係に関わる重要人物 | 花澤香菜 |
| 立花英介 | 投馬の実父。走一郎と音美の義父 | 明青野球部OB。元投手 | 高木渉 |
| 立花真弓 | 走一郎と音美の実母。投馬の義母 | 英介と再婚し、立花家を支える | 井上喜久子 |
| 大山吾郎 | 春夏の父 | 明青学園野球部監督。英介の同級生 | 楠大典 |
| 西村勇 | 西村拓味の父 | 勢南高校野球部監督。達也のかつてのライバル | 中尾隆聖 |
投馬は幼い頃に実母を亡くしている。走一郎も幼い頃に実父を亡くしており、投馬の父・英介と走一郎の母・真弓が再婚したことで、二人は義理の兄弟になった。
二人は同じ日に生まれたが、走一郎のほうが10分早く生まれている。そのため、走一郎が兄という関係だ。
この設定は、単なる珍しい家族構成ではない。野球でも生活でも互いを理解している一方、実力や考え方の違いから衝突することもある。二人の距離感が、作品の人間ドラマを支えている。
音美と春夏が物語に与える影響音美は走一郎の実妹であり、投馬にとっては義理の妹にあたる。明るく人気者でありながら、家族の微妙な関係や投馬との距離感を考えるうえで重要な人物だ。
一方の春夏は、大山監督の娘。幼い頃に投馬と会っていたという背景を持ち、立花兄弟との関係が注目される。
また、春夏は野球部の監督の娘という立場から、競技面でも明青学園と深く関わる。恋愛だけに限定されない役割を持っている点が特徴的だ。
このように、『MIX』の人物相関図は、血縁関係、義理の家族、野球部の仲間、他校のライバル、恋愛感情が複雑に重なっている。
【2026年最新刊】MIX25巻の発売日と注目の展開
最新25巻は2026年7月10日発売2026年11月4日現在、『MIX』の最新単行本は第25巻。小学館のゲッサン少年サンデーコミックスから、2026年7月10日に発売された。
基本情報は次のとおり。
- 書名:『MIX』25巻
- 発売日:2026年7月10日
- 出版社:小学館
- 判型:新書判
- ページ数:162ページ
- 定価:627円(税込)
- ISBN:978-4-09-854703-6
第25巻で大きな節目となるのが、秋季東京都大会準決勝の結果だ。
明青学園野球部は、勝てば翌春のセンバツ甲子園が大きく近づく重要な試合で、不運なサヨナラ負けを喫する。
加えて、投馬が負傷したことで、甲子園を目指すチームにとって厳しい状況が生まれる。小学館の公式紹介では、投馬を甲子園に連れて行くことが絶望的になったと説明されている。
しかし、25巻の見どころは野球の敗北だけではない。
大会後の秋、立花家に新たな居候が現れる。これまで野球を中心に進んできた物語が、立花家での日常や人物同士の距離感にも焦点を移していく。
試合の緊張感が薄れた時間だからこそ、普段は見えにくかった登場人物の本音や関係性が浮かび上がる。あだち充らしい青春ドラマが強く表れる巻でもある。
26巻の発売日は決まっている?2026年11月4日時点で、小学館から『MIX』26巻の正式な発売日は発表されていない。
過去の刊行間隔から次巻の時期を予想する情報サイトもあるが、出版社の確定情報とは区別する必要がある。
25巻を読み終えた読者が気になるのは、投馬の負傷が今後の野球人生にどう影響するのか、そして明青学園が甲子園への道をどう切り開くのかという点だ。
加えて、春夏や走一郎をはじめとする人物関係の変化も、次巻以降の大きな注目ポイントになる。
【2026年連載・アニメ最新情報】MIXの現在と第2期の続報
漫画はゲッサンで連載継続中『MIX』は2026年11月現在も完結していない。
小学館が公開している「ゲッサン」2026年11月号の目次には、あだち充『MIX』の第161話「甲子園…か」が掲載されている。
同誌の10月号では休載となっていたが、あだち充の公式情報アカウントは11月号での掲載予定を告知していた。その後、実際に11月号の目次で第161話の掲載が確認できる。
つまり、2026年の『MIX』は一時的な休載を挟みながらも連載を継続している状況だ。
連載開始から10年以上が経過しているが、物語はまだ完結に向けた公式発表を出していない。25巻の展開を見る限り、甲子園をめぐる問題も人物関係も、引き続き描かれる余地が残っている。
テレビアニメ第1期・第2期の放送状況『MIX』はテレビアニメ化もされている。
第1期は2019年に放送され、第2期は『MIX MEISEI STORY ~二度目の夏、空の向こうへ~』というタイトルで、2023年4月1日から9月23日まで放送された。第2期は全24話で構成されている。
第2期では、投馬と走一郎が高校2年生となり、2年目の夏に向けて物語が進展。新入生やライバルたちとの関係に加え、音美や春夏をめぐる青春ドラマも描かれた。
特に注目されたのは、『タッチ』を連想させる演出だ。ナレーションは、かつて浅倉南を演じた日髙のり子が担当しており、旧作のファンにとっても懐かしさを感じられるキャスティングになっている。
主要キャストと声優一覧- 立花投馬:梶裕貴
- 立花走一郎:内田雄馬
- 立花音美:内田真礼
- 大山春夏:花澤香菜
- 立花英介:高木渉
- 立花真弓:井上喜久子
- 大山吾郎:楠大典
- 西村勇:中尾隆聖
- 西村拓味:奈良徹
- ナレーション:日髙のり子
アニメーション制作はOLMが担当。監督は神谷智大、シリーズ構成は冨岡淳広、音楽は住友紀人が務めている。
アニメ第3期は制作される?2026年11月4日現在、テレビアニメ第3期の制作決定について、公式サイトで発表された情報は確認できない。
第2期の放送は2023年9月に終了しており、原作漫画はその後も進行している。原作のストックが増えていることと、アニメの続編制作が正式に決定することは別の話だ。
したがって、現段階では「第3期決定」や「放送時期確定」といった情報を事実として扱うことはできない。新シリーズの情報を知りたい場合は、テレビアニメ公式サイトや読売テレビ、小学館からの発表を確認するのが確実だ。
【作品の魅力と評判】なぜMIXはタッチ世代にも支持されるのか
懐かしさと新鮮さが共存する世界観『MIX』の大きな強みは、『タッチ』の世界を受け継ぎながら、新しい主人公たちの物語として成立していることだ。
過去作を知っている読者にとって、明青学園という名前や上杉達也の記憶は特別な意味を持つ。しかし、作品の中心はあくまで立花兄弟の現在だ。
昔の登場人物を次々に登場させて懐かしさだけを演出するのではなく、過去の栄光が現在の高校生にどのような影響を与えるのかを描いている。
これは、長く続くシリーズ作品として重要なバランスだ。過去作への敬意を示しつつ、新しい読者にも物語への入り口を用意している。
あだち充ならではの「間」と日常描写もう一つの魅力は、試合の描写と日常の描写の配分にある。
一般的な野球漫画では、強豪校との対戦や大会の勝敗が物語の中心になりやすい。一方、『MIX』では試合と試合の間にある日常生活にも多くのページが割かれている。
食事、登下校、家族との会話、何気ない冗談。そうした場面の積み重ねによって、登場人物の性格や人間関係が少しずつ変化していく。
特に、投馬と走一郎の兄弟関係や、走一郎と春夏の距離感などは、明確な言葉で説明されない部分に読みどころがある。
読者に想像させる余白を残すことが、あだち充の漫画表現の特徴だ。
読者レビューから見る評価読者の評価を確認すると、作品の魅力として青春の雰囲気、登場人物の関係性、過去作とのつながりなどが挙げられている。
例えば、電子書籍ストアのコミックシーモアでは、作品全体のレビュー評価が4.2点(5点満点・212件)、BookLiveでは25巻のレビュー評価が4.3点(5点満点・20件)となっている。いずれも確認時点の掲載表示であり、評価や件数は変動する。
一方、25巻の感想には、大会後の日常描写を楽しむ声がある反面、野球の試合をもっと読みたいという期待も見られる。
この評価の分かれ方は、作品の特徴をよく表している。
『MIX』は、野球の勝敗だけを追いかける漫画ではない。登場人物が互いを意識しながらも、なかなか関係を進展させない時間そのものを楽しむ作品でもある。
『MIX』がおすすめできる人・できない人おすすめできる人
- 『タッチ』の明青学園や上杉達也の世界観が好きな人
- 高校野球と青春恋愛を同時に楽しみたい人
- 血のつながらない兄弟や家族の関係に興味がある人
- 会話の余白や繊細な心理描写を楽しめる人
- 派手な試合だけでなく、登場人物の日常も読みたい人
好みが分かれやすい人
- 毎巻必ず大規模な試合展開を期待する人
- 短い期間で恋愛関係が明確に進展する作品を求める人
- テンポの速いスポーツ漫画を最優先にしている人
- 『タッチ』の達也を主人公にした直接的な続編を期待している人
この違いを理解して読むと、作品に対する期待とのずれを減らせる。
【よくある質問】あだち充『MIX』に関するFAQ
Q1:『MIX』は『タッチ』の続編ですか?
A1:同じ世界観を共有する作品で、上杉兄弟の伝説から26年後の明青学園が舞台です。ただし、主人公は上杉達也ではなく立花投馬と走一郎です。
Q2:『MIX』に上杉達也は登場しますか?
A2:登場します。2017年の「ゲッサン」掲載回で、投馬が見ている甲子園決勝戦の映像に達也の投球シーンが描かれました。ただし、現在の物語に本人が主要人物として登場しているわけではありません。
Q3:『MIX』の最新刊は何巻ですか?
A3:2026年11月4日時点では25巻です。2026年7月10日に小学館から発売されました。
Q4:『MIX』は完結していますか?
A4:完結していません。2026年10月発売の「ゲッサン」11月号に第161話が掲載されており、連載は継続しています。
Q5:『MIX』のアニメ第2期はありますか?
A5:あります。2023年4月から9月まで全24話が放送されました。2026年11月4日時点では第3期の制作決定は公式発表されていません。
あだち充の『MIX』は、『タッチ』の明青学園を舞台にしながら、立花投馬と走一郎という新しい主人公たちの青春を描いた作品だ。
上杉達也の伝説から26年後という設定は、過去作のファンにとって大きな魅力となっている。しかし、作品の本質は懐かしさだけではない。かつての栄光を背負った学校で、新しい世代が自分たちの力で未来を切り開こうとする姿にある。
2026年の最新刊は25巻。秋季大会での敗北と投馬の負傷、立花家に現れた新たな居候など、物語は野球と日常の両面で新たな局面を迎えている。
また、ゲッサン11月号では第161話が掲載されており、漫画の連載は現在も続いている。26巻の発売日やアニメ第3期については、今後の公式発表が待たれる状況だ。
『MIX』を読む際に最も大切なのは、『タッチ』の再現を期待するのではなく、明青学園という同じ場所で始まった新しい青春を楽しむこと。
過去の伝説を知っているからこそ気づく細かなつながりと、投馬たちの世代だけが持つ新鮮な人間ドラマ。その二つが重なり合うことこそ、『MIX』が長期連載を続ける作品として持つ大きな魅力である。
主な事実確認資料: 小学館「ゲッサンWEB」作品紹介・25巻発売告知・2026年11月号目次、テレビアニメ『MIX』公式キャラクター・キャスト情報、電子書籍ストアの読者レビューなど。